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資料:連合北海道第33回年次大会2号議案−2020春季生活闘争のまとめ
1.はじめに
(1)まとめにあたって、第76回地方委員会(2020.6.17開催)で確認された「中間まとめ」に補強意見及び以降の最終集計結果や審議会経過を加筆し作成した。

(2)2020春季生活闘争において、「経済の自律的成長」「社会の持続性」を実現するためにも、分配構造の転換に取り組む闘争であるが、本年は、連合結成以来、経験したことのない交渉環境下の中で行われた。これまでに引き出された回答は、組合要求との隔たりはあるものの、概ねここ数年の賃上げの流れを引き継いだものであり、現下の厳しい状況の中、組合員の努力と日本経済に対する労使の責任と期待に応えるべく、ぎりぎりまで協議・交渉を追い上げた結果であると受け止める。一方で、4月以降本格化した中小組合の交渉には、政府による「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」の発出により、交渉環境を維持することが難しい状況も少なからず見受けられた。

(3)道内においては、1月25日の渡島・後志・留萌・網走・日高地域を皮切りに、2月9日の上川地域まで、道内13ブロック・地域の討論集会に約1,100人の地協・地区連合、産別・単組の組合員の参加を得て、今次春季生活闘争のスローガンである「私たちが未来を変える!すべての労働者の「底上げ」「底支え」「格差是正」と働き方の見直しで!」を求めて闘いを進めていくことを意思統一し、闘争方針の徹底・浸透に努めた。
 3月6日の「3.6全道総決起集会」および各地協・地区連合主催の総決起集会、また、渡島地協と石狩地協で予定されていた「解決促進集会」は新型コロナウイルス感染症(COVID−19)拡大が懸念されることから開催中止とした。

(4)今次闘争の最大のヤマ場を3月10日〜12日に設定し、第1先行組合回答ゾーン(3月9日〜13日)、第2先行組合回答ゾーン(3月16日〜20日)、中堅・中小集中回答ゾーン(3月21日〜31日)、中小回答ゾーン(4月中)として、回答の集中化と情報の開示を積極的に行い、より波及力を高めることとした。

(5)中央段階の集計結果について、7月6日時点の最終集計結果によると、平均賃金方式では、4,807組合が回答を引き出した。回答(組合員数加重平均)は5,506円、1.90%となった。このうち、300人未満の中小組合3,456組合の回答は、4,464円、1.81%となり、大手組合と中小組合の賃上げ率のかい離が拡大することとなった。
 次に、有期・短時間等労働者の賃上げ(単純平均)は時給25.18円(昨年同時期比+0.95円)、月給4,128円(昨年同時期比▲420円)で、賃上げの対象となる組合員は約5万人増加した。均等処遇の取り組み件数については前年比較では減少傾向がみられる。
 一時金の回答(加重平均)は、年間月数で4.79ヶ月(昨年同時期▲0.07月)、年間金額で、1,533,681円(同+1,698円)である。
 労働条件に関する取り組みの中で、長時間労働の是正では「年次有給休暇取得促進」「労働時間の管理・適正把握」の取り組みが、また、ジェンダー平等の推進で「男女間賃金格差の点検・改善」「ハラスメント防止」で回答・妥結件数が伸びている。労使が職場実態を踏まえた真摯かつ前向きな交渉・協議により先行的に職場の基盤づくりを進めていることが読み取れる。連合は、7月16日開催の中央執行委員会において最終まとめを確認した。

2.北海道の取り組みの結果と評価
(1)賃上げの取り組み
A.賃金引上げの基本的なスタンスについて
1)2020春季生活闘争は、社会全体に賃上げを促す観点とそれぞれの産業全体の「底上げ」「底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から、月例賃金にこだわり、賃上げの流れを継続・定着させる。加えて、中小組合や有期・短時間・契約等で働く者の賃金の「格差是正」の取り組みの実効性を高めるためにも、働きの価値に見合った賃金の絶対額にこだわり、名目賃金の最低到達水準の確保と目標水準への到達、すなわち「賃金水準の追求」に取り組んでいくとした。
2)連合北海道は、2月25日に北海道、2月26日に労働局、3月6日に経済5団体に対する要請行動を実施し、2%程度のベースアップを含む月例賃金を4%程度、中小企業にあっては10,500円以上引上げることや有期・短時間等労働者の労働条件の改善などを求めた。特に、経済5団体に対しては、「月例賃金のアップと中小企業と有期・短時間労働者等の処遇改善が必要であり、「企業規模間格差の是正には公正取引とサプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配、長時間労働の是正や同一労働同一賃金などの働き方改革関連法の本格施行を迎え、法令遵守に向けて、労使でしっかり議論すること」を強く訴えてきた。
B.北海道の妥結状況【経過報告書参照】
 8月30日現在、妥結報告があった組合は225組合で、そのうち集計可能組合は198組合(昨年同期194組合)で昨年同期比プラス4組合となっている。

