2010.02.01
         新卒就職支援、雇用維持・創出全道キャンペーン始まる

雇用維持・創出全道キャンペーン(函館)
 新規学卒者就職支援、雇用の維持・創出全道キャンペーンの取り組みが全道のトップを切って1月29日函館において行われた。
 本年における新規学卒者の就職支援と雇用環境の改善に向けた取り組みとして位置づけられた取り組みは、連合北海道と地区連合が一体となって進められたもので、函館においては渡島支庁・経済団体・函館市・ふるさと雇用再生特別基金委託事業所等々を対象に、ヒアリングを基本に具体的展開が行われた。

 厳しい北海道の中でも、第一次産業と中小企業、更には観光事業が中心の道南においての雇用環境はより一層厳しいものであり、どこに行っても苦しい現状が訴えられた。
 様々な施策が打たれているものの、現実は十分に生かされていないものもあり、担当する人的配置も苦しい中では思うように手が回らない現実や、積極的に要請行動を展開しても、受け止める企業は新規採用よりも現行の雇用環境の維持を基本としているギャップや様々な制度の使いづらさ、手続きの複雑さが見受けられるとの声も上がっていた。

 また、行政としても知恵を絞りながら将来に結び付く施策を打ってはいるものの、国政における事業仕訳で予算削減させられた現実の厳しさに悩んでいる現状も明らかとなった。
 道南における管内企業への就職内定率は42%にとどまっており、新卒採用企業に対する補助金交付制度を設けて対策は講じているものの思うように成果が上がらない現実。
 また、今年度は道内・道外からの求人も低迷しており、特に道外からの求人について昨年と比して42.9%減少するなど、働きたくても働く場所を見つけることの難しさも明らかとなった。

 経済団体を訪問した際には、役員の口からは「今の道南は危機的な状況に陥っている。自己防衛意識が強い。変化させるための努力と対策は積み重ねているが、企業側も気持ちのデフレでは」との表現がされるなど、企業の側に余裕がなければ何をやっても難しい状況であり、様々なメニューが生かし切れていない状況から早く脱皮をしなければとの切ない思いを受け止める内容であった。

 今回の行動の展開は、厳しい現実の中でもそれぞれが任務をいかに全うし、新政権に対する期待感を持ちつつ閉塞感の中で手をこまねいているのではなく、何かをしなればならないことの重要性と、現実の厳しさを改めて痛感した取り組みでもあった。


                                                      以 上