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資料:連合北海道第32回定期大会2号議案−2019春季生活闘争のまとめ
1.はじめに
(1)まとめにあたって、第73回地方委員会(2019.6.26開催)で確認された「中間まとめ」に補強意見及び以降の最終集計結果や審議会経過を加筆し作成した。
(2)連合は2019春季生活闘争において、「経済の自律的成長」「包摂的な社会の構築」「人的投資の促進」「ディーセント・ワークの実現」をめざし、すべての働く者の賃金の「底上げ・底支え」「格差是正」の実現をはかるべく、賃上げの継続を求めた。特に、中小企業労働者や非正規労働者の月例賃金・時給の改善のために、「大手追従・準拠からの構造転換」と「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させ、「賃金の絶対水準」を追求する取り組みを進め、また、長時間労働を是正し、個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整え、ワーク・ライフ・バランスや働く者の立場に立った働き方改革の実現をめざしていくことなどの基本的な考え方を示し闘争に臨んだ。
(3)道内においては、1月25日の石狩地域を皮切りに、2月9日の後志地域・釧根地域まで、道内13ブロック・地域の討論集会に約1,100人の地協・地区連合、産別・単組の組合員の参加を得て、今次春季生活闘争のスローガンである「今こそブレイクスルー!すべての労働者の立場にたった働き方を実現しよう!」を求めて闘いを進めていくことを意思統一し、闘争方針の徹底・浸透に努めた。
   その後、3月5日の「2019春季生活闘争・統一地方選挙・参議院選挙勝利!3.5全道総決起集会」には、1,300人超の組合員・退職者等が結集し、月例賃金にこだわった賃金改善及び大手と中小、非正規労働者の格差改善が必要であること。働き方改革関連法の遵守、同一労働同一賃金の実現および統一地方選挙・参議院選挙の勝利に向けて組織の総力を挙げて勝ち取ろうと喚起した。
  同様に、各地域においても、十勝地協総決起集会の550人結集をはじめ、27箇所の地協・地区連合、ブロックにおいて総決起集会を開催し、延べ3,434人の組合員が結集。また、石狩地協(4/24、180人) 渡島地協(5/14、150人)、においては、地場解決促進集会を開催し、地場・中小の底上げの実現に向けた意思統一を図った。
(4)今次闘争の最大のヤマ場を3月13日に設定し、第1先行組合回答ゾーン(3月11日〜15日)、第2先行組合回答ゾーン(3月18日〜22日)、中堅・中小集中回答ゾーン(3月25日〜31日)、中小回答ゾーン(4月中)として、回答の集中化と情報の開示を積極的に行い、より波及力を高めることとした。
(5)中央段階の集計結果について、7月2日時点の最終集計結果によると、平均賃金方式では、5,405組合が回答を引き出した。回答(組合員数加重平均)は5,997円、2.07%となった。このうち、300人未満の中小組合3,980組合の回答は、4,765円、1.94%となり、大手組合と中小組合の賃上げ率のかい離が僅かに拡大することとなった。
次に、非正規労働者の賃上げ(単純平均)は時給24.23円(昨年同時期比+2.64円)、月給3,708円(昨年同時期比▲269円)で、賃上げの対象となる組合員は7.4万人減少した。他には非正規労働者の均等処遇の取り組み件数については全般的に増加している。
一時金の回答(加重平均)は、年間月数で4.86ヶ月(昨年同時期▲0.06月)、年間金額で、1,531,983円(同▲25,175円)である。
労働条件に関する取り組みの中で、長時間労働の是正では「時間外・休日割増率引き上げ」「年次有給休暇取得促進」の取り組みが、また、男女平等の推進で「男女間賃金格差の実態把握・改善」で回答・妥結件数が伸びている。労使が職場実態を踏まえた真摯かつ前向きな交渉・協議により先行的に職場の基盤づくりを進めていることが読み取れる。連合は、8月23日開催の中央執行委員会において最終まとめを確認した。

2.北海道の取り組みの結果と評価
(1)賃上げの取り組み
(a)賃金引上げの基本的なスタンスについて
1)2019春季生活闘争は、「底上げ・底支え」「格差是正」と「すべての働く者の立場にたった働き方」の実現を同時に推し進めることで、日本社会全体の生産性を向上させ、「人的投資の促進」「ディーセント・ワークの実現」「包摂的な社会の構築」「経済の自律的成長」を目指す闘争であるとした。すべての組合が月例賃金にこだわり、賃上げの継続・定着に取り組むとともに、現下の最大の課題である中小組合や非正規労働者の賃金を「働きの価値に見合った水準」へと引き上げるため、賃金の「上げ幅」のみならず「賃金水準」を追求する闘争を行うよう提起した。同時に、正規労働者・非正規労働者を問わず、長時間労働を是正し、個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整えるなど「すべての労働者の立場にたった働き方」の実現に向け、組織一体となった取り組みを行うこととした。
2)連合北海道は、2月27日に労働局、3月1日に経済5団体との労使懇談会、3月7日には北海道に対する要請行動を実施し、2%程度のベースアップを含む月例賃金を4%程度、中小企業にあっては10,500円以上引上げることや非正規労働者の労働条件の改善などを求めた。特に、経済5団体に対しては、「月例賃金のアップと中小企業と非正規の処遇改善が必要であり、企業規模間格差の是正には公正取引とサプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配が重要。また、長時間労働の是正や同一労働同一賃金などの働き方改革関連法の遵守に向けて、労使でしっかり議論すること」を強く訴えてきた。
(b)北海道の妥結状況
   8月30日現在、妥結報告があった組合は220組合で、そのうち集計可能組合は194組合(昨年同期209組合)で昨年同期比マイナス15組合となっている。

