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資料:連合北海道第30回定期大会2号議案−2017春季生活闘争のまとめ
1.はじめに
(1)連合は2017春季生活闘争において、「経済の自律的成長」「包摂的な社会の構築」「ディーセント・ワークの実現」をめざし、すべての働く者の賃金の「底上げ・底支え」「格差是正」の実現をはかるべく、賃上げの継続を求めた。特に、中小企業労働者や非正規労働者の月例賃金・時給の改善のために、「大手追従・準拠からの脱却」と「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させる取り組みを進めること。また、今次闘争の柱の一つである長時間労働を是正するため、すべての労働者を対象とする「労働時間の量的上限規制」「インターバル規制」を法制化し、仕事と良質な生活の両立、働く者の視点に立った働き方改革の実現をめざしていくことなどの基本的な考え方を示し闘争に臨んだ。
(2)道内においては、1月20〜21日の石狩ブロックを皮切りに、2月11日の宗谷地域まで、道内13ブロック・地域の討論集会に約1,100人の地協・地区連合、産別・単組の組合員の参加を得て、今次春季生活闘争のスローガンである「『底上げ・底支え』『格差是正』でクラシノソコアゲを実現しよう!長時間労働撲滅でハッピーライフの実現を!」を求めて闘いを進めていくことを意思統一し、闘争方針の徹底・浸透に努めた。
   その後、3月9日に開催した「2017春季生活闘争勝利!3.9全道総決起集会」には、1,550人の組合員・退職者等が結集し、月例賃金にこだわった賃金改善及び大手と中小、非正規労働者の格差改善が必要であること、長時間労働の上限規制と同一労働同一賃金の実現に向けて組織の総力を挙げて勝ち取ることをあらためて確認した。
  同様に、各地域においても、十勝地協総決起集会の800人をはじめ、28箇所の地協・地区連合、ブロックにおいて総決起集会が開催され、延べ3,718人の組合員が結集するとともに、渡島地協(4/24、160人)、石狩地協(4/27、203人)においては、地場解決促進集会を開催し、地場・中小の底上げの実現に向けた意思統一を図った。
(3)今次闘争の最大のヤマ場を3月15日に設定し、第1先行組合回答ゾーン(3月13日〜17日)、第2先行組合回答ゾーン(3月20日〜24日)、中堅・中小集中回答ゾーン(3月25日〜31日)、中小回答ゾーン(4月中)として、回答の集中化と情報の開示を積極的に行い波及力を高めた。
(4)中央段階の最終回答集計結果(7月5日公表)によると、平均賃金方式では、5,416組合が回答を引き出した。回答集計結果は、5,712円、1.98%となった(昨年同時期比▲67円、▲0.02ポイント)。賃上げ分が明確に分かる2,308組合の集計結果は1,395円、0.48%で、昨年同時期を上回っている。要求趣旨がすべて満たされたとはいえないが、厳しい交渉の中で賃金改善を継続して実現しえたことは、今後の運動に大きな意味を持つ。また、300人未満の中小組合の回答集計結果は、4,490円、1.87%で、昨年同時期を150円、0.06ポイント上回る結果を引き出した。賃上げ分が明確に分かる1,461組合の集計結果は1,295円、0.56%で、率においては大手を上回った。2016春季生活闘争から提起してきた「大手追従・大手準拠などの構造を転換」する運動が浸透してきたものであり、賃金水準の規模間格差是正に向けた確実な一歩になりうると評価する。
次に、非正規労働者の賃上げ回答は、単純平均で時給20.46円(昨年対比+3.75円)、月給で3,556円(昨年対比+237円)となった。集計対象である非正規組合員が大多数を占める時給の引き上げは正規を上回っている。
一方、一時金の回答集計(加重平均)は、年間月数で4.81ヶ月(昨年同時期比▲0.05ヶ月)、年間金額で1,535,678円(同3,310円増)となった(組合員数加重平均)。
次に、非正規労働者の雇用安定の取り組みが大幅に増加し、正社員への転換や無期労働契約への転換促進の取り組みはもとより、転換後の処遇・労働条件の制度構築に向けた協議が積極的に行われるなど、職場の実態に応じてきめ細かな取り組みが行われている実態が伺える。加えて、均等処遇に関しても890件で回答・妥結に至っており、なかでも「育児・介護休暇制度を雇用形態にかかわらず利用できる取り組み」「非正規労働者の年次有給休暇取得促進の取り組み」要求・取組・回答・妥結とも昨年同時期を大幅に上回った。また、有給休暇の半日取得制度、特別休暇の新設や有給化、育児休職期間の拡充など、正社員との均衡をめざした制度の導入がはかられるなどの成果を得た。
次に、職場における男女平等の実現では、女性活躍推進法(2016年4月1日施行)に向けた取り組みの影響などで大幅に増えた昨年に引き続き、積極的な取り組みが行われている。また、男女雇用機会均等法の定着・点検に向けた取り組みは、積極的な差別是正措置(ポジティブ・アクション)などを含め、要求・取組件数が述べ421件と昨年(177件)を大幅に上回っており、職場における男女平等の実現に向けた取り組みが定着しつつあることが伺える。
次に、ワーク・ライフ・バランスの実現では、労働時間関係のほぼすべての調査項目の取組・要求件数が昨年同時期を上回っており、長時間労働是正に向けて真剣な取り組みが行われたことが伺える。今次闘争ではじめて調査した「勤務間インターバル規制の導入に向けた取り組み」は、要求・取組281件中91件で回答・妥結している。新規導入に加え、明文化や規制時間の延長などの取り組みも行われている。加えて、「両立支援の推進」も要求・取組の述べ件数は、昨年同時期を超えた。はじめて提起した「不妊治療と仕事の両立に向けた取り組み」は13件の要求・取組となり、うち7件で回答・妥結を得た。ハラスメント防止の要求・取組は昨年同時期比倍増以上であった。
最後に、ワークルールについて、「改正労働者派遣法に関する取り組み」は、ほぼ昨年並みの状況であった。今次闘争ではじめて提起した「治療と職業生活の両立支援に関する取り組み」は、20件の要求・取組に対し13件で回答・妥結を得た。「高年齢者雇用安定法に関する取り組み」は、延べ1,139件の要求・取組があり、直近で調査した2015春季生活闘争の1,069件を上回っている。
連合は、7月21日の中央執行委員会で「最終まとめ」を確認した。引き続き、月例賃金にこだわった「底上げ・底支え」「格差是正」による「クラシノソコアゲ」実現をめざすと同時に、超少子高齢化・人口減少および情報通信技術の革新的進展がもたらす急激な環境変化のなかでも「働くこと」の価値を高め、労働者が豊かさを実感できる社会の実現をめざして、運動を進めていく。

2.北海道の取り組みの結果と評価
(1)賃上げの取り組み
1) 賃金引上げの基本的なスタンスについて
(a) 2017春季生活闘争は、「底上げ春闘」2年目のたたかいと位置付け、「底上げ・底支え」「格差是正」を通じて、「経済の自律的成長」「包摂的な社会の構築」を実現するためには、働く者の可処分所得の増加が必須であり、継続した月例賃金の引き上げにこだわった取り組みに全力を挙げることとした。特に、「企業規模間の格差」、「雇用形態間の不合理な格差」、「男女間の格差」など、依然として存在する賃金をはじめとした格差の是正を通じて、全体の底上げを図ること。そのためには、公正取引の実現、適正配分などを通した中小企業、地場産業の活性化と、そこに働く者の「底上げ・底支え」とともに、無期転換ルールの確実な実行を含めた非正規労働者の雇用安定・処遇改善、そして最低賃金のさらなる引き上げも重点的に取り組むことを発信した。
同時に、大手の要求水準に依らない、いわばボトムアップ型の春季生活闘争である「大手追従・大手準拠などの構造の転換」と「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の実現に向けて全力を尽くし、賃金の上げ幅のみならず、賃金の絶対額を重視した要求の組み立てを行うよう提起した。
