連合北海道ロゴ 連合北海道 (日本労働組合総連合会 北海道連合会) 連合北海道 Rengo Hokkaido official website

トップページ → 大会資料等 → 資料
資料:連合北海道第31回年次大会2号議案−2018春季生活闘争のまとめ
1.はじめに
(1)連合は2018春季生活闘争において、「経済の自律的成長」「包摂的な社会の構築」「人的投資の促進」「ディーセント・ワークの実現」をめざし、すべての働く者の賃金の「底上げ・底支え」「格差是正」の実現をはかるべく、賃上げの継続を求めた。特に、中小企業労働者や非正規労働者の月例賃金・時給の改善のために、「大手追従・準拠からの構造転換」と「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させる取り組みを進めること。また、長時間労働を是正し、個々人の状況やニーズにあった多様な働き方を選択できる仕組みを整え、ワーク・ライフ・バランスや働く者の立場に立った働き方改革の実現をめざしていくことなどの基本的な考え方を示し闘争に臨んだ。
(2)道内においては、1月26〜27日の石狩ブロックを皮切りに、2月17日の宗谷地域まで、道内13ブロック・地域の討論集会に約1,000人の地協・地区連合、産別・単組の組合員の参加を得て、今次春季生活闘争のスローガンである「すべての労働者の立場に立って働き方を見直そう!『底上げ・底支え』『格差是正』でクラシノソコアゲ!」を求めて闘いを進めていくことを意思統一し、闘争方針の徹底・浸透に努めた。
 その後、3月5日の「2018春季生活闘争勝利!3.5全道総決起集会」には、1,300人超の組合員・退職者等が結集し、月例賃金にこだわった賃金改善及び大手と中小、非正規労働者の格差改善が必要であること。長時間労働の上限規制と同一労働同一賃金の実現に向けて組織の総力を挙げて勝ち取ろうと喚起した。
 同様に、各地域においても、十勝地協総決起集会の400人結集をはじめ、27箇所の地協・地区連合、ブロックにおいて総決起集会を開催し、延べ3,032人の組合員が結集。また、渡島地協(4/18、150人)、石狩地協(4/27、200人)においては、地場解決促進集会を開催し、地場・中小の底上げの実現に向けた意思統一を図った。
(3)今次闘争の最大のヤマ場を3月14日に設定し、第1先行組合回答ゾーン(3月12日〜16日)、第2先行組合回答ゾーン(3月19日〜23日)、中堅・中小集中回答ゾーン(3月24日〜31日)、中小回答ゾーン(4月中)として、回答の集中化と情報の開示を積極的に行い、より波及力を高めることとした。
(4)中央段階の集計結果について、6月末時点の最終集計結果によると、平均賃金方式では、5,575組合が回答を引き出した。回答(組合員数加重平均)は5,934円、2.07%となった。このうち、300人未満の中小組合4,073組合の回答は、4,840円、1.99%となり、大手組合と中小組合の賃上げ率のかい離を縮小することができた。
 次に、非正規労働者の賃上げ(単純平均)は時給21.59円(昨年同時期比+1.13円)、月給3,977円(昨年同時期比+421円)で、いずれも昨年同時期を上回っていることに加え、賃上げの対象となる非正規組合員も11万人増えている。さらに非正規労働者の均等処遇の取り組み件数も増加している。また、一時金の回答(加重平均)は、年間月数で4.92ヶ月(昨年同時期+0.11月)、年間金額で、1,557,158円(同+21,480円)である。
 また、「長時間労働の是正」では「インターバル規制の導入」「年次有給休暇取得促進」の取り組みが、また「職場における均等待遇実現に向けた取り組み」 や「男女平等の推進」でも多くの項目で、回答・妥結件数が伸びている。労使が職場実態を踏まえた真摯かつ前向きな交渉・協議により先行的に職場の基盤づくりを進めていることが読み取れる。連合は、7月20日開催の中央執行委員会において最終まとめを確認した。

2.北海道の取り組みの結果と評価
(1)賃上げの取り組み
(a) 賃金引上げの基本的なスタンスについて
1)2018春季生活闘争は、「底上げ春闘」3年目のたたかいと位置付け、「底上げ・底支え」「格差是正」を通じて、「経済の自律的成長」「包摂的な社会の構築」「人的投資の促進」を実現するためには、実質賃金を上げ、より消費に回る月例賃金の引き上げにこだわった取り組みに全力を挙げることとした。特に、「企業規模間の格差」、「雇用形態間の不合理な格差」、「男女間の格差」など、依然として存在する賃金をはじめとした格差の是正を通じて、全体の底上げを図ること。そのためには、公正取引の実現、適正配分などを通した中小企業、地場産業の活性化と、そこに働く者の「底上げ・底支え」とともに、無期転換ルールの確実な実行を含めた非正規労働者の雇用安定・処遇改善、そして最低賃金のさらなる引き上げも重点的に取り組むことを発信した。
 同時に、「大手追従・大手準拠などの構造の転換」と「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の継続・定着・前進に向けて全力を尽くし、賃金の上げ幅のみならず、賃金の絶対額を重視した要求の組み立てを行うよう提起した。
2)連合北海道は、2月28日に経済5団体との労使懇談会、3月2日には労働局および北海道に対する要請行動を実施し、2%程度のベースアップを含む月例賃金を4%程度、中小企業にあっては10,500円以上引上げることや非正規労働者の労働条件の改善などを求めた。特に、経済5団体に対しては、「4年連続の賃金改善の流れを継続し、社会全体に広がりを持たせること、月例賃金のアップと中小企業と非正規の処遇改善が必要。また、長時間労働の是正や同一労働同一賃金などの働き方改革の実現に向けて、労使でしっかり議論していくことが重要である」と強く訴えてきた。
(b) 北海道の妥結状況
 8月31日現在、妥結報告があった組合は232組合で、そのうち集計可能組合は209組合(昨年同期223組合)で昨年同期比マイナス19組合となっている。

【組合規模別 平均賃上げ状況 2018年8月31日結果(昨年同時期対比)連合北海道集計】
組合規模  集計
組合 
対象組合
人数(人)
加重平均
妥結額
(定昇・ベア込)
妥結率
昨年
集計
組合
昨年
対象組合
人数(人)
昨年
実績額
(定昇・ベア込)
実績率
昨年比
増減額
   〜 99人 122 5,382 4,051円
(1.84%)
135 5,446 3,736円
(1.78%)
+315円
100〜299人 50 8,996 5,007円
(2.17%)
46 7,945 4,426円
(1.99%)
+581円
300〜999人 30 14,812 5,210円
(1.96%)
34 16,474 4,995円
(1.91%)
+215円
 1,000人〜 12,690 6,901円
(2.48%)
14,544 5,933円
(2.12%)
+968円
209 41,880 5,589円
(2.17%)
233 44,418 5,104円
(1.99%)
+485円

