北海道新幹線の札幌延伸に関する事務局長談話

1.国土交通省は26日、整備新幹線未着工3区間について、年度内にも認可することを決定した。これにより、道内経済界や札幌市などが永年の悲願としてきた北海道新幹線の札幌延伸は、実現に向けて大きく動き出した。財源についてはJRが国側に支払う施設利用料を活用することや、並行在来線の経営分離問題でも沿線全15市町がすべて同意するなど、着工に必要な5条件はクリアする見通しとされている。

2.3区間の総事業費は3兆100億円で、北海道新幹線分は1兆6,700億円と見込まれている。国と道内自治体の負担は1兆1,300億円程度で、全国新幹線鉄道整備法に基づき、建設費の3分の1を地元が負担するが、実質的に道の負担は約2,100億円程度とされている。
しかし、危機的な財政状態にある道が、地元負担分をどのように捻出し、並行在来線に代わる第3セクターの設立・運営について、「主体的」にどう関わるのか判然としない。沿線自治体や地域住民の懸念に対して道は丁寧に説明し、対話と協議を尽くす必要がある。

3.全国的な高速鉄道網の整備や幹線交通の多重化という観点から、札幌延伸の意義は大きく、物流や交流人口の拡大による経済効果が期待される。
他方、JRや地方バス、トラックや鉄道貨物、フェリーや貨物航路など、本道の旅客や貨物輸送を担う事業者は、厳しい経営を強いられながらも、道民生活と産業にとって不可欠な公共交通を支えている。広域な北海道において地域の生活路線や物流ルートを確保し、札幌への一極集中ではなく均衡の取れた地域社会を形成するため、これらの地域公共交通の維持は極めて重要である。

4.経済や雇用の低迷が続く本道において、新幹線の札幌延伸が地域に活力をもたらすためにも、地域の公共交通網と一体となった総合的な交通体系のもとで、道内各界・各層の知恵を結集した地域活性化のビジョンが求められる。そのために道は、札幌や函館との連携を強めるとともに、新幹線沿線自治体をはじめ道内全域の市町村との信頼構築に努め、関係者との協議を積み重ねていく必要がある。
連合北海道は引き続き、新幹線整備をはじめ地域交通政策などの政策課題について、安心・安全の地域づくりの視点から政策提言と道民運動を行っていく。

以 上