(b) 連合北海道は、3月3日に経済5団体との労使懇談会及び労働局に対する要請行動、3月1日には北海道に対する要請行動を実施し、2%程度のベースアップを含む月例賃金を4%程度引上げる(中小企業にあっては10,500円以上)ことや、非正規労働者の労働条件の改善などを求めた。特に、経済5団体に対しては、「3年連続の賃金改善の流れを継続し、社会全体に広がりを持たせることが重要。月例賃金のアップと中小企業と非正規の処遇改善が必要。また、長時間労働の是正や同一労働同一賃金などの働き方改革の実現に向けて、労使でしっかり議論していくことが重要である」と強く訴えてきた。
2) 北海道の妥結状況
 8月31日現在(最終集計)、妥結報告があった組合は253組合で(昨年同期250組合)で、昨年同期比プラス2組合となり、集計可能組合の妥結は223組合となった。
(a) 賃金引き上げは、加重平均で5,104円(1.99%)と昨年比+202円(±0.05%)となった。また、規模別で見ると99人以下(135組合)は、3,736円(1.78%)で昨年比+102円(+0.07%)、100人〜299人以下(46組合)は、4,426円(1.99%)で昨年比+554円(+0.27%) と善戦した。さらに、300人〜999人以下(34組合)は、4,995円(1.91%)昨年比+263円(+0.10%)、1,000人以上(8組合)は、5,933円(2.12%)昨年比+284円(▲0.02%)となった。これらを大括りで見ると300人未満の中小組合(181組合)が、昨年比+368円、+0.19%と成果を挙げ、4年続けて賃上げの流れが継続されている。
【組合規模別 平均賃上げ状況 2017年8月31日結果(昨年同時期対比)連合北海道集計】
組合規模  集計
組合 
対象組合
人数(人)
加重平均
妥結額
(定昇・ベア込)
妥結率
昨年
集計
組合
昨年
対象組合
人数(人)
昨年
実績額
(定昇・ベア込)
実績率
昨年比
増減額
   〜 99人 135 5,446 3,736円
(1.78%)
134 5,698 3,634円
(1.71%)
+102円
(+0.07%)
100〜299人 46 7,954 4,426円
(1.99%)
60 9,868 3,872円
(1.72%)
+554円
(+0.27%)
300人未満計 181 13,400 4,151円
(1.91%)
194 15,566 3,783円
(1.72%)
+368円
(+0.19)
300〜999人 34 16,474 4,995円
(1.91%)
44 21,728 4,732円
(1.81%)
+263円
(+0.10)
 1,000人〜 14,544 5,933円
(2.12%)
12 26,848 5,649円
(2.14%)
+284円
(▲0.02)
300人以上計 42 31,018 5,464円
(2.02%)
56 48,576 5,258円
(2.00%)
+206円
(+0.02)
223 44,418 5,104円
(1.99%)
250 64,142 4,902円
(1.94%)
+202円
(+0.05)

(b) 一時金については、98組合が妥結し、加重平均で、年間一括要求の月数方式(65組合)では4.21ヶ月、金額方式(20組合)は1,168,847円で、昨年比月数で0.34ヶ月減、金額で36,533円減となった。半期要求の夏季月数方式(7組合)では1.82ヶ月、金額方式(12組合)は301,641円となった。なお、冬季の月数方式は、2組合で2.10ヶ月となっている。また、「別途協議、業績連動・協定方式」との報告組合は6組合である。
(c) 非正規の労働条件改善については、UAゼンセン加盟組合を中心に、18組合(昨年20組合)から定期昇給、時間給、月例賃金、企業内最低賃金、一時金、休日・福利厚生等で処遇改善を勝ち取ったという報告があった。パート時間給では15組合が妥結し、12.0円(1.42%)から110円(11.25%)という幅があるものの、単純平均で28.7円、3.3%(昨年比8.85円増)、加重平均で23.74円、2.76%と、正規労働者を上回る大幅な改善がはかられている。また、契約社員、嘱託職員、準職員等の月例給では7組合が妥結し、集計可能組合の加重平均で3,388円超(1.76%)の改善であるが、正社員を上回る回答を引き出した単組もあった。さらに、4組合において、一時金の年間2.0ヶ月、定期昇給の確認、夏季手当10,000円加算、夏季臨時手当の社員と同一月数支給などの回答を引き出すなど、昨年同様の成果が見られる。
引き続き、地場・中小での交渉や未解決組合の交渉も続いており、産別・単組、地域全体でこの交渉を盛り上げていく必要がある。
3) 成果と課題
(a) 闘争全般の総括的な受け止めについて
2017春季生活闘争において、4年連続となる賃金改善の継続、とりわけ、中小下請け労働者の月例賃金の引き上げ、非正規労働者の時間給引き上げの要求に応えるよう強く求める組合の主張に対して、経営側は、経済の好循環実現に向けた社会的な要請には一定程度理解を示すものの、世界的な政治・経済の不透明感による先行き懸念や、足元で収益改善に陰りが見られること、過去3年間の賃上げによる賃金水準の上昇などを理由に賃上げに対しては慎重かつ厳しい態度を示した。
これに対して組合は、経済の自律的成長実現に向けた社会的要請に応える責任を強調するとともに、企業の存続と発展に不可欠な職場の活力の維持・増進には「人への投資」が必要であると強く主張し、粘り強い交渉を展開した。
その結果、多くの組合が賃金改善を継続して実現できたことは大きな成果であり、連合の掲げた月例賃金の引き上げにこだわる闘いを進めてきた結果と評価できる。加えて、ワーク・ライフ・バランス実現や両立支援、男女間賃金格差の是正に関しても、積極的な取り組みが行われるなど、今後の取り組みにつながる大きな成果であると受け止める。
(b) 運動面について
2014春季生活闘争から、連合の主張を社会にアピールするために北海道独自に作成した器材(街宣用テープ、スローガンのぼり)を活用して、地協・地区連合が街頭における宣伝活動やテープ街宣行動などを展開し、賃金引き上げに向けた世論喚起を促すことができたことは成果といえる。札幌地区では、第1・第2先行組合の山場の期間内である3月15、17、23日の3日間、早朝・日中帯に街頭宣伝活動を展開し、産別・単組役員の協力のもと、ポケットティッシュ入りチラシを配布し、賃上げの必要性を通勤・通学途上の市民に直接訴えることができた。この取り組みを定着させ、今回の取り組みの成果を次年度以降にも継続できるよう取り組んでいく必要がある。
また、昨年に引き続き、地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動を全地協(地区連合)段階で展開するよう提起した。釧根地協からは地域経済の活性化に向けて連合としても協力することを提案するなど有意義な懇談が行われたことや、中小企業家同友会函館支部役員との意見交換を初めて開催した渡島地協からは、人手不足に対する危機感を共有化し、お互い知恵を出し合って地域を守るための方策等について、予定時間を超えて熱心に意見が交わされたことなど取り組みの成果が報告された。
(c) 賃上げ要求と交渉状況について
連合は、「経済の自律的成長」を実現するためには、マクロの観点から雇用労働者の所得を2%程度引き上げることが必要である。とりわけ人手不足感がより一層強まる中で、中小企業において、企業の存続と生産性向上のためには、魅力ある産業・企業の構築が不可欠であることから、「人への投資」を求めていくこととした。
こうした観点から、賃上げ要求水準は、昨年同様、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度の要求を掲げ獲得をめざす方針を掲げた。これをもとに、北海道における8月31日(最終)の各組合の賃金引き上げ要求は、加重平均で8,156円(昨年8,150円)、率で3.17%(昨年3.16%)となった。要求水準は昨年同水準であり、すべての組合が、「経済の自律的成長」の実現に向けて労働組合が果たすべき社会的責務を十分に認識した上で、月例賃金の継続的な引き上げにこだわった要求を行ったものと受け止める。
(d) 賃上げ回答状況と現時点での受け止めについて
賃上げ回答状況では、規模別には依然として格差があるものの、すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわった要求を掲げ交渉した結果、賃上げの流れが中小・地場組合にも継続している。賃上げの流れが広がっていることの意義は非常に大きいものがあり、今後につながる成果といえ、各産別・単組の取り組みとして評価したい。