1)賃金引き上げは、加重平均で5,589円(2.17%)、昨年比+485円(+0.18%)で推移している。また、規模別で見ると99人以下(122組合)は、4,051円(1.84%)で、昨年比+315円(+0.06%)、100人〜299人以下(50組合)で、5,007円(2.17%)、昨年比+581円(+0.18%) 、さらに、300人〜999人以下(30組合)は、5,210円(1.96%)、昨年比+215円(+0.05%)、1,000人以上(7組合)は、6,901円(2.48%) 、昨年比+968円(+0.36%)となっている。これらを見ると、すべての組合規模で前年を上回る金額となっており、4年続けて賃上げの流れが継続されている。
2)一時金については、127組合が妥結し、加重平均で、年間一括要求の月数方式(94組合)では4.12ヶ月、金額方式(40組合)は1,178,628円で、昨年比月数で0.43ヶ月減、金額で25,561円減となった。半期要求の夏季月数方式(33組合)では2.01ヶ月、金額方式(24組合)は370,195円となった。また、「別途協議、業績連動・協定方式」との報告組合は4組合となっている。
3)非正規の労働条件改善については、UAゼンセン加盟組合を中心に、28組合(昨年18組合)から定期昇給、時間給、月例賃金、企業内最低賃金、一時金、休日・福利厚生等の処遇改善を勝ち取る報告があった。パート時間給では24組合が妥結し、7.0円(0.86%)から41.8円(4.89%)といった幅があるものの、加重平均で28.85円、3.22%と、正規労働者を上回る大幅な改善がはかられている。また、契約社員、嘱託職員、準職員等の月例給では11組合が妥結し、集計可能組合の加重平均で4,524円超(2.31%)の改善で、正社員を上回る回答を引き出した。さらに、10組合において、パート・契約社員の一時金の回答を引き出すなど、昨年同様の成果が見られる。
(c) 成果と課題
1)闘争全般の総体的な受け止めについて
 2018春季生活闘争は、自律的成長のためにも消費志向が高いと言われている月例賃金のアップと中小企業・非正規労働者の賃上げ、処遇改善の要求に応えるよう強く求める組合の主張に対して、経営側は、経済の好循環実現に向けた社会的な要請には一定程度理解を示しているが、世界的な政治・経済の不透明感による先行きの懸念や、人手不足による人件費の高騰、原油高による原材料費の増加を主な理由として、賃上げに対しては慎重かつ、厳しい態度を示した。
 これに対して組合は、人材育成と働く者のモチベーションを高めていくことが企業・産業の存続と発展には不可欠と主張した。結果としては、多くの組合で前進回答を引き出すことができ、連合の掲げる月例賃金の引き上げにこだわる闘いを進めてきた妥結内容と評価できる。賃上げや人への投資の必要性など、今次交渉における労使の交渉経過や結果は、今後の取り組みにつながる大きな成果であると受け止める。
2)運動面について
 2014春季生活闘争から、連合の主張を社会に広げるため、北海道独自に作成した器材(街宣用テープ等)を活用し、地協・地区連合が街頭における宣伝活動やテープ街宣行動などを展開し、賃金引き上げに向けた世論喚起を促せたことは成果といえる。札幌地区では、第1・第2先行組合の山場の期間内である3月14、16、22日の3日間で早朝・日中帯の街頭宣伝活動を展開し、産別・単組役員の協力のもと、ポケットティッシュ入りチラシを配布し、賃上げの必要性を通勤・通学途中の市民に訴えることができたこと、この取り組みが定着してきたことは評価できる。今回の取り組みの成果を次年度以降にも継続できるよう取り組んでいく必要がある。
 また、今年3年目となる、地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動を全地協(地区連合)段階で展開するよう提起した。釧根地協、渡島地協、日高地協からは、人手不足に対する危機感を共有化し、外国人技能実習生の受け入れ等の意見交換がされたことなど、取り組みの成果が報告された。
3)賃上げ要求と交渉状況について
 連合は、「2018年度の実質GDP成長率は1.6%増、消費者物価上昇率は1.3%と予測され、この結果、実質賃金は0.7%増」との結果を得ている。このときの名目雇用者報酬は3.3%増、現金給与総額は2.0%増となっていることから、連合は経済を自立的な成長の軌道に乗せるためには2%程度の賃上げが必要であると推定していることから、昨年同様、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度の要求を掲げた。これをもとに、北海道における各組合の賃金引き上げ要求は、加重平均で8,971円(昨年8,235円)、率で3.51%(昨年3.17%)であった。昨年より要求水準が高く、すべての組合が、「経済の自律的成長」の実現に向けて労働組合が果たすべき社会的責務を十分に認識したうえで、月例賃金の継続的な引き上げにこだわった要求を行ったものと受け止める。
4)賃上げ回答状況と相対的な受け止めについて
 賃上げ回答状況では、規模別には依然として格差があるものの、すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわった要求を掲げ交渉した結果、賃上げの流れが中小・地場組合にも継続している。賃上げの広がりが前進していることの意義は非常に大きいものがあり、今後につながる成果といえ、各産別・単組の取り組みとして評価したい。
 回答水準については、賃上げ部分が明確に区分できる組合の集計では、定昇相当分を除く賃上げ率は、1,469円、0.51%(連合全体集計1,605円、0.54)%となった。大手と中小企業の「規模間格差」が広がることとなったが、特に、300人未満の規模において、1,525円、0.68%と健闘し、3年目となる「大手追従・大手準拠などの構造の転換」「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させることに重点を置き、奮闘した結果といえる。
 北海道は地場・中小が多く、賃金制度が確立していない単組がほとんどであり、中小企業の賃金水準は未だ低位にある。安心した生活を営む上では「賃金(定昇)制度」の確立が不可欠である。地域ミニマム運動に結集し、組合員個々の賃金実態把握に努めながら抜本的な検討を進める必要があり、課題として残る。
5)非正規労働者の賃金の引き上げについて
 「誰もが時給1,000円」の実現に向けた時給の引き上げをはじめ、連合リビングウェイジ(北海道時間給940円)を上回る水準、または、昇給ルールの導入・昇給分の確保、時間単価37円の引き上げのいずれかを、非正規労働者の賃金要求水準の目安として方針を掲げて闘った。賃上げで妥結した組合数は昨年より3組合増え、人手不足の解消に向けて正社員の賃上げを上回ると同時に加重平均で昨年実績を超えることができ、非正規の処遇改善を進めようという産別・単組、地協の取り組みの結果として評価したい。また、一時金を勝ち取ることができたことなど、非正規労働者の労働条件の改善も着実に前進しており、底上げの役割を一定程度果たしたと考える。
 今後「同一労働同一賃金」の労使協議が増えることが予想されるが、連合は、「雇用形態にかかわらない均等待遇」の実現を求めており、非正規の処遇に合わせるようなことが懸念されるため、連合全体として「底上げ」をはかる観点で対応していく。
6)一時金について
 月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年間一括要求を基本に、年収確保の観点も含め、水準の向上・確保をはかる方針を掲げた。年間一括要求の金額方式及び月数方式と半期要求方式で、前年を下回る結果となった。昨年同様、今次闘争でも、月例賃金の引き上げに注力した取り組みを展開した結果と受け止め、一時金に関する具体的な取り組みは構成組織が主体的に取り組んでいることを尊重する。
7)エントリー登録組合について
 260組合の参加にとどまり、昨年最終の289組合から29組合と大幅に減少している。情報の共有化を図ろうとする産別・地協の協力をいただいたが、エントリー組合が減少したことは残念であり、次年度は増やすように努力したい。
8)情報開示、共有の取り組み
 「妥結情報」を22号発行し情報の共有の取り組みを強化することができた。また、2014春季生活闘争から発行している「春闘ニュース」を5号発行し運動の共有化に努めることができた。

