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資料:連合北海道第30回年定期大会1号議案−その7 
平和と軍縮、人権、環境など共感を呼ぶ国民・道民運動

1.平和・軍縮、核兵器廃絶の取り組み
 1945年8月に広島と長崎に投下された2発の原子爆弾が、二十数万人の尊い命を奪いました。その後も多くの被爆者が放射線障害に苦しめられ後世にも影響を及ぼしています。しかし現在、世界には1万5千発もの核爆弾が存在しています。「核兵器なき世界」の実現に向けた運動を粘り強く進めていくことが重要です。
 本年7月、国連本部において「核兵器禁止条約」が122国の賛成により採択されました。「法的に核兵器を禁止する」ことを目的とした条約の採択は史上初のことです。しかし、日本国は「国際社会の分断を一層深める」として、交渉会議に参加せず、条約の制定にも反対し、核兵器廃絶を求める多くの国々や市民を失望させました。唯一の戦争被爆国である我が国が、これ以上核兵器廃絶を求める多くの国々や人々に背を向け続けることは許されません。日本政府に対し、条約の批准・発効に向けた外交努力を求めていきます。
 沖縄基地問題については、負担軽減を口実に1997年の新ガイドライン以降、米海兵隊の実弾射撃訓練が全国5カ所に移転分散され、これまで矢臼別では16回の演習が強行されています。北海道知事をはじめ、地元自治体も、夜間演習の中止や隊員の外出禁止などについて国に再三にわたり要請しているにもかかわらず、「沖縄と同質・同量」の約束は反故にされ、「危険の地方分散・拡大・固定化」が進んでいます。
 米軍の民間港への入港や軍用機の空港利用等によって、既成事実化を図りながら米軍の日本全土の軍事基地化が進んでいます。米軍基地の整理・縮小と「日米地位協定」の抜本的見直しに向け、引き続き、取り組みを強化する必要があります。
 また、平和行動をはじめ、高校生平和大使の取り組みなどを通して、戦争の悲惨さや平和の尊さを若い世代をはじめ道民と共有するとともに、国際紛争の平和的解決を求めるなど、軍縮と平和の実現に向けた運動を強化します。

(1)核兵器廃絶への取り組み
 (a) 核兵器の廃絶については、連合北海道・原水禁北海道・北海道友愛KAKKINの一致している方針であることから、連携を図りながら国是である非核三原則を堅持する取り組みを進めます。また、あらゆる国の核実験及び臨界前核実験に反対し、実施された時には抗議の取り組みを行います。
 (b) 道内において非核平和都市宣言を採択した自治体数は117道市町村です。未採択の市町村に対して採択を行うよう働きかけます。
 (c) 「平和行動in広島・長崎」の平和行動については、本部の設定する諸行動に積極的に参加するとともに、連合北海道としての学習・視察などを行い、より多くの組合員・家族が参加し、核兵器・平和について学ぶことができるものとします。
 (d) 核兵器廃絶に向け、若い世代に対する運動の喚起及び継承・発展をめざし、北海道高校生平和大使派遣実行委員会との連携のもと、国連への高校生平和大使派遣や高校生一万人署名の取り組みを強化します。高校生による署名などの取り組み当たっては札幌圏に限らず、全道的に取り組むよう促します。
 (e) 原爆パネル展については、高校生一万人署名と連携し、地域での開催により全道的に取り組みます。核兵器保有国の在札幌領事館【MEMO】に対して核兵器廃絶の要請行動に取り組みます。