【組合規模別 平均賃上げ状況 2020年8月30日結果(昨年同時期対比)連合北海道集計】
組合規模  集計
組合 
対象組合
人数(人)
加重平均
妥結額
(定昇・ベア込)
妥結率
昨年
集計
組合
昨年
対象組合
人数(人)
昨年
実績額
(定昇・ベア込)
実績率
昨年比
増減額
   〜 99人 103 4,733 3,643円
(1.65%)
112 4,834 4,061円
(1.85%)
−418円
100〜299人 57 9,890 4,158円
(1.81%)
44 7,624 4,996円
(2.12%)
−838円
300〜999人 29 13,403 4,910円
(2.09%)
29 13,680 5,264円
(2.08%)
−354円
 1,000人〜 18,389 5,908円
(2.10%)
19,426 6,834円
(2.52%)
−926円
198 46,415 5,059円
(2.00%)
194 45,564 5,852円
(2.28%)
ー793円

1)賃金引き上げは、上記の表の通り賃上げ額および賃上げ率ともに、規模が小さくなるにつれ低くなる傾向が見られる。コロナ禍での交渉結果であったことを考慮すると、6年続けて賃上げの流れが継続されていると言える。
2)一時金については、179組合が妥結し、加重平均で、年間一括要求の月数方式(115組合)では4.17ケ月、金額方式(56組合)は1,249,322円で、昨年比月数で0.47ケ月減、金額で117,808円減となった。半期要求の夏季月数方式(37組合)では1.90ヶ月、金額方式(40組合)は402,733円。
3)有期・短時間等労働者の労働条件改善については、短時間等労働者の労働条件改善については、UAゼンセン加盟組合を中心に、22組合(昨年21組合)から定期昇給、時間給、月例賃金等の処遇改善を勝ち取る報告があった。パート時間給では11組合が妥結し、19.8円(2.33%)から35.0円(3.52%)で、単純平均で25.20円、2.71%(昨年比1.96円減)、加重平均で26.42円、2.73%と、正規労働者を上回る大幅な改善がはかられている。また、契約社員、嘱託職員、準職員等の月例給では3組合が妥結し、集計可能組合の加重平均で3,968円超(2.13%)の改善する回答を引き出した。
C.成果と課題
1)闘争全般の総体的な受け止めについて
 2020春季生活闘争は、自律的成長のためにも消費志向が高いと言われている月例賃金のアップと中小企業・短時間等労働者の賃上げ、処遇改善の要求に応えるよう強く求める組合の主張に対して、経営側は、経済の好循環実現に向けた社会的な要請には一定程度理解を示しているが、米中貿易摩擦による日本経済の不透明感や、人手不足による人件費の高騰、新型コロナウイルス感染症拡大による経済停滞などを主な理由として、賃上げに対しては慎重かつ、厳しい態度を示した。
 これに対して組合は、人材育成と働く者のモチベーションを高めていくことが企業・産業の存続と発展には不可欠と主張した。結果としては、多くの組合で回答を引き出すことができ、連合の掲げる月例賃金の引き上げにこだわる闘いを進めてきた妥結内容と評価できる。賃上げや人への投資の必要性など、今次交渉における労使の交渉経過や結果は、今後の取り組みにつながる大きな成果であると受け止める。
2)運動面について
 2014春季生活闘争から、連合の主張を社会に広げるため、北海道独自に作成した器材(街宣用テープ等)を活用し、地協・地区連合が街頭における宣伝活動やテープ街宣行動などを展開し、賃金引き上げに向けた世論喚起を促す行動や、今年5年目となる、地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動を全地協(地区連合)段階で展開するよう提起したが、新型コロナウイルス感染症による「緊急事態宣言」発出により、すべての行動を自粛することとした。
3)賃上げ要求と交渉状況について
 すべての組合は月例賃金にこだわり、賃金の引き上げをめざす。要求の組み立ては、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を確保した上で、名目賃金の到達目標の実現と最低到達水準の確保、すなわち「賃金水準の追求」にこだわる内容とした。
 同時に、すべての組合は、企業内で働くすべての労働者の生活の安心・安定と産業の公正基準を担保するため、企業内最低賃金の協定化に取り組む。なお、取り組みにあたっては、企業内最低賃金協定が特定(産業別)最低賃金の金額改正に強く寄与することも踏まえる。
 その上で、賃上げ要求については、社会全体に賃上げを促す観点とそれぞれの産業全体の「底上げ」「底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点を踏まえ、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする要求を掲げた。これをもとに、北海道における8月30日現在の各組合の賃金引き上げ要求は、加重平均で9,379円(昨年8,667円)、率で3.53%(昨年3.34%)であった。昨年より要求水準が高く、すべての組合が、「経済の自律的成長」の実現に向けて労働組合が果たすべき社会的責務を十分に認識したうえで、月例賃金の継続的な引き上げにこだわった要求を行ったものと受け止める。
4)賃上げ回答状況と全体的な受け止めについて
 賃上げ回答状況では、規模別には依然として格差があるものの、すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわった要求を掲げ交渉した結果、賃上げの流れが中小・地場組合にも継続している。賃上げの広がりが前進していることの意義は非常に大きいものがあり、今後につながる成果といえ、各産別・単組の取り組みとして評価したい。大手と中小企業の「規模間格差」の広がりに歯止めをかけることはできなかったが、5年目となる「大手追従・大手準拠などの構造の転換」「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させることに重点を置き、奮闘した結果といえる。
 北海道は地場・中小が多く、賃金制度が確立していない単組がほとんどであり、中小企業の賃金水準は未だ低位にある。安心した生活を営む上では「賃金(定昇)制度」の確立が不可欠である。地域ミニマム運動に結集し、組合員個々の賃金実態把握に努めながら検討を進める必要があり、継続課題として残る。
5)短時間・契約等労働者の賃金の引き上げについて
 「誰もが時給1,000円」の実現に向けた時給の引き上げをはじめ、連合リビングウェイジ(北海道時間給940円)を上回る水準、または、昇給ルールの導入・明確化、高卒初任給と均等待遇の観点から1,100円への引き上げ、すでに1,100円超の場合は正社員と均等待遇の観点から改善のいずれかを、短時間・契約等労働者の賃金要求水準の目安として方針を掲げて闘った。正社員の賃上げ率を上回る結果となっており、短時間・契約等労働者の処遇改善を進めようという産別・単組、地協の取り組みの結果として評価したい。
 連合は、「雇用形態にかかわらない均等待遇」の実現を求めており、「同一労働同一賃金」の観点から連合全体として「底上げ」をはかる対応をしていく。
6)一時金について
 月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年間一括要求を基本に、年収確保の観点も含め、水準の向上・確保をはかる方針を掲げた。年間一括要求の金額方式及び半期要求の金額方式で、前年を上回る結果となった。昨年同様、今次闘争でも、月例賃金の引き上げに注力した取り組みを展開した結果と受け止め、一時金に関する具体的な取り組みは構成組織が主体的に取り組んでいることを尊重する。
7)エントリー登録組合について
 202組合が参加し、昨年最終の274組合から72組合減少した。情報の共有化を図ろうとする産別・地協の協力をいただいたが、エントリー組合が大幅に減少したことは課題として残る。次年度は、引き続き協力をお願いするとともに機関会議や集会などでエントリー要請をしていく。
8)情報開示、共有の取り組み
 「妥結情報」を15号発行し情報の共有の取り組みを強化することができた。また、「春闘ニュース」についても6号発行し運動の共有化に努めることができた。