また、回答水準については、300人未満が4,151円(昨年比+368円、+0.19%)と健闘し、大手と中小企業の「規模間格差の是正」に向けた一定の成果があがっている。2年目となる「大手追従・大手準拠などの構造の転換」「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させることに重点を置き、一定の成果をあげたといえる。厳しい交渉経過ではあったが、4年連続で賃上げを実現することができた。
北海道は地場・中小が多く、中小企業の賃金水準は未だ低位にある。賃金制度が確立していない単組がほとんどであり、安心した生活を営む上では「賃金(定昇)制度」の確立が不可欠である。地域ミニマム運動に結集し、組合員個々の賃金実態把握に努めながら抜本的な検討を進める必要があり、課題として残る。
(e) 非正規労働者の賃金の引き上げについて
「誰もが時給1,000円」の実現に向けた時給の引き上げをはじめ、連合リビングウェイジ(北海道時間給880円)を上回る水準、または、昇給ルールの導入・昇給分の確保、時間単価37円の引き上げのいずれかを、非正規労働者の賃金要求水準の目安として方針を掲げて闘った。賃上げで妥結した組合数は昨年より2組合減少したが、人手不足の解消に向けて正社員の賃上げを上回ると同時に昨年実績を超えた回答を引き出すことができた。非正規労働者の処遇改善を進めようという産別・単組、地協の取り組みの結果として評価したい。また、福利厚生の処遇改善を勝ち取るなど、非正規労働者の労働条件の改善も着実に前進しており、底上げの役割を一定程度果たしたと考える。
一方、全国組織のある産別では、経営側が「同一労働同一賃金ガイドライン案」を逆手にとって、正社員の定昇制度のあり方に言及するなどの懸念材料も散見される。連合は、「雇用形態にかかわらない均等待遇」の実現を求めており、非正規労働者の低位な処遇に合わせるような経営側の姿勢は言語道断であると言わざるを得ず、連合全体として「底上げ」をはかる観点で「同一労働同一賃金」の法制化に向けて対応していく。
(f) 一時金について
月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年間一括要求を基本に、年収確保の観点も含め支給水準の向上・確保をはかる方針を掲げた。その結果、年間一括要求の金額方式及び月数方式は、前年を上回る回答を引き出すことができた。各産別からの報告でも、全単組で前年を上回る回答を得た産別や、一時金要求イコール満額回答を得た産別の単組も多くあり、人材確保の観点から一時金で応える会社が昨年同様多かったといえる。
(g) エントリー登録組合について
299組合の参加にとどまり、昨年最終の361組合から62組合減少している。情報の共有化を図ろうとする産別・地協の努力とは裏腹に、エントリー組合が減少したことは残念であり、次年度に向けた教訓としたい。
(h) 情報開示、共有の取り組み
「妥結情報」を20号(昨年同様)発行し情報の共有の取り組みを強化することができた。また、2014春季生活闘争から発行している「春闘ニュース」を今年は7号(昨年最終5号)を発行し運動の共有化に努めることができた。
(2)働き方改革(長時間労働の是正・過労死ゼロ)の実現に向けた取り組み
 1) 健康で働き続けられる労働時間と過労死ゼロの実現は喫緊の課題である。毎月勤労者統計調査による2016年の道内の一般労働者の年間総実労働時間は、前年に比べて9時間減少し、2,043時間(所定内1,885時間、所定外158時間)となったが、全国平均に比べて19時間長く、長時間労働は改善されていない。超少子高齢化・人口減少社会が進むわが国の社会構造を踏まえ、「社会生活の時間」の充実を含めワーク・ライフ・バランス社会の実現をめざすこと。とりわけ喫緊の課題である総実労働時間短縮に向けて、労働時間管理の徹底、年次有給休暇の取得促進なども踏まえ、「勤務間インターバル規制(原則11時間)の導入」「36協定の遵守状況の点検とそれを踏まえた労使協議」「会社側からの申し出により、特別条項付き36協定を適用する場合の年間上限時間の設定」などの要求を掲げて取り組むことを提起した。全国では約5,000件の要求提出がなされ、1,300件を超える回答を引き出している。
 2) 北海道内でも、(a)勤務間インターバル規制について、全国初として全自交の6単組が導入することで妥結し、労働基準監督署からも画期的な改善であると評価された。また、UAゼンセンでも4単組で既に導入している、(b)年間休日の増及び時間単位の取得については、UAゼンセン8単組、電機連合の1単組、基幹労連の5単組で改善を勝ち取った、(c)電機連合では、「長時間労働の是正をはじめとする働き方改革に向けた電機産業労使共同宣言」を確認し、全労金でも時間外縮減に向けた定期協議と併せて、「労使共同宣言」を出す方向で協議を続けている、(d)特別休暇の改善については、基幹労連の1単組で、福祉休暇の改善(育児・介護、本人の疾病等60日へ)、電力総連の1単組で、地域活動休暇(年3日)を特別休暇の事由に追加し、PTA、町内会活動へ参加し易くした、(e)私鉄総連からは、ドライバー不足の中で長時間労働の是正は厳しいという現場の切実な実態が訴えられた。現状、36協定とは別に、厚生労働省の「自動車乗務員改善基準告示」(下記表参照)による拘束時間があり、「働き方改革実行計画」においては、改正法施行5年後とはなったものの、年間960時間以内の規制適用、かつ将来的には一般則の適用をめざす旨の規定を設けさせ、規制対象とする道筋を示すことはできた、(f)公立の教職員は、給特法等により労基法の適用除外となっており、「過労死ライン」とされる月80時間を超える残業の実態が報告されている。また、公務職場でも、公共事業や病院等以外の一般事務職は、36協定を締結している職場が少なく、これらの業種についても働き方改革を推進していく必要がある。
【労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)】
ドライバー名 1ヶ月の拘束時間 年間の拘束時間
トラック 293時間以内 3,516時間以内
タクシー・ハイヤー 299時間以内 3,588時間以内
バス 286時間以内 3,432時間以内
※バスドライバーについては、書面による労使協定を締結した場合には、52週のうち16週までは、4週間を平均した1週間当たりの拘束時間を71.5時間まで延長した場合

(3)「産業別部門連絡会」の開催
連合北海道は、6産業別部門連絡会の活性化、産別による単組指導強化、地域内共闘強化を目指し、2010春季生活闘争から進めている期間中3回以上の連絡会開催や、企業内最賃協定の締結、情報交換、要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大などを目指してきた。
今年も、ヤマ場前後に3回の開催が実現され、部門連絡会ごとの交流が多く持たれたことにより、産別間の連携が強化されたことは評価したい。また、全部門において各産別の方針や交渉結果の付け合わせによる情報の共有化につながったことを確信するものである。共有した好事例を参考に、他の産別でも同様の取り組みを展開したことは評価したい。なお、部門によっては、2〜3産別しか結集できていない実態もあることから、情報の共有化を一層強化するため、部門別連絡会の開催方法を工夫しながら連携をはかる必要がある。
(4)中小・パート共闘会議(中小・パート労働条件委員会)≪規模間格差の是正≫
1) 中小・パート労働条件委員会は、春季生活闘争期に限って「中小・パート共闘会議」に改名し、地場での取り組みを強化することを目標に掲げながら、闘争期間中に3回の委員会を開催した。残念ながら、ここ3〜4年の間、一度も参加していない産別もあることから、何らかの対策をはかる必要がある。また、非正規労働者の課題についても、全単組が要求化することを方針化し、「職場から始めよう運動」の展開により、日常的なコミュニケーションを深め、組織化を意識した取り組みを展開した。
