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資料:連合北海道第30回定期大会1号議案-その3 
労働条件の底上げ・社会的横断化の促進とディーセント・ワークの実現

1.春季生活闘争の強化
 連合は、これまで「春季生活闘争」が果たしてきた日本社会全体の賃金決定メカニズムとしての役割は維持しつつ、社会的賃金相場形成がとかく賃上げ率中心であったことを改革し、産業・地域における賃金水準そのものの社会的波及をめざした取り組みが重要であることを訴えてきました。そして、2017春季生活闘争では、めざすものとして日本経済・社会全体としての「経済の自律的成長」「包摂的な社会の構築」「ディーセント・ワークの実現」を掲げ、「底上げ・底支え」「格差是正」に重点を置いたすべての働く者の処遇改善が不可欠として、月例賃金にこだわり賃金の社会的水準確保を重視した取り組みを継続しました。とりわけ中小企業で働く仲間の処遇改善原資を確保するために、「大手追従・大手準拠などの構造の転換」と「サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正分配」の運動を前進させる方針を掲げ、組織一体となった取り組みを進めてきました。こうした主張が、連合のみならず社会全体に浸透しつつあり、こうした考え方を維持した運動を継続します。
 また、内外への情報発信を充実させ社会的横断化の促進をはかります。社会に開かれた春季生活闘争実現のため、地域のあらゆる関係者との連携を醸成する取り組みを継続します。
 最終的には、連合本部の基本構想と闘争方針を踏まえ、12月には闘争委員会を設置し闘争方針を決定するとともに闘争態勢を確立します。年明けには地協単位に討論集会や総決起集会を開催し、産別・単組の連携強化、地域・地区連合運動への結集を強化します。

2.労働条件の「底上げ・底支え」「格差是正」と社会的横断化の促進
(1)春季生活闘争や通年的な労使協議を通じて、「長時間労働の是正」「労働者の立場に立った働き方改革」、労働条件の「底上げ・底支え」と「格差是正」の実現をはかります。

(2)労働力不足と情報通信技術の進展などが社会・経済に大きな変革をもたらすなかで、労使協議などを通じて、ワーク・ライフ・バランスの確保など労働者の立場に立った「働き方改革」の実現をめざします。

(3)「同一労働同一賃金」法制化の動きを注視しつつ「多様な働き方」の実現と働きに応じた公正な処遇実現の取り組みを強化します。

3.雇用対策の強化
(1)良質な雇用の確保とセーフティネットの拡充
 1)「新卒者就職支援 全道キャンペーン」は、2008年秋以降、リーマンショックの影響を受け、多くの若者が就職氷河期を迎えたことから、働く者の代表として翌2009年から連合北海道独自の行動として展開してきた取り組みです。道内の2016年度年間の有効求人倍率が、統計開始以降初めて1倍を超え、また、新卒者の就職内定率もバブル期に迫る過去3番目の高水準にあることから、この間のキャンペーン行動の総括と今後の取り組みについて検討します。なお、2018年度については、これまで同様、安心・安定した雇用を求めて、10年目となる全道「社会的キャンペーン行動」を継続実施します。地協・地区連合は9月~11月を基本に自治体訪問を行い、連合北海道は、1月~2月の地域討論集会前段の期間を活用し、振興局、商工会議所、学校などを訪問し、新卒者対策などに向けた要請行動を展開します。
 2)学卒就職後3年以内の離職率が全国に比べて高い現状を踏まえて、インターンシップ事業に積極的にかかわり、引き続き、大学生を受け入れ、ワークルールをはじめとした労働者教育を学ぶ場を提供します。
 3)雇用の原則を「期間の定めのない直接雇用」であることを基本とすることなど、連合本部と連携し雇用・労働のあるべき姿を示す「雇用基本法」(仮称)の実現をはかります。
 4)雇用保険制度については、基本手当の拡充および国庫負担の本則復帰をはかるとともに、すべての雇用労働者に適用することを基本に、マルチジョブホルダー(複数の事業主のもとで短時間労働の仕事を掛け持ちしている者)へのセーフティネットの構築のため、連合本部と連携し雇用保険の適用拡大を行います。
 5)過重労働に起因する脳・心臓疾患や、強いストレスからの精神障害など、新たな課題にも対応できるよう労災認定基準の見直しについて、連合本部と連携し連合の考え方をまとめ、早期の見直しを実現します。

