戦後・被爆80年「平和を考える集い」を開催
連合北海道は9月25日、戦後・被爆80年の節目に合わせ、「平和を考える集い」を札幌市内で開催し、約250人が参加した。
冒頭、主催者挨拶にたった須間 等会長は、「連合は、平和なくして労働運動なしの信念のもと、働く者の立場から平和を希求している。平和な社会をめざし、ともに行動していこう。」と述べた。
第一部講演として、核兵器廃絶を訴える一般社団法人「かたわら」の代表理事を務める高橋悠太さんが登壇し講演を行った。高橋さんは自ら、「核廃絶ネゴシエーター(交渉人)」と名乗り、核に関わる政策提言や学校での講演などを行っている。これまで100人を超える被爆者の方々と出会ったといい、「私たちはあの日を見たわけではないので、被爆者にはなれない。ただ、彼らの言葉を残したり、それを世界に伝えることはできる。被爆者の記憶を世界の記憶にしなければならない。」と訴えた。
また、世界に残存するとされる1万2千発超の核兵器を「音」で体験してもらおうと、1万2千個のBB弾が落ちる音を、マイクを通し会場に響かせた。参加者からは「世界にどれだけ核兵器があるか数字では学んでいたが、音で聞いてみるといかに恐ろしいことかということが身にしみた。」との声が聞かれた。最後に高橋さんは、「被爆者の記憶だけでなく、被爆者と出会った記憶を伝えたい。それを通して、平和を作る人を育てることが私の使命。」と語った。
続いて、第13代北海道高校生平和大使の立命館慶祥高校2年・岩山心咲さんと札幌日本大学高校1年・山岸莉音さんより、核兵器廃絶を求める高校生一万人署名や国連欧州派遣についての活動報告がされた。2人は欧州派遣を通し「各国間で信頼し対話できる関係が築かれて初めて、核兵器廃絶という大きな目標に対して議論を進めることができる。自分と意見が異なる相手とも対話することを心がけ、それによって信頼関係を築くことこそが、はじめの一歩となると学んだ。」と話した。
第二部講演として、情報労連北海道協議会の中川裕美子事務局次長より、樺太・北海道における終戦後の史実として、南樺太の真岡郵便局で起きた若い女性電話交換手たちの集団自決事件や、樺太からの引き揚げ者を乗せた3隻の船がソ連の潜水艦に攻撃され多数の犠牲者を出した事件について説明がされた。中川さんは参加者に向け「恒久平和の実現というのは、今生きている我々にしかできないことであり、我々の使命。平和は当たり前ではなく、自分たちで作り、育てていかなければならない。本日をきっかけに、ご家族や職場の方々と一緒に平和について考えていただきたい。」と呼びかけ、講演を締めくくった。
連合北海道は、今後もこうした講演会などを開催し、平和で民主的な社会の実現に向け、組織の総力をあげて運動を展開していく。