【組合規模別 平均賃上げ状況 2019年8月30日結果(昨年同時期対比)連合北海道集計】
組合規模  集計
組合 
対象組合
人数(人)
加重平均
妥結額
(定昇・ベア込)
妥結率
昨年
集計
組合
昨年
対象組合
人数(人)
昨年
実績額
(定昇・ベア込)
実績率
昨年比
増減額
   〜 99人 112 4,834 4,061円
(1.85%)
122 5,382 4,051円
(1.84%)
+10円
100〜299人 44 7,624 4,996円
(2.12%)
50 8,996 5,007円
(2.17%)
−11円
300〜999人 29 13,680 5,264円
(2.08%)
30 14,182 5,210円
(1.96%)
+54円
 1,000人〜 33,106 6,834円
(2.52%)
12,690 6,901円
(2.48%)
−67円
194 45,564 5,852円
(2.28%)
209 41,880 5,589円
(2.17%)
+263円

1)賃金引き上げは、加重平均で5,852円(2.28%)、昨年比+263円(+0.11%)で推移。また、規模別で見ると99人以下(112組合)は、4,061円(1.85%)で、昨年比+10円(+0.01%)、100人〜299人以下(44組合)で、4,996円(2.12%)、昨年比▲11円(▲0.05%) 、さらに、300人〜999人以下(29組合)は、5,264円(2.08%)、昨年比+54円(+0.12%)、1,000人以上(7組合)は、6,834円(2.52%) 、昨年比▲67円(+0.04%)となっている。これらを見ると、中規模組合と大手組合でマイナスは見られるが金額は小さく、5年続けて賃上げの流れが継続されていると言える。
2)一時金については、129組合が妥結し、加重平均で、年間一括要求の月数方式(68組合)では4.49ヶ月、金額方式(27組合)は1,131,514円で、昨年比月数で0.37ヶ月増、金額で47,114円減となった。半期要求の夏季月数方式(37組合)では1.85ヶ月、金額方式(23組合)は327,726円となった。
3)非正規の労働条件改善については、UAゼンセン加盟組合やフード連合加盟組合、JP労組・情報労連加盟組合など25組合、自治労加盟33自治体単組から定期昇給、時間給、月例賃金、企業内最低賃金、一時金、年収引き上げ、準職員からの正規化、病気休暇・夏季休暇新設、福利厚生等の処遇改善を勝ち取る報告があった。パート時間給では20組合が妥結し、8.0円(0.93%)から44.2円(5.19%)といった幅があるものの、加重平均で25.30円、2.79%と、正規労働者を上回る大幅な改善がはかられている。また、契約社員、嘱託職員、準職員等の月例給では8組合が妥結し、集計可能組合の加重平均で3,431円(1.78%)の回答を引き出した。さらに、4組合において、パート・契約社員の一時金の回答を引き出すなど、昨年同様の成果が見られる。
(c)成果と課題
1)闘争全般の総体的な受け止めについて
2019春季生活闘争は、自律的成長のためにも消費志向が高いと言われている月例賃金のアップと中小企業・非正規労働者の賃上げ、処遇改善の要求に応えるよう強く求める組合の主張に対して、経営側は、経済の好循環実現に向けた社会的な要請には一定程度理解を示しているが、米中貿易摩擦による日本経済の不透明感や、人手不足による人件費の高騰、原油高による原材料費の増加を主な理由として、賃上げに対しては慎重かつ、厳しい態度を示した。
これに対して組合は、人材育成と働く者のモチベーションを高めていくことが企業・産業の存続と発展には不可欠と主張した。結果としては、多くの組合で前進回答を引き出すことができ、連合の掲げる月例賃金の引き上げにこだわる闘いを進めてきた妥結内容と評価できる。賃上げや人への投資の必要性など、今次交渉における労使の交渉経過や結果は、今後の取り組みにつながる大きな成果であると受け止める。
2)運動面について
2014春季生活闘争から、連合の主張を社会に広げるため、北海道独自に作成した器材(街宣用テープ等)を活用し、地協・地区連合が街頭における宣伝活動やテープ街宣行動などを展開し、賃金引き上げに向けた世論喚起を促す行動をしてきたが、統一地方選挙が行われることにより街宣車が使用できず、今春闘では見送った。次年度以降については取り組む予定である。
また、今年4年目となる、地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動を全地協(地区連合)段階で展開するよう提起した。釧根地協・日高地協からは、人手不足に対する危機感を共有化し、年次有給休暇取得の義務化に対する意見交換がされたことなど、取り組みの成果が報告された。
3) 賃上げ要求と交渉状況について
連合は、中小組合や非正規労働者の賃金の「底上げ・底支え」「格差是正」の取り組みの実効性を高めるためにも、働きの価値に見合った賃金の絶対額にこだわり、名目賃金の到達目標の実現と最低到達水準の確保、すなわち「賃金水準の追求」に取り組んでいく。加えて、企業内最低賃金協定の締結拡大や水準の引き上げ、適用労働者の拡大によって、法定最低賃金の改善に波及させ、「誰もが時給1,000円」の実現をはかることが重要である。
その上で、賃上げ要求については、社会全体に賃上げを促す観点とそれぞれの産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点を踏まえ、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする要求を掲げた。これをもとに、北海道における各組合の賃金引き上げ要求は、加重平均で8,667円(昨年8,971円)、率で3.34%(昨年3.51%)であった。昨年より要求水準は低くなったが、すべての組合が、「経済の自律的成長」の実現に向けて労働組合が果たすべき社会的責務を十分に認識したうえで、月例賃金の継続的な引き上げにこだわった要求を行ったものと受け止める。
4)賃上げ回答状況と全体的な受け止めについて
賃上げ回答状況では、規模別には依然として格差があるものの、すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわった要求を掲げ交渉した結果、賃上げの流れが中小・地場組合にも継続していると考えられ、賃上げの広がりが前進していることの意義は非常に大きいものがあり、今後につながる成果といえ、各産別・単組の取り組みとして評価したい。
回答水準については、賃上げ部分が明確に区分できる組合の集計では、定昇相当分を除く賃上げ率は、2,158円、0.85%(連合全体集計1,560円、0.56)%となった。大手と中小企業の「規模間格差」が広がることとなったが、すべての規模において前年を上回り、4年目となる「大手追従・大手準拠などの構造の転換」「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させることに重点を置き、奮闘した結果といえる。
北海道は地場・中小が多く、賃金制度が確立していない単組がほとんどであり、中小企業の賃金水準は未だ低位にある。安心した生活を営む上では「賃金(定昇)制度」の確立が不可欠である。地域ミニマム運動に結集し、組合員個々の賃金実態把握に努めながら抜本的な検討を進める必要があり課題として残る。
5) 非正規労働者の賃金の引き上げについて
「誰もが時給1,000円」の実現に向けた時給の引き上げをはじめ、連合リビングウェイジ(北海道時間給940円)を上回る水準、または、昇給ルールの導入・明確化、高卒初任給と均等待遇の観点から1,050円への引き上げ、すでに1,050円超の場合は正社員と均等待遇の観点から改善のいずれかを、非正規労働者の賃金要求水準の目安として方針を掲げて闘った。賃上げで妥結した組合数は昨年より2組合増え、人手不足の解消に向けて正社員の賃上げ率を上回り、加重平均では前年を下回ったものの、非正規の処遇改善を進めようという産別・単組、地協の取り組みの結果として評価したい。また、一時金や年収引き上げなどを勝ち取る単組も見られ、非正規労働者の労働条件の改善も着実に前進しており、底上げの役割を一定程度果たしたと考える。
今後「同一労働同一賃金」の労使協議が本格化することが予想されるが、連合は、「雇用形態にかかわらない均等待遇」の実現を求めており、非正規の処遇に合わせるようなことが懸念されるため、連合全体として「底上げ」をはかる観点で対応していく。
6) 一時金について
月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年間一括要求を基本に、年収確保の観点も含め、水準の向上・確保をはかる方針を掲げた。年間一括要求の金額方式及び半期要求の金額方式で、前年を下回る結果となった。昨年同様、今次闘争でも、月例賃金の引き上げに注力した取り組みを展開した結果と受け止め、一時金に関する具体的な取り組みは構成組織が主体的に取り組んでいることを尊重する。
7) エントリー登録組合について
274組合の参加となり、昨年最終の260組合から14組合増加した。情報の共有化を図ろうとする産別・地協の協力をいただき、次年度についても、さらに増やすように努力したい。
8) 情報開示、共有の取り組み
「妥結情報」を18号発行し情報の共有の取り組みを強化することができた。また、「春闘ニュース」についても5号発行し運動の共有化に努めることができた。
(2)働き方改革(長時間労働の是正・過労死ゼロ)の実現に向けた取り組み
 (a)年次有給休暇について、電力総連の1単組で初年度から20日付与、(b)インターバル規制について、新たに運輸労連で1単組導入、(c)特別休暇の改善について、電力総連の1単組で積立休暇を現行30日から40日へ拡大、(d)同一労働同一賃金について、情報労連1単組から福利厚生についての改善、JP労組では5手当の内、積み残された1手当が非正規にも適用などが報告された。(e)交通・運輸関係では36協定とは別に、厚生労働省の「自動車乗務員改善基準告示」による拘束時間があり、「働き方改革関連法案」においては、改正法施行2024年とはなったものの、年間960時間以内の規制適用(休日労働を含まず)、(f)公立の教職員は、給特法等により労基法の適用除外となっており、「変形労働時間制」の導入により外見では残業の削減をしたように見せようとしている。また、公務職場では、「他律的業務」や「特例業務」の不明確であり、長時間労働につながる懸念がある。これらの業種についても対応していく必要がある。