(2)季節建設労働者の通年雇用化と冬期間の生活対策強化
 北海道の季節労働者は、建設業を中心に約7万3千人、全国の6割を占めており、通年雇用化を柱とする対策が取り組まれてきました。しかし、本道は積雪寒冷な気象条件により季節労働者の約85%が冬期間の離職を余儀なくされ、冬期離職者の生活保障の確保が課題となっています。冬場の短期就労の確保や地域協議会の事業など、包括的な対策の推進・改善を求めていく必要があります。
 当面する課題として、①新たな冬期技能講習制度の実現、②特例一時金50日分の復活、③通年雇用促進支援事業の見直し充実(短期就労事業の支援策を認め冬期就労の拡大等)、④建設業退職金共済制度のさらなる改善等の課題実現に向けて、民進党北海道や連合北海道議員団会議等とも連携し、対政府・道・各自治体への要請などに取り組むこととします。
 また、2016年3月に再開した「連合北海道季節労支援センター運営委員会」を最低でも年2回開催し、季節労働者の諸課題の掘り起こしと課題の実現に向けた意思統一を図ります。さらに、運営委員会として、全道オルグを実施し、各地域の声を把握し、「要求と提言」や各種審議会へ意見反映します。

4.最低賃金を労働の対価にふさわしい水準へ引き上げ
 日本の最低賃金は、主要先進国と対比し極めて低水準にあり、貧困な暮らしを前提に制度設計されています。労働基準法は、「労働条件の決定は労使が対等な立場で行うもの」と定められていますが、最低賃金近傍で働く多くの非正規労働者は、自らの賃金決定に直接関与できず、厳しい生活を余儀なくされています。このため、未組織労働者や低所得者層の下支え機能として最低賃金の果たす社会的役割は、これまで以上に大きくなっています。
 一方、特定(産業別)最低賃金は、労使交渉の補完・代替機能によって、基幹的労働者の最低賃率を形成し、事業の公正競争を確保する面からもその意義・役割は大きいものとなっています。この制度を活用することによって、組織労働者の賃金決定の成果を未組織労働者へ波及させ、均等・均衡待遇、「同一労働同一賃金」の実現に向けた役割を果たす必要があります。最低賃金を、労働の対価としてふさわしい水準にまで引き上げる取り組みを強化します。
(1)最低賃金法では、地域別最低賃金を決定する際の3つの要素として「生計費」【MEMO】、「賃金」【MEMO】、「通常の事業の賃金支払い能力」【MEMO】を定めており、また、賃金のセーフティネット機能を強化し、生活保護水準を下回らないよう配慮することを求めています。
 北海道内の非正規労働者は、約91万人を数え雇用者全体に占める割合も約40%を数えます。
 「最低賃金の引き上げこそ、全ての労働者の賃上げ」であり、非正規・未組織労働者の「春闘」です。
 地域別最低賃金については、「雇用戦略対話合意」【MEMO】、「ニッポン一億総活躍プラン」、「働き方改革実行計画」【MEMO】など、「その時々の事情を十分勘案」した議論を求めていきます。さらに、必要最低限度の生活を保障する観点から、3要素のうち賃金と生計費を特に重視して決定するよう求めます。また、北海道の連合リビングウェイジ(時間額880円)や一般労働者の賃金、高卒初任給(時間額896円)の水準を重視しつつ、賃金の底支え機能を果たし、セーフティネットとしての実効性が高い水準へ大幅に引き上げることをめざします。

(2)働く全ての労働者の賃金底上げに向けて、企業内最低賃金協定の締結拡大と、水準の引上げを通じて、地域最低賃金と特定(産業別)最低賃金の引上げにつなげていくこととします。

(3)法定の特定(産業別)最低賃金は、当該産業労使のイニシアチブ発揮により、基幹的労働者賃金の産業全体への波及につながる水準の実現に取り組むとともに、設定がされていない産業分野での新設に向けて、連合本部と連携して検討を進めます。