(2)働き方改革(長時間労働の是正・過労死ゼロ)の実現に向けた取り組み
a)年次有給休暇について、電力総連の1単組で初年度から20日付与、全労金で積立休暇の使途拡大、b)年間休日について、基幹労連2単組、紙パ連合1単組で1日増加、c)時間外割増率の改善について、電力総連の1単組、JP労組は45時間超50%割り増しへの引き上げ、d)電力総連1単組と全労金で育児による短時間勤務を小学3年生まで適用などが報告された。e)交通・運輸関係では36協定とは別に、厚生労働省の「自動車乗務員改善基準告示」による拘束時間があり、「働き方改革関連法案」においては、改正法施行2024年とはなったものの、年間960時間以内の規制適用(休日労働を含まず)、f)公立の教職員は、給特法等により労基法の適用除外となっており、現状「過労死ライン」とされる月80時間を超えての残業が散見され、変形労働時間対応するとしているが、全体の業務量が低減しているわけではない。これらの業種についても対応していく必要がある。

【労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)】
ドライバー名 1ヶ月の拘束時間 年間の拘束時間
トラック 293時間以内 3,516時間以内
タクシー・ハイヤー 299時間以内 3,588時間以内
バス 286時間以内 3,432時間以内
 ※バスドライバーについては、書面による労使協定を締結した場合には、4週間を平均した1週間当たりの拘束時間を71.5時間まで延長した場合

(3)「産業別部門連絡会」の開催
連合北海道は、6産業別部門連絡会の活性化、産別による単組指導強化、地域内共闘強化を目指し、期間中3回以上の連絡会開催や、企業内最賃協定の締結、情報交換、要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大などを目指してきた。
 今年は新型コロナウイルス感染症の影響によりA部門3回(書面開催含む)、B部門・E部門は2回、C部門・D部門は1回の開催にとどまった。オルグ等での情報収集を図ることとしていたが、感染防止の観点から見送った。