【MEMO】
 核兵器保有国の在札幌領事館: アメリカ・ロシア・中国

(2)軍縮への取り組み
 (a) 米海兵隊の実弾演習矢臼別移転訓練については、95年当時、米国は沖縄からの即時撤退さえ議論したにもかかわらず、日本の要請により、整理縮小すらすることなく実弾移転演習を実施しています。「要請した」日本国政府に対する取り組みを強化し、移転訓練については、引き続き連合本部や民進党、市民団体と連携して反対の取り組みを進めます。
 (b) 「日米地位協定」については、抜本的な改定に向け、連合本部の改定案をもとに基地のある地方連合会と連携して取り組みを進めます。また、理解促進のために地域学習会を開催し、全道的な取り組みとします。
 (c) 在日米軍再編問題に関わる米軍戦闘機の嘉手納基地からの千歳基地への訓練移転問題については、実弾演習矢臼別移転訓練と同様の観点から、引き続き反対の立場で取り組みを進めます。
 (d) 米海軍をはじめ、艦船の道内民間港の入港や軍用機の空港利用については、非核三原則を堅持する立場から核兵器の搭載疑惑のある艦船等はもとより、港湾・航空施設の利用や民間事業の圧迫に対して、地元と連携し反対行動の取り組みを進めます。
 (e) 国連を中心とする国際社会がテロの根絶をめざすなかで、日本の果たすべき役割は軍事以外の民生活動とすべきであることから、今後の世界情勢を注視し、連合本部に結集して「情報公開・文民統制・憲法」との整合性を基本に取り組みを進めます。
 (f)日米共同訓練については、北海道の平和と軍縮を進める立場から、さらに北方領土問題の解決を強く願う立場からも、規模縮小を求めるとともに、墜落事故を繰り返し、騒音など環境にも負荷の大きい「オスプレイ」の運用に強く反対します。

(3)平和への取り組み
 (a) 「平和行動 in 沖縄」「平和行動 in 広島・長崎」「平和行動 in 根室」に積極的に参加します。「平和行動 in 沖縄」では、鉄の暴風・ありったけの地獄を一ヶ所にまとめた戦闘と言われる沖縄の地上戦から戦争そのものについて学習するともに、現在の沖縄の基地被害についても学ぶこととします。北海道は沖縄県に次いで戦死者が多いことから、独自の学習会等を企画します。「平和行動 in 広島・長崎」では、原爆の恐ろしさ・悲惨さなど戦争の非人間性を共有し、パネル展開催など核兵器廃絶と平和の実現に向けた運動へとつなげていきます。「平和行動 in 根室」については、全国に返還運動の存在と意義を主体的に示す貴重な場であることを認識し、具体かつ実効性のある内容となるよう連合本部や地元と十分協議し意見反映をしていきます。
 (b) 北方領土問題については、当該の地方連合会として、署名活動やパネル展などを企画し、取り組みを強化するとともに、返還の障害となっている日米地位協定からの観点も加え、連合本部、民進党、関連団体とともに政府・北海道に対し、返還交渉を強化、進展させる運動を進めます。
 (c) 独立行政法人「北方領土問題対策協会」(略称:北対協)主催の「ビザなし交流」には、北方領土返還運動の意義など、学習を深めるため引き続き参加します。
 (d) 12月8日(開戦日)、8月15日(敗戦日)については、「風化防止に努め、平和行事として取り組む」ため、市民団体と連携協議しながら参加・企画の方法について検討します。
 (e) 「全道戦没者遺族大会」並びに「北海道戦没者追悼式」に対する知事の出席や対応については、憲法が定める政教分離の原則に基づき、区別して対応するよう求めていきます。
 (f) 「平和を考える集い」を年1回を基本に、開催します。

