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資料:連合北海道第32回定期大会1号議案−その6 
くらしの安心と社会的公正を確立する政策制度の実現

1.「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けた連合の取り組み
 発足から6年半が経過した第二次安倍政権は、空疎な演出で実績を強調するものの、外交面でも国内政策でも行き詰まりを見せています。さらに、国会での不誠実な答弁や予算委員会の開催を拒否するなど国会の機能を軽視し、多様な民意をないがしろにする政府・与党の政治姿勢は、議会制民主主義を破壊し国民の期待を裏切るものです。与野党は、国民の政治への関心や信頼をこれ以上損なわないためにも、人口減少・超少子高齢社会を迎える日本が直面する諸課題に真剣に向き合わなければなりません。
 今年、結成30周年を迎える連合は、これを機に、これまで運動の基軸としてきた「働くことを軸とする安心社会」の価値観を継承するとともに、「持続可能性」と「包摂」を運動の基底に置き、「まもる・つなぐ・創り出す」運動へと再構築する新たな連合ビジョンを確認しました。今期2年間は、2035年の社会を展望する連合ビジョンを踏まえ、連合がめざす社会の実現に向けて、連合本部・連合北海道、構成産別、地協・地区連合と一体となった政策・制度の実現に取り組むこととします。

(1)連合ビジョン「働くことを軸とする安心社会−まもる・つなぐ・創り出す−」の実現に向けた運動と政策
(a) 連合は今年6月、「私たちが未来を変える」との決意のもと、連合ビジョン「働くことを軸とする安心社会−まもる・つなぐ・創り出す−」を策定しました。2035年の社会を展望して、これまで運動の基軸としてきた価値観を継承・深化させた社会像を提起するとともに、その実現に向けては、組合員はもとより広く国民から共感を得られ、社会的うねりをつくる運動面を強化し、様々な社会課題を乗り越えていこうとするものです。
そして、中長期の「羅針盤」である連合ビジョンを踏まえ、基盤強化に向けた「4つの改革パッケージ」を提起し、実行と検証・改善のサイクルとして3期6年を視野に入れて進めていくとしています。

<連合がめざす社会像とは>
 働くことに最も重要な価値を置き、誰もが公正な労働条件のもと、多様な働き方を通じて社会に参加でき、社会的・経済的に自立することを軸とし、それを相互に支え合い、自己実現に挑戦できるセーフティネットが組み込まれている活力あふれる参加型社会である。
 加えて、「持続可能性」と「包摂」を基底に置き、年齢や性、国籍の違い、障がいの有無などにかかわらず多様性を受け入れ、互いに認め支え合い、誰一人取り残されることのない社会である。

(b) 連合ビジョンに基づくめざす社会の実現に向けて、連合は今年、「社会保障構想(第3次)」「教育制度構想」「税制改革構想(第4次)」を策定して、政策面の充実を図ることにしました。これら3つの政策構想は、雇用状況が悪い中で就職した団塊ジュニア世代が、2035年頃に65歳を迎えることから、それを射程に、ニーズを満たす社会保障や教育制度の改革と、その負担を社会全体で分かち合う税制改革を提起しています。

(2)雇用と生活の不安を解消する政策・制度の実現
(a) 連合は「働くことを軸とする安心社会」をめざし、第198通常国会における重要法案の審議に向けて、「クラシノソコアゲ応援団! RENGOキャンペーン」第4弾の「Action!36」、統一地方選挙・参議院選挙に向けた世論喚起、院内集会など各種行動をはじめ、「2019春季生活闘争」を通じて、2019年度の重点政策の実現に取り組みました。
前半国会では、「2019年度政府予算」や「税制改正関連法」が与党などの賛成多数で可決・成立しましたが、連合が求めた国民全体の「底上げ・底支え」「格差是正」の観点から多くの課題を抱えています。後半国会では、「ハラスメント対策関連法案」、「子ども・子育て支援法改正案」、「児童福祉法等改正案」、「国有林野管理経営法改正案」など、働く者の健康・安全やくらしの安心に関わる法律が成立しました。一歩前進と評価できる法案がある反面、課題の残る法律もあり、継続的な検証が求められます。
(b) 連合は2019年6月、向こう2年間に取り組む政策として、「2020〜2021年度 政策・制度 要求と提言」をまとめました。ここに掲げた課題を中心に、「2020年度 連合の重点政策」を策定し、6月に決定された政府の「経済財政運営と改革の基本方針2019(通称・骨太の方針)」ならびに2020年度予算の概算要求基準に対置して、重点的に政府・政党に求めていくこととしています。
さらに、連合として最大限の労力を傾け、政策実現に向け取り組む項目として、重点政策からさらに絞り込んだ次の6項目の「最重点政策」を設定しました。

