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2013春季生活闘争・当面の取り組み(その4)
T 最近の特徴的な動き
1.取り巻く情勢について
 4月2日に日銀短観が発表された。業況判断D.I.の「最近」をみると、大企業は製造業・非製造業ともに改善した。中小企業では、製造業が1ポイント悪化したが、非製造業は改善している。「先行き」については、大企業の製造業・非製造業、中小企業の製造業で改善が見込まれている。中小企業の非製造業は横ばいの見通しであるが、先行きの変化幅が0というのは異例のことであり(2006年3月短観の「+1」以来)、堅調な結果と受け止められる。2013年度設備投資額の変化幅も好調さを示している。
 厚生労働省が3月29日に発表した2月の雇用失業情勢によれば、完全失業率(季節調整値)は4.3%で前月比0.1ポイント悪化したが、完全失業者数(原数値)は277万人と前年同月比では12万人減少している。

2.春季生活闘争の取り組み状況について
 連合は4月2日に「共闘推進集会」を開催し、3月末までの回答引き出し状況を共有化すると同時に、今後交渉を進めていく中小の組合においても賃金の上げ幅よりも絶対水準を意識し、未解決組合は徹底した労使の論議を進めつつ、1日も早い解決に向けて闘うことを確認した。
 日銀は4月4日の金融政策決定会合において、新たな金融緩和の枠組みを導入するとともに、追加緩和策を発表した。日銀の新体制は「期待に働きかける」姿勢を鮮明にし、株式市場、為替市場は即時に反応した。実体経済への影響は未知数ではあるが、日銀短観の「先行き」D.I.も改善してきている。
 これからの交渉の中心は中小組合であるが、「技能・技術の伝承を含め人財の確保が成長には不可欠である」ことを強く訴え、経済環境の変化も交渉に活かしつつ、労働条件の改善を求める闘争を展開していく。

3.回答状況について
(1)3月末までの回答引き出し状況の概要は、要求提出は5,356組合、妥結2,087組合で、進捗率は65.0%・32.4%である。昨年をそれぞれ4.1ポイント・0.7ポイント上回っており、前倒しの取り組みを進めた結果が現れている。
   月例賃金の引上げについて、平均方式で昨年と比較が可能な1,456組合の回答は5,291円(1.81%)で、前年比+51円となっている。前年を上回る回答を引き出せたことは、「人」への投資を訴え組合員の努力協力に報いる分配を求めた交渉の結果であり、一定の評価ができる。
   中小組合の回答・妥結内容の細部を見てみると、約半数の組合が4,500円以上を確保している。また、妥結した組合の65%以上が前年以上の金額を獲得している状況である。
   一時金の年間分の月数回答は4.62月(昨年比+0.19月)、金額回答は1,527,163円(同+72,088円)と、いずれも昨年比プラスとなっている。しかし実際には産業ごと、あるいは同一産業内でも企業によりばらつきがある。
(2)非正規労働者の賃金引上げについて、時給は単純平均17.16円の引上げとなり、前年同期比1.32円のプラスとなった。今年から集計している嘱託等月額で報酬が決定されている非正規労働者の賃金引上げは、単純平均3,302円であった。
   なお、4月1日に開催した非正規共闘担当者会議において、各組織における非正規労働者に関する2012年9月1日から2013年4月末日までの取り組みの詳細を集約し、改めて情報交流を図ることを確認した。