(2)働き方改革(長時間労働の是正・過労死ゼロ)の実現に向けた取り組み
 (a)勤務間インターバル規制について、全自交で3単組、UAゼンセンでも1単組が新たに導入した、(b)電機連合では「電機産業労使共同宣言」に沿った働き方改革を確認し、(c)基幹労連の4単組で年間労働時間の短縮、(d)特別休暇の改善について、電力総連の1単組で積立休暇の使用拡大や3単組で看護休暇の拡大、全労金では年休積立、基幹労連の1単組で年休積立日数増などの働き方改革が報告された。(e)交通・運輸関係では36協定とは別に、厚生労働省の「自動車乗務員改善基準告示」(下記表参照)による拘束時間があり、「働き方改革関連法案」においては、改正法施行5年後となったものの、年間960時間以内の規制適用(休日労働を含まず)、(f)公立の教職員は、給特法等により労基法の適用除外となっており、現状「過労死ライン」とされる月80時間を超えて残業させられている。また、公務職場でも、公共事業や病院等以外の一般事務職は、36協定を締結している職場が少ない。これらの業種についても対応していく必要がある。

【労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)】
ドライバー名 1ヶ月の拘束時間 年間の拘束時間
トラック 293時間以内 3,516時間以内
タクシー・ハイヤー 299時間以内 3,588時間以内
バス 286時間以内 3,432時間以内
※バスドライバーについては、書面による労使協定を締結した場合には、52週のうち16週までは、4週間を平均した1週間当たりの拘束時間を71.5時間まで延長した場合
※働き方改革関連法案の付帯決議二には、「特に、自動車運転業務については、長時間労働の実態があることに留意し、改正法施行後五年後の特例適用までの間、過労死の発生を防止する観点から改善基準告示の見直しを行うなど必要な施策の検討を進めること。」としている。