 ■2020年度(2019年7月〜2020年6月) 連合の「最重点政策」
  1)自然災害からの復興・再生の着実な推進
  2)経済・産業政策と雇用政策の一体的推進および中小企業への支援強化
  3)「公平・連帯・納得」の税制改革の実現
  4)雇用の安定と公正労働条件の確保
  5)すべての世代が安心できる社会保障制度の確立とワーク・ライフ・バランス社会の早期実現
  6)教育機会の均等実現と学校の働き方改革を通じた教育の質的向上

9月の中央執行委員会では、「2020年度 連合の重点政策」を中心とした政策実現をはかるべく、2019年秋の臨時国会から2020年通常国会までを見据えた「2020年度 重点政策実現の取り組み方針」が確認されます。これを踏まえて連合北海道は、運動の具体化に向けた課題を政策委員会において提起するとともに、2020春季生活闘争とも連動して取り組むこととします。


2.北海道における重点政策課題
 北海道はいま、道内総生産の減少など地域経済は低迷し、生活に困窮する世帯の増加、若年層を中心とした人口の流出や出生率の低下など、持続可能な地域社会を次世代に引き継ぐうえで課題が山積しています。16年ぶりに新しく道政のトップに就いた鈴木知事は、地域の医療・介護基盤の確保、国際競争にさらされる第一次産業の振興、JR北海道の路線見直しなど、課題解決に向けたビジョンを示し、リーダーシップを発揮することが求められます。そのためには、SDGsの「誰ひとり取り残さない」「経済、社会、環境の調和」という理念を目に見える形にするよう、市町村や道民との連携・協働を深めることが欠かせません。

(1)地域を活性化し雇用を創出する産業・雇用政策の確立
(a) 北海道における少子高齢化・人口減少問題の深刻さは、道外への転出超過と全国46位という合計特殊出生率の低さに現れています。この背景には、安定的で良質な雇用機会が限られ、若年層を中心として進学、就職を機に道内各地から札幌、札幌から本州への流出が続くという構造的な問題が考えられます。
北海道の雇用労働者の状況は、非正規雇用が約4割を占め、季節労働者も5万人を数えるなど、低賃金で不安定な雇用に就く者が少なくありません。若年層の非正規雇用割合も高く、新規学卒者の高い離職率も課題です。有効求人倍率の上昇など目先の雇用情勢は改善して見えますが、業種・地域間では雇用のミスマッチが生じており、道内の働く者を取り巻く環境は、決して楽観できる状況ではありません。
また、北海道では外国人技能実習生を中心に外国人労働者が近年、大きく増えています。2018年10月末現在で、外国人労働者は約2万1千人に達し、さらに新たな在留資格(特定技能)による外国人材の受け入れが始まっています。他方、道内で1万人を超える技能実習生は、制度本来の趣旨とは裏腹に、農業や水産業など人手不足分野での重要な労働力となるなか、監理団体や実習先における法違反、人権侵害の事案が顕在化しています。
(b) 連合北海道は、道内の雇用環境の改善に向け、関係産別や地協と連携して、公契約条例の制定、公的職業訓練の充実、季節労働者の雇用の安定に関わる課題に取り組んできました。また、「北海道創生協議会」に参画し、創生総合戦略の改定に向けた検証ワーキングの一員として、勤労道民の立場から意見反映を行いました。さらに、外国人技能実習法にかかる北海道地区地域協議会に対して、制度の適正な運用と労働者の権利確保を申し入れるなど、受入環境の改善・整備を求めてきました。
公契約条例については、一昨年3月の「公契約条例を社会に広げることをめざすワーキングチーム」設置以降、シンポジウムや学習会、入札制度に関する調査活動、先進自治体への視察等に取り組んできました。2019年度は、モデル地区選定に向けた予備的調査を行いましたが、具体的な条例制定に向けた動きには至っていません。
公的な職業訓練・職業能力開発は、人材育成と就労支援に不可欠な政策です。2019年度も、組織労働局を中心に、職業訓練関連労組との意見交換を通じて職業訓練施策に関する課題を抽出し、労働審議会等への意見反映や「要求と提言」に盛り込みました。
政府の季節労働者施策は、2007年に「冬期雇用援護制度」の廃止と特例一時金の50日から40日への削減が行われ、新たに「通年雇用促進支援事業制度」による「通年雇用化」に転換されました。現在、建設関連を中心とした5万人あまりの季節労働者の多くは、冬期の離職を余儀なくされ、通年雇用化も困難な現状にあることから、冬場の所得保障・生活支援、建退共の制度改善が切実な課題となっています。2019年度は、当該産別と連携し、制度改善など当面する諸課題について「要求と提言」に反映して、政策の実現に努めました。
2020年度は、これまでの取り組みを継続し、組織労働局とも連携して次の課題に取り組みます。
イ)公契約条例に関しては、ワーキングチームによる調査・学習活動を継続するとともに、モデル地区の設定を展望した、現場・地域段階における条例制定に向けた気運を高める取り組みを具体化します。
ロ)職業訓練・職業能力開発の課題は、職業訓練関連労組との意見交換など産別・単組と連携した各種取り組みを通じて政策課題を抽出し、「要求と提言」に反映していきます。
ハ)季節建設労働者の通年雇用化と冬期間の生活対策の強化に向けて、季節・建設対策委員会や季節労支援センター運営委員会との協働により政策・制度の検討を行い、政府や道に対する「要求と提言」に反映して、政策実現に取り組みます。
ニ)外国人労働者の増加に伴い、受入環境の整備と相談窓口の充実が課題です。外国人労働者の実態把握に務めるとともに、職場や地域における交流拡大と相互理解を促進し、トラブルの未然防止に向けた対応を求めて行政や受入団体との連携を検討します。