U 北海道の取り組み経過、情勢
1.道内直近の経済情勢
 4月15日、北海道経産局は、今年4月の経済概況判断を「持ち直しの動きがみられる」と公表し、前月から上方修正した。主要項目では、生産活動は「持ち直しの動き」に改善され、雇用動向は、3ヶ月連続で「緩やかながら改善している」、観光、住宅建設、民間設備投資は、「持ち直している」又は「持ち直しの動き」となった。一方、公共工事は、2ヶ月連続で前年を上回っているが、「横ばい傾向」とされ、震災の復興工事に職人が流れ人材不足が懸念される。
 全体としては改善傾向が示されており、特に、観光関連の来道客数は、円安効果から、香港、韓国を中心とした東アジアからの観光客が回復し、タイ直行便の就航による客足も伸びている。
 また、北海道新幹線関連の工事が増加し公共投資や設備投資、生産などで判断が引き上げられた。その一方で、原油高とそれに伴う原材料高の影響で、素材業種の鉄鋼、非鉄金属や繊維なども悪化している。加えて、個人消費が、ガソリン、灯油価格の高止まりや悪天候が響き、「横ばい傾向」とされ、交通・小売・サービス産業等への影響も懸念されている。
 これらの事情により、先行きについては、中小企業では円安による原材料高騰により、今後、大企業との間に景況感の格差が生じる可能性もあり注視していく必要がある。

2.道内直近の雇用情勢
 3月27日、北海道労働局発表による2月の有効求人倍率は、0.65倍(前年同月0.54倍)と、前年同月を0.11ポイント、37ヶ月連続で前年同月を上回り、道内の雇用情勢は、「一部先行き不透明ではあるが、持ち直しの動きを続けている」と発表されたが、全国の有効求人倍率0.83倍を大きく下回っている。
 道内総求人数の40%を占める札幌市内3署(札幌、東、北)平均では0.67倍となっているが、新規求人数27,439人中29.7%がパート求人、新規求職者26,301人中65.2%が44歳以下の若年者となっていることなどから、依然として道内の雇用情勢は、全国と対比しても厳しい中で推移しているといえる。 
 また、新規高卒者の就職内定については、「2月末現在で87.3(昨年3月末88.0%)。前年同期を7.0ポイント上回り、過去10年間で最高水準」と発表された。しかし、就職希望者が12月調査では8,851人、2月末求職者数では8,229人へと622人が求職者数から減っていることから、専門学校や大学への進学に切り替えられたとも考えられる。今春の新規高卒の現段階の就職未内定者は1,047人となっており、専門学校や大学卒業者の就職状況把握を含め、未内定者の就職対策に引き続き全力をあげることとする。

3.道内の妥結状況
 4月17日までに妥結した組合は、エントリー327組合中86組合で、その内集計可能な63組合38,897人における要求額加重平均は6,325円(2.48%)であり、回答妥結額は4,857円(1.87%)となっている。昨年同期(82組合・51,517人)の妥結金額は4,662円(1.77%)となっていたことから、昨年を195円(+0.10%)上回って推移している。
一時金については、4月17日までに58組合から報告があった。年間要求方式での平均妥結額は、855,552円(4.26ヶ月)となっており、昨年比では金額で62,668円下回っているが、月数では、0.12ヶ月上回っている。半期要求方式では、夏季が390,705円(2.14ヶ月)、冬季が535,881円(2.21ヶ月)となっている。
 産別の傾向としては、UAゼンセンの4組合で報告があり、年間要求月数3.0〜4.36ヶ月をほぼ確保して妥結している。自動車総連7組合では、昨年を上回った組合が4組合、昨年維持が3組合となっている。電力総連は10組合で報告があったが、年間方式で妥結した組合は4組合で、他は夏季のみの妥結となっている。私鉄総連の集団交渉12組合は現行協定(昨年同月数)通りで妥結しており、運輸労連9組合では、5組合が昨年を上回って妥結、2組合が昨年を維持、2組合が昨年を割り込んで決着している。
 また、ハイ・タク部門においては、燃料の高騰、歩合給、配分率の問題などから交渉の長期化が予想され厳しい環境での取り組みとなっている。
 今日段階での妥結金額は、昨年を上回り健闘しているが、地域ユニオンをはじめとする中小組合の妥結報告が遅れ気味となっていることから、中小組合解決促進集会などを開催し、今後予定される地場・中小へ反映させるべく産別・単組の連携強化、地域の取り組みへの総結集を図ることとする。
 また、連合北海道・闘争委員会として提起しているとおり、遅くとも4月末までに北海道におけるエントリー登録している327組合の賃金交渉を終え、道内未組織やパート・非正規労働者への賃金・労働条件改善に向けた環境作りに努力していくこととする。
 なお、5月以降に妥結が予定されている組合に対しても、引き続き、各産別・単組・地協と連携を図りながら、波及効果に向けた取り組みを粘り強く求めていく。