2) 今次闘争で力を注いだのが、大手と中小の規模間の賃金格差の是正である。格差の要因は、企業収益格差(支払能力)によるところが大きく、価格転嫁拒否や優越的地位濫用などの不公正な取引がある。中小企業では、取引先からの受注減少や打ち切りを恐れ、泣き寝入りせざるを得ないところが多く、その多くが価格引下げを断れていない。連合は、中小組合の処遇改善原資を確保することや、公正取引が実現する社会の実現を求めてきた。サプライチェーン全体が生み出した付加価値が、生み出した労働者のもとへ適正に配分されなければ、経済の自律的成長は実現しないことを、労働組合の無い経営者にも訴えた。
連合北海道は、4月10日に、公正取引委員会北海道事務所及び経済産業省北海道経済産業局に対して、3年目となる要請行動を実施した。連合本部が最終報告をまとめた全国2万社へのアンケート結果をもとに、中小企業で働く労働者の底上げを図るためには、公正な取引慣行の実現による中小企業の収益確保が必須であること、無理な納期設定などが長時間労働の原因にもなっていることから、より一層の法令の周知徹底や違反の取締り、相談機能の充実、中小企業への支援を求めた。
要請行動には、フード連合・UAゼンセンが3回目の参加となり、また、今年新たに運輸労連の仲間も参加した。社会への広がり、世論喚起に向けてマスコミにも取材を要請し、NHK、HTB、北海道新聞が取材に訪れ、当日のニュース等で放映されるなど、マスコミ媒体なども活用しながら世論に訴えることができたことは取り組みとして評価できる。
また、5月10日には昨年に引き続きフード連合が「公正な取引慣行に向けた取り組み意見交換会」を開催し、公正取引委員会北海道事務所との意見交換会を行った。当日は連合北海道も講演として「連合北海道の公正な取引に向けた取り組み」を報告し、全体での意見交換を通して、公正な取引慣行に向けたさらなる意識の醸成をはかり、今後の改善に結びつける場となったことは評価したい。
3) 一方、中小労組のほとんどは賃金制度が未整備である中、企業規模間の賃金格差を解消するため、(a)中小の賃金カーブ維持分の4,500円、(b)連合加盟組合全体平均賃金水準(約30万円)の2%相当額(6,000円)とし、計10,500円以上の月例賃金要求水準の目安を決定した。また、パート等非正規労働者の「時給1,000円」への引き上げ及び時間給37円の引き上げ、「企業内最低賃金の締結」、「総実労働時間縮減・時間外等割増率引き上げ」などのミニマム課題について、中小・パート共闘会議の中で意思統一をはかり、産別と地域との情報共有が図られたことは評価できる。
4) 付帯要求に係る構成産別(単組)の妥結内容は、(a)諸手当関係では、扶養手当の改善(基幹労連)、住居手当の改善(サービス連合、電力総連)、通勤手当の改善(サービス連合)、転勤に伴う赴任旅費の増額及び教育費補助の新設等(JP労組、電力総連)、(b)インフルエンザ予防接種費用の補助及び拡大については、電力総連、基幹労連、全国ガス、フード連合、港運同盟など10単組で改善がなされ、ある産別では横の連携・相乗効果により4単組で一斉に改善されたことは評価できる、(c)資格手当の新設及び改善(紙パ連合、交通労連)、(d)健康診断の検査項目等の改善(電力総連)、(e)JR総連、JR連合では、若年者の自己都合退職が多いことから、奨学金救済制度の新設や、採用時6ヶ月の年休12日間への拡大をはかり、離職防止に向けた対策をはかっていること、など一定の成果を評価したい。
5) 各地協の特徴的な取り組みとして、(a)石狩地協では、毎年取り組んでいる連合未加盟16組合に対する企業訪問を実施し、労務担当者との意見交換の場を持つ等の要請オルグを行い、(b)渡島地協では、5年目となる地協自らが地域ユニオン加盟の企業を訪問し、経営側と地協役員との会談により、地場・中小交渉の一助となる行動を展開した。(c)十勝地協では、4年前から取り組んでいる「産別・単産・単組間交流」(2回)を開催し、また、「線別交流(5線)」「一地区一学習会運動」(6地区)など、特筆すべき取り組みを展開している。これらの取り組みは、「目に見える連合」をアピールしつつ、組織拡大の取り組みと併せた行動を実践しており好事例として評価したい。
6) 地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動は、成果と課題の項でも触れたが、昨年同様、全地協で展開するよう提起した。
渡島・釧根・胆振の3地協から取り組み報告があった。渡島地協では、地域経済の活性化や新卒者の地元離れ、技術の伝承など多方面にわたって意見交換を行うことができた。また、釧根地協では、釧路地方経営者協会中小部会との懇談会を、昨年に引き続き開催できた。経営側からは共通して、「技術系の職員が集まらない」「若年労働者、職人の確保が深刻」「今後ますます人材確保が厳しくなる」などの率直な声が寄せられたことから、連合としても、地域の活性化に向けて協力することを提案するなど、懇談の場が有意義なものとなったことを評価したい。各地協は積極的にマスコミに情報提供し、報道を通して地域経済の活性化のためには、労働者の賃上げが必要であることなどを社会に広く訴えることができたことは高く評価したい。
その他の地協にあっても、春季生活闘争期以降も中小企業部会等との懇談の場を模索してきた。今回の取り組みを通じて中小企業経営者側からは、なぜ連合との話し合いを行わなければならないのかと、依然、疑問の声も出されている。このため、連合が掲げる「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠である」というスローガンをさらに全面に出し、粘り強く懇談を行うことから、スタートしていく必要がある。
7) 次に、2017地域ミニマム運動の取り組みについて、2016年度の地域ミニマム賃金実態調査は、9産別4地協から58組合3,620人(昨年比+6組合、+60人)が参加した。賃金調査の概要が示され、調査に協力いただいた産別、地協に対して、交渉に役立つようフィードバックした。
300人未満で賃金制度が確立されていないところを基本的な調査対象としており、今年は昨年に引き続き3,000人のサンプル目標が達成できた。なお、業種別構成比では、製造業が23.6%(昨年20.14%)、交通・運輸業が38.5%(昨年31.71%)、商業・サービス業が37.9%(昨年48.15%)となり、前年は、商業・サービス業が過半数近くを占めていたが、今回、製造業、交通・運輸業が増えたことにより一定程度均衡がはかられてきた。また、男女構成比は、男性3,200人(88.4%)、女性420人(11.6%)となった。
8) 一昨年から最低到達水準として、連合リビングウェイジにおける単身世帯および2人世帯(父子家庭)の水準をクリアすることをめざす方針を掲げたが、今年も踏み込んだ議論には至らなかった。賃金水準の上げ幅だけではなく、絶対水準を重視した取り組みを行うことが、社会全体の「底上げ・底支え」や「格差是正」に必要不可欠であり、地域ミニマム運動における個別賃金実態調査から算出した北海道の「賃金特性値」や「代表・中堅銘柄」の活用について、連合北海道と各産別において議論を深める必要がある。
また、賃金相場波及の取り組みとして、地場賃金水準の開示(地域ミニマム業種別特性値)に注力し、地域における職種別賃金の相場観を高める運動を進めていくことを提起した。地場には地場の水準があることから、この水準を情報発信し、未組織含めて我が産業は道内でどれ位の位置にあるのかを示し波及力を強化する取り組みであった。地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場における要請書に「業種別特性値」を掲載し、地域の中小企業経営者に相場波及に向けて訴えることができたことは一歩前進である。引き続き、次年度以降もさらなる検討を深めていく。
(5)雇用確保・創出に向けた取り組み
1)「新卒者就職支援 全道キャンペーン」の取り組みは9年目を迎えた。経済・雇用対策は行政・経済界・労働界などオール北海道の課題と位置づけ、連合北海道もその一翼を担うとして、今年は、1月26日の檜山から2月10日の宗谷まで、各地域で開催された「春闘討論集会」前段を中心に、地元地協・地区連合と連携し自治体・商工会議所・建設業協会・農協・漁協・学校など100箇所を越えて訪問し、新卒者対策強化や官製ワーキングプア解消などについて要請行動を展開した。
2) 自治体におけるキャンペーン行動の時期については、2014年から地協段階において、次年度の予算編成に間に合う10〜12月の間に実施しており、地域における取り組みがより一層定着するよう次年度は取り組みを継続したい。