2.憲法への取り組み
 安倍政権は、本年6月、国民の言論の自由やプライバシーを制限・監視し、捜査当局の運用に歯止めがほとんど盛り込まれていない、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を、委員会採決を省略する「究極の強行採決」により成立させました。
 特定秘密保護法から始まり、憲法解釈変更による集団的自衛権行使を容認する安全保障関連法、そして「共謀罪」と、不誠実な国会運営のあげくに強行採決を繰り返す安倍政権の独裁的な政治手法は、国権の最高機関である国会をないがしろにし、最高法規である憲法の権威や信頼性を失墜させ、権力の暴走を抑止するとした立憲主義を否定するものです。
 そして本年5月、安倍首相は「オリンピックが開催される2020年に憲法改正の施行を目指す」と表明し、「自衛隊の明記」と「高等教育までの無償化」を新たに憲法に書き加える項目として挙げました。
 その上で、「秋の臨時国会へ提出」と具体的な提出時期を言及し、これまでの自民党改憲草案とは異なる新たな自民党改憲案の取りまとめを指示しました。
 しかし、そもそもの自民党改憲草案との整合性、9条2項と自衛隊明記との整合性、民主党政権時代に憲法改正では無く法律改正で高校の授業料無償化が実現した事実(安倍政権下で「ばらまき」として所得制限を導入)、オリンピックと憲法改正のタイミングなど、多くの矛盾点と一貫性・論理的思考を欠いた発言は自民党内部からさえも疑問視されています。
 憲法の三原則「基本的人権、国民主権、平和主義」の貫徹を期すとした連合方針のもと、安倍政権・自民党の改憲の動きを注視し、対応していきます。また、引き続き、憲法を身近なものとするため学習を深めていきます。

(1)安全保障関連法及び特定秘密保護法の廃止、改正組織犯罪処罰法(共謀罪)の廃止を引き続き求めていきます。

(2)日本国憲法の三大原則「平和主義」「国民主権」「基本的人権の尊重」の貫徹を期すことを基本姿勢として、取り組みを進めます。国の基本政策に関する課題については、「国の基本政策に関する連合の見解」の取り扱いに基づき取り組むこととします。

(3)憲法論議については、2003年7月開催の第19回国の基本政策検討作業委員会(中間報告)において「憲法制定時に想定しえなかった問題については個別法制化していく」を基本とし、今後も連合本部に結集して取り組みます。

(4)日本国憲法の内容や自民党「日本国憲法改正草案」の問題点について学習を深めていきます。

(5)2ヶ月に1度開催している「憲法学習会」については、全道的な取り組みをめざし、地方開催を検討します。

3.ゆたかな教育をめざす取り組み
 教育は国の根幹であり、安倍首相も「戦後レジュームからの脱却」として、教育を重要課題に挙げています。しかし、安倍首相がめざすのは、「グローバルな経済競争に勝ち残る人材」を育てる教育です。「個人を尊重した権利としての教育」から「国家・財界のための人材育成」へと変質させようとしています。第1次安倍政権時の2006年に「教育基本法」が「改正」されました。「教育を受ける権利」や「学問の自由」「個人の価値を尊重」など、1947年制定の「教育基本法」に規定された理念が大きく変質されました。以降、「改正」された「教育基本法」にもとづき教育制度が変えられ、競争と管理を強化する政策がすすめられようとしています。
 日本の相対的貧困率は15.6%で、子どもの貧困率は13.9%です。7.2人に1人は「貧困」状態となっており、経済格差が教育格差、世代間格差へと連鎖しています。しかし、依然として日本のGDPに占める公財政教育支出の割合はOECD諸国中低位にあります。
 子どものゆたかな教育を保障するために、教育の機会均等の確保など教育制度・教育政策等の実現と、大きな問題となっている教職員の長時間労働を是正していかなければなりません。
 子どもの人権を擁護し、多様な可能性を最大限発揮させるため、学校や地域の裁量権を保障し、子どもの実態に即した教育施策を求めるなど、「人格の完成」をめざし、憲法や「子どもの権利条約」の理念に基づく教育を進めなければなりません。

(1)教育課題の共有化の取り組み
 (a) 「教育を考える対策委員会」を定期的に開催し、教育に関わる諸課題について共有化を図るとともに、取り組みについて意志統一し、運動を進めます。また、各地域においても「教育問題を考える会」(仮称)等を設置し、取り組みを強化します。