V.今後の闘争推進について
1.本部の取り組み
(1)中小労組を中心とする中小共闘・地場共闘の推進
 4月に入り交渉の中心は中小労組に移っている。第12回中小労働委員会(4月2日)は、4月8〜12日を「中小組合集中解決ゾーン」、22〜26日を「解決促進ゾーン」として、全ての組合の解決を目指すことを確認するとともに、3月末までの回答状況を踏まえ妥結ミニマム基準を設定した。

妥結ミニマム基準
(1) 賃金カーブ維持相当分(定期昇給相当分)を妥結ミニマム基準とする。賃金カーブ維持相当分(定期昇給相当分)が著しく低い、または、賃金カーブ維持相当分(定期昇給相当分)の算定が困難な組合については、4,500円以上とする。
(2) (1)が困難な場合、少なくとも前年実績を確保する。
 改めて、中小企業においてこそ「人」への投資が重要であることを強く主張し、妥結ミニマム基準を踏まえた回答の引き出しを目指す。また、連合本部および構成組織、地方連合会は中小労組への支援を一層強化していく。
 地場共闘については、すでに47地方連合会が機関設置を2月中に完了した。地方連合会は連合本部と十分連携しつつ、地場共闘機関に参加する組織間の情報共有強化を通じて地域における相場形成と波及に役割を果たし、要求・回答状況を定期的に本部に報告する。

(2)非正規労働者等の処遇改善に向けた取り組み
 連合は非正規労働者の賃金改定について組合員と同時期の決着を方針に掲げたが、今後回答を引き出す組合も相当数に上ると予想される。組合員の賃上げ状況や地域別最低賃金の引上げ(10月以降)を考慮した引上げにつながるよう、連合本部および構成組織、地方連合会は単組への支援を強化する。

2.北海道の取り組み
 道内の妥結状況は前述のとおりであるが、とりわけ組合員100人〜299人の中小企業に限っての集計では、前年を大きく上回る闘いが続いている一方で、組合員99人以下の組合においては、前年を下回って推移しており、引き続き闘いへの波及効果を反映させる必要がある。道内の多くの企業は中小企業であり、現在、闘いの佳境を迎えている。
 連合北海道・闘争委員会は、エントリー登録(4月22日現在)している327組合(20産別、6地協)の賃金交渉を促進し、4月末を基本に回答を引き出し、決着を図るよう再発信する。なお、5月連休明け以降の妥結・回答となる単組に対しても、引き続き支援体制を続けていく。
(1)ミニマム運動課題<当面の取り組み(その3)の再掲>
 (a) 賃金カーブ維持分(定昇)の確保
 (b) 賃金の復元と格差是正を含めた給与総額の1%引き上げ
 (c) 1歳1年間差水準4,500円の引き上げ
 (d) パート等非正規労働者の「時給1,000円」への引き上げ
 (e) 大企業と中小企業の規模間賃金格差の解消
 (f) 男女間賃金格差の是正、均衡・均等待遇の実現
 (g) 正社員化を含めた非正規労働者の処遇改善
 (h) 改正重要労働関係法(労働契約法・高年齢者雇用安定法・労働者派遣法)の遵守
 (i) 企業内最低賃金の締結
 (j) 総実労働時間縮減と割増率の引き上げ
などについて、全体確認し、要求の実現をめざす。

(2)波及効果に向けた「情報の共有化」
  連合北海道闘争本部は、この間、エントリー登録組合の妥結結果を、「春季生活闘争情報」として、12号(4月17日現在)を発行し、後続組合への波及効果に向けた情報発信に努めてきた。
 引き続き、各産別は、妥結単組の報告を速やかに行うよう再度徹底する。

