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資料:連合北海道第32回定期大会1号議案−情勢と課題−
一.国際情勢
1.世界の経済・政治・社会情勢
(1)米国景気は、拡張的な財政政策の効果が剥落するなか、回復ベースが鈍化しています。しかしながら、良好な雇用・所得環境を背景とした個人消費の拡大や、企業収益の底堅い伸びを受けた設備投資の緩やかな増加などから、民間部門主導の自律的な景気回復が持続しています。
なお、トランプ政権が対中輸入関税の拡大や自動車への追加関税に踏み切った場合、コスト高等を通じた家計・企業マインドの悪化や企業収益の落ち込みは避けられず、景気が大きく下振れするリスクも予想されます。
 ユーロ圏では雇用と所得環境が改善しており、消費者マインドの低下傾向に歯止めがかかり、堅調な個人消費がユーロ圏景気を下支えしています。
 英国景気は、4月のGDPが▲0.4%と、2ヵ月連続マイナスとなり、年初の合意なし離脱を警戒し在庫積み増しの反動が顕在化し、4〜6月期は成長ベースが鈍化しています。保守党のジョンソン氏が新主相に就任し、今後Brexitをめぐる不透明感が高まる中、消費者マインドは欧州債務危機や世界金融危機以来の低水準で推移しており、個人消費の拡大は期待薄と予想されます。
 中国景気は、外需の低迷が続いているほか、内需の回復にも遅れ、輸出は米国による関税引き上げなどにより、増勢が鈍化し景気回復は遅れている状況です。4〜6月期の成長率は再び弱含むものの、政策による下支えで景気失速は回避される見通しとしていますが、リスク要因は、米トランプ政権による3,000億 ドル規模の中国製品に対する追加関税の発動、また、地方銀行の破綻が金融システム不安・景気失速に繋がる可能性も否めません。

(2)米国の中国に対する貿易制限の発動や米朝首脳会談の電撃的な実現、イラン核合意からの離脱など、トランプ米大統領の動向が大きな話題となっています。さらに英国のEU離脱問題、シリア、ロヒンギャ難民危機や移民政策への対応等にみられるように自国ファーストの動きが表面化しています。さらに、未だに世界各地で戦闘・紛争・テロ・威嚇等の行為が続いており、多くの住民や観光客が争いに巻き込まれています。加えて、軍事力を増強する中国は、海洋権益の拡大を主張して東シナ海・南シナ海での活動等により、東アジアを取り巻く緊張も続いています。

(3)世界各地で、異常気象による被害や海面上昇による海岸浸食、北極圏の氷の激減など、地球温暖化の影響とみられる被害が発生しています。6月にはメキシコ中西部を嵐が襲い大量の雹(ひょう)が高さ2メートルまで積り、ヨーロッパでは、猛烈な熱波に見舞われフランス南部で観測史上最高の気温45.9℃を観測。ロシア・シベリアなどの北極圏で記録的高温となり山火事が多発、米国やバングラデシュでは洪水となるなど自然災害が全世界で猛威を振るっています。
 また、世界人口は77億人とも言われ、国内の内戦・混乱による難民の数は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると7480万人を上回ったとする報告書が発表され、加えて飢餓人口は世界で約8億2100万人を数え、世界の9人に1人は健康で活動的な暮らしを営むための十分な食糧を得られていない状態なっています。この難民・貧困・飢餓問題を解決するには、国の平和と安定が不可欠であり、この課題を解決するには全世界が状況の共有化を図り、人類のあらゆる知識や方法、政策、そして政治的な意思を示し、この地球上から内戦・飢餓をなくさなくてはなりません。

(4)このように2020年以降も世界の経済・政治・社会の予測は極めて難しい状況にあり、こうした中での日本の政治・経済・外交・防衛課題を解決し、東日本大震災における被災地の復興・再生と全国各地で発生している自然災害の復旧を成し遂げ、平和な日本の新たな成長に向けては、一層政治のリーダーシップが求められています。


二、国内情勢
1.日本の経済・政治・社会情勢
(1)内閣府の7月の月例経済報告によると「景気は、輸出を中心に弱さが続いているものの、緩やかに回復している」としています。中国向けを中心とした輸出の低迷を背景に、製造業の生産活動は伸び悩んでいます。また、外需に弱さが残るなかでも、内需は底堅く推移しており、良好な雇用情勢と賃金上昇により、個人消費は緩やかな回復が持続しています。また、高水準の企業収益を背景に、設備投資も増加基調で推移しています。先行きを展望すると、内需の拡大に支えられ、景気は再び回復軌道に復帰する見込みです。輸出は世界経済の成長ペースが緩やかにとどまるなか、力強い回復は期待薄としています。内需に目を向けると、企業の設備投資は、老朽化した設備の更新投資や、人手不足を背景とした省力化・合理化投資など潜在的な需要は依然として強い状況です。一方、個人消費も、良好な所得環境に支えられ、緩やかに増加する見通しでありますが、10月の消費税の引き上げにより、軽減税率の導入や教育・保育の無償化などの消費増税対策が家計への負担増緩和となるのか不透明な部分もあることから注視していく必要があります。