(3)「産業別部門連絡会」の開催
連合北海道は、6産業別部門連絡会の活性化、産別による単組指導強化、地域内共闘強化を目指し、2010春季生活闘争から進めている期間中3回以上の連絡会開催や、企業内最賃協定の締結、情報交換、要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大などを目指してきた。
 今年も3回の開催が実現され、部門連絡会ごとの交流が多く持たれたことにより、産別間の連携が強化されたことは評価したい。また、全部門において各産別の方針や交渉結果の付け合わせによる情報の共有化につながったことを確信するものである。部門別交流を通じて、共有した好事例を参考に、他の産別でも同様の取り組みを展開したことは評価したい。なお、部門によっては、2〜3産別しか結集できていない現象が続いていることから、中央と同様の部門別の再編について、組織財政強化検討委員会での課題として取り上げ議論していく必要があると考える。
(4)中小・パート共闘会議(中小・パート労働条件委員会)≪規模間格差の是正≫
(a) 中小・パート労働条件委員会は、春季生活闘争期に限って「中小・パート共闘会議」に改名し、その活性化により、地場での取り組みを強化することを目標に掲げながら、闘争期間中に3回の委員会を開催した。残念ながら、ここ数年の間、一度も参加していない産別もあることから、何らかの対策を図っていく必要がある。また、非正規労働者の課題についても、全単組が要求化することを方針化し、「職場から始めよう運動」の展開により、日常的なコミュニケーションを深め、組織化を意識した取り組みを展開した。
(b) 今次闘争で力を注いだのが、大手と中小の規模間の賃金格差の是正である。格差の要因は、企業収益格差(支払能力)によるところが大きく、価格転嫁拒否や優越的地位濫用などの不公正な取引がある。中小企業では、取引先からの受注減少や打ち切りを恐れ、泣き寝入りせざるを得ないところが多く、その多くが価格引下げを断れていない。連合は、中小組合の処遇改善原資を確保することや、公正取引が実現する社会の実現を求めてきた。サプライチェーン全体が生み出した付加価値が、生み出した労働者のもとへ適正に配分されなければ、経済の自律的成長は実現しないことを、労働組合の無い経営者にも訴えた。
 連合北海道は、4月23日に、公正取引委員会北海道事務所と経済産業省北海道経済産業局に対して、連合本部が最終報告をまとめた全国2万社へのアンケート結果(2015年調査)をもとに、4年目となる要請行動を実施した。これは、中小企業で働く労働者の底上げを図るためには、公正な取引慣行の実現による中小企業の収益確保が必須であること、無理な納期設定などが長時間労働の原因にもなっていることから、より一層の法令の周知徹底や違反の取締り、相談機能の充実、中小企業への支援を求めた。要請行動には、フード連合・UAゼンセンが4回目の参加となり、運輸労連も2回目の参加をした。社会への広がり、世論喚起に向けてマスコミにも取材を要請し、北海道新聞が取材に訪れ、翌日の新聞に掲載されるなど、マスコミ媒体なども活用しながら分配の適正化により中小企業に働く労働者の賃金を引き上げるなど、世論に訴えることができたことは取り組みとして評価できる。
(c) 一方、中小労組のほとんどは賃金制度が未整備である中、企業規模間の賃金格差を解消するため、1)中小の賃金カーブ維持分の4,500円、2)連合加盟組合全体平均賃金水準(約30万円)の2%相当額(6,000円)とし、計10,500円以上の月例賃金要求水準の目安を決定した。また、パート等非正規労働者の「時給1,000円」への引き上げまたは時間給37円の引き上げ、「企業内最低賃金の締結」、「総実労働時間縮減・時間外等割増率引き上げ」などのミニマム課題について、中小・パート共闘会議の中で意思統一をはかり、要求作りから交渉に至るまで産別や地域が関わりを強めるという情報の共有化が図られたことは評価できる。
(d) 地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動は、昨年引き続き、全地協で展開するよう提起した。
 渡島・釧根・胆振・日高の4地協から取り組み報告があった。渡島地協では、会頭から会員企業に対して「人への投資」が重要とのメッセージを発信していることを評価したい。また、釧根地協では、中標津商工会との懇談で、雇用の安定については同意識であること、昇給制度についても必要性を感じていることなどが確認されたが、若年者の離職に頭を抱えている。日高地協では、3地区の商工会と懇談を行った。
 その他の地協にあっても、春季生活闘争期を過ぎても中小企業部会との懇談の場を模索している。今回の取り組みを通じて中小企業経営者側からは、なぜ連合との話し合いを行わなければならないのかと、依然、疑問の声も出されている。このため、連合が掲げる「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠である」というスローガンをさらに全面に出し、粘り強く懇談を行うことから、スタートしていく必要がある。
(e) 次に、地域ミニマム運動の取り組みについて、2017年度の地域ミニマム賃金実態調査は、11産別5地協から55組合4,346人(昨年比▲3組合、+726人)が参加した。賃金調査の概要が示され、調査に協力頂いた産別、地協に対して、交渉に役立つようフィードバックした。
 300人未満、賃金制度が確立されていないところを基本的な調査対象としており、今年は昨年に引き続き3,000人のサンプル目標が達成できた。なお、業種別構成比では、製造業が31.3%(昨年23.6%)、交通・運輸業が27.7%(昨年38.5%)、商業・サービス業が41.0%(昨年37.9%)となり、一定程度均衡がはかられた。また、男女構成比は、男性3,771人(86.8%)、女性575人(13.2%)となった。
(f) 連合リビングウェイジにおける単身世帯および2人世帯(父子家庭)の水準をクリアすることをめざす方針を掲げたが、今年も踏み込んだ議論には至らなかった。賃金水準の上げ幅だけではなく、絶対水準を重視した取り組みを行うことが、社会全体の「底上げ・底支え」や「格差是正」に必要不可欠であり、地域ミニマム運動における個別賃金実態調査から算出した北海道の「賃金特性値」や「代表・中堅銘柄」の活用について、連合北海道と各産別において議論を深める必要がある。また、賃金相場波及の取り組みとして、地場賃金水準の開示(地域ミニマム業種別特性値)に注力し、地域における職種別賃金の相場観を高める運動を進めていくことを提起した。この取り組みは、地場には地場の水準があることから、この水準を情報発信し、未組織含めて我が産業は道内でどれ位の位置にあるのかを示し波及力を強化する取り組みであった。地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場における要請書に「業種別特性値」を掲載し、地域の中小企業経営者に相場波及に向けて訴えることができたことは一歩前進である。引き続き、次年度以降もさらなる検討を深めていく。

(5)雇用確保・創出に向けた取り組み
 「新卒者就職支援 全道キャンペーン」の取り組みは10年目を迎えた。経済・雇用対策は行政・経済界・労働界などオール北海道の課題と位置づけ、その一翼を担うとして、今年は、1月26日の渡島・日高から2月17日の宗谷まで、各地域で開催された「春闘討論集会」前段を中心に、地元地協・地区連合と連携し自治体・商工会議所・建設業協会・農協・漁協・学校など99箇所を越えて訪問し、新卒者対策強化や官製ワーキングプア解消などについて要請行動を展開した。
 自治体におけるキャンペーン行動の時期については、2014年から地協段階において、次年度の予算編成に間に合う10〜12月の間に実施しており、地域における取り組みがより一層定着するよう次年度も取り組みを継続したい。
 地域で出された意見は、経済5団体(2月28日)をはじめ、労働局(3月2日)、北海道(3月2日)に対する要請行動の中で意見反映してきたが、引き続き、北海道や労働局の各種審議会や検討会議、また、毎年提出している「要求と提言」などを通して、政策実現に向けた今後の取り組みに反映したい。なお、「新卒者就職支援 全道キャンペーン」は、2008年秋以降、リーマンショックの影響を受け、多くの若者が就職氷河期を迎えたことから、働く者の代表として、翌2009年から連合北海道独自の行動として展開してきた取り組みである。次年度11年目を取り組む中で、これまでの総括と今後の取り組みについて検討していく必要がある。