(4)ハイ・タク最賃については、当面、企業内最賃協定の締結拡大を優先させて取り組むこととします。

(5)改正された最低賃金の履行確保に向けて、「全道キャンペーン行動」と連動し、全地協において、全自治体要請行動を引き続き取り組みます。

【MEMO】「生計費」
 最低生計費を保障するため、生活保護を上回ることはもとより、連合リビングウェイジを重視し、これを上回る水準を目指す。また、消費者物価の上昇分が適正に反映される仕組みの導入を求める。
【MEMO】「賃金」
 一般労働者の賃金、高卒初任給の水準を重視すること。現行の審議会議論では、「賃金改定状況調査(第4表)」にもとづく上げ幅議論が中心であるため、水準を重視しつつ、「賃金改定状況調査」に労働者全体の賃金実態を反映させる必要がある。
【MEMO】「通常の事業の賃金支払い能力」
 正常な経営をしていく場合に、通常の事業に期待することのできる賃金経費の負担能力のことであって、個々の企業の支払い能力ではない。ILO第131号条約では、事業の支払能力を決定要素とせず、「経済開発上の要請、生産性の水準ならびに高水準の雇用を達成し及び維持することの望ましさを含む」ことを水準決定にあたり考慮すべき要素としている。
【MEMO】「雇用戦略対話合意」
 2010年6月に政労使合意/「全国最低800円」「全国平均1,000円」をめざす合意内容については、2013年8月の質問主意書および答弁書により、失効していないことが確認されている。
【MEMO】「ニッポン一億総活躍プラン」、「働き方改革実行計画」
 「最低賃金については、年率3%を目途として、名目GDP成長率にも配慮しつつ引き上げていく。これにより、全国加重無平均が1,000円となることを目指す。このような最低賃金の引き上げに向けて、中小企業、小規模事業者の生産性向上等のための支援や取引条件の改善を図る。」


5.健康で働き続けられる職場環境整備の取り組み
 政府は、2016年10月に初めての「過労死等防止対策白書」【MEMO】を閣議決定しました。過労死とされる月80時間を超えて残業した社員がいる企業が2割を超えている調査結果も明らかになりました。また、3月には「働き方改革実行計画」が決定され、残業の罰則付きの上限規制を設定し、残業を「原則月45時間、年間で360時間」とし、繁忙期の特別条項として、年間720時間までの上限【MEMO】を労働基準法に定め、違反すれば罰則を設けるとされました。
 残業に上限を設ける一方で、安倍政権は、長時間労働を助長しかねない脱時間給制度の新設をもくろんでおり断じて容認できません。2015年4月に国会に提出された「高度プロフェッショナル制度の創設」や「企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大」は、先の通常国会での成立を見送り、次期通常国会の中で、「労働基準法改正法案」として審議し成立をめざしています。「高度プロフェッショナル制度」は、別名「残業代ゼロ法案」「過労死推進法」とも呼ばれ、年収1,075万円以上の高度な職業能力を持つ、金融商品のディーラーや研究開発職を対象に導入しようというものです。連合は、対象業務に歯止めをかけるため、具体例で法律を規定するよう求めてきました。また、「企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大」も、現在、企画や調整部門に限られている対象範囲を、全国に320万人いる営業職を新たな対象に加えようというものです。多くの営業職が「提案型営業」とされて「みなし労働時間制」の適用となる懸念があります。長時間労働を助長しかねず、安易に導入すべきではありません。近年、長時間労働に起因する過労死や精神障害などに関する労災補償請求件数・支払い決定が高水準で推移しており、過労死防止のための長時間労働是正に向けた規制強化に逆行した極めて問題のある法案です。
(1)ディーセント・ワーク実現に向けたワークルールの遵守・整備
 1)労働基準法について、時間外労働の上限規制等の改正を早期に実現するとともに、すべての職場で労働時間の適正な把握・管理と36協定の適正化がなされるよう、周知の取り組みを進めます。
 2)「協約から法律へ」運動に取り組みます。特別条項付き36協定に係る構成組織毎の年間上限時間の設定を原則の360時間に近づけます。なお、36協定の適用除外となっている自動車運転の業務や工作物の建設等の業種や教職員、公務員についても、長時間労働の是正に向けて連合本部と連携し取り組みを展開します。
 3) 勤務間インターバル(原則11時間)の導入等、長時間労働是正に向けた労使協定・労働協約締結の取り組みを進めます。
 4)「高度プロフェッショナル制度の創設」や「企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大」は、過労死・過労自殺ゼロの実現に逆行するものです。国会情勢を見極めながら地域協議会、校正組織一体となり、導入阻止に向けた大衆行動を展開します。
 5)不当な解雇を誘発しかねない「解雇の金銭解決制度」について、構成産別(単組)、地協(地区連合)と連携して取り組み、導入を阻止します。
 6)非正規雇用労働者の処遇改善の実現に向け、労働契約法、パートタイム労働法および労働者派遣法の3法を改正し、正規雇用労働者との均等待遇等を実現します。また、労働契約法20条により、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止が定められました。無期雇用と有期雇用による労働条件の差異など、職場点検活動を強化し、労働契約法の趣旨を職場に活かす定着の取り組み・周知を求めます。さらに、有期契約労働者の無期転換については、5年(2018年4月)の無期転換期間の短縮など、引き続き、法を上回る取り組みを春季生活闘争も含め通年的に求めるとともに、無期転換直前での雇止め抑止に向けて法内容の周知に取り組みます。連合が作成した「同一労働同一賃金ガイドライン案」【MEMO】への対応のための「手引き」を活用した学習会等を開催するとともに、企業内労使での協議を進めるよう促します。
 7)労働者派遣法については、法改正の内容をチェックし、労働者保護の視点から派遣労働者の雇用の安定と公正処遇の確保に向けて引き続き取り組みます。
 8)高齢者が働きやすい環境確保に向け、高齢者の処遇のあり方、身体・健康状態を踏まえた適正配置や配慮義務の創設などを、連合本部と連携し求めます。
 9)集団的労使関係構築に向けて、連合本部と連携し過半数代表者の選出手続きの厳格化等、過半数代表制の適正化と労働者代表制の法制化をはかります。
 10)国に対して労働基準監督官の増員などを求め、労働行政の充実・強化をめざします。