【労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)】
ドライバー名 1ヶ月の拘束時間 年間の拘束時間
トラック 293時間以内 3,516時間以内
タクシー・ハイヤー 299時間以内 3,588時間以内
バス 286時間以内 3,432時間以内
※バスドライバーについては、書面による労使協定を締結した場合には、52週のうち16週までは、4週間を平均した1週間当たりの拘束時間を71.5時間まで延長した場合

(3)「産業別部門連絡会」の開催
連合北海道は、6産業別部門連絡会の活性化、産別による単組指導強化、地域内共闘強化を目指し、2010春季生活闘争から進めている期間中3回以上の連絡会開催や、企業内最賃協定の締結、情報交換、要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大などを目指してきた。
今年はA部門を除き、統一地方選挙の影響により2回の開催でとどまった。部門連絡会ごとの交流が多く持たれたことにより、産別間の連携が強化されたことは評価したい。また、全部門において各産別の方針や交渉結果の付け合わせによる情報の共有化につながり、部門別交流を通じて、共有した好事例を参考に、他の産別でも同様の取り組みを展開したことは評価したい。また、C部門については、2〜3産別しか結集できていない現象が続いてきたことから、中小・パート共闘会議と共催を図った。
(4)中小・パート共闘会議(中小・パート労働条件委員会)≪規模間格差の是正≫
(a)中小・パート労働条件委員会は、春季生活闘争期に限って「中小・パート共闘会議」に改名し、その活性化により、地場での取り組みを強化することを目標に掲げながら、闘争期間中に2回の委員会を開催した。非正規労働者の課題について、全単組が要求化することを方針化し、「職場から始めよう運動」の展開により、日常的なコミュニケーションを深め、組織化を意識した取り組みを展開した。
(b)今次闘争で力を注いだのが、大手と中小の規模間の賃金格差の是正である。格差の要因は、企業収益格差(支払能力)によるところが大きく、価格転嫁拒否や優越的地位濫用などの不公正な取引がある。中小企業では、取引先からの受注減少や打ち切りを恐れ、泣き寝入りせざるを得ないところが多く、近年の燃油費高騰や人件費上昇分を転嫁できないでいる。連合は、中小組合の処遇改善原資を確保することや、公正取引が実現する社会の実現を求めてきた。サプライチェーン全体が生み出した付加価値が、生み出した労働者のもとへ適正に配分されなければ、経済の自律的成長は実現しないことを、労働組合の無い経営者にも訴えた。
連合北海道は、5月21日に、経済産業省北海道経済産業局に対して、5年目となる要請行動を実施した。これは、中小企業で働く労働者の底上げを図るためには、公正な取引慣行の実現による中小企業の収益確保が必須であること、無理な納期設定などが長時間労働の原因にもなっていることから、より一層の法令の周知徹底や違反の取締り、相談機能の充実、中小企業への支援を求めた。要請行動には、フード連合・UAゼンセンが5回目の参加となり、「取引慣行に関する実態調査」を基に意見交換した。また、運輸労連も3回目の参加となり、「取り組むべき課題について」資料提出した。社会への広がり、世論喚起に向けてマスコミにも取材を要請し、朝日新聞・北海道新聞が取材に訪れ、翌日の新聞に掲載されるなど、マスコミ媒体なども活用しながら分配の適正化により中小企業に働く労働者の賃金を引き上げるなど、世論に訴えることができたことは取り組みとして評価できる。
(c)一方、中小労組のほとんどは賃金制度が未整備である中、企業規模間の賃金格差を解消するため、1)中小の賃金カーブ維持分の4,500円、2)連合加盟組合全体平均賃金水準(約30万円)の2%相当額(6,000円)とし、計10,500円以上の月例賃金要求水準の目安を決定した。また、賃金水準にこだわる取り組みとして「社会横断的水準を確保するための指標」として3つ示した。他にもパート等非正規労働者の「時給1,050円」への引き上げ、「企業内最低賃金の締結」、「総実労働時間縮減・時間外等割増率引き上げ」などのミニマム課題について、中小・パート共闘会議の中で意思統一をはかり、要求作りから交渉に至るまで産別や地域が関わりを強めるという情報の共有化が図られたことは評価できる。しかし、「賃金水準」の取り組みについては、要求および妥結の把握に至らなかった。2020春季生活闘争以降について連合本部のまとめを参考に、産業別部門連絡会において把握していくこととする。
(d) 地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動は、昨年引き続き、全地協で展開するよう提起した。
釧根・日高の2地協から取り組み報告があった。釧根地協では、釧路経営者協会中小部会との懇談で、新卒者採用については厳しい状況であるため中途採用で賄っている企業があることや、雇用延長をしている企業があること、今後について外国人労働者の採用について検討している事などが話された。日高地協では、3地区の商工会議所や商工会と懇談を行った。
その他の地協にあっても、春季生活闘争期を過ぎても中小企業部会との懇談の場を模索している。今回の取り組みを通じて中小企業経営者側からは、なぜ連合との話し合いを行わなければならないのかと、依然、疑問の声も出されている。このため、連合が掲げる「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠である」というスローガンをさらに全面に出し、粘り強く懇談を行うことから、スタートしていく必要がある。