(4)中小・パート共闘会議(中小・パート労働条件委員会)≪規模間格差の是正≫
a)中小・パート労働条件委員会は、春季生活闘争期に限って「中小・パート共闘会議」に改名し、その活性化により、地場での取り組みを強化することを目標に掲げながら、闘争期間中は新型コロナウイルス感染症の影響により1回の開催にとどまった。短時間・契約等労働者の課題について、全単組が要求化することを方針化し、「職場から始めよう運動」の展開により、日常的なコミュニケーションを深め、組織化を意識した取り組みを展開することとした。
b)今次闘争で力を注いだのが、大手と中小の規模間の賃金格差の是正である。格差の要因は、企業収益格差(支払能力)によるところが大きく、価格転嫁拒否や優越的地位濫用などの不公正な取引がある。中小企業では、取引先からの受注減少や打ち切りを恐れ、泣き寝入りせざるを得ないところが多く、人件費上昇分などを転嫁できないでいる。連合は、中小組合の処遇改善原資を確保することや、公正取引が実現する社会の実現を求めてきた。サプライチェーン全体が生み出した付加価値が、生み出した労働者のもとへ適正に配分されなければ、経済の自律的成長は実現しないことを労働組合の無い経営者にも訴えた。
 連合北海道は、4月15日に公正取引委員会北海道事務所および経済産業省北海道経済産業局に対して、要請行動を実施した。これは、中小企業で働く労働者の底上げを図るためには、公正な取引慣行の実現による中小企業の収益確保が必須であること、無理な納期設定などが長時間労働の原因にもなっていることから、より一層の法令の周知徹底や違反の取締り、相談機能の充実、中小企業への支援を求めた。経産局の要請行動には、フード連合・UAゼンセンが参加し「取引慣行に関する実態調査」を基に意見交換した。また、運輸労連も参加し、「送料無料表示」に対して口頭要請を行った。また、今年からJCMも申し入れした。社会への広がり、世論喚起に向けてマスコミにも取材を要請し、北海道新聞が取材に訪れ、翌日の新聞に掲載されるなど、マスコミ媒体なども活用しながら分配の適正化により中小企業に働く労働者の賃金を引き上げるなど、世論に訴えることができたことは取り組みとして評価できる。
c)一方、中小労組のほとんどは賃金制度が未整備である中、企業規模間の賃金格差を解消するため、1)中小の賃金カーブ維持分の4,500円、2)連合加盟組合全体平均賃金水準(約30万円)の2%相当額(6,000円)とし、計10,500円以上の月例賃金要求水準の目安を決定した。また、賃金水準にこだわる取り組みとして「社会横断的水準を確保するための指標」として3つ示した。他にもパート等時間給労働者の「時給1,100円」への引き上げ、「企業内最低賃金の締結」、「総実労働時間縮減・時間外等割増率引き上げ」などのミニマム課題について、中小・パート共闘会議の中で意思統一をはかり、要求作りから交渉に至るまで産別や地域が関わりを強めるという情報の共有化が図られたことは評価できる。しかし、「賃金水準」の取り組みについては、妥結時期に開催を中止したため、把握出来ていない。2021春季生活闘争以降について、産業別部門連絡会において把握していくこととする。
d)次に、地域ミニマム運動の取り組みについて、2019年度の地域ミニマム賃金実態調査は、9産別3地協から43組合3,657人(昨年比▲28組合、▲2,532人)が参加した。賃金調査の概要が示され、調査に協力頂いた産別、地協に対して、交渉に役立つようフィードバックした。
 300人未満、賃金制度が確立されていないところを基本的な調査対象としており、今年は昨年に引き続き3,000人のサンプル目標が達成できた。なお、業種別構成比では、製造業が31.0%(昨年34.5%)、交通・運輸業が12.5%(昨年28.3%)、商業・サービス業が28.9%(昨年37.2%)となり、一定程度均衡がはかられた。また、男女構成比は、男性2,954人(80.8%)、女性703人(19.2%)となった。
e)連合リビングウェイジにおける単身世帯および2人世帯(父子家庭)の水準をクリアすることをめざす方針を掲げたが、踏み込んだ議論には至らなかった。賃金水準の上げ幅だけではなく、絶対水準を重視した取り組みを行うことが、社会全体の「底上げ」「底支え」や「格差是正」に必要不可欠であり、地域ミニマム運動における個別賃金実態調査から算出した北海道の「賃金特性値」や「代表・中堅銘柄」の活用について、連合北海道と各産別において議論を深める必要がある。また、賃金相場波及の取り組みとして、地場賃金水準の開示(地域ミニマム業種別特性値)に注力し、地域における職種別賃金の相場観を高める運動を進めていくことを提起した。この取り組みは、地場には地場の水準があることから、この水準を情報発信し、未組織含めて我が産業は道内でどれ位の位置にあるのかを示し波及力を強化する取り組みであった。次年度以降もさらなる検討を深めていく。

(5)雇用確保・創出に向けた取り組み
 昨年度から「新卒者早期離職対策 全道キャンペーン」として取り組み、経済・雇用対策は行政・経済界・労働界などオール北海道の課題と位置づけ、その一翼を担うとして、今年は、1月23日の渡島から2月20日の上川まで、各地域で開催された「春闘討論集会」前段を中心に、地元地協・地区連合と連携し自治体・商工会議所・建設業協会・農協・漁協・学校など109箇所を訪問し、早期離職防止や官製ワーキングプア解消などについて要請行動を展開した。
 自治体におけるキャンペーン行動の時期については、地協段階において、次年度の予算編成に間に合う10〜12月の間に実施しており、地域における取り組みがより一層定着するよう次年度以降も取り組みを継続したい。
 地域で出された意見は、経済5団体(3月6日)をはじめ、労働局(2月26日)、北海道(2月25日)に対する要請行動の中で意見反映してきたが、引き続き、北海道や労働局の各種審議会や検討会議、また、毎年提出している「要求と提言」などを通して、政策実現に向けた今後の取り組みに反映したい。