【MEMO】「過労死等防止対策白書」
 2014年に施行された「過労死等防止対策推進法」において、過労死を取り巻く状況の報告書を毎年策定することを定めたことを受けて作成されたもので、2015年度の状況をまとめた。15年度に過労死で労災認定された者は96人、過労自殺(未遂含む)による労災認定は93人で、過労死・過労自殺をあわせた認定件数は近年200件前後で高止まりしている。1カ月の残業が最も長かった正社員の残業時間が「過労死ライン」の80時間を超えた企業は22.7%。「情報通信業」「学術研究、専門・技術サービス業」では4割を超えた。同法は、過労死の防止策を進める責任が国にあることを初めて明記。白書は労働者約2万人に対する長期間の追跡調査や、長時間労働と健康に関する研究を始める計画も盛り込んだ。追跡調査は、幅広い業種の約2万人に健康診断の結果と労働時間や仕事の負荷、睡眠時間、運動習慣、飲酒や喫煙の有無などを10年間にわたって調べ、どのような要因が過労死のリスクになるかを分析し、毎年の白書で経過を報告する。
【MEMO】「繁忙期の特別条項」
 1)月平均60時間、年間720時間上限(法定休日労働「日曜日」を含まない)とすること、2)2カ月から6カ月平均で80時間以内(休日労働を含む)とすること、3)単月で100時間未満(休日労働を含む)、4)6カ月間は月45時間を超えないことを労働基準法で定める。
【MEMO】「同一労働同一賃金」
 6月9日、労働政策審議会の部会は、「同一労働同一賃金に関する報告書」をまとめた。「正社員と非正規労働者の不合理な待遇差の是正を進めなければならない」と明記し、法改正により「状況に応じて多様な働き方を自由に選択できるようにする必要がある」と指摘し、2019年4月の施行を目指している。「同一労働同一賃金」は、雇用形態にかかわらず、同じ成果や能力なら基本給や賞与、通勤費、有給休暇などの待遇を同じにする仕組みである。報告書は、待遇の内容や正社員との差について非正規に十分説明する義務を新たに企業に課すよう求めている。
【MEMO】「同一労働同一賃金」(派遣労働者)
 労働政策審議会は、6月16日、「非正規労働者の待遇改善に関する報告書」を塩崎厚労大臣に提出した。不合理な格差を禁止する規定がない派遣労働者の待遇を決める手法として、同じ仕事をする派遣先企業の正社員の待遇と合わせるか、または、派遣会社が労使協定で決めた水準にするかの選択制が妥当としている。