(e) 次に、地域ミニマム運動の取り組みについて、2018年度の地域ミニマム賃金実態調査は、12産別3地協から71組合6,189人(昨年比+16組合、+1,843人)が参加した。賃金調査の概要が示され、調査に協力頂いた産別、地協に対して、交渉に役立つようフィードバックした。
300人未満、賃金制度が確立されていないところを基本的な調査対象としており、今年は昨年に引き続き3,000人のサンプル目標が達成できた。なお、業種別構成比では、製造業が34.5%(昨年31.3%)、交通・運輸業が28.3%(昨年27.7%)、商業・サービス業が37.2%(昨年41.0%)となり、一定程度均衡がはかられた。また、男女構成比は、男性5,245人(84.7%)、女性944人(15.3%)となった。
(f)  連合リビングウェイジにおける単身世帯および2人世帯(父子家庭)の水準をクリアすることをめざす方針を掲げたが、今年も踏み込んだ議論には至らなかった。賃金水準の上げ幅だけではなく、絶対水準を重視した取り組みを行うことが、社会全体の「底上げ・底支え」や「格差是正」に必要不可欠であり、地域ミニマム運動における個別賃金実態調査から算出した北海道の「賃金特性値」や「代表・中堅銘柄」の活用について、連合北海道と各産別において議論を深める必要がある。また、賃金相場波及の取り組みとして、地場賃金水準の開示(地域ミニマム業種別特性値)に注力し、地域における職種別賃金の相場観を高める運動を進めていくことを提起した。この取り組みは、地場には地場の水準があることから、この水準を情報発信し、未組織含めて我が産業は道内でどれ位の位置にあるのかを示し波及力を強化する取り組みであった。次年度以降もさらなる検討を深めていく。
(5)雇用確保・創出に向けた取り組み
今年度から「新卒者早期離職対策 全道キャンペーン」として取り組み、経済・雇用対策は行政・経済界・労働界などオール北海道の課題と位置づけ、その一翼を担うとして、今年は、1月24日の渡島から2月8日の釧根まで、各地域で開催された「春闘討論集会」前段を中心に、地元地協・地区連合と連携し自治体・商工会議所・建設業協会・農協・漁協・学校などを訪問し、早期離職防止や官製ワーキングプア解消などについて要請行動を展開した。
自治体におけるキャンペーン行動の時期については、2014年から地協段階において、次年度の予算編成に間に合う10〜12月の間に実施しており、地域における取り組みがより一層定着するよう次年度は取り組みを継続したい。
地域で出された意見は、経済5団体(3月1日)をはじめ、労働局(2月27日)、北海道(3月7日)に対する要請行動の中で意見反映してきたが、引き続き、北海道や労働局の各種審議会や検討会議、また、毎年提出している「要求と提言」などを通して、政策実現に向けた今後の取り組みに反映したい。なお、10年続けた「新卒者就職支援 全道キャンペーン」は、2008年秋以降、リーマンショックの影響を受け、多くの若者が就職氷河期を迎えたことから、働く者の代表として、翌2009年から連合北海道独自の行動として展開してきた取り組みである。最近の雇用情勢を鑑みれば、有効求人倍率は1倍を超え、新卒者は売り手市場に変化しており、新卒者の就職支援は、セミナーについては中止している。しかし、雇用のミスマッチからか北海道における3年以内の離職割合が全国平均より高い数値を示している状況や地場の自治体および経済団体との交流がはかられる意義は大きいと考えられることから、要請内容をリニューアルして次年度以降においても継続することとしたい。
(6)非正規雇用労働者の労働条件改善の取り組み
連合は、以前から「雇用形態にかかわらない均等待遇」の実現に向け、賃金・一時金だけではなく、休暇や通勤手当、福利厚生、安全衛生なども含めた待遇・処遇全般を対象に、雇用形態の違いによる合理的な理由のない処遇格差を禁止することを求めてきた。
2019春季生活闘争は、「働き方改革関連法案」が可決・成立し「同一労働同一賃金」が含まれた。
連合北海道は、道内雇用労働者の40.6%、89.3万人を数えるパートや有期契約、派遣、季節労働者などの非正規労働者の賃金・労働条件の改善に重点的に取り組むことを発信した。具体的には、自らの職場の正規と非正規の処遇について総点検を行ったうえで、合理的な理由がない処遇差がある場合は、労使で協議し、その是正を求める取り組みを進めるよう方針化した。労働組合のない職場で働く労働者をも含めた社会的な波及と組織拡大をめざし、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となり、「非正規労働者の時給引き上げ」「職場から始めよう運動の展開」「企業内最低賃金の取り組み」「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める要請行動」を始めとした取り組みを展開することを提起した。
(a)「職場から始めよう運動」の展開
非正規労働者の処遇改善と組織化をめざし、職場組合員の理解浸透を図ることを目的に、「職場から始めよう運動」を通年的な取り組みと位置付けて展開してきた。
1)連合北海道では、北海道庁・労働局・経済5団体に対する要請行動を実施し、2018年4月に拡充された厚生労働省の「キャリアアップ助成金」などを有効活用し、賃金テーブルの改定などを行い、非正規労働者の時給引き上げをはじめ、法令の周知・遵守等、非正規労働者の処遇改善を訴えてきた。また、各産業別部門連絡会や中小・パート共闘会議などの諸会議においても、非正規労働者の処遇改善、組織化などの取り組みの情報交換を行うことができたことは評価したい。