(2)公共交通ネットワークの確立
(a) 人口減少が進む道内では、バス・トラックの運転者不足、過疎地域における生活交通の衰退、JR北海道による事業範囲の見直し問題など、地域の公共交通の確保に関わる困難な状況に直面しており、課題解決に向けて行政・地方自治体・事業者・利用者等を交えた議論や取り組みが求められています。
昨年7月、国土交通省から監督命令を受けたJR北海道は2019年4月、2030年までの「長期経営ビジョン」、「中期経営計画(2019〜2023年度)」のほか、2019年度から5年間のJR独自の収支見通しと8区間の2019・2020年度の利用促進策をまとめた「アクションプラン」を発表しました。国は、2019・2020年度の2年間を「第1期集中改革期間」として、総額400億円台の支援を行うとともに、地域の関係者と一丸となった利用促進やコスト削減、2次交通も含めたあるべき交通体系について検討するよう求めています。さらに、2021年度以降の支援継続のため国は、国鉄清算事業団債務等処理法の改正を検討するとしていますが、この2年間での取り組みで「目に見える成果」を挙げることが前提とされています。
8区間の路線維持に向けて道や地元自治体は、利用促進費の負担を決めていますが、今後の財政支援も含め、地域の責任だけで鉄路の存続を議論することには限界があります。国は自ら役割と責任を明確にすべきであり、JR北海道の安定的経営が可能となるよう2021年度以降の国による支援策を明らかにするとともに、公的支援制度の拡充が求められます。
(b) 連合北海道は2018年4月、「地域公共交通を考えるプロジェクトチーム」を立ち上げ、学習活動や視察を通じて把握した課題を踏まえ、「2019年度政府及び道政に対する要求と提言」に反映してきましたが、2019年度の地域公共交通PTの活動は、選挙闘争などもあり具体化できませんでした。2020年度は、懸案である2つの視察調査に取り組むとともに、地域公共交通PTに参画する産別と連携し、地協の協力を得ながら次の課題に取り組みます。
イ)地域公共交通PTのもとで物流と地域公共交通に関する調査活動に取り組みます。
○モノの流れに着目して、道路や鉄道、港湾などのインフラ整備の状況、運輸労働者の賃金・労働条件など、北海道における物流の現状を把握し、交通・運輸政策の課題を明らかにする。
○自治体における地域公共交通の確保に向けた取り組みを把握し、道内の交通空白地域における政策・制度を検証する。
ロ)地域公共交通の確保とJRの再生等に関する「要求と提言」を策定し、政府ならびに道政に対して政策・制度の実現を求めます。