3) 地域で出された意見は、経済5団体(3月3日)をはじめ、労働局(3月3日)、北海道(3月1日)に対する要請行動の中で意見反映してきたが、引き続き、北海道や労働局の各種審議会や検討会議、また、毎年提出している「要求と提言」などを通して、政策実現に向けた今後の取り組みに反映していく。なお、「新卒者就職支援 全道キャンペーン」は、2008年秋以降、リーマンショックの影響を受け、多くの若者が就職氷河期を迎えたことから、働く者の代表として、翌2009年から連合北海道独自の行動として展開してきた取り組みである。次年度10年目を取り組む中で、これまでの総括と今後の取り組みについて検討していく必要がある。
(6)非正規雇用労働者の労働条件改善の取り組み
連合は、以前から「雇用形態にかかわらない均等待遇」の実現に向け、賃金・一時金だけではなく、休暇や通勤手当、福利厚生、安全衛生なども含めた待遇・処遇全般を対象に、雇用形態の違いによる合理的な理由のない処遇格差を禁止することを求めてきた。
2017春季生活闘争は、政府の「働き方改革」の一環で、いわゆる「同一労働同一賃金」の実現に向けた動きが加速され、法改正も視野に入れた流れの中での取り組みとなった。
連合北海道は、道内雇用労働者の39.7%、91万人を数えるパートや有期契約、派遣、季節労働者などの非正規労働者の賃金・労働条件の改善に重点的に取り組むことを発信した。具体的には、自らの職場の正規と非正規の処遇について総点検を行ったうえで、合理的な理由がない処遇差がある場合は、労使で協議し、その是正を求める取り組みを進めるよう方針化した。労働組合のない職場で働く労働者をも含めた社会的な波及と組織拡大をめざし、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となり、「非正規労働者の時給引き上げ」「職場から始めよう運動の展開」「企業内最低賃金の取り組み」「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める要請行動」を始めとした取り組みを展開することを提起した。
1) 「職場から始めよう運動」の展開
非正規労働者の処遇改善と組織化をめざし、職場組合員の理解浸透を図ることを目的に、「職場から始めよう運動」を通年的な取り組みと位置付けて展開してきた。
(a) 連合北海道では、北海道庁・労働局・経済5団体に対する要請行動を実施し、2016年8月に拡充された厚生労働省の「キャリアアップ助成金」などを有効活用し、賃金テーブルの改定などを行い、非正規労働者の時給引き上げをはじめ、法令の周知・遵守等、非正規労働者の処遇改善を訴えてきた。また、各産業別部門連絡会や中小・パート共闘会議などの諸会議においても、非正規労働者の処遇改善、組織化などの取り組みの情報交換を行うことができたことは評価したい。
   また、2012、2013年に調査して以来の取り組みとなった「パートタイム労働者等の待遇改善・組織化調査(単組アンケート)」は、4年前と非正規労働者の処遇がどのように改善されているのかを分析するために実施した。しかし、前回調査の6割弱の集約に止まっていることから、精緻な調査とするために、引き続き6月末を目途に再集約することを提起したが不十分な取り組みとなったことは反省し、次年度の課題としたい。
(b) また、2017春季生活闘争の時期を捉え、声かけなど職場における日常的なコミュニケーションを深めながら、「職場点検活動の実施」運動と連携し、非正規労働者の実態把握に努めることなどを、労使交渉本格化の前段を中心に取り組むことを提起した。さらに、法令遵守や労働条件の点検、正社員への転換ルールの導入・明確化・転換促進など法規定を上回る制度整備を図ることを求め、最低でも「就業規則と同様の労働協約を締結する」取り組みを昨年同様に展開するよう方針化したが、各構成組織(単組)における十分な取り組み内容の把握には至らなかった。
2) 取り組みの成果
(a) 構成産別(単組)の取り組みについて、ア. UAゼンセンでは、人手不足の観点で優秀な人材を確保しようという流れの中で、正社員よりも高い妥結額を引き出した組合が多くあったことや、1単組で、パートタイマーの定年年齢を65歳まで引き上げたことは評価できる、イ. 自治労の非正規の賃金は、人事院勧告によることから1年遅れの改定であるが、日額報酬の改定など改善がはかられている。4年間で10万人組織化方針を掲げて、北海道でも4月に自治体非正規職員の不安定雇用・低処遇の実態をチラシ配布含めた街頭宣伝活動で道民に訴える行動を実施したことは評価したい、ウ. 電力総連のある単組では、正社員同様、子の看護休暇や介護休暇を無給から有給化として特別休暇を勝ち取り、また、健康診断再検査費用の補助が実現されたことなど、職場点検活動を通じて、非正規の労働条件の改善を勝ち取ったことは特筆すべきものと評価できる。エ.全国組織である情報労連の1単組で、正社員のみに支給されていた食事補助を廃止し、正社員と契約社員のフルタイム労働者に対して、3500円のサポート手当を措置させる改善を勝ち取っている。
(b) 各地協(地区連合)では、月例賃金の引き上げ、誰でも時給1,000円の実現に向けた地域での世論喚起、街頭宣伝活動を行い、昨年に引き続き、広く社会にアピールする取り組みを各地域で展開することができたことは成果といえる。一方、留萌地域ユニオン・羽幌福祉分会では、毎年、介護職員の処遇改善加算分について、原資の配分に労組が関与し配分交渉を通じて、賃金引き上げを行っている。今次闘争でも準職員、臨時職員にも期末手当を創設し、介護職員処遇改善加算の拡充によって余剰金が生じた場合は、特別手当の支給について協議するとさせるとともに、夏季休暇の取得率向上、夏季休暇の公平な取得の労使協議のうえ、取得の可否を決定し職員に周知するなど、賃金のみならず、処遇全般に労組が関与し決定していることは好事例であり評価できる。
3) 「官製ワーキングプア解消」に向けた取り組み
自治体の公務職場では、3人に1人が臨時・非常勤職員となっており、官公部門産別においても、非正規労働者の現状把握から課題解決に向けた取り組みを展開し、組織化の具現化に取り組んでいる。また、地協・地区連合による「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」は、新卒者に関わる社会的キャンペーン行動と連携して毎年取り組み定着してきている。自治体要請を通して、屋根下で同じく働く非正規労働者や、公契約下の企業・団体で働く労働者の実態、地場・中小を含めた地域の労働者の実態を考え合う機会を作るとともに、地協・地区連合の連携を更に強めて取り組みを継続する必要がある。
(7)最低賃金引き上げの取り組み
(a) 企業内最低賃金
1) 連合は、最賃協定を通じた格差是正を推進するため、最賃協定の適用労働者拡大を今次春季生活闘争方針に明記した。すべての労働組合で適用労働者を拡大したうえ、少なくとも生活できる賃金水準(連合リビングウェイジ)の確保をはかること。また、経験豊富な労働者の時給が未経験の高卒初任給を下回らない水準をめざすことを提起した。
  連合北海道は、最低賃金対策委員会を開催し、2017最低賃金の取り組み方針と「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」の取り組みと連動し、6月議会意見書採択など、世論喚起の取り組みについて意思統一をはかった。特に、時間給1,000円を目標に掲げ、「連合リビングウェイジ時間額(北海道は880円)」、2016北海道の高卒初任給(149,700円)の2%=ミニマム基準として、152,700円を目安にした賃金水準やセーフティネットとして実効性の高い水準をめざすこととし、また、特定最低賃金の改定にあたっては、地域最賃を上回る水準の維持を求めてきた。
2) その結果、今次闘争の中で、優秀な人材を確保しようという企業内労使の合意が功を奏し、企業内最低賃金を引き上げた組合は、全国ガス3単組をはじめ、自動車総連、基幹労連、港運同盟、全労金など、昨年に続いて今年も10単組を超えて一定の成果が出たことは評価したい。また、人材確保の観点から初任給の引き上げを行った組合も、UAゼンセン9単組をはじめ、電力総連3単組、紙パ連合など昨年同様多くの組合で改善がはかられ、ある単組では、6,000円の引き上げが行われた報告もあった。引き続き、好事例を参考にしながら、水準引き上げに向けた取り組みに全力を傾注していく。
