2026年度 道政に対する「要求と提言」北海道との意見交換を実施
【連合北海道・政策情報No.14(2025年10 月27日)】

藤田雇用労政課長の挨拶
冒頭、道経済部の藤田栄一郎雇用労政課長は「本道においては、賃上げの動きが広まる一方で、人口減少や少子高齢化の進行に加え、雇用のミスマッチがあり、様々な業種で人材不足が深刻化している。人材確保が重要な課題となっているほか、物価高の長期化などが道民の暮らしに大きな影響を与えていると認識している。道としては、企業間取引の適正化や企業の生産性の向上の促進、伴走型の経営相談を進めるとともに、女性や高齢者の労働参加の支援、人手不足が深刻な業種への労働移動の促進などといった地域の産業を支える人材確保や働き方改革の推進などに取り組んでいる。そのほか、本年4月には北海道カスタマーハラスメント防止条例を施行したところであり、この条例のもと、カスハラの相談体制の整備や普及啓発など労働者が安心して働くことができる環境づくりを進めている。本日の意見交換の場において、雇用対策をはじめ、道政全般に渡って忌憚のない意見をいただき、今後の道の施策を検討するうえでの参考とさせていただきたい」と挨拶した。

和田事務局長の挨拶
次に、連合北海道の和田英浩事務局長は「北海道庁への要請内容については、連合北海道の組合員23万人の声を吸い上げて道内の身近な課題や、共有できる地域課題について提言させていただいている。先日の全国自治体病院協議会の報告によれば、全国の自治体病院の86%が2024年度の決算で赤字だったという。道内においても、札幌・旭川などの都市部を除けば、個人病院も少なく、公立病院が地域医療を支えているものの赤字経営の公立病院が多く存在している。道内の公立病院の存続をどのように図っていくのかについては、国だけに求めていても早期解決には至らないことから、北海道知事のリーダーシップによりこの問題を解決していかなければならないと考える。こういった視点での課題を数多く要望させていただいている。その内のひとつでも多く、道民や市民・町民・村民のための政策に繋がっていけるよう前向きな意見交換を行いたい」と挨拶した。

意見交換の様子
意見交換の場においては、連合北海道の永田総合政策局長が、①ラピダス社進出に伴う半導体工場の有機フッ素化合物や処理水の問題をはじめ、労働環境、人材確保、交通、住まいの確保について指摘したほか、②道の「物価高緊急経済対策」、③外国人労働者受け入れ企業に対する労働法令遵守・支援、④非正規雇用労働者の正規化促進、⑤再エネ立地における地域住民への説明・同意に向けた体制づくり、⑥電化によるスマート農業等の推進、⑦新規就農促進、⑧バス事業所への経費助成、⑨バス運転手の確保、⑩「国鉄清算事業団債務等処理法」の延長、⑪「交通空白」の解消、⑫物流輸送の省力化・効率化とモーダルシフトの周知徹底、⑬地方交付税の算定方法、⑭「地方創生交付金」事業の選択要件や運用条件の緩和、⑮介護職員の処遇改善による人材確保、⑯医療従事者の処遇改善とリファラル採用・オンライン採用の導入、⑰保育士の処遇改善加算の対象事業範囲や保育士の配置基準の見直し、⑱学童保育職員の処遇改善と開所・閉所時間の見直し、⑲「こども誰でも通園制度」の受け皿の確保、⑳訪問介護職員へのハラスメント防止、㉑介護職員の処遇改善や教育訓練給付制度の研修費用の負担軽減、㉒生活困窮者世帯の子どもを取り巻く課題への支援状況、㉓病児・病後児保育の体制整備、㉔「北海道医療計画」に基づく病院経営の改善計画や「病床数適正化支援事業」に伴う国への要求内容㉕ICT支援員の効果的配置など多岐にわたる地域課題について再要請し、意見交換を行った。