(3)道民生活と産業を支えるエネルギー・環境政策の推進
(a) 昨年9月に最大震度7を観測する胆振東部地震が発生し、多くの人的・物的被害を受けるとともに、北海道全域がブラックアウトに陥り道民生活に様々な影響を与えました。全域停電の発生を受け電力広域的運営推進機関では、発生原因やその後の復旧作業手順について検証が行われたほか、経済産業省でもレジリエンス(回復力・強靱性)の高い電力インフラ・システムを構築するための課題や対策が議論され、中間取りまとめが報告されました。また、北海道電力においても、検証作業に基づく再発防止の取り組みが進められています。
高レベル放射性廃棄物の最終処分候補地の選定に向けた「科学的特性マップ」が公表されて2年が経ち、全国各地で対話型の説明会が開かれてきましたが、候補地として手を挙げる自治体は現れていません。北海道は、「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」(2000.10.24公布)を制定し、「特定放射性廃棄物の持込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難い」と宣言しています。道内のいかなる地域においても、国が頭越しに最終処分地の設置につながる調査の申入れをしないよう、知事には毅然とした対応が求められます。
高レベル放射性廃棄物の地層処分技術を研究する「幌延深地層研究センター」は、「道条例」ならびに北海道・幌延町・機構との「幌延町における深地層の研究に関する協定(三者協定)」により放射性廃棄物を持ち込まないことが前提の施設で、研究終了後は地下施設を埋め戻して、最終処分場や中間貯蔵施設に転用しないことを明確にしています。
研究期間は、当初計画において2001年から「20年程度」とされ、終了時期について原子力研究開発機構は、2019年度末までに決めるとしていました。しかし、機構が8月2日、道と幌延町に提出した「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」は、終了時期を明示することなく研究期間を延長する内容で、既定方針から大きく後退しています。幌延町に深地層研究センターが設置された歴史的経過からしても到底、納得できるものではなく、機構には三者協定を遵守し、研究終了までの工程について遅れることなく明確にすることが求められます。
(b) 2018年度の北海道原子力防災訓練が2018年10月に行われ、連合北海道は、地域防災体制の強化と住民参加による訓練の充実に向けた課題を見出すため、産別・地協から30名の参加を得て調査活動を実施しました。2019年度は、2月に訓練が予定されており、今回も調査活動を通じて得られた課題を北海道への政策提言に反映していきます。
幌延深地層研究については、三者協定の履行確保に向けて2019年8月、5団体による事業計画説明会を開催したほか、秋には現地において幌延深地層研究監視連絡会を開催します。機構が提出した「令和2年度以降の幌延深地層研究計画(案)」については、三者協定遵守の立場から、計画(案)の見直し・撤回と研究終了までの工程を明らかにするよう関係先への要請を行います。
連合のエネルギー政策の基本は、原子力に代わるエネルギー源の確保、再生可能エネルギーの積極推進および省エネの推進を前提として、中長期的に原子力エネルギーに対する依存度を低減していき、最終的に原子力エネルギーに依存しない社会をめざすことです。連合北海道は、本部方針を踏まえ、2013年10月のエネルギー・環境政策委員会「第T期のまとめ」において示した「第U期に向けた課題」に基づき、原子力への依存度を低減し、将来的な脱原発を実現していくよう、引き続き国や道への政策提言や原子力防災訓練調査、幌延深地層研究監視活動など以下の課題を中心に取り組みます。加えて、昨年9月に発生したブラックアウトに関して、その原因や対策について理解を深めるための学習会を企画します。
イ)「北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例」を活かし、「北海道エネルギービジョン(仮称)」等の策定を求める政策提言活動
ロ)市町村の再生可能エネルギー導入促進に向けた取り組みに関する調査及び政策提言活動
ハ)実効ある原子力防災計画や住民避難計画の策定に向け、原子力防災訓練調査活動を通じた住民避難等の課題抽出と必要な財政措置等の政策制度要求の実施
ニ)「幌延町における深地層の研究に関する協定書」と「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」の遵守、放射性廃棄物の持ち込み拒否に向けた幌延深地層監視連絡会活動の強化
ホ)大間原子力発電所の建設やバックエンド問題に関する学習会の開催
ヘ)道内石炭資源の活用に向けた、北海道石炭対策連絡会議との連携と政策提言