(2)日本の政治は、未だ一強多弱の状態が続いております。7月の第25回参議院議員通常選挙においては、結果的に憲法改正勢力の3分の2は回避することができましたが、与党に過半数を与えたことや、3年前との比較において旧民進党が比例代表で獲得した票数を大幅に減らしたことなどにより厳しい結果と受け止めています。
 安倍政権は、数の「おごり」を背景とした国会運営と、民主主義を否定する強行採決を連続的に行ってきました。断固抗議するものであります。国民の声を無視する政治、立憲主義を否定する独裁政治をこれ以上続けさせるわけにはなりません。いち早く、右傾化する政治、独裁政治を続ける現政権を退陣させ、立憲主義、主権在民、平和主義を取り戻さなければなりません。

(3)日本の社会情勢は、少子高齢化の進行と人口減少問題、社会的弱者の増加や過度な競争社会による貧困と格差の拡大、減少傾向にあるものの21,300人(2018年度)を超える自殺者が未だに後を絶たず、ストレスが個人・地域・社会に蔓延しつつあり、働く者のための働き方改革を進めるための法整備を含め社会的セーフティネットの構築が急がれています。
 また、7月の総務省統計局の数字では非正規労働者数は2148万人(4〜6月平均)、完全失業者数は162万人(4〜6月平均)であり、完全失業率は改善されていますが、非正規労働者が増加しており、雇用環境は大幅な改善には至っていません。加えて、今後の日本における労働力人口は減少し、社会保険料の負担増、地域医療・介護サービス体制の縮小など、社会的不安・混乱の広がりが危惧されています。特に、年金受給額の減少不安、介護制度における軽度者への給付の見直し、医療保険の給付範囲見直し、医療の外来時定額負担、生活保護制度の更なる見直しなど、セーフティネット機能の弱体化が懸念されます。今後は「共助」をできる限り高めた上で、まかなえない部分を「公助」で支えていくための社会基盤整備・構築が求められます。

2.道内の経済・社会情勢
(1)道内の景気動向は、全体として緩やかに持ち直してしています。個人消費は、百貨店が前年を下回ったものの他のスーパー、コンビニ、家電販売、新車販売等は前年を上回り基調としては持ち直している状況です。観光はGWが10連休となった影響から国内客が多数訪れるなど改善しています。公共工事は、道が前年を下回ったものの、市町村で前年を上回り全体的に増加しています。
 一方、住宅建設は新設住宅着工件数が持家は前年を上回りましたが、賃貸、分譲が下回り全体として弱含みとなっています。企業倒産は件数、負債総額ともに増加しています。雇用動向は、有効求人倍率が、幅広い業種で人手不足感が強まっていることから、前年を上回って推移しています。
 また、道内の人口は1997年の5,698,506人をピークに減少局面に入り、現在は5,279,640人(2019年6月)となっています。しかし、札幌市については1,958,351人(2019年6月)であり、現在まで増え続け、一極集中状態となっています。

(2)前述のとおり、有効求人倍率は、前年を上回り改善されていますが、新規求人数のうち正社員の割合は半数以下であり、正社員の有効求人倍率(2019年6月)は、全国で1倍を超えているのに対し、道内は0.84%にとどまっているなど、安定的で良質な雇用の安定確保が課題で、求職者と求人職種の「雇用のミスマッチ」では、医療・福祉や建設分野における労働者不足が深刻な問題となっています。
 また、道内の第1次産業を取り巻く環境は依然として厳しく、後継者不足、就労年齢の高齢化を改善することなく進んでいます。さらに、日本の食糧基地でもある北海道においてEPAやTPPの動き、台風・豪雨・寒冷等による自然災害など、道内基幹産業の維持・継続問題に発展する課題も多く見られます。
 加えて、広域で多くの過疎地域を抱える北海道においては、北海道で安心・安全に暮らしていくためのセーフティネットワークの構築が不可欠で有り、地域医療・介護のサービスネットワーク、それを支える人材確保や自治体財政の充実・確保が重要であり、道内特有の先送りにできない課題も山積しています。

3.次期国政選挙の対応について
 7月の第25回参議院議員通常選挙において、連合は初めて立憲民主党と国民民主党それぞれを支援するという非常に厳しく、難しい選挙となり、全国的にも連合推薦の比例候補者10名の内2名が議席を確保することが出来ませんでした。
 北海道選挙区では連合推薦候補者2名の当選を図るべく取り組みを進めましたが、立憲民主党「勝部けんじ」氏は当選できたものの、国民民主党「はらやなみ」氏は残念ながら落選する結果となりました。この結果をしっかり総括し次期国政選挙に向けて体制及び戦略の強化を図る必要があります。
 今後も「働くことを軸とする安心社会の構築」をはじめとする連合の政策実現に向け、連合北海道構成産別、地協・地区連合の連携を更に強化し、連合政策に考え方の近い政治勢力の大幅な拡大を図る必要があります。

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