(2)労働安全衛生対策の強化
 1)2017年度を最終年度とした「第12次労働災害防止計画」【MEMO】について、労働災害は長期的には減少しているものの、第3次産業(社会福祉施設は過去10年で2倍)では増加しています。
北海道の2016年末の労災事故死亡者数は、77人(前年比+12人)、休業4日以上を加えた労働災害死傷者数は、6,614人(前年比+46人、+0.7%)と若干増加しています。また、死亡災害は産業別には、建設業全体では28人(前年比+3人)、特に、建設工事業10人(前年比+5人)、土木工事業11人(前年比+3人)が際立って増加しています。その他、林業5人(前年比+1人)、道路貨物運送11人(前年比+1人)で増加しました。
一方、休業4日以上を含めた労働災害死傷者数では、製造業(+37人)、畜産業(+35人)、陸上貨物運送業(+29人)、林業(+23人)などで増加していますが、建設業では全体で減少(-83人)しているにもかかわらず、木造建築業では+28人と増加しています。また、増加傾向が大きいとされてきた第3次産業では、社会福祉施設(+28人)、通信業(+16人)、ゴルフ場(+14人)、教育・研究業(+12人)などで増加し、飲食業(-42人)、旅館業(-33人)では大きく減少しています。全国平均の2倍近くと非常に残念な結果です。
「第12次労働災害防止計画」の目標達成は非常に厳しい状況にあります。労働災害を減少させるために、「労働安全衛生マネジメントシステム」を職場で実践することが有効と言われております。残された期間、職場の総点検を行い、安全衛生教育を再度徹底し、構成組織内の労働災害の発生状況を正確に把握し、労働災害防止に向けた労働組合の取り組みを強化します。
また、2018年度からスタートする「第13次労働災害防止計画」の策定においては、第12次防の結果を検証したうで、策定するよう求めるとともに、着実な実施をめざします。当面、道内の死傷者数が多い陸上貨物運送業、小売業、社会福祉施設、飲食店の4業種に関係する産別・単組を招集し、北海道労働局との情報交換会を開催し、改善策を検討します。
 2)2014年に施行された「過労死等防止対策推進法」では、過労死を1)業務での過重な負荷による脳血管疾患や心臓疾患を原因とした死亡、2)強い心理的負荷による精神障害を原因とした自殺-と定義。過労死対策を「国の責務」と明記し、具体策をまとめた「過労死防止対策大綱」【MEMO】の策定を国に義務付けました。過労死等防止対策推進法に基づく国等による過労死等防止対策の進捗状況を検証し、より実効性のある対策を講じるよう求めるとともに、職場への過労死等防止啓発月間等の周知に取り組みます。
 3)今後5年間の新たな「連合労働安全衛生取り組み指針」にもとづき、労働災害の発生状況の把握や人材育成など、労働災害防止に向けた労働組合の主体的な取り組みを進めます。
 4)ストレスチェックによって明らかとなった職場の課題解決に向けた、安全衛生委員会等における職場改善の取り組みや、化学物質のリスクアセスメント対象範囲の拡大など、「『改正労働安全衛生法』に関する連合の取り組みについて」に基づいた取り組みを進めます。
 5)パワーハラスメント防止対策の着実な実施のため、連合本部と連携し法整備を求めるとともに、組織内においては、セミナーなどの開催により、周知、啓発の取り組みを進めます。
 6)「働き方改革実行計画」を踏まえて、6月に労働政策審議会安全衛生分科会が「今後の産業医・産業保健機能の強化について」をとりまとめました。長時間労働の是正と健康確保対策強化が喫緊の課題であることから、確実かつ早期に報告に基づく法改正の実現をめざします。
 ⑦ 社団法人からNPO法人へ移行して7年目を迎える北海道勤労者安全衛生センターとの連携を更に強め、産別・地協安全衛生セミナー、パワハラ・アンケートの実施、アスベスト問題プロジェクトによる学習会や被災者の発掘・地域相談会の実施、安全衛生担当者会議などを開催し、労働安全衛生の向上に向けた職場点検活動を強化します。

(3)障がい者対策の強化
 精神障がい者を含む障がい者の雇用促進と、合理的配慮義務に対応した職場環境整備に労使協議を通じて対応します。また、2018年4月からの障がい者雇用率の引き上げの着実な実施を進めます。

【MEMO】「第12次労働災害防止計画」
 [第12次防の目標]
 誰もが安心して健康に働くことができる社会の究極的な目標である「労働災害をゼロにすること」の実現に向け、以下の目標を計画期間中に達成することを目指す。
 1)死亡災害の撲滅を目指して、平成24年と比較して、平成29年までに労働災害による死亡者の数を15%以上減少させること。
 2)平成24年と比較して、平成29年までに休業4日以上の労働災害による死傷者の数を15%以上減少させること。
 ≪重点業種ごとの目標(労働災害による休業4日以上の死傷者の数)≫
 ▮小売業…20%以上減少させる、▮社会福祉施設…10%以上減少させる、▮飲食店…20%以上減少させる。▮陸上貨物運送事業…10%以上減少させる
【MEMO】過労死防止対策大綱
 1)週60時間以上の労働者の割合(2013年8.8%⇒2020年までに5%以下)、2)年次有給休暇の取得率(2013年48.8%⇒2020年までに70%以上)、3)メンタルヘルス対策に取り組む企業等の割合(2013年60.7%⇒2017年までに80%以上に引き上げる)、4)その他 イ)将来的に過労死ゼロを目指す、ロ)実態解明のため、勤務状況と、その後の過労死や病気との関係を長期的に追跡調査、ハ)中高生に勤労の権利と義務、労働問題について理解を深める指導の徹底、ニ)過重労働による不調などについて、電話やメールで相談できる体制の整備