(4)地域医療・介護、地域福祉など道民生活の安全・安心の確保
(a) 高齢化の進展と世帯人数が減少するなかで、家族介護のために介護離職を余儀なくされ経済的困窮に陥ったり、「老老介護」、「認認介護」など、介護サービスや社会的支援なしでは生活が困難な世帯の増加が指摘されています。子育てで孤立し我が子を虐待してしまう親たち、「ひきこもり」により老親とともに社会から孤立する「8050問題」など、さまざまな「生きづらさ」を抱え、支援を必要とする人の社会的孤立を防いでいくことが課題です。また、各地域・自治体では、2025年を展望した地域医療構想の実現と地域包括ケアシステムの構築をはじめ、「地域共生社会」の実現に向けた地域福祉の推進が課題となっています。
2019年10月の消費税率10%への引き上げに伴い、診療報酬、介護報酬のプラス改定が行われます。とくに、新しい経済政策パッケージに基づく介護職員のさらなる処遇改善として「特定処遇改善加算」が設定され、経験・技能のあるリーダー級の介護職員においては、「月額8万円」の改善又は「役職者を除く全産業平均水準(年収440万円)」を設定・確保し、他産業と遜色ない賃金水準を実現するとしています。
2025年に向けて実現をめざす地域医療構想については、「地域の公立・公的病院等の機能改革」に関する合意内容を再検証し、機能転換や再編・統合の議論が進められる見込みです。今後、医師の働き方や医師偏在対策と併せて、地域に必要な医療をいかに整備・確保するかが課題となっています。経済・財政諮問会議は、「診療報酬も活用した地域医療構想の実現」を求めており、2020年度に行われる診療報酬の改定論議を注視していく必要があります。
(b) 安心で持続可能な社会保障機能を強化するためは、医療・福祉人材の確保と処遇改善に向けた政策・制度の充実が求められます。2019年度は、医療・介護人材の確保に向けて、医療勤務環境改善支援センター運営協議会や介護労働懇談会、北海道地域医療介護総合確保基金(介護分)検討協議会に参画し、意見反映に努めました。また、春季生活闘争の取り組みの一環として開催した「医療職場の意見交換会」では、医療勤務環境改善支援センターからの提起や各職場からの報告を通じて、職場の改善課題を共有しました。2020年度は、地域医療・介護、地域福祉の確立に向けて、以下の課題に取り組むこととします。
イ)2025年を展望した地域包括ケアの構築に向けた、関係産別との連携による医療・介護・福祉現場の視察調査や学習会の開催
ロ)医療勤務環境改善支援センター運営協議会や介護労働懇談会への参画を通じた、医療・介護人材の確保、職場改善に向けた意見反映
ハ)組織労働局との連携による医療職場の意見交換会の開催、および交流を通じた政策課題の抽出
ニ)NPO等との連携による生活困窮者自立支援や子どもの貧困対策の推進
ホ)「地域共生社会」の実現に向けた「地域福祉」に関する講座や学習会の開催