(6)非正規雇用労働者の労働条件改善の取り組み
 連合は、以前から「雇用形態にかかわらない均等待遇」の実現に向け、賃金・一時金だけではなく、休暇や通勤手当、福利厚生、安全衛生なども含めた待遇・処遇全般を対象に、雇用形態の違いによる合理的な理由のない処遇格差を禁止することを求めてきた。
2018春季生活闘争は、「働き方改革関連法案」の一つで、「同一労働同一賃金」の動きが加速された中での取り組みとなった。
 連合北海道は、道内雇用労働者の40.6%、89万人を数えるパートや有期契約、派遣、季節労働者などの非正規労働者の賃金・労働条件の改善に重点的に取り組むことを発信した。具体的には、自らの職場の正規と非正規の処遇について総点検を行ったうえで、合理的な理由がない処遇差がある場合は、労使で協議し、その是正を求める取り組みを進めるよう方針化した。労働組合のない職場で働く労働者をも含めた社会的な波及と組織拡大をめざし、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となり、「非正規労働者の時給引き上げ」「職場から始めよう運動の展開」「企業内最低賃金の取り組み」「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める要請行動」を始めとした取り組みを展開することを提起した。
(a)「職場から始めよう運動」の展開
非正規労働者の処遇改善と組織化をめざし、職場組合員の理解浸透を図ることを目的に、「職場から始めよう運動」を通年的な取り組みと位置付けて展開してきた。
1)連合北海道では、北海道庁・労働局・経済5団体に対する要請行動を実施し、2017年4月に拡充された厚生労働省の「キャリアアップ助成金」などを有効活用し、賃金テーブルの改定などを行い、非正規労働者の時給引き上げをはじめ、法令の周知・遵守等、非正規労働者の処遇改善を訴えてきた。また、各産業別部門連絡会や中小・パート共闘会議などの諸会議においても、非正規労働者の処遇改善、組織化などの取り組みの情報交換を行うことができたことは評価したい。
2)2018春季生活闘争の時期を捉え、声かけなど職場における日常的なコミュニケーションを深めながら、「職場点検活動の実施」運動と連携し、非正規労働者の実態把握に努めることなどを、労使交渉本格化の前段を中心に取り組むことを提起した。また、法令遵守や労働条件の点検、正社員への転換ルールの導入・明確化・転換促進など法規定を上回る制度整備を図ることを求め、最低でも「就業規則と同様の労働協約を締結する」取り組みを昨年同様に展開するよう方針化したが、各構成組織(単組)における十分な取り組み内容の把握には至らなかった。
(b)取り組みの成果
1)構成産別(単組)では、UAゼンセンでは、17単組で無期転換ルールが確認され、その内3単組については法より短い期間での無期転換ができるようになった、イ. 全労金では、嘱託職員の永年勤続表彰、ウ. JP労組では、同一労働同一賃金の係数の引き上げなどの改善を勝ち取っている。
2)各地協(地区連合)では、月例賃金の引き上げ、誰でも時給1,000円の実現に向けた地域での世論喚起、街頭宣伝活動を行い、昨年に引き続き、広く社会にアピールする取り組みを各地域で展開することができたことは成果といえる。一方、留萌地域ユニオン・羽幌福祉分会では、採用予定はあったが、採用できなかった余剰人件費を正・準職員および臨時職員にまで再配分することは評価できる。
(c)「官製ワーキングプア解消」に向けた取り組み
自治体の公務職場では、3人に1人が臨時・非常勤職員となっており、官公部門産別においても、非正規労働者の現状把握から課題解決に向けた取り組みを展開し、組織化の具現化に取り組んでいる。また、地協・地区連合による「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」は、新卒者に関わる社会的キャンペーン行動と連携して毎年取り組み定着してきている。自治体要請を通して、同じ屋根下で働く非正規労働者や、公契約下の企業・団体で働く労働者の実態、地場・中小を含めた地域の労働者の実態を考え合う機会を作るとともに、地協・地区連合の連携を更に強めて取り組みを継続する必要がある。

(7)最低賃金引き上げの取り組み
(a)企業内最低賃金
連合は、最賃協定を通じた格差是正を推進するため、最賃協定の適用労働者拡大を今次春季生活闘争方針に明記した。すべての労働組合で適用労働者を拡大したうえ、少なくとも生活できる賃金水準(連合リビングウェイジ)の確保をはかること。また、経験豊富な労働者の時給が未経験の高卒初任給を下回らないよう仕事にふさわしい水準をめざすことを提起した。
連合北海道は、最低賃金対策委員会を開催し、2018最低賃金の取り組み方針と「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」の取り組みと連動し、6月議会意見書採択など、世論喚起の取り組みについて意思統一をはかった。特に、時間給1,000円を目標に掲げ、「連合リビングウェイジ時間額(北海道は940円)」、2017年北海道の高卒初任給(157,200円)の2%=ミニマム基準として、157,200円を目安にした賃金水準やセーフティネットとして実効性の高い水準をめざすこととし、また、特定最低賃金の改定にあたっては、北海道最賃を上回る水準の維持を求めてきた。
その結果、今次闘争の中で、優秀な人材を確保しようという企業内労使の合意が功を奏し、企業内最低賃金を引き上げた組合は、電機連合3単組をはじめ、基幹労連、全国ガス、全労金など、今年も9単組で成果が出たことは評価したい。また、人材確保の観点から初任給の引き上げを行った組合も、UAゼンセン11単組をはじめ、電機連合、全国ガス、など昨年同様多くの組合で改善が図られた。
(b)北海道最低賃金
 中央最低賃金審議会目安に関する小委員会は、7月24日に目安を取りまとめ、翌日開催された中央最低賃金審議会にその結果を報告した。Aランク27円、Bランク26円、Cランク25円、Dランク23円の引き上げ目安額とし、全国加重平均は過去最高の26円となった。
 北海道地方最低賃金審議会(本審)は、6月5日を皮切りに計4回開催し、また、専門部会は、計7回の審議を重ねた。労働者側は、「雇用戦略対話合意」「ニッポン一億総活躍プラン」「働き方改革実行計画」などにおいて、前提条件はついているものの、全国加重平均1,000円を目指す」ことが示され、そこに配意して審議を進めることを強調した。また、最低賃金近傍で働いている労働者であっても、家族とともに生活し、将来展望が描ける社会を実現するための賃金水準に引き上げること。そして、有効なセーフティネットとして十分機能するよう訴え、働くことに意義を見出すよう、昨年以上の大幅引き上げに最大限努めるよう主張した。
 これに対し使用者側は、経済状況や生産性、企業の支払い能力の限界、ランク別で北海道はCランクの中で突出して高いこと、連合リビングウェイジ940円に対しての充足率が全国で5番目に高いことなどを強調し「中賃目安の25円」を大幅に下回る額の提示に固執し、労使譲らず激しい審議が続く中、公益委員から「中賃目安などを考慮する必要もあり、25円の引き上げ」が提案された。労働側は、引き上げに伴い、全労働者に与える影響率が15.987%、パート労働者に至っては34.71%と極めて大きいことや、使用者側が公益提案に強い抵抗を示したことなどから厳しい判断を迫られた。
最終的に使用者側全員が反対したものの、公益・労働者側の賛成多数により、現行810円から25円引き上げ、835円に改正し、10月1日から発効することで結審した。
今回の改定額について、最低賃金法第1条の目的を達成するための生活できる賃金水準という要求からして納得できる改定額とは言えない。一方、連合が求める「誰でも1,000円」の早期実現には課題が残るものの、過去最高額の引き上げ額であることや、引き上げに伴い23万人を超えるパート労働者の賃金引き上げに反映されるものと受け止めるものである。さらに、10月1日の早期発効を実現したことは評価できる。引き続き、4年連続して労働者側が主張してきた1,000円への引き上げに向けた道筋を付けるための表記が答申書に記されたことから、この答申書を足掛かりに、賃金水準の議論を深めながら最低賃金の大幅引き上げに取り組んでいく。
 また、答申において、昨年同様、行政機関の業務委託に関わり、最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注後においても特段の配慮を要望するとされたことから、地協・地区連合段階で、自治体等に対する要請行動を展開してきたことは評価できる。他にもSDGs8も新たに記載された。