(6)短時間・契約等労働者の労働条件改善の取り組み
 連合は、以前から「雇用形態にかかわらない均等待遇」の実現に向け、賃金・一時金だけではなく、休暇や通勤手当、福利厚生、安全衛生なども含めた待遇・処遇全般を対象に、雇用形態の違いによる合理的な理由のない処遇格差を禁止することを求めてきた。
 2020春季生活闘争は、「同一労働同一賃金」を含めた「働き方改革関連法」の本格施行年度を迎えた。
連合北海道は、道内雇用労働者の40.1%、87万人を数えるパートや有期契約、派遣、季節労働者などの短時間・契約等労働者の賃金・労働条件の改善に重点的に取り組むことを発信した。具体的には、自らの職場の正規と短時間・契約・派遣などの処遇について総点検を行ったうえで、合理的な理由がない処遇差がある場合は、労使で協議し、その是正を求める取り組みを進めるよう方針化した。労働組合のない職場で働く労働者をも含めた社会的な波及と組織拡大をめざし、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となり、「時間給労働者の時給引き上げ」「職場から始めよう運動の展開」「企業内最低賃金の取り組み」「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める要請行動」を始めとした取り組みを展開することを提起した。
A.「職場から始めよう運動」の展開
 短時間・契約等労働者の処遇改善と組織化をめざし、職場組合員の理解浸透を図ることを目的に、「職場から始めよう運動」を通年的な取り組みと位置付けて展開してきた。
1)連合北海道では、北海道庁・労働局・経済5団体に対する要請行動を実施し、2019年4月に拡充された厚生労働省の「キャリアアップ助成金」などを有効活用し、賃金テーブルの改定などを行い、時間給労働者の時給引き上げをはじめ、法令の周知・遵守等、短時間・契約等労働者の処遇改善を訴えてきた。また、各産業別部門連絡会や中小・パート共闘会議などの諸会議においても、短時間・契約等労働者の処遇改善、組織化などの取り組みの情報交換を行うことができたことは評価したい。
2)2020春季生活闘争の時期を捉え、声かけなど職場における日常的なコミュニケーションを深めながら、「職場点検活動の実施」運動と連携し、短時間・契約等労働者の実態把握に努めることなどを、労使交渉本格化の前段を中心に取り組むことを提起した。また、法令遵守や労働条件の点検、正社員への転換ルールの導入・明確化・転換促進など法規定を上回る制度整備を図ることを求め、最低でも「就業規則と同様の労働協約を締結する」取り組みを昨年同様に展開するよう方針化したが、各構成組織(単組)における十分な取り組み内容の把握には至っていない。
B.取り組みの成果
 構成産別(単組)では、JP労組で、契約社員の有給休暇を時間単位で取得出来るなどの改善を勝ち取っている。
C.「官製ワーキングプア解消」に向けた取り組み
 自治体の公務職場では、3人に1人が臨時・非常勤職員となっており、官公部門産別においても、現状把握から課題解決に向けた取り組みを展開し、組織化の具現化に取り組んでいる。また、地協・地区連合による「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」は、社会的キャンペーン行動と連携して毎年取り組み、定着してきている。自治体要請を通して、同じ屋根の下で働く臨時・非常勤職員や、公契約下の企業・団体で働く労働者の実態、地場・中小を含めた地域の労働者の実態を考え合う機会を作るとともに、地協・地区連合の連携を更に強めて取り組みを継続していく。
(7)最低賃金引き上げの取り組み
(a)企業内最低賃金
連合は、最賃協定を通じた格差是正を推進するため、最賃協定の適用労働者拡大を今次春季生活闘争方針に明記した。すべての労働組合で適用労働者を拡大したうえ、少なくとも生活できる賃金水準(連合リビングウェイジ)の確保をはかること。また、経験豊富な労働者の時給が未経験の高卒初任給を下回らないよう仕事にふさわしい水準をめざすことを提起した。
連合北海道は、最低賃金対策委員会を開催し、2019最低賃金の取り組み方針を確認し、6月議会意見書採択など、世論喚起の取り組みについて意思統一をはかった。特に、時間給1,000円を目標に掲げ、「連合リビングウェイジ時間額(北海道は940円)」、高卒初任給等との均等待遇1,050円で提起し、賃金水準やセーフティネットとして実効性の高い水準をめざすこととした。また、特定最低賃金の改定にあたっては、北海道最賃を上回る水準の維持を求めてきた。
その結果、今次闘争の中で、優秀な人材を確保しようという企業内労使の合意が功を奏し、企業内最低賃金を引き上げた組合は全国ガス、全労金など、今年も4単組で成果が出たことは評価したい。また、人材確保の観点から初任給の引き上げを行った組合も、電力総連、全労金、全国ガスなど改善が図られた。
(b)北海道最低賃金
  中央最低賃金審議会目安に関する小委員会は、7月31日に目安を取りまとめ、翌日開催された中央最低賃金審議会にその結果を報告した。Aランク28円、Bランク27円、Cランク26円、Dランク26円の引き上げ目安額とし、全国加重平均は過去最高の27円となった。
  北海道地方最低賃金審議会(本審)は、6月3日を皮切りに計4回開催し、専門部会は、計3回の審議を重ねた。労働者側は、「経済財政運営と改革の基本方針2019」などにおいて、「より早期に全国加重平均1,000円を目指す」ことが示され、そこに配意して審議を進めることを強調した。また、最低賃金近傍で働いている労働者であっても、家族とともに生活し、将来展望が描ける社会を実現するための賃金水準に引き上げること。そして、有効なセーフティネットとして十分機能するよう訴え、働くことに意義を見出すよう、昨年以上の大幅引き上げに最大限努めるよう主張した。
これに対し使用者側は、経済状況や生産性、企業の支払い能力の限界、ランク別で北海道はCランクの中で突出して高いこと、標準生計費では北海道は40番目に位置することや中小企業の労働分配率が大企業と比較し著しく高いことなどをあげ、「中賃目安の26円」を大幅に下回る額の提示に固執し、労使譲らず激しい審議が続く中、公益委員から「中賃目安などを考慮する必要もあり、26円の引き上げ」が提案された。労働側は、引き上げに伴い、全労働者に与える影響率が23.906%、パート労働者に至っては49.978%と極めて大きいことや、使用者側が公益提案に強い抵抗を示したことなどから厳しい判断を迫られた。
最終的に使用者側全員が反対したものの、公益・労働者側の賛成多数により、現行835円から26円引き上げ、861円に改正し、10月3日から発効することで結審した。
今回の改定額について、最低賃金法第1条の目的を達成するための生活できる賃金水準という要求からして納得できる改定額とは言えない。一方、連合が求める「誰でも1,000円」の早期実現には課題が残るものの、現行の時間額表示に一本化された2002年以降、最も高い引き上げ額であることや、引き上げに伴い50万人を超える多くの非正規を含めた労働者の賃金引き上げに反映されるものと受け止める。しかし、3年続いた10月1日の早期発効が実現出来なかったことは残念である。引き続き、5年連続して労働者側が主張してきた1,000円への引き上げに向けた道筋を付けるための表記が答申書に記されたことから、この答申書を足掛かりに、賃金水準の議論を深めながら最低賃金の大幅引き上げに取り組んでいく。
また、答申において、昨年同様、行政機関の業務委託に関わり、最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注後においても特段の配慮を要望するとされたことから、地協・地区連合段階で、自治体等に対する要請行動を展開してきたことは評価できる。