(b) 北海道最低賃金
  中央最低賃金審議会目安に関する小委員会は、7月25日に目安を取りまとめ、27日開催された中央最低賃金審議会にその結果を報告した。Aランク26円、Bランク25円、Cランク24円、Dランク22円の引き上げ目安額とし、全国加重平均は過去最高の25円となった。
  北海道地方最低賃金審議会(本審)は、6月5日を皮切りに計4回開催し、また、専門部会は、計5回の審議を重ねた。労働者側は、「雇用戦略対話合意」「ニッポン一億総活躍プラン」「働き方改革実行計画」などにおいて、前提条件はついているものの、全国加重平均1,000円を目指す」ことが示され、そこに配意して審議を進めることを強調した。また、道内の連合リビングウェイジ880円及び高卒初任給896円を重視し、特に、最低賃金近傍で働いている労働者であっても、家族とともに生活し、将来展望が描ける社会を実現するための賃金水準に引き上げること。そして、有効なセーフティネットとして十分機能するよう訴え、働くことに意義を見出すよう、昨年以上の大幅引き上げに最大限努めるよう主張した。
これに対し使用者側は、大幅引き上げは地域雇用の消失、経済状況や生産性、企業の支払い能力の限界を強調し「中賃目安の24円」を大幅に下回る額の提示に固執し、労使譲らず激しい審議が続く中、公益委員から「中賃目安などを考慮する必要もあり、24円の引き上げ」が提案された。
労働者側は、引き上げに伴い、全労働者に与える影響率が16.02%(昨年13.39%)、パート労働者に至っては41.32%(昨年32.25%)と極めて大きいことや、昨年同様、使用者側が公益提案に強い抵抗を示したことなどから厳しい判断を迫られた。
最終的に使用者側全員が反対したものの、公益・労働者側の賛成多数により、現行786円から24円引き上げ、810円に改正し、10月1日から発効することで結審した。
今回の改定額について、最低賃金法第1条の「賃金の低廉な労働者の労働条件の改善を図る」という目的を達成するための生活できる賃金水準という要求からして納得できる改定額とは言えない。一方、連合が求める「誰でも1,000円」の早期実現には課題が残るものの「雇用戦略対話合意の早期に800円」が実現し、現行の時間額表示に一本化された2002年以降、最も高い引き上げ額であることや、引き上げに伴い37万人を超える多くの非正規労働者の賃金引き上げに反映されるものと受け止める。さらに、昨年に引き続き10月1日の早期発効を実現したことは評価できる。労働側が主張してきた800円、1,000円への引き上げに向けた道筋を付けるための表記が4年連続して答申書に記されたことから、この内容を足掛かりに、賃金水準の議論を深めながら最低賃金の大幅引き上げに取り組んでいく。

2017北海道最低賃金審議決定状況
Cランク 時間額 引上額 引上率 部会採決日 審議会採決日 発効日
北海道 810円 24円 3.05% 8月4日 8月5日 10月1日

(c) 特定(産業別)最低賃金
  北海道最低賃金審議終了後、関係業種の最低賃金改正必要有りとの確認を受け、9月6日に4業種合同の専門部会が開催され、以降、3〜4回にわたる専門部会において金額審議を重ねてきた。
  連合北海道最賃対策委員会は、特定最賃の意義と役割について、労使間で共通認識を持ち、優秀な人材の維持・確保を求め、そこに働く人たちの処遇改善のために、地賃比115〜120%の優位性確保を目標として進めてきた。
その結果、鉄鋼は27円、電気は21円、乳糖及び船舶は20円となり、バラつきのある結果だが、4業種全てで20円超えの引き上げを勝ち取ることができたことは成果である。今後とも特定最賃の取り組み強化を目指す。

2017特定(産業別)最低賃金審議決定状況
業 種 時間額 引上額 引上率 地賃比率 部会採決日 発効日
鉄 鋼 927円 27円 3.0% 114.4% 9月28日 12月1日
電 気 842円 21円  2.6% 104.0% 10月2日 12月1日
乳 糖 850円 20円 2.4% 104.9% 10月3日 12月1日
船 舶 840円 20円 2.4% 104.3% 10月2日 12月1日

(8)ワークルール(労働関係法令遵守)の取り組み
連合は、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善をはじめ、就業者が9割近くを占める「雇用社会」であるわが国において、「経済の自律的成長」を実現するためには、労働者保護ルールの緩和・改悪ではなく、働く者の雇用安定と処遇改善をはかることが重要であると発信した。
1) 有期労働契約に関する取り組み
(a) 非正規労働者の約8割が有期契約労働者であるが、雇用の不安定さと労働条件の格差、キャリア形成の困難さなどの問題点を抱えた雇用形態である。雇い止めを背景に、労働条件の切り下げが容易に行われたり、年休取得などの権利行使が阻まれたりする問題が指摘され、当時の民主党政権時代に雇用安定と処遇改善に向けた労働契約法が改正された。
今次闘争では、2018年4月より第18条の無期転換ルールが適用されるケースが生じることを踏まえ、ルール回避目的での雇い止めの動きが散見されたことから、雇い止め防止に向けた労使交渉・協議を行うことや、キャリアアップ助成金等を有効活用した労働条件の点検と正社員への転換ルールの明確化・導入・促進など、法規定を上回る制度の整備等をはかる取り組みを方針化した。
(b) 構成産別(単組)からは、複数の組合で、人手不足を背景に、契約社員から正規化へ転換できたとの報告があった。また、十勝地域ユニオン・慧誠会(保育部門)労組では、2015闘争において3年雇用で4年目に有期から無期化への道が実現していたが、今次闘争の結果、2年雇用で3年目に正規化が実現されたことは評価できる好事例である。
また、留萌地域ユニオン・羽幌福祉分会でも、介護職員、調理員、用務員の嘱託職員の1年更新契約を、4月から「無期労働契約」として、有資格及び勤続年数等を考慮して「正社員化」していく労使合意がなされたことは画期的なことである。2010年から要求していた非正規職員の無期労働契約化、正職員化、処遇改善などを認めさせるなど、着実に非正規労働者の処遇改善に向けた取り組みが浸透しつつあり、粘り強い取り組みの成果が現れていることは評価できる。また、準職員の定年を65歳まで引き上げることも勝ち取ることができた。
2) 職場点検活動の取り組み
  連合は、すべての組織が、いわゆる「ブラック企業」問題を生じさせないことも含め、法律・労働協約の遵守や安全問題への対応を徹底させ、公正なワークルールの確立をめざすことを提起した。特に、適正な労働時間管理、非正規労働者の年次有給休暇取得の周知などに取り組むことを発信した。また、中小・地場組合の点検活動を強化するため、「職場点検活動のポイント」を活用し、ワークルールの遵守・徹底に取り組んだ。連合北海道は、職場点検活動を際に留意すべきチェックポイント16点<1)労働時間、2)ワーク・ライフ・バランス、3)安全衛生、4)非正規労働者のワークルール、5)雇用、6)ハラスメント、7)男女平等、8)公正取引>を明記して進めたが、今次闘争期間中の各産別の点検活動状況の把握には至らなかったことは反省すべき点といえる。
3) 医療(看護師)職場の意見交換会の開催
看護師・准看護師として働いている労働者数は、全国で150万人、道内で7万1千人を超え増加傾向(平成27年看護関係統計資料集)にある。「団塊の世代」が75歳以上となる2025年に向けて、約51万人の就労看護師を確保する必要があると推計されている。
その一方で、慢性化している看護師不足の背景には、時間外労働の常態化、低い休暇取得率、夜間勤務の負担増、5年間横ばいの賃金といった職場環境の厳しさに伴う高い離職率があり、東京、神奈川、大阪など大都市部に続き、北海道も全国8番目に高い離職率にある。道の調べでも道内で約4千人の看護師が不足しており、安心・安全な医療・看護提供体制を確保し、看護師の離職防止と労働環境の整備が急務の課題となっている。こうした中で連合北海道は、2月17日に第3回医療(看護師)職場意見交換会を開催し、「看護師等の医療スタッフの離職防止、医療安全の確保」について、2年前に設立された北海道医療勤務環境改善支援センターのアドバイザーを招いて講演を頂いた。また、昨年から加わった、基幹労連製鉄記念室蘭病院支部、王子病院労組王子総合病院労組、渡島地域ユニオン亀田病院労組、同高橋病院労組の仲間も参加し、12病院38人(昨年12病院29人)から、各病院職場の実態を報告頂き、その後、初めて取り入れた分散会を通じて、情報の共有、各単組や職場の取り組みに学ぼうと熱心に意見交換がされたことは成果といえる。