(5)人口減少社会に対応した地方分権と自治体財政の確立
(a) 地方の歳出水準について「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太の方針)」は昨年と同様、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額を、2021年度までにおいて、2018年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとしています。地方行革については、歳出効率化や行革努力に応じた地方交付税の配分、窓口業務の委託の推進、自治体基金の見える化等を引き続き掲げるとともに、市町村における人口減少や技術者不足を見据えた多様な広域連携、公共サービスの広域化・共同化の取り組みを推進するとしました。
各自治体のおかれた地域的実情、歴史的経過を顧みず、交付税算定を利用して国の都合の良いように政策を誘導することは、地方自治・地方分権の否定につながるものです。
一方、総務省の有識者会議は昨年7月、「フルセット主義」を脱却して近隣市町村でつくる「圏域」を行政主体として法制化し、医療体制の拡充や産業振興などのまちづくりを連携して進めるよう提言する「自治体戦略2040構想研究会」報告を発表しました。直後に開かれた第32次地方制度調査会において安倍首相は、「(前略)・・2040年頃から逆算し顕在化する諸課題に対応する観点から、圏域における地方公共団体の協力関係、公・共・私のベストミックスその他の必要な地方行政体制のあり方について、調査審議を求める」と諮問し、これを受け地制調は今年7月31日、「中間報告(案)」をとりまとめ、「圏域」等の広域連携に関連する方策について整理しています。
しかし、「圏域マネジメント」構想は市町村が求めたものでもなく、法制化すべき立法事実が果たして存在するのかという点で疑問があります。圏域のあり方・形は地域の実情に応じて模索すべきもので、国からの押しつけがあってはならないことは言うまでもありません。
(b) 地域福祉の確保、災害への備え、地域公共交通の確保、公共施設の老朽化対策などについて、それぞれの自治体が自主的に判断し取り組むことが出来るよう、自治体財政を確保することは国の責任です。地方財政の充実・強化を求めて2020年度は、地方議会の意見書採択や、政府や道に対する「要求と提言」を通じて、道民世論の喚起と要求実現に取り組みました。
2020年度についても、「安心社会」を支える公務・公共サービスが確保されるよう、北海道公務労協や「地方財政確立道民会議」と連携し、引き続き、自治体財政の確保と地方分権の確立に取り組みます。


3.政策・制度実現に向けた取り組み
 連合北海道の政策・制度課題は、専門局を横断する幅広い分野に及びます。産別と地協・地区連合との連携による各専門委員会の活動を基本に、連合北海道議員団会議や推薦地方議員との協力・連携を強め、政策・制度の策定と実現に取り組みます。また、地域医療・介護問題対策委員会については、機動的な体制に再編します。

(1)専門委員会の活動
(a) 政策委員会
政策委員会では、主に「要求と提言」の策定に関わる検討・論議を行うとともに、重点政策への理解を深めるため、会議に併せて学習会等を開催します。学習会の開催にあたっては、製造業や交通・運輸産業、流通・サービス業などの道内産業における政策課題をより反映するため、産業別部門連絡会との連携を図るとともに、公契約条例WTや地域公共交通PTにおける課題も含め検討していきます。
2020年度は、1月に第1回委員会を開催し、「2020年度政策・制度実現に向けた取り組みの基本方針」を提起するとともに、本部方針を踏まえた重点政策実現の課題、2020春季生活闘争時における政策・制度の取り組み、国政・道政に対する2021年度「要求と提言」策定に向けた基本的考え方等を明らかにしていきます。これを受け、5月に政府予算・道政に関する「要求と提言」原案を提示し、産別・地協からの意見やアンケートを踏まえて成案化した上で、7月に第3回政策委員会を開催して確認することとします。
(b) エネルギー・環境政策委員会
エネルギー・環境政策の課題は、本委員会の「第T期のまとめ」で示された「第U期に向けた課題」に基づいて、エネルギー政策に関わる政策提言をはじめ、原子力防災訓練調査活動、幌延深地層研究監視活動等を中心に、産別・地協と連携して取り組みます。
2020年度は、「北海道エネルギービジョン」の策定を道に求めていくため、北海道のエネルギー・電力事情等に関する学習会を複数回開催し、政策課題を整理した上で「要求と提言」に反映します。

(2)地域医療・介護問題対策委員会の再編
(a) 少子高齢化の進行とともに家族の形は変化し、様々な「生きづらさ」を抱え、社会的に孤立する人々が増えています。社会保障をめぐる状況が複雑・多岐にわたっており、地域医療・介護の課題も含めて様々な切り口から福祉政策を検討することが重要となっています。
そのため、「地域医療・介護問題対策委員会」については、体制を再編した上で「地域福祉研究会(仮称)」に改組し、政策委員会の“課題別部会”に位置づけて、社会保障制度や地域福祉に関わる実態調査や政策研究に取り組むこととします。

