公益通報に対する懲戒解雇を許さず、組合員を守るべく闘う談話

2025年6月20日
日本労働組合総連合会北海道連合会
事務局長 和田英浩

6月19日、学校法人 三幸学園(東京都)が経営する札幌市の専門学校が、幼稚園教諭免許に必要な単位認定試験のうち、約8割に当たる試験で模範解答の持ち込みと丸写しによる単位取得を認めていた問題で、文部科学省が「ありえない運用。極めて不適切」と改善を指導し、18日付けで学校法人側は模範解答の持ち込みの禁止を発表したと報道された。

これは、この専門学校の教師が、「試験の形骸化により、命をも守る幼児教育という重要な職場の教諭となる学生に必要な専門知識を教える事が出来ず、学生の教育を受ける権利を奪っている」とし、再三にわたり法人に対し改善を訴えたものの根本的な対応がなされず、「報道機関に報じてもらうほかに改善方法はない」と報道機関に情報を提供し、本年2月21日に一部の新聞や民放により報道されたことによる。

しかし、教師は、この告発を理由に5月31日付けで懲戒解雇された。教師の代理人弁護士(ユナイテッドコモンズ法律事務所)は、同校の対応は告発者への報復的行為を禁じる公益通報者保護法の趣旨に反するとしている。

教師は連合北海道地域ユニオンの個人加盟の組合員でもある。
模範解答の持ち込みと丸写しによる単位取得について、子どもの教育を受ける権利としての「公益」の観点から団体交渉項目とすべく準備を行っていた。

連合北海道は、教師・組合員の告発により、子どもの教育を受ける権利としての「公益」が守られた事を評価する。
一方、この告発を理由とする懲戒解雇については断固抗議する。

今後、教師・組合員の解雇無効を求める裁判闘争が始まる。連合北海道は「公益」を守るために、この裁判闘争を全面的に支援し、組合員を守るべく闘う。

以上

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