2018北海道最低賃金審議決定状況
Cランク 時間額 引上額 引上率 部会採決日 審議会採決日 発効日
北海道 835円 25円 3.08% 8月3日 8月6日 10月1日

(c)特定(産業別)最低賃金
 北海道最低賃金審議終了後、関係業種の最低賃金改正必要有りとの確認を受け、9月10日に4業種合同の専門部会が開催され、以降、3〜4回にわたる専門部会において金額審議を重ねてきた。
  連合北海道最賃対策委員会は、特定最賃の意義と役割について、労使間で共通認識を持ち、優秀な人材の維持・確保を求め、そこに働く人たちの処遇改善のために、地賃比115〜120%の優位性確保を目標として進めてきた。鉄鋼・乳糖および船舶は21円、電気は26円の引き上げとなった。今後とも特定最賃の取り組み強化を目指す。

2018特定(産業別)最低賃金審議決定状況
業 種 時間額 引上額 引上率 地賃比率 部会採決日 発効日
鉄 鋼 948円 21円 2.25% 113.5% 10月2日 12月1日
電 気 868円 26円  3.08% 103.9% 10月1日 12月1日
乳 糖 871円 21円 2.47% 104.3% 10月3日 12月1日
船 舶 866円 21円 2.48% 103.7% 10月1日 12月1日

(8)ワークルール(労働関係法令遵守)の取り組み
連合は、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善をはじめ、就業者が9割近くを占める「雇用社会」であるわが国において、デフレ経済から脱却し経済再生を実現するためには、労働者保護ルールの緩和・改悪ではなく、働く者の雇用安定と処遇改善をはかることが重要であると発信した。
(a)有期労働契約に関する取り組み
1)非正規労働者の約8割が有期契約労働者であるが、雇用の不安定さと労働条件の格差、キャリア形成の困難さなどの問題点を抱えた雇用形態である。雇い止めを背景に、労働条件の切り下げが容易に行われたり、年休取得などの権利行使が阻まれたりする問題が指摘され、当時の民主党政権時代に雇用安定と処遇改善に向けた労働契約法が改正された。
今次闘争では、2018年4月より第18条の無期転換ルールが適用されるケースが生じることを踏まえ、ルール回避目的での雇い止めの動きが散見されたことから、雇い止め防止に向けた労使交渉・協議を行うことや、キャリアアップ助成金等を有効活用した労働条件の点検と正社員への転換ルールの明確化・導入・促進など、法規定を上回る制度の整備等をはかる取り組みを方針化した。
2)2017年7月20日に公表した連合による「有期契約労働者に関する調査(有効サンプル1,000名の集計)」では、無期労働契約への転換の内容を84%が知らないとの結果が出された。連合北海道は組織化を視野に入れつつ、広く世論に周知するためシンポジウムの開催と地下歩行空間に相談コーナーを設置した。
 1)シンポジウムの開催
 日 時 2018年2月22日(木)18:00〜19:30
 場 所 ホテルポールスター札幌
 内 容 (ア)講演「無期転換ルールとは」
       講師:北海道労働局 山田 裕 指導官
     (イ)問題提起「使用者・労働者・労働組合としての注意点」
       講師:ユナイテッド・コモンズ法律事務所 淺野弁護士
 参加者 250名
 2)相談コーナーの設置
 日 時 2018年3月19日(月)10:00〜17:00
 場 所 地下歩行空間
 内 容 使用者相談:北海道社会保険労務士会が対応 
      労働者相談:連合北海道非正規労働センター
(b)職場点検活動の取り組み
 連合は、すべての組織が、いわゆる「ブラック企業」問題を生じさせないことも含め、法律・労働協約の遵守や安全問題への対応を徹底させ、公正なワークルールの確立をめざすことを提起した。特に、適正な労働時間管理、非正規労働者の年次有給休暇取得の周知などに取り組むことを発信した。また、中小・地場組合の点検活動を強化するため、「職場点検活動のポイント」を活用し、ワークルールの遵守・徹底に取り組んだ。連合北海道は、職場点検活動の際に留意すべきチェックポイント16点<1)労働時間、2)ワーク・ライフ・バランス、3)安全衛生、4)非正規労働者のワークルール、5)雇用、6)ハラスメント、7)男女平等、8)公正取引>を明記して進めたが、今次闘争期間中の各産別の点検活動状況の把握には至らなかったことは反省すべき点といえる。
(c)医療(看護師)職場の意見交換会の開催
 高齢化に伴って医療ニーズはますます高まり、2025年には看護職員が約206万人必要と推計されていますが、2015年の就業者数は約163万人にとどまっています。
 看護職員は年間19万人が新規参入・復職する一方で16万人が離職しています。その背景には厳しい労働環境が一因とされていますが、働き続けられる職場とするためにも、とりわけ、長時間労働や休暇取得、賃金等の処遇改善をはじめとする離職防止の取り組み強化が不可欠となっています。安心・安全な医療・看護提供体制を確保し、看護師の離職防止と働く環境整備が急務の課題となっている。こうした中で連合北海道は、2月14日に第4回医療(看護師)職場の意見交換会を開催し、「医療の質向上に向けた働きやすい職場環境づくり 〜パワーハラスメントを中心に〜」について、北海道医療勤務環境改善支援センターの富樫真紀子アドバイザーを招いて講演を頂いた。10病院26人(昨年12病院38人)から、各病院職場の実態を報告頂き、その後、分散会を通じて、情報の共有、各単組や職場の取り組みに学ぼうと熱心に意見交換がされたことは成果といえる。
 参加した看護職員からは、1)活発な意見交換ができました。職場は違いますが、同じような体験をしていました。一人で抱え込まない環境作りは大切だと感じました、2)他の医療機関や他職種の就労状況や現状の問題点をリアルに聞くことができた。共通することも多かったし、そういう方法で対処すればいいのかと参考になることもあり、実りある時間だったなど、大変役に立つ有意義な交換会であったとの好評を得ることができた。2019春季生活闘争に向けて、各構成組織が看護職員の処遇改善に向けた要求を掲げ、その実現をめざしていく場として、更なる検討が必要である。
(d)労働相談ダイヤルなどの実施
 2月8日〜10日に全国一斉「集中労働相談ダイヤル」(テーマ:働き続けたい!なぜ辞めなければならないの!?〜STOP雇い止め・雇用不安!労働相談ホットライン)を開設した。相談告知の地協での街宣活動を展開し、期間中の相談電話は30件が寄せられた。
 また、6月15〜16日にも「女性のための全国一斉労働相談ダイヤル」(テーマ:職場で悩むあなたを応援します)を開設した。相談告知の取り組みとして、札幌では6月14日に周知街宣行動を展開した。