(3)2021年度政府予算及び道政に対する「要求と提言」の実現
(a) 「2020年度政府予算に関する要求と提言」は、196項目に及ぶ課題のうち、公共職業訓練や季節労働者、外国人労働者などの雇用・労働政策、自動車運転者の長時間労働是正やJRの路線見直し問題などの交通政策、日米貿易交渉や国有林野などの農林業政策、教育予算の確保や教員の勤務条件改善に関わる教育政策など5省庁23項目を重点課題と位置付け、2019年8月2日、連合北海道国会議員団会議と連携し、関係省庁への中央要請行動を行いました。
道政に関しては8月9日、「2020年度道政運営に関する要求と提言」を提出した上で、道予算の編成に向けて10月に対道交渉を実施します。
(b) 2021年度の政府予算及び道政に関する「要求と提言」は、1月に「2021年度の政策・制度実現に向けた取り組みの基本方針」において、策定に向けた基本的考え方を示すこととします。また、「要求と提言」は、5月に原案を提示した後、産別・地協の政策アンケートを踏まえ、7月に成案化します。
策定した2021「要求と提言」の実現を求め、政府予算については概算要求時期に合わせて中央要請行動を実施することとしますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催時期を考慮し、日程を調整します。また、道政に関して8月に要求を提出し、10月に対道交渉を配置します。

(4)地域から積み上げ発信する政策提言活動
(a) 地協・地区連合でも、「市町村予算に関する要求と提言」をとりまとめ、政策・制度の実現に取り組みました。また、季節労働や教育課題など、関係産別と連携した自治体要請行動を展開しています。
例年1〜2月の春季生活闘争前段で取り組む「社会的キャンペーン」行動は、各地協と連合北海道が連携し、管内の市町村や総合振興局、経済団体、学校関係者等に対して雇用創出や地域福祉等に関わる要請と意見交換を行うものです。行動を通じて明らかとなった現場の課題は、連合北海道の「要求と提言」の策定に活かされ、国政・道政に関する政策・制度の改善要求に反映しています。
(b) 地協・地区連合は、地域・市町村における政策・制度の検証と課題抽出を行い、その改善に向けて、以下のイ)からニ)に掲げた取り組みを行うこととします。その際、連合北海道は、地区連合の「要求と提言」策定に向けて共通の政策課題を提示します。
イ)自治体の予算編成期に向けた「要求と提言」の策定と提出・交渉(意見交換)
ロ)推薦地方議員との連携による「要求と提言」の具体化に向けた議会論議
ハ)春季生活闘争期の「社会的キャンペーン」を通じた自治体や経済団体等への要請行動・意見交換
ニ)その他(政策学習会などの開催)
(c) 国や道の重要政策に関して、地方議会における「意見書採択」運動は、政策・制度実現に関わる重要な取り組みのひとつです。
2019年度は、会計年度任用職員の処遇改善と雇用安定、地方財政の充実・強化、義務教育費国庫負担制度堅持や教職員の超勤解消など教育予算確保・拡充と就学保障、「給特法」の廃止を含めた見直し、北海道地方最低賃金審議会に対して「最低賃金の引き上げ」を求める意見書の採択運動を全道で展開しました。
地域住民や勤労者の生活を重視した政策が実現されるよう、2020年度においても関係産別や地協・地区連合との連携をはかり、地協推薦(連携)議員団と協力して、地方議会における意見書採択に取り組むこととします。

(5)連合北海道議員団会議ならびに推薦地方議員との連携
(a) 連合北海道が求める政策・制度の実現には、推薦する国会議員や道議会議員で構成する議員団会議との協力・連携が欠かせません。
政府予算に関する中央要請行動では国会議員団と連携するとともに、年4回の道議会開会時期には、道議会民主・道民連合との連携会議や政策協議を開催して、連合の取り組みや政策・制度要求について情報交換や協力要請を行いました。
また、連合北海道が推薦した道議会議員も所属する北海道結志会とも、定期的に道政に関わる情報交換や政策要請を行っています。
(b) 引き続き、連合本部が提起する全国課題も含め、連合北海道の「要求と提言」など国政・道政課題の実現に向けて、議員団会議ならびに立憲民主党北海道や国民民主党北海道との協力・連携を深めていくとともに、道政においては、北海道結志会との連携を図り、政策実現に向けて協力を求めていきます。
また、各地域においても、自治体政策に関わる地域課題について、地協推薦議員懇談会との連携を強めることとします。

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