(2)教育予算拡充のとりくみ
 (a) 子どもの貧困解消・教育格差是正に向け、保護者負担の解消、就学保障の充実、教育環境整備を求める教育委員会要請など教育予算増額・制度拡充の取り組みを進めます。
 (b) 義務教育費国庫負担制度は、標準的な教職員数を確保し、教育の機会均等を保障するものであることから、制度の堅持と負担率を1/2に復元するよう取り組みを進めます。 
 (c) 文科省「新教職員定数改善計画」の確実な実施およびそれを上回る「30人以下学級」の早期実現と教職員定数改善を早期に実行するとともに、当面、小学校2年生から中学校3年生の学級編成標準の順次改定を求め、予算措置を講ずるよう取り組みを進めます。
 (d) 所得制限を撤廃し、すべてのこどもが高校授業料無償化が適用されるよう求めます。
 (e) 「高等学校等就学支援金」の創設により、私立学校における高校授業料は一定の負担軽減が図られているものの、依然として公私間格差が大きいことから、北海道に対して授業料軽減補助の拡大や給付型奨学金制度の導入など、私学に対する財源措置を求める取り組みを進めます。
 (f) 連合総研の調査などにより、過労死レベルにある教員の過酷な勤務実態が明らかになっています。しかし政府の「働き方改革」においては、教職員は「給特法」【MEMO】により労働基準法の一部適用除外であることから対象外とされており、教職員の定数改善や超勤に歯止めをかける法整備の検討など、抜本的な改善について世論喚起を促すシンポジウムや、啓発キャンペーンに取り組みます。

【MEMO】給特法の趣旨は「労働基準法36条による36協定を結ばずに限定された部分的超勤をさせることができ、労働基準法37条の『時間外、休日及び深夜勤務による割増賃金』は適用せず、代わって、俸給月額の4%に相当する額を支給する」というものです。しかし、この4%では月8時間程度にしかなりません。

(3)ゆたかな高校教育の実現を求めるとりくみ
 (a) 「新たな高校教育に関する指針」に基づく「公立高校配置計画」は、財政論に基づく学級の機械的削減や高校の統合再編・募集停止などを進め、遠距離通学や不本意入学・早期途中退学など子どもの精神的・身体的負担や保護者の経済的負担を増大させています。教育の機会均等を確保することや地域経済や産業と文化を衰退させない内容での、指針の見直しを求めるとともに、子ども・保護者・地域の意見を反映させるよう取り組みを進めます。
 (b) 道内の地場産業の振興や人材育成の観点から、「職業高校」等の統廃合は行わないよう北海道に要求していきます。
 (c) 「遠距離通学費等補助制度」については、年限撤廃・適用拡大など条件整備の拡充と財源措置を求める取り組みを進めます。

(4)民主的な教育を求めるとりくみ
 (a) 「通報制度」は、教職員の人権を侵害し、結果的に子どもの学習権を阻害するとともに、学校における協力・協働や地域との信頼関係を崩すものであることから、制度撤廃の取り組みを引き続き進めます。
 (b) 2010年「12.13道教委通知」に基づく「入学式・卒業式における国旗・国歌の適切な実施について」などは、憲法で保障する思想・信条の自由を侵害することから、「義務化・強制」しないよう求めるとともに、「職務命令」による不利益処分を行わないよう取り組みを進めます。