3.政策・制度要求の実現に向けた取り組み
 「2018年度 政策・制度実現の取り組み」と「2018春季生活闘争」における賃金・労働条件改善の取り組みを「運動の両輪」として、すべての労働者を対象にした生活改善・格差是正の運動を強力に進めてきた。
(1)クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーンの取り組み
(a)1月22日に召集された第196通常国会では、政府予算案・税制改正関連法案・働き方改革関連法案など、働く者の生活と健康に大きな影響を与えかねない課題も挙がっていた。連合は、2017年11月から今年の通常国会終了までを取り組み期間とした「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」第3弾を展開し、広く社会へ連合の政策・制度実現に向けた取り組みを発信し理解促進を図り、【社会への運動】の取り組みと、【社会への運動】×【職場での運動】の二本柱で取り組み、「ヨコの広がりとタテの深堀」により、社会のうねりをつくりだしていく運動を進めることを提起した。
(b)連合北海道は、4月6日、政府は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案」を閣議決定し、国会に提出した。同法案に盛り込まれている罰則付の時間外労働の上限規制の導入や中小企業における60時間超の時間外労働の割増賃金率に対する猶予措置の撤廃、雇用形態間における不合理な格差の解消に向けた同一労働同一賃金の法整備は、連合が長らく求めてきた事項であり、賛成である。一方で、高度プロフェッショナル制度の創設が含まれた形で閣議決定されたことは、誠に遺憾であるとして、働き方改革が実効あるものとなるためにも、世論喚起の取り組みも含めて、構成組織、地域協議会は、タテヨコの連携、効率的な発信力の強化により、「具体的な行動を広げる運動」に結集するよう提起した。
(c)連合北海道は、5月1日のメーデーにおける特別決議の採択を皮切りに、5月連休明けからは、2年連続で「STOP!長時間労働、働く者の立場に立った働き方改革実現」全道キャラバン行動を展開した。この行動で訴えていく内容は、1)長時間労働の是正・過労死ゼロの実現をめざすこと、2)労働法制の改悪は絶対許さないこと、3)公正取引を推進し、中小・非正規労働者の賃金改善を実現すること、4)給付型奨学金制度の拡充をめざすこと、5)介護離職の防止と待機児童問題の解消をめざすこと、6)鉄道網を含めた北海道の公共交通ネットワークの確立をめざすこと、7)自治体の財政確立をめざすこと、の7課題であり、全道キャラバン行動を通じて道民世論に喚起を促すことを目的として取り組んだ。
(d)5月10日、札幌駅前の紀伊國屋書店前にて、全道キャラバン出発街頭集会を開催し、各産別、石狩地協の組合員ら約200人が参加した。連合北海道会長からは、国会で審議されている働き方改革法案について、「連合の考えに沿った内容もあるが、働かせ放題が危惧される高度プロフェッショナル制度の創設が含まれており、なんとしても撤回させなければならない」と強く訴え、立憲民主党や国民民主党が提出した対案を労働者保護の内容と評価し、「野党案の成立のために地域から後押ししたい」とキャラバンの目的について述べた。地域を代表して連合北海道石狩地協会長は「全道キャラバンを通じて連合がめざす働く者を軸とする社会の実現に向けた考えを発信し、世論喚起を促したい」と、それぞれ決意を語った。以降、6月8日までの約1ヶ月間、街宣車1台で道内13地協管内を走行し、テープ街宣や、街頭演説、地区集会を開催し、連合北海道、構成組織、単組、地域協議会、地区連合が総力を挙げた全道運動を展開し道民に訴えることができたことは成果である。
 また、これらの行動記録について、全道キャンペーン通信NO.56〜68を発行し、キャンペーンの取り組みの共有化が図られたことは評価したい。
(2)地方財政確立に向けた取り組みについて
 2018年度の地方財政計画は、歳入・歳出規模が86兆9,000億円(昨年比+0.3%)となり、一般財源総額は62兆1159億円(同比+0.1%)が確保された。地方交付税は16兆85億円(同比▲3,213億円、▲2.0%)となったが、臨時財政対策債3兆9,865億円(同比▲587億円、▲1.5%)などの対策によって、マイナス影響は抑制されるものとなった。一方、2015年に創設された「まち・ひと・しごと創生事業費」は、昨年同様1兆円が確保された。しかし、行革努力と実績によって配分される「インセンティブ改革」や民間委託等による経費削減に基づいて単位費用を引き下げる「トップランナー方式」が強化されており、客観・中立であるべき地方交付税算定に反するものとして国会審議で追及していかなければならない。
 連合北海道は、政策・制度課題と位置付けて、3月2日、北海道への要請行動の中で、「地方分権の推進と自治体財政の確立の実現」を提出し、歳出抑制は地方交付税全体の縮小と地域間格差の拡大につながる危惧があることから、国に対して慎重な対応を求めるよう要請した。

(3)地域活性化フォーラムの開催について
 2015春季生活闘争より、「開かれた春闘」の必要性や地場産業の活性化と働く者の処遇改善を一層進めるため、「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠」をスローガンに取り組みを進め、地域活性化フォーラムを開催してきた。
 昨年「地域活性化フォーラムin道南」では、津軽海峡エリアなど函館から日帰り圏内にまだある魅力的な観光素材もっとPRをすることやインスタグラムなどを活用する若者との連携による効果的プロモーションなどの意見を交わした。
 2018年は、9月1日に第4回目となる「地域活性化フォーラムin道東」を釧路市で開催した。
テーマは、高齢者と孤立する若者(要就労支援者)とが支え合うこと、マッチングすることで労働力不足・担い手不足の解消を図り、地域の活性化をめざすことをテーマとし、地元における若者の雇用促進を通じた定着化や、労働力不足・担い手不足の解消、適正な取引関係の確立により中小企業の活躍を促すことが重要であると考え、労働団体のみならず、行政、企業、住民、NPOを含め、あらゆる利害関係者が参加して地域全体の活性化に向けた必要な施策等についての講演やパネルディスカッションで意見を交わした後、調印式を行いました。
 連合北海道は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、「顔の見える連合運動」の展開を通じて地域全体の活性化につなげていくこととしており、多くの産別の参加を促すと共に、毎年、各地域において同様のフォーラムの開催を追求し、北海道経済の活性化をめざす一助としたい。