2019北海道最低賃金審議決定状況
Cランク 時間額 引上額 引上率 部会採決日 審議会採決日 発効日
北海道 861円 0円 0% 8月6日 8月11日 2019年10月3日

C.特定(産業別)最低賃金
 北海道最低賃金審議終了後、関係業種の最低賃金改正必要有りとの確認を受け、9月3日に4業種合同の専門部会が開催され、以降、4〜5回にわたる専門部会において金額審議を重ねてきた。
 連合北海道最賃対策委員会は、特定最賃の意義と役割について、労使間で共通認識を持ち、優秀な人材の維持・確保を求め、そこに働く人たちの処遇改善のために、地賃比115%の優位性確保を目標として進めてきた。鉄鋼は0円、船舶は2円、電気および乳糖は1円の引き上げとなった。今後とも特定最賃の取り組み強化を目指す。

2019特定(産業別)最低賃金審議決定状況
業 種 時間額 引上額 引上率 地賃比率 部会採決日 発効日
鉄 鋼 967円 0円 0.00% 112.3% 9月30日 2019年12月1日
電 気 894円 1円  0.11% 103.9% 9月30日 2020年12月1日
乳 糖 892円 1円 0.11% 103.7% 10月7日 2020年12月6日
船 舶 887円 2円 0.22% 103.2% 10月1日 2020年12月2日