Memo 連合北海道組織財政特別委員会「第6次答申」により第18回定期大会で「義務化・強制に積極的に反対(具体的な取り組みは未確認)」と確認。 

4.食の安心・安全、環境問題と循環型社会の実現を求める取り組み
 米国トランプ大統領は、国連気候変動枠組条約のパリ協定から離脱する意向を表明しました。世界第2位の温暖化効果ガス排出国である米国の協定離脱は、世界共通の長期目標の達成を困難なものとしかねません。今後の動向を注視し、連合本部と連携して取り組みを進めていきます。一方、日本国内においては、福島原発事故にともなう汚染水の処理が重大な課題であり、原発に依存しない社会の実現に向け、取り組みを進めていくことが重要です。
 世界の人口は、2000年に約61億人でしたが、2050年には約96億人まで増加する見通しとなっています。世界の食料需給状況が依然として厳しく、食料不足と価格の高騰が今後も続くと予想されています。国連食糧農業機関(FA0)は2015年世界食料の不安の現状として飢餓人口は7億9,500万人(およそ9人に1人)もいるとされ、1990年頃より2億1,600万人減少したとされていますが、依然として深刻な状況が続いています。
 天候変動による輸出国の輸出規制や穀物価格の高騰、穀物市場への投機マネーの流入など、いっそうの食料不足が懸念されることから、食料や水の確保に不可欠な環境保護、水資源の確保、食料生産は世界の課題です。特に、食料自給率が低い日本にとって食料確保は「食料安全保障」の観点から重大な課題であり、土壌や水源地の涵養など多面的機能を持つ農業・林業政策を充実させ、食料自給率向上を図ることが重要です。
 また、食の安心・安全を確立するため、食品添加物、残留農薬、口蹄疫、遺伝子組換え食品などについて、厳格な基準と検査体制の強化、消費者への情報開示などを進めるとともに、生産・加工・流通・消費までの距離を短くする「地産地消」に取り組むことが重要です。特にBSE問題については、検査基準が緩和されたことから、一層注視していく必要があります。
 環太平洋経済連携協定(TPP)締結の承認及び関連法の国会審議・採決については、徹底した情報開示と説明、幅広い国民的議論、本質的な国会審議を求めてきました。しかし、安倍政権は「数のおごり」を背景とした無責任な国会運営と民主主義を否定する強行採決を繰り返し、多くの国民が反対する中、昨年12月に可決、成立しました。TPPについては米国トランプ大統領が離脱を表明し、現在、米国を除く11カ国で発効を目指して協議が進められようとしています。併せて、トランプ大統領は、「日米二国間の自由貿易協定(FTA)」を提唱しています。日本のTPP批准は、日米FTAを進める事態になった時に、交渉のベースとなることを認めるものであり、米国からはさらに過酷な条件が提示される危険性が指摘されていてます。改めて、TPP協定の経過や問題点を明らかにさせる必要があります。

(1)食料・森林・水資源や環境問題など生活にかかわる諸問題について、「食・みどり・水を守る道民の会」と連携し、取り組みを進めます。
 (a) 本年11月には「第49回 食とみどり、水を守全国集会」が熊本県で開催されます。道民の会とともに大会に参加し、「食・みどり・水を守る」運動推進に向けて全国の情報を収集し、学習を深めていきます。
 (b) 「食料安全保障」や「一次産業の多面的機能の評価」など、基本的な視点からの学習会を企画します。

(2)食の安心・安全への取り組み
 (a) 食料事情は不安定な要素が増していることから、食料自給力の向上に向け、「食料・農業・農村基本計画」による担い手の確保や育成、「水産基本計画」の推進など、生産性を高める実効ある具体策を国に求めていきます。
 (b) 関税撤廃を原則とするTPP(環太平洋経済連携協定)は、農業など第一次産業を基幹とする北海道経済に大きな影響を及ぼすとともに、食料自給率の低下や食品安全の緩和など食の安心・安全や国民生活全般に関わる懸念が払拭されていません。今後も、徹底した情報開示と説明、幅広い国民的議論を国に求めていきます。
 (c) 本年7月、日本と欧州連合は、日EU経済連携協定(EPA)交渉が「大枠合意」に至ったと発表しました。しかし、この間の交渉内容については、十分な情報開示や国会論議がなされぬまま「大枠合意」が発表され、その合意の詳細も確定していません。しかし、農業分野の合意内容としては、北海道農業にとって重要なチーズなどの乳製品をはじめ、豚肉、小麦製品や馬鈴薯でん粉など数多くの品目で、国内市場を大幅に開放するものとされ、一次産業が基幹産業である北海道にとって、地域経済・社会に甚大な影響を及ぼしかねません。今後、大枠合意の内容の詳細について日EUで協議を行う予定にあり、また発効には国会の承認が必要であることから、TPPに対する取り組み同様、学習会などを通じた情報収集と、国に対しては徹底した情報開示と国会審議、国民合意を求めていきます。
 (d) 農業は、北海道の基幹産業であり、洪水の防止や水資源の涵養、歴史や伝統文化の継承など多面的な機能・役割を担っていることから、関連産業など含め持続可能な地場産業としての発展をめざし、農民連盟等と連携を図り取り組みを進めます。また、「食」・「環境」・「人」・「地域」という視点に立ち、「地産・地消」を実践する運動の前進に向けて、地域の労・農・市民組織や消費者団体、NPOとも連携していきます。
 (e) BSEや口蹄疫、鳥インフルエンザなどの家畜伝染病等被害、放射性物質の影響が懸念される食品や家畜飼料の安全・安心の確立に向けて、「食・みどり・水を守る道民の会」とともに国や北海道に要求していきます。また、遺伝子組み換え作物、クローン家畜などの課題についても、食品の安全性や品質管理の情報提供を国や北海道に求めていきます。