2)2019春季生活闘争の時期を捉え、声かけなど職場における日常的なコミュニケーションを深めながら、「職場点検活動の実施」運動と連携し、非正規労働者の実態把握に努めることなどを、労使交渉本格化の前段を中心に取り組むことを提起した。また、法令遵守や労働条件の点検、正社員への転換ルールの導入・明確化・転換促進など法規定を上回る制度整備を図ることを求め、最低でも「就業規則と同様の労働協約を締結する」取り組みを昨年同様に展開するよう方針化したが、各構成組織(単組)における取り組み内容の把握には至らなかった。
(b)取り組みの成果
1)構成産別(単組)では、ア・情報労連1単組で、月給制の職務加算の改善および時間外開始時間を正社員と同等、イ. UAゼンセン3単組で、ライフイベント休暇や就職支援制度、自治労自治体単組で日給制から月給制への移行などの改善を勝ち取っている。
2)地域ユニオンでは、渡島地域ユニオン亀田清掃労組で時給20円の増額、十勝地域ユニオン慧誠会労組で通勤手当の見直しなどを勝ち取った。
(c)「官製ワーキングプア解消」に向けた取り組み
自治体の公務職場では、3人に1人が臨時・非常勤職員となっており、官公部門産別においても、非正規労働者の現状把握から課題解決に向けた取り組みを展開し、組織化の具現化に取り組んでいる。また、地協・地区連合による「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」は、社会的キャンペーン行動と連携して毎年取り組み定着してきている。自治体要請を通して、同じ屋根の下で働く非正規労働者や、公契約下の企業・団体で働く労働者の実態、地場・中小を含めた地域の労働者の実態を考え合う機会を作るとともに、地協・地区連合の連携を更に強めて取り組みを継続していく。
(7)最低賃金引き上げの取り組み
(a)企業内最低賃金
連合は、最賃協定を通じた格差是正を推進するため、最賃協定の適用労働者拡大を今次春季生活闘争方針に明記した。すべての労働組合で適用労働者を拡大したうえ、少なくとも生活できる賃金水準(連合リビングウェイジ)の確保をはかること。また、経験豊富な労働者の時給が未経験の高卒初任給を下回らないよう仕事にふさわしい水準をめざすことを提起した。
連合北海道は、最低賃金対策委員会を開催し、2019最低賃金の取り組み方針を確認し、6月議会意見書採択など、世論喚起の取り組みについて意思統一をはかった。特に、時間給1,000円を目標に掲げ、「連合リビングウェイジ時間額(北海道は940円)」、高卒初任給等との均等待遇1,050円で提起し、賃金水準やセーフティネットとして実効性の高い水準をめざすこととした。また、特定最低賃金の改定にあたっては、北海道最賃を上回る水準の維持を求めてきた。
その結果、今次闘争の中で、優秀な人材を確保しようという企業内労使の合意が功を奏し、企業内最低賃金を引き上げた組合は全国ガス、全労金など、今年も4単組で成果が出たことは評価したい。また、人材確保の観点から初任給の引き上げを行った組合も、電力総連、全労金、全国ガスなど改善が図られた。
(b)北海道最低賃金
  中央最低賃金審議会目安に関する小委員会は、7月31日に目安を取りまとめ、翌日開催された中央最低賃金審議会にその結果を報告した。Aランク28円、Bランク27円、Cランク26円、Dランク26円の引き上げ目安額とし、全国加重平均は過去最高の27円となった。
  北海道地方最低賃金審議会(本審)は、6月3日を皮切りに計4回開催し、専門部会は、計3回の審議を重ねた。労働者側は、「経済財政運営と改革の基本方針2019」などにおいて、「より早期に全国加重平均1,000円を目指す」ことが示され、そこに配意して審議を進めることを強調した。また、最低賃金近傍で働いている労働者であっても、家族とともに生活し、将来展望が描ける社会を実現するための賃金水準に引き上げること。そして、有効なセーフティネットとして十分機能するよう訴え、働くことに意義を見出すよう、昨年以上の大幅引き上げに最大限努めるよう主張した。
これに対し使用者側は、経済状況や生産性、企業の支払い能力の限界、ランク別で北海道はCランクの中で突出して高いこと、標準生計費では北海道は40番目に位置することや中小企業の労働分配率が大企業と比較し著しく高いことなどをあげ、「中賃目安の26円」を大幅に下回る額の提示に固執し、労使譲らず激しい審議が続く中、公益委員から「中賃目安などを考慮する必要もあり、26円の引き上げ」が提案された。労働側は、引き上げに伴い、全労働者に与える影響率が23.906%、パート労働者に至っては49.978%と極めて大きいことや、使用者側が公益提案に強い抵抗を示したことなどから厳しい判断を迫られた。
最終的に使用者側全員が反対したものの、公益・労働者側の賛成多数により、現行835円から26円引き上げ、861円に改正し、10月3日から発効することで結審した。
今回の改定額について、最低賃金法第1条の目的を達成するための生活できる賃金水準という要求からして納得できる改定額とは言えない。一方、連合が求める「誰でも1,000円」の早期実現には課題が残るものの、現行の時間額表示に一本化された2002年以降、最も高い引き上げ額であることや、引き上げに伴い50万人を超える多くの非正規を含めた労働者の賃金引き上げに反映されるものと受け止める。しかし、3年続いた10月1日の早期発効が実現出来なかったことは残念である。引き続き、5年連続して労働者側が主張してきた1,000円への引き上げに向けた道筋を付けるための表記が答申書に記されたことから、この答申書を足掛かりに、賃金水準の議論を深めながら最低賃金の大幅引き上げに取り組んでいく。
また、答申において、昨年同様、行政機関の業務委託に関わり、最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注後においても特段の配慮を要望するとされたことから、地協・地区連合段階で、自治体等に対する要請行動を展開してきたことは評価できる。