(8)ワークルール(労働関係法令遵守)の取り組み
 連合は、短時間・契約等労働者の雇用の安定や処遇の改善をはじめ、就業者が9割近くを占める「雇用社会」であるわが国において、デフレ経済から脱却し経済再生を実現するためには、労働者保護ルールの緩和・改悪ではなく、働く者の雇用安定と処遇改善をはかることが重要であると発信した。
A.職場点検活動の取り組み
 連合は、すべての組織が、働き方改革関連法が本格施行されることを踏まえ、それぞれの産業全体の働き方の見直しの方向感を方針等の策定により示し、ディーセント・ワークの実現、ワーク・ライフ・バランスの推進、コンプライアンスの徹底することをめざすよう提起した。また、中小・地場組合の点検活動を強化するため、「職場点検活動チェックリスト」を活用し、ワークルールの遵守・徹底に取り組んだ。連合北海道は、職場点検活動を際に留意すべきチェックポイント12点<1)雇用、2)労働時間、3)ワーク・ライフ・バランス、4)安全衛生、5)有期・短時間などで働く人のワークルール、6)ハラスメント、7)男女平等>を明記して進めたが、今次闘争期間中の各産別の点検活動状況の把握に至っていない。
B.医療(看護師)職場の意見交換会の開催
 現在、各自治体で取り組まれている地域包括ケアシステムの構築には、医療と介護を始めとする多職種連携が必要不可欠とされている。また、院内においても一人の患者に複数のメディカルスタッフが連携して、治療やケアにあたっている。
 医療と介護の連携をはじめ、異なる職種のメディカルスタッフ等との職場内・外の連携は、「医療・介護の質向上」とともに、医療安全を確保し働きやすい職場づくりに密接に関わる課題となっている。
様々な現場で「連携と協働」を実践するためには、お互いの「違い」を認めて「承認」し合い、フラットな視点で結びついた「つながり」をつくる必要がある。こうした中で連合北海道は、2月17日に第6回医療(看護師)職場の意見交換会を開催し、「ワーク・モチベーション〜人を活かす働き方改革〜」について、えるむ社会保険労務士法人の富樫真紀子代表を招いて講演を頂いた。10病院20人(昨年11病院23人)から、各病院職場の実態を報告頂き、その後、分散会を通じて、情報の共有、各単組や職場の取り組みに学ぼうと熱心に意見交換がされたことは成果といえる。
 参加した看護職員からは、1)他病院のことがわかり、参考になりました、2)仕事のモチベーション、日々、考えることがありましたので勉強になりました。職場に戻ったら活かしたいです、3)改めて自分の思考を見直し、客観的に考える機会になった。実際にスタッフを教育する上でも、参考にしていける内容もあり、良かったなど、大変役に立つ有意義な交換会であったとの好評を得ることができた。2021春季生活闘争に向けて、各構成組織が看護職員の処遇改善に向けた要求を掲げ、その実現をめざしていく場として、更なる検討が必要である。
C.労働相談ダイヤルなどの実施
 2月13日〜14日に全国一斉「集中労働相談ダイヤル」(テーマ:STOP!雇用不安〜辞めるしかない!?と悩んでいませんか〜労働相談ホットライン)を開設した。相談告知の地協での街宣活動を展開し、期間中の相談電話は14件が寄せられた。
 また、6月15日〜16日にも「女性のための全国一斉労働相談ダイヤル」「新型コロナ・労働法改正」を開設する。相談告知の取り組みとして、札幌では6月8,9日に周知街宣行動を展開した。

3.政策・制度要求の実現に向けた取り組み
 「2020年度 政策・制度実現の取り組み」と「2020春季生活闘争」における賃金・労働条件改善の取り組みを「運動の両輪」として、すべての労働者を対象にした生活改善・格差是正の運動を強力に進めてきた。
(1)連合アクションの取り組み
 北海道における新型コロナウイルス感染症の感染者増を受け、自粛する事が相当と判断し、すべて中止することとした。
1)春季生活闘争最大のヤマ場における街宣行動
2)テープ街宣の実施
3)連合北海道・石狩地協「Action!36〜自分時間、大切にしよう!〜」街宣行動の取り組み
4)「中小組合、未組織労働者、地域社会への波及のためのアクション4.6」の取り組み
※4月6日のラジオCMのみ実施

(2)地方財政確立に向けた取り組みについて
 2020年度の地方財政計画は、歳入・歳出規模が90兆7,397億円(昨年比+1.3%)となり、一般財源総額は63兆4,318億円(同比+1.2%)が確保された。地方交付税は16兆5,882億円(同比+2.5%)となり、増額されるものとなった。一方、2015年に創設された「まち・ひと・しごと創生事業費」は、昨年同様1兆円が確保された。しかし、行革努力と実績によって配分される「インセンティブ改革」や民間委託等による経費削減に基づいて単位費用を引き下げる「トップランナー方式」が強化されており、客観・中立であるべき地方交付税算定に反するものとして国会審議で追及していかなければならない。
 連合北海道は、2月25日、北海道への要請行動の中で、「地方分権の推進と自治体財政の確立の実現」を提出し、歳出抑制は地方交付税全体の縮小と地域間格差の拡大につながる危惧があることから、国に対して慎重な対応を求めるよう要請した。

(3)地域活性化フォーラムの開催について
 2015春季生活闘争より、「開かれた春闘」の必要性や地場産業の活性化と働く者の処遇改善を一層進めるため、「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠」をスローガンに取り組みを進め、地域活性化フォーラムを開催してきた。
 フォーラムの開催は、労働者のみならず、行政、企業、住民を含め、あらゆる利害関係者が参加して地域全体の活性化に向けて必要な施策等について対話、意見交換を行い、様々なネットワークをひろげることを目的としている。
 2019年は、10月22日に第5回目となる「地域活性化フォーラムin日胆」を室蘭市で開催し、
 テーマは、「鉄のまち室蘭!希望の灯りをふたたび! −働き方改革から見える、もの・ひと・まち−」人口減少が続く室蘭においては、地域の雇用環境は安定した状況が続いているが、現実には「若者早期離職」「雇用ミスマッチ」などから、「労働力不足」は顕著となっている。山積する課題について、働き方改革を見据えながら、ものづくり(基幹産業)・ひとづくり(人材育成)・まちづくり(地域活動)の目線から、どのように課題を解決し、もの・ひと・まちの活性化をはかるべきかを考えるとした。
 連合北海道は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、「顔の見える連合運動」の展開を通じて地域全体の活性化につなげていくこととしており、多くの産別の参加を促すと共に、毎年、各地域において同様のフォーラムの開催を追求し、北海道経済の活性化をめざす一助としたい。
 今年の開催は8月22日「地域活性化フォーラムin後志」を小樽市開催を予定しましたが、新型コロナウイルス感染防止の観点から次年度へ延期することとした。