(3)環境問題と循環型社会の実現を求める取り組み
 (a) 「水は基本的人権で公共財」であることを基本に、水利用のあり方と自然環境の保全、健全な水循環の確立など、水循環基本法が実効あるものとなるよう具体策を求めていきます。
 (b) 環境保全や持続可能な林業経営に向け、木材の安定供給システムを構築し、間伐材を使ったクラフトやペレットストーブの普及など、林業活性化議員連盟と連携して北海道や各自治体に道産材の普及と林業活性化を求めます。また、民有林の荒廃を防ぐため、森林簿の整理や外国人・企業による無秩序な山林の売買と投機行為の制限など、北海道水資源の保全に関する条例の確実な実行化を北海道に求めていきます。
 (c) 「植樹祭」については、これまで実施してきた「2004年の台風18号による倒木被害跡地である支笏湖周辺の国有林」の植樹が終了したことから、今後は、育樹(枝打ち・下払い)や森林観察など、多くの組合員が参加し森林・林業について学べる取り組みを検討します。
 (d) 地球環境が悪化する中にあって、地球温暖化対策や原発に依存しない社会の実現に向けたエネルギー対策として「一人ひとりが身近なところから、できるところから」ライフスタイルを見直す「連合エコライフ21」の運動を実践していきます。また、循環型社会の形成に向けて、発生抑制(リデュース)・再使用(リユース)・再利用(リサイクル)の「3R」の実施に向けて家庭・職場・地域で取り組みます。

5.人権・共生の社会づくり、社会連帯への取り組み
 人権保障は、共生社会や平和・民主主義の根幹ですが、依然として非差別部落、アイヌ民族、障害者、LGBT、人種・出身国に対する差別などや、それにともなう就職差別をはじめ、職場における人権侵害や、ヘイトスピーチなど、人権が十分に擁護されている状況ではありません。
 日本政府は国連障害者権利条約を批准はしたものの、国内法が十分に整備されていないことから、障害者権利条約の完全実施にむけて当事者団体と連携し取り組みを強化していく必要があります。
 また、アイヌ民族に関して、白老町に「民族共生の象徴空間」としてのアイヌ文化博物館(仮称)等が東京オリンピック・パラリンピックに合わせて一般公開されることになりました。アイヌ民族の持つ独自の地位や文化など先住民族としての権利と尊厳を発信する場となるよう求めるとともに、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める国会決議」に基づき総合的なアイヌ文化振興の具体的施策を進めるよう関係機関にはたらきかけることが重要です。そのためにもアイヌの歴史や文化を正しく伝える教育や学習の機会を設定し、理解を深めていく必要があります。
 先進国においては、ほとんどが人権救済機関を有しており日本でも人権を守るための独立した人権救済機関を早急に設置する必要があります。
 一方、台風や集中豪雨など自然災害等が頻発し人命を脅かす状況が生じていることから、避難経路・場所など地域住民の安全確保に向け、地域コミュニティを強化するとともに、ボランティアサポートなどの体制づくりを進めることが大切です。
 また、アジア・アフリカを中心に南北問題や内乱、天候変動等によって飢餓に苦しむ人々を救済するため、引き続き、世界連帯のもと食料支援などを行っていく必要があります。