2018北海道最低賃金審議決定状況
Cランク 時間額 引上額 引上率 部会採決日 審議会採決日 発効日
北海道 861円 26円 3.11% 8月6日 8月7日 10月3日

((c) 特定(産業別)最低賃金
  北海道最低賃金審議終了後、関係業種の最低賃金改正必要有りとの確認を受け、9月9日に3業種合同の専門部会が開催され、以降、3〜5回にわたる専門部会において金額審議を重ねてきた。
  連合北海道最賃対策委員会は、特定最賃の意義と役割について、労使間で共通認識を持ち、優秀な人材の維持・確保を求め、そこに働く人たちの処遇改善のために、地賃比115〜120%の優位性確保を目標として進めてきた。鉄鋼は19円、乳糖および船舶は21円、電気は26円の引き上げとなった。今後とも特定最賃の取り組み強化を目指す。

2018特定(産業別)最低賃金審議決定状況
業 種 時間額 引上額 引上率 地賃比率 部会採決日 発効日
鉄 鋼 967円 19円 2.00% 112.3% 9月26日 12月1日
電 気 894円 26円  3.00% 103.8% 9月30日 12月1日
乳 糖 892円 21円 2.41% 103.6% 10月4日 12月6日
船 舶 887円 21円 2.42% 103.0% 10月1日 12月1日