4.組織強化・拡大の取り組み
(1)組織化は労使交渉の大前提であり、2020春季生活闘争がめざすすべての働く者の「底上げ」「底支え」「格差是正」の実現には不可欠である。組織拡大が交渉力の強化につながることを十分に認識するとともに、春季生活闘争での成果獲得が組織化への求心力となるよう相乗効果を強く意識して進めることを方針として提起した。

(2)2月28日には組織拡大推進特別委員会を開催し、最終年の取組となる30万連合北海道をめざして、連合本部から講師を招き、組織化に向けた意思統一を図った。また、地域討論集会はもとより、中小・パート共闘会議、産業別部門連絡会や、各産別・地協の機関会議などの場で、集団的労使関係(労働組合)の拡大、30万連合北海道実現に向けた意思結集をはかることができた。

(3)昨年の連合北海道定期大会後、2020年9月30日現在、6産別1地域16組合1,808人(内、非正規労働者組合員630人 占有率34.8%)を組織化した。組織内の拡大は一朝一夕で出来るものではなく、粘り強く組織化に尽力されている産別(単組)、地協(地区連合)の取り組みに感謝申し上げたい。引き続き、組織化の好事例を情報共有し、連合北海道組織拡大プランの達成に向けて、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となって取り組んでいく。

5.春季生活闘争を通じた労働者自主福祉運動の取り組み
 労働者自主福祉運動は、第2の賃金闘争として、可処分所得を引き上げるための有効な手段であり重要な役割を担っている。そのためには、労働者の相互扶助の原点である労働者自主福祉運動へ結集し、組合員・家族の生活向上に向けて、春季生活闘争の期間中を重点に7年目となる方針を提起した。
(1)労働金庫、こくみん共済coop、住宅生協、医療生協、道労福協の労働者福祉事業団体の運動推進スケジュールを明記し、各構成組織、地協における取り組みを進めた。
a)労金運動では、つなぐプロジェクト推進運動、「奨学金借換ローン」制度の周知、退職金結集運動など、b9こくみん共済coopでは、生活保障設計運動の更なる浸透、こくみん共済の推進、住まいる共済、自賠責共済等の推進、c)住宅生協運動では、新築、リフォーム、流通(不動産仲介)、d)医療生協運動では、組合員加入、定期健康診断や人間ドック利用、「レスパイト入院」の周知など、昨年の総括を踏まえ各構成組織が最大限取り組むよう提起した。

(2)産別・地域について
a)労金運動では、「つなぐプロジェクト」において、「利用実績に応じた寄付額」は、4月末時点で756,058円。退職金結集運動における定期預金獲得状況は、4月17日時点で44億円、「産別からの退職者情報提供(8産別)」「全開発・JP労組・北教組における機関会議での取組方針化」「説明会・セミナー開催(82会員・1,404名)」等、会員・推進機構による運動展開が図られた。若年層組合員に対する「2020Young packキャンペーン(若年層ろうきんメイン化運動)」の成約件数は、4月末時点で127件、非正規雇用組合員に対する「2020全力応援packキャンペーン」は、全力応援packのうち融資商品の新規契約件数は、4月末時点で91件。ろうきんアプリの取扱開始から4月末時点の登録件数は、14,896件となった。
b)こくみん共済COOP運動では、組合員に対する対面推進を強化していくために、執行部の皆様の保障点検を含めて組合員と対面し直接、保障の見直し提案や保障設計の考え方を説明する機会(説明会、学習会、定例的に保障相談窓口の開設等)を創出、各種キャンペーンの取り組み要請についてア.子どもの成長応援プロジェクト、イ.新しくなったこくみん共済・長期共済キャンペーン、ウ.マイカー共済プロモーションなどを展開した。
c)住宅生協運動では、外壁・屋根の塗装・張り替えフェア、マンションリノベーションフェアを実施し、産別・単組に対してはパンフレット配布等の教宣活動を行ったが、昨年の消費税増税の反動もあり、厳しい状況。地協・地域に対しても教宣活動を実施し、受注の掘り起こしに努めたが、新型コロナウイルス感染拡大による自粛もあり、教宣活動が不十分な結果となった。
d)医療生協運動では、病院・クリニックの在宅診療拡大を目指し、4月から在宅訪問診療の担当医師を採用し、診療業務を実施している。関係諸団体に向けて、病院・健診センター・クリニック・訪問看護・居宅介護支援事業の宣伝を強化してきた。機関誌をはじめ、各種診療・活動案内チラシを活用し、医療生協の知名度や活動に対する理解を広げ、医療生協への加入や増資の拡大を図ってきた。宿泊ドックについては、病床の効率化や感染症予防のために中止し、日帰りドックへの移行を要請してきており、当面は継続の予定。

6.2021春季生活闘争に向けた取り組み
 具体的には、本部方針を受けて北海道方針を提起・確認という流れであるが、別紙「連合北海道2021春季生活闘争基本構想(案)」を中心に、より具体化し全体が取り組める方針とする。

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