参加した看護職員からは、(a)様々な病院の状況がよくわかった、(b)他病院の状況を知る機会となり、自病院の問題点や良い点などを知ることができたことなど、大変役に立つ有意義な交換会であったとの高評価を得ることができた。2018春季生活闘争に向けて、各構成組織が看護職員の処遇改善に向けた要求を掲げ、その実現をめざしていく場として、更なる検討が必要である。
4) 労働相談ダイヤルなどの実施
2月9日〜11日に全国一斉「集中労働相談ダイヤル」(テーマ:雇用の不安・雇い止めの不安はありませんか?パート・アルバイト・契約・派遣などで働く人のための労働相談ホットライン)を開設した。相談告知の地協での街宣活動を展開し、全道4万1,500枚のチラシを配布して、期間中の相談電話は28件が寄せられた。
また、6月12〜13日にも「女性のための全国一斉労働相談ダイヤル」(テーマ:職場のモヤモヤありませんか?)を開設した。相談告知の取り組みとして、全道2万5千枚のチラシを作成し、札幌では6月9日に周知街宣行動を展開した。

3.政策・制度要求の実現に向けた取り組み
 「2017年度 政策・制度実現の取り組み」と「2017春季生活闘争」における賃金・労働条件改善の取り組みを「運動の両輪」として、すべての労働者を対象にした生活改善・格差是正の運動を強力に進めてきた。
(1)クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーンの取り組み
1) 1月20日に召集された第193通常国会では、政府予算案・税制改正関連法案や育児・介護など社会保障に関わる各種法案に加え、「高度プロフェッショナル制度」の創設や「裁量労働制の対象業務の拡大」など、働く者の命と健康を脅かしかねない課題も挙がっていた。連合は、2016年10月から今年の通常国会終了までを取り組み期間とした「クラシノソコアゲ応援団!RENGOキャンペーン」を展開し、広く社会の声を集め、共感の輪を広げる【社会への運動】と同時に、連合686万人組合員の運動への参画【職場での運動】を高め、「ヨコの広がりとタテの深堀」により、社会のうねりをつくりだしていく運動を進めることを提起した。
2) 3月22日から各地域(地協)において、「街頭宣伝行動」と「街頭アンケート」(80箇所3012人)の取り組みを実施し、また、「長時間労働是正」に向けた職場からのメッセージ写真(フォトメッセージ)「集めよう、届けよう、働く私たちの声」(連合北海道及び13地協集計:317枚)の取り組みにも最大限結集することができたことは評価できる。
 連合北海道は、3月13日の「時間外労働の上限規制等に関する労使合意」については、「ここまで働かせてよい」との誤解を生じさせないようにすることが極めて重要であり、長時間労働の是正は、単なる規制の強化や掛け声だけでは実現できず、仕事量の削減や仕事のあり方まで言及させる必要性があるとして、働き方改革が実効あるものとなるためにも、世論喚起の取り組みも含めて、構成組織、地域協議会が、タテヨコの連携、効率的な発信力の強化により、「具体的な行動を広げる運動」に結集するよう提起した。
3) 連合北海道は、5月1日のメーデーにおける特別決議の採択を皮切りに、5月連休明けからは、2年ぶりとなる「STOP!長時間労働、実効ある働き方改革実現」全道キャラバン行動を展開した。この行動で訴えていく内容は、(a)長時間労働の是正・過労死ゼロの実現をめざすこと、(b)「高度プロフェッショナル制度」の創設や「裁量労働制の対象業務の拡大」などの労働法制の改悪は絶対許さないこと、(c)公正取引を推進し、中小・非正規労働者の賃金改善を実現すること、(d)給付型奨学金制度の拡充をめざすこと、(e)介護離職の防止と待機児童問題の解消をめざすこと、(f)鉄道網を含めた北海道の公共交通ネットワークの確立をめざすこと、(g)自治体の財政確立をめざすこと、の7課題であり、全道キャラバン行動を通じて道民世論を喚起することを目的として取り組んだ。
4) 5月10日、札幌駅前の紀伊國屋書店前にて、全道キャラバン出発街頭集会を開催し、各産別、石狩地協の組合員ら約200人が参加した。この集会では、キャラバン行動出発にあたって、全13地協を代表して石狩地協会長が決意表明を行い、また、労働環境が悪化し、長時間労働、人手不足が深刻であると運輸労連の副委員長から決意表明を受け、テレビ局2社、新聞2社でキャラバン行動が記事として取り上げられた。以降、6月7日までの約1ヶ月間、街宣車1台で道内13地協管内7,180qを走行し、テープ街宣や、街頭演説160箇所、地区集会17箇所(2,272人の参加)を開催し、連合北海道、構成組織、単組、地域協議会、地区連合が総力を挙げた全道運動を展開し道民に訴えることができたことは成果である。
また、これらの行動記録について、全道キャンペーン通信NO.42〜55を発行し、キャンペーンの取り組みの共有化が図られたことは評価したい。
5) 5月10日夜には、連合北海道主催で「働き方改革シンポジウム」を開催し、組合員・市民・民進党議員ら200人が参加した。日本労働弁護団北海道ブロック事務局長の上田絵理弁護士から、「長時間労働と働き方改革」と題した基調講演を受け、その後、連合北海道出村会長、上田弁護士、北海道中小企業家同友会の宇佐美隆札幌支部長の3者で鼎談を行い、「働き方改革」について問題点、今後の方向性等について理解を深めることができたことは評価できる。
(2)地方財政確立に向けた取り組みについて
  2017年度の地方財政計画は、歳入・歳出規模が86兆6,100億円(昨年比+1.0%)となり、一般財源総額は62兆803億円(同比+0.7%)が確保された。地方交付税は16兆3,298億円(同比▲3,705億円、▲2.2%)となったが、臨時財政対策債4兆452億円(同比+2,572億円、+6.8%)などの対策によって、マイナス影響は抑制されるものとなった。一方、2015年に創設された「まち・ひと・しごと創生事業費」は、昨年同様1兆円が確保された。しかし、行革努力と実績によって配分される「インセンティブ改革」や民間委託等による経費削減に基づいて単位費用を引き下げる「トップランナー方式」が強化されており、客観・中立であるべき地方交付税算定に反するものとして国会審議で追及していかなければならない。
連合北海道は、政策・制度課題と位置付けて、3月1日、北海道への要請行動の中で、「地方分権の推進と自治体財政の確立の実現」を提出し、歳出抑制は地方交付税全体の縮小と地域間格差の拡大につながる危惧があることから、国に対して慎重な対応を求めるよう要請してきた。
(3)地域活性化フォーラムの開催について
1) 2015春季生活闘争より、「開かれた春闘」の必要性や地場産業の活性化と働く者の処遇改善を一層進めるため、「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠」をスローガンに取り組みを進め、2015年度は14地方連合会、2016年は26地方連合会において地域活性化フォーラムを開催してきた。フォーラムの開催を通じて、労働者のみならず、行政、企業、住民を含め、あらゆる利害関係者が参加して地域全体の活性化に向けて必要な施策等について対話、意見交換を行い、様々なネットワークをひろげることを目的としている。
2) 北海道においては、2015年に開催した「地域活性化フォーラムin北海道・十勝」、2016年に「地域活性化フォーラムin道北」を開催してきたが、2017年は、9月14日に「地域活性化フォーラムin道南」を函館市で開催した。函館市は、「観光の街」「北海道新幹線開業」「イカの街」「歴史の街」との印象が強く、「行ってみたい街:全国一」とされ来訪客が増加している。一方、定住人口の減少や高齢化の加速により、全国の中核市の中で一番人口減少が進み、「幸福度:全国中核市最下位」と極端な現状にあることから、『光と影』という単語をキーワードとし、超少子高齢化・人口減少と雇用の流出に対して道南地域経済をどう自立・活性化させていくのか。「産学官金労言」や「道南全体の地域の連携が今後の地域活性化」のポイントととらえ、「観光だけに頼らない新たなアイデアの発掘」をめざした地域活性化フォーラム(講演、パネルディスカッション)において意見を交わし、地域の活性化に向けた好事例となったことは評価できる。そして、10月21日の北海道新聞一面で、道内110万世帯にその内容を周知することができたことも評価したい。