(8)ワークルール(労働関係法令遵守)の取り組み
連合は、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善をはじめ、就業者が9割近くを占める「雇用社会」であるわが国において、デフレ経済から脱却し経済再生を実現するためには、労働者保護ルールの緩和・改悪ではなく、働く者の雇用安定と処遇改善をはかることが重要であると発信した。
(a) 改正労働基準法に関する取り組み
今次闘争では、2019年4月より改正労働基準法(罰則付時間外労働の上限規制)が施行されるにあたり、男女平等局と共催で学習会を開催し、改正ポイント・具体例・連合の取り組みの3点について学習した。
 学習会の開催
 日 時  2019年2月20日(水)18:00〜19:15
 場 所  ロイトン札幌
 内 容  1)講演「改正のポイントについて解説」
         講師:北海道労働局 八島 寿治 指導課長
       2)講演「具体的な取り組み(就業規則変更等)のポイントについて」
         講師:えるむ社会保険労務士法人 富樫 真紀子 代表
       3)講演「連合の取り組みについて」
         講師:連合労働法制対策局 柳 宏志 次長
 参加者 100名
(b) 職場点検活動の取り組み
  連合は、すべての組織が、働き方改革関連法が順次施行されることを踏まえ、それぞれの産業全体の働き方の見直しの方向感を方針等の策定により示し、ディーセント・ワークの実現、ワーク・ライフ・バランスの推進、コンプライアンスの徹底することをめざすよう提起した。また、中小・地場組合の点検活動を強化するため、「職場点検活動チェックリスト」を活用し、ワークルールの遵守・徹底に取り組んだ。連合北海道は、職場点検活動を際に留意すべきチェックポイント11点<1)労働時間、2)ワーク・ライフ・バランス、3)安全衛生、4)非正規労働者のワークルール、5)雇用、6)ハラスメント、7)男女平等>を明記して進めたが、今次闘争期間中の各産別の点検活動状況の把握には至らなかったことは反省すべき点といえる。
(c) 医療(看護師)職場の意見交換会の開催
現在、各自治体で取り組まれている地域包括ケアシステムの構築には、医療と介護を始めとする多職種連携が必要不可欠とされている。また、院内においても一人の患者に複数のメディカルスタッフが連携して、治療やケアにあたっている。
 医療と介護の連携をはじめ、異なる職種のメディカルスタッフ等との職場内・外の連携は「医療・介護の質向上」とともに、医療安全を確保し働きやすい職場づくりに密接に関わる課題となっている。
様々な現場で「連携と協働」を実践するためには、お互いの「違い」を認めて「承認」し合い、フラットな視点で結びついた「つながり」をつくる必要がある。こうした中で連合北海道は、2月14日に第5回医療(看護師)職場の意見交換会を開催し、「多職種連携と安全な職場の一丁目一番地 〜自己と他者の承認を通じ、違いとつながりを知る〜」について、北海道医療勤務環境改善支援センターの富樫真紀子アドバイザーを招いて講演を頂いた。11病院23人(昨年10病院26人)から、各病院職場の実態を報告頂き、その後、分散会を通じて、情報の共有、各単組や職場の取り組みに学ぼうと熱心に意見交換がされたことは成果といえる。
参加した看護職員からは、1)承認することはとても大切と感じました。実行に移していきたいと思います、2)他の病院の情報がわかり、自分の病院と比較することができた。改善点もわかって良かった、3)持ち味カードを初めて使いました。自分を振り返ることができて、おもしろかったです。いろいろな職場の話が聞けて参考になりました。自分の職場でも持ち味カードを使ってみたいと思いましたなど、大変役に立つ有意義な交換会であったとの好評を得ることができた。2020春季生活闘争に向けて、各構成組織が看護職員の処遇改善に向けた要求を掲げ、その実現をめざしていく場として、更なる検討が必要である。
(d) 労働相談ダイヤルなどの実施
2月6日〜8日に全国一斉「集中労働相談ダイヤル」(テーマ:働き方にレッドカード!〜2019年4月から労働時間に上限規制が導入されます〜労働相談ホットライン)を開設した。相談告知の地協での街宣活動を展開し、期間中の相談電話は12件が寄せられた。
また、6月3日〜4日にも「女性のための全国一斉労働相談ダイヤル」「労働時間(法改正)」(テーマ:職場で悩むあなたを応援(サポート)します)を開設した。相談告知の取り組みとして、札幌では5月31日に周知街宣行動を展開した。

3.政策・制度要求の実現に向けた取り組み
 「2019年度 政策・制度実現の取り組み」と「2019春季生活闘争」における賃金・労働条件改善の取り組みを「運動の両輪」として、すべての労働者を対象にした生活改善・格差是正の運動を強力に進めてきた
(1)クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーンの取り組み
(a) 働き方改革関連法の施行を視野に入れ、今まで以上に社会に広がりをもった各職場における職場環境の改善や、組合のない職場への周知徹底、組織化を進める。さらに、働く者の将来の生活を左右する統一地方選挙や参議院議員選挙を見据え、暮らしの「底上げ」に対する国民の認識を高め、「働く人が報われる社会」を念頭においた社会的対抗軸を広く国民に訴えることとし、重点取り組みとして※「Action!36」を展開することを提起した。

Action!36
2019年4月1日より、(a)罰則付きの時間外労働の上限規制や、(b)年次有給休暇の取得促進に関する使用者の付与義務などの改正労働基準法が施行される。
長時間労働を是正し、組合の有無にかかわらず、すべての職場でのより良い働き方の実現を目指し、36協定の適切な締結など、職場における取り組みの徹底とともに、地域や社会における機運の醸成を通じて、働く人たちのセーフティネットづくりを目指す。

