2025年度北海道地方最低賃金改定に関する談話
日本労働組合総連合会北海道連合会
事務局長 和田 英浩
2025年度北海道地方最低賃金審議会は8月8日、2025年度北海道の最低賃金を65円引き上げ1,075円に改訂し、10月4日から発効することで結審した。
本年度の改正審議は、2025春季生活闘争で昨年を上回る水準の賃上げだったことや消費者物価指数が全国平均より上昇していること、さらには北海道の景況を示す指標が全国と同等あるいはやや高い水準となっていること、地域間格差是正などを踏まえ、真摯に議論をした結果と受け止める。また、目安伝達が例年より遅れた中で、早期発効に向けて審議が行われたことについては率直に評価したい。
本年度、中央最低賃金審議会では、地域別最低賃金の改定目安額についてA・ Bランクが63円、Cランクが64円と初めて下位ランクが上位ランクの金額を上回った中で、北海道でも本格的な金額審議が行われた。
北海道地方最低賃金審議会専門部会で労働者側委員は、民間のパート アルバイト等の募集平均時給が1,100円未満では少数であること、住居費を除く生活コストが首都圏と同等であること、最低賃金近傍で働く者に大きく影響を与える食料品の物価が上昇していること、前年の改正状況では北海道より金額が低い県の76%強が目安を上回り地域間額差を含めた改正が行われていることなどを主張し、北海道においても目安額以上での改定を求めてきた。
過去最高額となる目安にプラス2円での結審は、影響率が全国平均より高い傾向にある北海道において、最低賃金改定による底上げが何より重要であり、全労働者の4人に1人以上が改善されることは評価できる。
連合北海道は、労働者が安心して生活ができる社会の実現、とりわけ労働組合に加盟していない労働者を含めた社会全体の賃金の引き上げに向けて、今後もあらゆる機会を通じて企業間取引における価格転嫁の重要性を訴え続けるとともに、企業における各種助成制度の活用を拡大するためのさらなる情報発信や制度の見直しなども求め続け、9月から始まる特定(産業別)最低賃金の引き上げについても全力を挙げて取り組んでいく。