3) 連合北海道は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、「顔の見える連合運動」の展開を通じて地域全体の活性化につなげていくこととしており、多くの産別の参加を促すと共に、毎年、各地域において同様のフォーラムの開催を追求し、北海道経済の活性化をめざす一助としたい。

4.組織強化・拡大の取り組み
(1)労働条件の改善を、地場・中小企業、非正規労働者など未組織の労働者に拡げていくためには、組織化は不可欠であり、組織内外へ集団的労使関係(労働組合)の必要性を訴えていく必要がある。
今次春季生活闘争の方針では、1)企業内で働く有期契約労働者、60歳以降の再雇用者、パート・アルバイトなど未組織労働者の組合員化や、2)組合のない子会社・関連会社での組合結成、3)未加盟組合に対する加盟の呼びかけを行うなど、組織拡大を積極的に進めること。また、グループ内派遣会社などの組織化も着実に推進することを方針として提起した。
(2)12月16日には組織拡大推進特別委員会を開催し、30万連合北海道をめざして、組織拡大学習会を開催し、組織化に向けた意思統一を図った。また、地域討論集会はもとより、中小・パート共闘会議、産業別部門連絡会や、各産別・地協の機関会議などの場で、集団的労使関係(労働組合)の拡大、30万連合北海道実現に向けた意思結集をはかることができた。
(3)昨年の連合北海道年次大会後、2017年11月2日現在、産別・地協12組合1,736人(内、非正規労働者組合員1,046人 占有率60.3%)を組織化した。各構成組織の努力もあり、非正規労働者の拡大が顕著である。組織内の拡大は一朝一夕で出来るものではなく、粘り強く組織化に尽力されている産別(単組)、地協(地区連合)の取り組みに感謝申し上げたい。引き続き、組織化の好事例を情報共有し、30万人連合北海道組織の実現に向けて、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となって取り組んでいく。

5.春季生活闘争を通じた労働者自主福祉運動の取り組み
  労働者自主福祉運動は、第2の賃金闘争として、可処分所得を引き上げるための有効な手段であり重要な役割を担っている。そのためには、労働者の相互扶助の原点である労働者自主福祉運動へ結集し、組合員・家族の生活向上に向けて、春季生活闘争の期間中を重点に4年目となる方針を提起した。
(1)労働金庫、全労済、住宅生協、医療生協、道労福協の労働者福祉事業団体の運動推進スケジュールを明記し、各構成組織、地協における取り組みを進めた。
1)労金運動では、新入組合員や若年層・女性層を対象とした学習会・研修会をはじめ、高金利ローンの借換運動、「個人型確定拠出年金」制度の周知・加入促進、非正規労働者を対象とした融資制度の周知活動など、2)全労済運動では、生活保障設計運動の浸透に向けた学習会の開催や、防災・減災に係る啓発活動の促進、住まいる共済、自賠責共済等の推進、3)住宅生協運動及び医療生協運動としての利用度の向上など、昨年の総括を踏まえ各構成組織が最大限取り組むよう提起した。
(2)産別・単組の取り組みについて
1) 労金運動について、新入組合員を対象とした学習会は、全店において19産別・62回開催された。結果、若年層組合員を対象とした「Young Pack(ア.総合口座、イ.ろうきんダイレクト、ウ.財形貯蓄or給与振込指定、エ.マイプラン)」の成約件数は、314件となった。産別における特徴点として、自治労全道庁労連青年部が開催している「新規採用者歓迎会」に労金担当者が出席し、計6回・約700人の新規採用者とろうきん運動について共有できたこと。自治労札幌市労連では、構成単組主催の新規採用者学習会において、ろうきんメイン化運動を展開し、ろうきん運動の推進が図られたことなど評価できる。また、2017年度重点運動項目と位置付けた「ア.住宅ローン推進運動(会員保証料無料化)、イ.高金利借換運動(マイプラン借換キャンペーン)、ウ.非正規雇用組合員取引拡大運動(全力応援packキャンペーン)について、28産別に対して、労福協との帯同オルグを展開するとともに、紙パ連合で自主福祉運動の学習会を昨年に引き続き4地域で開催したこと。産別の機関会議についても、自治労、北教組、電力総連、全国ガス、フード連合、UAゼンセン、運輸労連、情報労連、サービス連合、私教協、全自交労連、港運同盟、JP労組など多くの産別(単組)において、春闘期に開催していることは評価したい。
2) 全労済運動について、生活保障設計運動の浸透を図る取り組みなどの学習会を開催した紙パ連合の1単組で、団体生命共済一律50口の加入を行ったこと、港運同盟、サービス連合をはじめ多くの産別で労金運動同様、春闘期に産別の機関会議等にあわせた学習会等を開催していることは評価したい。結果、1月〜4月期の実績として、自賠責共済では、自治労、私鉄総連、全道庁労連、JP労組、全自交労連、北教組、JR総連を始め多くの産別等で新規・継続加入があったことは評価できる。また、住まいる共済でも、自治労、JR総連、私鉄総連、全道庁労連、基幹労連、全自交労連、紙パ連合、全開発、全労金、JEC連合、全造船機械などの産別等で大きな成果があったことは評価できる。
3) 住宅生協運動並びに医療生協運動については、依然、地方組織からは身近になく利用しづらいとの声がある。住宅生協運動では、「新築」「リフォーム」「流通(不動産仲介)」を主要事業として進め、定期大会、諸会議、研修会等への参画によるオルグ活動を展開した。全日通札幌支部のユニオンセミナーをはじめ、札教組退職予定者説明会、全開発退職者会自主福祉学習会において、主要3事業の周知に取り組んだ。結果、北教組、運輸労連、自動車総連、全水道、全自交労連では、前年対比でプラスの実績を挙げることができたことは評価したい。
一方、医療生協運動では、生協組合員・出資者拡大、健康診断や人間ドック等の利用拡大を推進してきた。健康管理センターの2016年度利用者の内、労働組合関係者の利用実績は全体の46%、金額比では50%ほどとなっている。組合要求や組合の紹介で健診契約の提案件数が増え、成約につながるケースもあったことは評価できる。春闘期では、電力総連の1単組が今次闘争で勝ち取ったインフルエンザ予防接種を医療生協の巡回健診等で対応する契約をしたことなどの報告を受けた。また、生協組合員数は、林野労組及び全山労が約4割を占めるが、JP労組、自治労、電力総連、情報労連をはじめとした各産別の取り組みにより、生協組合員数が前年比80人増となったことは評価できる。なお全体としては、組合員217人の増で16,207人、出資口数は大口脱退の影響で717口減の180,719口となっている。
4) いくつかの産別からは、春闘期には人が集まることから、この時期に併せて学習会等を開催することに効果があるとの声を頂いたことは励みになる。引き続き、闘争期間中の産別・単組の学習会等の開催状況や加入実績などを分析し、次年度以降の春季生活闘争期における労働者自主福祉運動の取り組み方針を確立すべきか検討したいと考える。

(3)地協の取り組みについて
地域討論集会、ウェルフェアスクールや地域総決起集会の中で、事業団体との連携により労働者自主福祉運動の必要性を訴えることができた。特に、全労済運動では、上川2ブロック及び西胆振ブロック推進会議において、「FPから見た全労済の上手な活用法」の学習会の開催を皮切りに、日高地協春闘討論集会では「ライフプラン実現のためのマネープラン」学習会、釧根ブロック春闘討論集会並びに根室・十勝・網走のそれぞれのブロック推進会議単組代表者会議で「労働組合と全労済生活保障設計運動」の学習会を開催するなど、48団体でセミナー・学習会を開催できたことは評価したい。

6.2018春季生活闘争に向けた取り組み
  具体的には、本部方針を受けて北海道方針を提起・確認という流れであるが、別紙「連合北海道2018春季生活闘争基本構想(案)」を中心に、より具体化し全体が取り組める方針とする。

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