(b) 連合北海道は、11月5日と全国統一の行動日である3月6日に「Action!36」周知街宣行動を紀伊國屋前において、「北海道は全国平均より労働時間が長い。時間外労働をさせるためには適切な方法で結ばれた労働基準法第36条に記されている協定、所謂サブロク協定が必要。」と訴えた。また、経済5団体・北海道労働局・北海道に対しての要請行動の際、「長時間労働の是正に向けた共同宣言」を協定するよう働きかけ、3月18日に北海道労働局と協定を結んだ。
(2)地方財政確立に向けた取り組みについて
  2019年度の地方財政計画は、歳入・歳出規模が89兆3,000億円(昨年比+2.7%)となり、一般財源総額は62兆7,072億円(同比+1.0%)が確保された。地方交付税は16兆1809億円(同比+1.1%)となり、増額されるものとなった。一方、2015年に創設された「まち・ひと・しごと創生事業費」は、昨年同様1兆円が確保された。しかし、行革努力と実績によって配分される「インセンティブ改革」や民間委託等による経費削減に基づいて単位費用を引き下げる「トップランナー方式」が強化されており、客観・中立であるべき地方交付税算定に反するものとして国会審議で追及していかなければならない。
連合北海道は、政策・制度課題と位置付けて、3月7日、北海道への要請行動の中で、「地方分権の推進と自治体財政の確立の実現」を提出し、歳出抑制は地方交付税全体の縮小と地域間格差の拡大につながる危惧があることから、国に対して慎重な対応を求めるよう要請した。
(3)地域活性化フォーラムの開催について
2015春季生活闘争より、「開かれた春闘」の必要性や地場産業の活性化と働く者の処遇改善を一層進めるため、「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠」をスローガンに取り組みを進め、地域活性化フォーラムを開催してきた。
2019年は、地域活性化フォーラムin日胆」を室蘭市で開催し、〈鉄のまち室蘭における、もの・ひと・まちづくり〉をテーマに、室蘭工業大学で行われているCOC+(地方創生事業)の成果と課題などを行政や企業団体・民間団体それぞれの立場から意見を交わすとともに、大学から毎年多くの卒業生が輩出されているが、ほとんど室蘭に残らない現状を踏まえ、地元に残る方策などのディスカッションが行われた。
連合北海道は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、「顔の見える連合運動」の展開を通じて地域全体の活性化につなげていくこととしており、多くの産別の参加を促すと共に、毎年、各地域において同様のフォーラムの開催を追求し、北海道経済の活性化をめざす一助としたい。

4.組織強化・拡大の取り組み
(1)労働条件の改善を、地場・中小企業、非正規労働者など未組織の労働者に拡げていくためには、組織化は不可欠であり、組織内外へ集団的労使関係(労働組合)の必要性を訴えていく必要がある。
春季生活闘争の方針では、企業内で働く有期契約労働者、60歳以降の再雇用者、パート・アルバイトなど未組織労働者の組合員化や組合の無い子会社・関連会社での組合結成、未加盟組合に対する加盟の呼びかけを行うなど、組織拡大を積極的に進めること。また、グループ内派遣会社などの組織化も着実に推進することを方針として提起した。
(2)12月6日には組織拡大推進特別委員会を開催し、30万連合北海道をめざして、組織拡大学習会を開催し、組織化に向けた意思統一を図った。また、地域討論集会はもとより、中小・パート共闘会議、産業別部門連絡会や、各産別・地協の機関会議などの場で、集団的労使関係(労働組合)の拡大、30万連合北海道実現に向けた意思結集をはかることができた。
(3)昨年の連合北海道定期大会後、2019年9月30日現在、7産別13組合4,270人(内、非正規労働者組合員3,631人 占有率85.0%)を組織化した。各構成組織の努力もあり、非正規労働者の拡大が顕著である。組織内の拡大は一朝一夕で出来るものではなく、粘り強く組織化に尽力されている産別(単組)、地協(地区連合)の取り組みに感謝申し上げたい。引き続き、組織化の好事例を情報共有し、30万人連合北海道組織の実現に向けて、当面、7月までの組織拡大強化月間の取り組みを、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となって取り組んでいく。

5.春季生活闘争を通じた労働者自主福祉運動の取り組み
   労働者自主福祉運動は、第2の賃金闘争として、可処分所得を引き上げるための有効な手段であり重要な役割を担っている。そのためには、労働者の相互扶助の原点である労働者自主福祉運動へ結集し、組合員・家族の生活向上に向けて、春季生活闘争の期間中を重点に6年目となる方針を提起した。
(1)労働金庫、こくみん共済coop、住宅生協、医療生協、道労福協の労働者福祉事業団体の運動推進スケジュールを明記し、各構成組織、地協における取り組みを進めた。
(a)労金運動では、つなぐプロジェクト推進運動、「奨学金借換ローン」制度の周知、退職金結集運動など、(b)こくみん共済coopでは、生活保障設計運動の更なる浸透、こくみん共済の推進、住まいる共済、自賠責共済等の推進、(c)住宅生協運動では、新築、リフォーム、流通(不動産仲介)、(d)医療生協運動では、組合員加入、定期健康診断や人間ドック利用、「レスパイト入院」の周知など、昨年の総括を踏まえ各構成組織が最大限取り組むよう提起した。
(2)産別・地域について
(a) 労金運動では、「つなぐプロジェクト」による「会員」と「地域」との資金循環の具現化を進める取組みの結果、「利用実績に応じた寄付額(1件につき100円)」は、2019年4月1日から4月末時点で665,800円。退職金結集運動として、「産別からの退職者情報提供(6産別)」「全開発・JP労組・北教組における機関会議での取組方針化」「説明会・セミナー開催(82会員・1,294名)」等、会員・推進機構による運動展開が図られました。2019年4月1日から4月末時点の奨学金借換ローン新規融資は、7件 14百万円。また、2017年10月からの取扱開始から2019年4月末時点で、通算266件649百万円の成約となった。
(b)こくみん共済coop運動では、2月〜4月にてこくみん共済108件、長期共済27件、自賠責共済1,121件、火災共済255件、自然災害共済144件獲得。
(c)住宅生協運動では、外壁・屋根の塗装・張り替えフェア、マンションリノベーションフェアを実施し、産別・単組に対してはパンフレット配布等の教宣活動を行い、消費税増税の駆け込み需要に対応すべく、地協・地域に対しても教宣活動を実施し、受注の掘り起こしに努めた。
(d)医療生協運動では、各事業や諸活動についての知名度・認知度を高めることについては、産別・単組の春闘期会議等に挨拶や紹介の機会を作って頂いた。また、新たに作成した各種チラシを配布し、範囲を広げて周知出来た。

6.2020春季生活闘争に向けた取り組み
 具体的には、本部方針を受けて北海道方針を提起・確認という流れであるが、別紙「連合北海道2020春季生活闘争基本構想(案)」を中心に、より具体化し全体が取り組める方針とする。

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