(3)「非正規労働者(パートタイム等)に係る待遇改善・組織化調査票」の取り組み
 「職場から始めよう運動」の取り組みと連動し、調査票の取り組みを展開してきた。現段階の集約状況は、25産別5地協154単組(218枚)から報告があり、この3年間で一番多い集約状況となっている。引き続き、未提出の単組、地協からの報告を促すこととする。
 現段階における調査結果を参考にしながら、各産別・単組、地協において議論を展開し、(a)労働条件改善に向けた取り組み、(b)組織化の取り組みなどを通じて、非正規労働者の処遇改善好事例や組織化の取り組みを進めていくこととする。
 当面、5月の産業別部門連絡会や中小・パート労働条件委員会並びに、各構成産別・単組、地協・地区連合の機関会議などを通じて議論を深めていくこととする。

(4)「公契約条例制定・公共サービスのあり方」等の具体化の取り組み
 札幌市が道内初の制定を目指していた「公契約条例案」が昨年2月の市議会に提案され、継続審議となっていたが、本年2月の市議会においても採択されずに再度継続審議となった。
 この間、札幌弁護士会が中心となって、昨年2月に「札幌市公契約条例の制定を求める会(計8団体)」を設立し、札幌市長・市議会各会派要請、街頭宣伝行動、市民集会を開催し、労働者に適正な賃金を確保することを定めた条例制定を実現するよう求めてきた。
 この間、札幌市は、昨年4月以降施行の業務等の入札制度を改善し、落札率がアップされ、また、業界団体の要望を受け、昨年5月以降、「モデル事業」を行い、検証するための協議機関を設置するなど、条例可決に向けて取り組んできた。加えて、本年4月からは、地元建設業者の受注機会の確保や総合評価落札方針の改正、複数年契約の実施(ビルメンテナンス・3年契約)など入札制度の改善を行ってきた。
 当初、昨年12月の市議会で、公明党が求めた経済安定化の視点を盛り込む修正要求に市も合意し、可決へ前進したように見えたが、同条例が適用される建設、清掃、警備などの業界団体は、「経営を圧迫する」との警戒感を理由に反対。これを受けて、自民、公明など野党各党が慎重姿勢を崩さなかったことが継続審議の背景にある。
 引き続き、札幌地区連合と連携を図りながら、条例可決に向けた取り組みを展開していく。

W.運動の両輪としての政策・制度の実現
1.本部の取り組み
 すべての労働者を対象にした生活改善・格差是正をめざし、「2013年度 政策・制度実現の取り組み方針(その3)」(第19回中央執行委員会(4月11日))に基づいた運動を展開する。
 連合本部は、「『STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現』キャンペーン」の一環として、まず2013年度予算案審議のヤマ場と想定される4月下旬を「第一のターゲット」とし、雇用と生活の改善につながらない政府予算案の問題点と、労働規制の緩和など、働く者の犠牲の上に国や企業の成長戦略を描く与党の問題点を浮き彫りにし、働く者の声を反映させた政策転換を図っていく。さらに、国会会期末に向けた6月上旬の「第二のターゲット」における運動の展開につなげていく。
2.北海道の取り組み
(1)STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャラバンの取り組み
【資料1】
(2)5.28「解雇の自由化」に断固反対する緊急集会の開催
【資料2】

X.今後の日程
1.第3回産業別部門連絡会
 金属・機械部門        4月24日(水)16:00〜/連合北海道会議室
 資源・化学・エネルギー部門  5月08日(水)16:00〜/苫小牧王子製紙組合会議室
 流通・食品・建設・一般部門  5月08日(水)10:00〜/連合北海道会議室
 交通・運輸部門     5月10日(金)13:30〜/連合北海道会議室
 情報・サービス部門    5月07日(火)16:00〜/連合北海道会議室

2.第4回中小・パート労働条件委員会
 日 時  5月下旬〜6月上旬
 会 場  連合北海道会議室

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