(1)人権・共生の社会づくりへの取り組み
 (a) DPI北海道ブロック会議など、社会的弱者の諸課題に取り組む団体と連携し、差別や人権侵害を是正するための学習会やシンポジウムを開催します。
 (b) ノーマライゼーションの社会づくり、ユニバーサルデザインに基づいた街づくりと障害当事者運動の視点での必要な合理的配慮を整備していく運動に取り組みます。また、「国連障害者権利条約」の完全実施にむけ関連する法整備及び改正について取り組みを進めます。
 (c) アイヌ政策を推進し、総合的な施策の確立に向け、アイヌの人々の生活・雇用・教育の保障やアイヌの歴史・文化、現状について理解を深める施策を進めるよう求めていきます。また、学習会等を企画し、アイヌの人々に対する認識を高めるなどの取り組みを進めます。
 (d) 人権侵害救済法(仮称)の制定に向けて、連合本部に結集して取り組みを進めます。北朝鮮による日本人拉致事件については、拉致被害者の早期解放などを求めるために連合本部、関係団体と連携し取り組みを進めます。

(2)社会連帯への取り組み
 (a) 様々な市民運動・団体そしてNPOとの連携のあり方については、執行委員会で確認して取り組みます。
 (b) 「連合・愛のカンパ」は産別タテで取り組んでおり、連合北海道としては、地域ユニオンおよび直加盟組織に対して取り組みを進めます。難病による緊急・渡航手術などの人道カンパ、台風・地震などの自然災害カンパについては、産別・地域の支援要請、連合本部の提起を踏まえ、執行委員会で確認して取り組みます。
 (c) 「連合北海道ボランティア・サポートセンター」については、全労済北海道本部が2016年11月に開催した体験型イベント「ぼうさいタウン」の内容を参考に、一般の組合員を対象にした講習会や学習会の開催を検討します。また、北海道社会福祉協議会内の新設された「北海道災害ボランティアセンター」と連携し、大規模な災害に迅速に対応できるように救援体制の確立を図ります。
 (d) エコキャップの取り組みについては、各地域の意見も反映しながら、環境保全と収益金の社会福祉の活用を目指し引き続き進めます。
 (e) 「アジア・アフリカ支援米運動」は、飢餓と貧困が最大の人権侵害・人類にとっての脅威であるという視点に立って、支援田での田植えや収穫を含め、「食・みどり・水を守る道民の会」とともに取り組みます。また、植林や井戸・灌漑施設の整備や農業技術の振興などについても、地域で活動するNGOなどとの連携を図ります。
 (f) 自殺者は2012年から3万人を割っているものの、2011年まで14年連続で3万人を超え、北海道においても働きざかりを中心に、多くの尊い命が失われていることから、命を救うための活動を続けている社会福祉法人「北海道いのちの電話」への役員派遣を含め、事業に協力していきます。

6.全道メーデーの開催
(1)全道メーデーは、2011年7月15日の「メーデーあり方検討委員会」の答申をふまえ、メーデーの意義を引き継いでいく決意も含めて、開催日を5月1日とします。本年度より、準備のための2回の実行委員会に加え、反省点や改良点について論議する「第3回全道メーデー実行委員会」を開催しました。今後も継続し、多くの組合員・市民が集い、メーデーの意義を理解し、連帯を確認するメーデーとなるよう取り組みを進めます。

(2)メーデーを国民の祝日とするよう連合本部と連携し、世論喚起などの活動に取り組みます。

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