4.組織強化・拡大の取り組み
(1)労働条件の改善を、地場・中小企業、非正規労働者など未組織の労働者に拡げていくためには、組織化は不可欠であり、組織内外へ集団的労使関係(労働組合)の必要性を訴えていく必要がある。
春季生活闘争の方針では、企業内で働く有期契約労働者、60歳以降の再雇用者、パート・アルバイトなど未組織労働者の組合員化や組合の無い子会社・関連会社での組合結成、未加盟組合に対する加盟の呼びかけを行うなど、組織拡大を積極的に進めること。また、グループ内派遣会社などの組織化も着実に推進することを方針として提起した。

(2)12月7日には組織拡大推進特別委員会を開催し、30万連合北海道をめざして、組織拡大学習会を開催し、組織化に向けた意思統一を図った。また、地域討論集会はもとより、中小・パート共闘会議、産業別部門連絡会や、各産別・地協の機関会議などの場で、集団的労使関係(労働組合)の拡大、30万連合北海道実現に向けた意思結集をはかることができた。

(3)昨年の連合北海道定期大会後、2018年9月末現在、9産別13組合1,065人(内、非正規労働者組合員667人 占有率62.6%)を組織化した。各構成組織の努力もあり、非正規労働者の拡大が顕著である。組織内の拡大は一朝一夕で出来るものではなく、粘り強く組織化に尽力されている産別(単組)、地協(地区連合)の取り組みに感謝申し上げたい。引き続き、組織化の好事例を情報共有し、2020年30万人連合北海道組織の実現に向けて、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となって取り組んでいく。

5.春季生活闘争を通じた労働者自主福祉運動の取り組み
 労働者自主福祉運動は、第2の賃金闘争として、可処分所得を引き上げるための有効な手段であり重要な役割を担っている。そのためには、労働者の相互扶助の原点である労働者自主福祉運動へ結集し、組合員・家族の生活向上に向けて、春季生活闘争の期間中を重点に5年目となる方針を提起した。
(1)労働金庫、全労済、住宅生協、医療生協、道労福協の労働者福祉事業団体の運動推進スケジュールを明記し、各構成組織、地協における取り組みを進めた。
(a)労金運動では、職場推進機構の設置促進・活性化をはじめ、労働金庫職域活動費の有効活用、「確定拠出年金」制度の改定など、(b)全労済運動では、ファイナンシャルプランナーを講師とした学習会開催の促進や、防災・減災に係る啓発活動の促進、(c)住宅生協運動及び医療生協運動としての利用度の向上など、昨年の総括を踏まえ各構成組織が最大限取り組むよう提起した。

(2)産別・単組の取り組みについて
(a)労金運動では、「2017年度生活応援運動」を展開し、1)生活設計運動、2)生活改善運動、3)生活防衛運動を取り組み、2017生涯取引キャンペーンでは、新規でiDeCo・年金財形で着実な成果がみられたほか、退職金結集運動では目標を大きく上回る成果が得られました。また、非正規雇用組合員取引拡大運動として14産別で機関会議の議題化、6産別で学習会が開催された。また、職域活動費を有効活用した学習会は755回開催され、延べ22,134名が出席し、労金運動の前進が図られた。他にも職場推進委員会が新たに54設置された。
(b)全労済運動では、重点共済の取り組みとして、自賠責共済では、北教組・UAゼンセン・交通労連・全道庁・自治労・運輸労連・フード連合・全開発・基幹労連で目標を上回る件数を達成した。また、JAM北海道・ゴム連合で目標が達成された。住まいる共済の火災共済では、私鉄総連・海員組合・運輸労連・JR総連が目標達成となり、私鉄総連・JR総連の2産別では自然災害共済においても目標を上回りました。生命系共済では17産別が目標達成となった。
(c)住宅生協運動並びに医療生協運動については、それぞれの総会で報告された通りとします。

(3)地協の取り組み
 地域討論集会、ウェルフェアスクールや研修会・セミナー、地域総決起集会の中で、事業団体との連携により労働者自主福祉運動の必要性を訴えることができた。(a)労金運動では、2017年度上期各支店推進委員会総会開始前に役員会や幹事会を開催し、労福協運動について、労金推進委員の役割等を解説し、地域における労金推進運動に寄与する取り組みを展開した。(b)全労済運動では、自賠責共済が9地協、住まいる共済では5地協、生命系共済では8地協で目標達成の実績を挙げることができたことは評価したい。(c)住宅生協運動では、認知度アップと流通事業の教宣を行い、利用促進と流通事業の周知を図った。(d)医療生協運動では、巡回健診の充実、認知度アップに向けて、札幌・旭川・帯広・函館・北見にある推進本部の連携強化を進めました。

6.2019春季生活闘争に向けた取り組み 
 具体的には、本部方針を受けて北海道方針を提起・確認という流れであるが、「連合北海道2019春季生活闘争基本構想(案)」を中心に、より具体化し全体が取り組める方針とする。

関連団体リンク

サイトメニュー

トップページ
サイトマップ

イベント予定表
労働相談コーナー
活動報告
政策情報
春闘
最賃
労働判例
執行委員会報告
大会等資料
連合資料室(憲法講座講義録)
マンスリーれんごう北海道
連合北海道の談話
割引サービス

連合とは
入会案内
お問い合わせ
リンク集
アクセスマップ
プライバシーポリシー


サイト内検索

ANDOR サイト内
2014年2月28日以降の新着記事に関しては、こちらのページ右下の青色枠の検索窓をご利用ください

連合北海道ロゴ 〒060-8616 札幌市中央区北4条西12丁目1−11 ほくろうビル6F
TEL:011-210-0050 FAX:011-272-2255 / 011-281-3353
Copyright(C) 2010 連合北海道 All rights reserved.
Counter