6.公務員制度改革の推進と労働基本権を確立する取り組み
(1)民主的公務員制度改革、地方分権改革の実現
 国家公務員制度改革基本法をはじめとする、これまでの経緯【MEMO】を踏まえ、与野党ともに自律的労使関係の確立について真摯に取り組む責任があります。労働基本権を保障した民主的な公務員制度改革および地方分権改革の推進を国・地方自治体に対して求めるとともに、労働基本権回復の必要性に対する国民の理解促進に取り組みます。
 また、2017年5月に可決・成立した「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案」【MEMO】は、いわゆる「法の谷間」に置かれ、官製ワーキングプアとも称される地方公務員の臨時・非常勤職員の処遇改善に向け、一定の前進がはかられました。今後、衆参両院の総務委員会で「制度移行における不利益取り扱いの禁止や適正な勤務条件確保のための条例等の整備、および必要となる財源の確保」や「公務における同一労働同一賃金の在り方の検討および必要な措置」を含む4点の付帯決議がなされており、この付帯決議を含めた法の内容に沿った対応が確実になされるよう連合本部と連携し取り組みます。

(2)労働委員会や労働審判への対策
 雇用情勢は改善が進んでいるものの、特に個別労働紛争を扱う労働審判への申立件数は高止まり傾向にあります。
 1)労働審判員候補者の選考基準に、個別労働紛争解決研修(基礎研修)受講が必須となっていることから、産別・地協に対して積極的に参加を呼び掛け、審判員候補者の確保に努めます。
また、労働審判員制度発足12年目を迎えています。2017年4月には「労働審判員連絡協議会」が設立され、労働審判員の知識向上と交流経験を目的に立ち上がりました。引き続き、連合推薦の労働審判員の要望や現場実態を把握した上で労働審判制度の運用改善を、連合本部と連携して求めます。
 2)「労使関係問題研究会」と連携を図りながら、引き続き、労働委員会委員と労働審判員との経験交流の場として、研修会を設定しスキルアップをめざします。
 3)2014年1月から、定期開催で判例研究会を立ち上げ参加者から好評を得ています。近年、労働紛争問題が多発し、労働審判や裁判に至るブラック企業との闘いも増加しています。労使紛争の解決にあたり、代表的な判例を継続的に読解していくことが不可欠であり、引き続き、判例研究会を専門講師の指導のもと年10回開催し、少人数のゼミ形式で基本判例を学びます。
 4)個別労働紛争解決制度については、「職場のいじめ・パワーハラスメント」による原因が5年連続1位となるなど急増しています。連合本部と連携し、各制度の役割・機能分担の見直しと充実をはかり、労働相談と連携した組合加入と個別紛争解決制度の有機的活用に取り組みます。
 5)労働委員会の活性化に向けて、連合本部と連携し、活用促進に向けたあり方の検討などに取り組みます。また、北海道労働委員会と連携を図りながらPR事業に積極的に関わり、労働委員会制度や役割について地域・産別に広く周知する活動を展開します。さらに、潜在化している紛争事件の掘り起こし等を行い、労働委員会のより一層の活性化をめざします。

【MEMO】
 2008年に国家公務員制度改革基本法が制定され、2011年には、自立的労使関係制度などを盛り込んだ国家公務員制度改革関連4法案、2012年には地方公務員制度改革関連2法案が閣議決定され、国会に提出されたが、2012年の衆議院解散により廃案となった。
【MEMO】「地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案」
 この法律は、2016年12月に「地方公務員の臨時・非常勤職員及び任期付職員の任用等の在り方に関する研究会報告書」を踏まえ、①特別職任用および臨時的任用の厳格化、②一般職非常勤職員の採用・任期等の明確化や給料・手当の支給などが盛り込まれた。この法律の施行により、臨時・非常勤職員の適正な任用や処遇の改善による職員の意欲向上などが期待されるところであり、2020年の新制度への円滑な移行に向け、万全の準備を整える必要がある。


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