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資料:連合北海道第29回年次大会2号議案−2016春季生活闘争のまとめ
1.はじめに
(1)2016春季生活闘争は、国民生活の維持・向上をはかる「総合生活改善闘争」として、「デフレからの脱却」と「日本経済の好循環実現」のために、すべての働く者の「底上げ・底支え」「格差是正」をめざした。月例賃金の改善を継続させ、あらゆる手段を用いて産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを展開すると同時に、中小企業や非正規で働く仲間の処遇改善に向けて「大手追従・大手準拠などの構造を転換する運動」を呼びかけた。

(2)道内においては、1月29日の石狩・檜山地協を皮切りに、2月14日まで、道内13ブロックの地域討論集会に約1,000人の地協・地区連合、産別・単組の組合員の参加を得て、今次春季生活闘争のスローガンである「すべての働く者の処遇を改善!『底上げ・底支え』『格差是正』で経済の好循環実現!」を求めて闘いを進めていくことを意思統一し、闘争方針の徹底・浸透に努めた。
 その後、3月2日の2016春季生活闘争・衆議院5区補選・第24回参議院選挙闘争勝利「全道総決起集会」には、1,350人超の組合員・退職者等が結集し、賃上げこそ最大の景気対策であり格差是正と経済の好循環の両立が必要であること。春闘期における職場・地域の闘いとともに、当面する5区補選の「池田まき氏」、7月の参院選における道選挙区「徳永エリ氏」、連合推薦比例12人の勝利に向けて組織の総力を挙げて勝ち取ろうと喚起した。
 同様に、各地域においても、十勝地協総決起集会の900人結集をはじめ、26箇所の地協・地区連合、ブロックにおいて総決起集会を開催し、昨年より600人以上多い延べ3,837人の組合員が結集、また、渡島地協(4/22)石狩地協(4/27)においては、地場解決促進集会を開催し、地場・中小の底上げの実現に向けた意思統一を図った。

(3)今次闘争の最大のヤマ場を3月16日に設定し、第1先行組合回答ゾーン(3月14日〜18日)、第2先行組合回答ゾーン(3月22日〜25日)、中堅・中小集中回答ゾーン(3月26日〜31日)、中小回答ゾーン(4月中)として、回答の集中化と情報の開示を積極的に行い、より波及力を高めることとした。

(4)中央段階の集計結果について、6月末時点の最終集計結果によると、平均賃金方式では、5,297組合が回答を引き出した。回答(組合員数加重平均)は5,779円、2.00%となった。このうち、300人未満の中小組合3,952組合の回答は、4,340円、1.81%となり、大手組合と中小組合の賃上げ率のかい離を縮小することができた。【別紙1】
次に、非正規労働者の賃上げ(単純平均)は時給16.71円(昨年同時期比+2.12円)、月給3,319円(昨年同時期比+44円)で、いずれも昨年同時期を上回っていることに加え、賃上げの対象となる非正規組合員も8万人増えている。さらに非正規労働者の均等処遇の取り組み件数も増加している。また、一時金の回答(加重平均)は、年間月数で4.86ヶ月(昨年同時期+0.02月)、年間金額で、1,532,368円(同▲20,114円)である。
 連合は、8月25日開催の中央執行委員会において最終まとめを確認した。

2.北海道の取り組みの結果と評価
(1)賃上げの取り組み
(a)賃金引上げの基本的なスタンスについて
1)2016春季生活闘争は、「底上げ春闘」と位置付け、「持続性」「月例賃金」「広がり」「底上げ」という4つのキーワードを掲げて、今年の最大のテーマである「大手追従・大手準拠の構造を転換する運動へチャレンジ」し、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」に向けて全力を尽くすこととした。具体的には、大手以上の要求や回答は望めないという考え方から脱却し、大手以上の要求、回答を引き出しても良いのではないか、労使で考えてほしいことを発信。トリクルダウン方式からボトムアップ型運動への転換にこだわりを持ち、「大手と中小」「中央と地方」との格差を解消するよう訴え、賃金の上げ幅のみならず、賃金の絶対額を重視した要求の組み立てを行うよう提起した。
2)また、連合北海道は、2月26日に経済5団体との労使懇談会、労働局に対する要請行動、2月29日には北海道に対する要請行動を実施し、2%程度のベースアップを含む月例賃金を4%程度、中小企業にあっては10,500円以上引上げることや、非正規労働者の労働条件の改善などを求めた。特に、経済5団体に対しては、「経済の好循環を実現するためには、賃上げを通じた消費拡大が不可欠である。また、北海道の長時間労働について、道内経済の発展、安定した雇用の場の創出など『働き方・労働環境の改善』といった共通課題の克服に向け、協働して取り組もう」と強く訴えてきた。
(b)北海道の妥結状況
 8月31日現在、妥結報告があった組合は326組合で、そのうち集計可能組合は256組合(昨年同期178組合)で昨年同期比プラス78組合となっている。
【組合規模別 平均賃上げ状況 2016年8月31日結果(昨年同時期対比)連合北海道集計】
組合規模 集計
組合
対象組合
人数(人)
加重平均
妥結額
(定昇・ベア込)
妥結率
昨年
集計
組合
昨年
対象組合
人数(人)
昨年
実績額
(定昇・ベア込)
実績率
 昨年比
増減額
〜 99人

100〜299人

300〜999人

1,000人〜
139

61

44

12
5,814

9,971

21,278

26,848
3,608円
(1.69%)
3,882円
(1.73%)
4,732円
(1.81%)
5,649円
(2.14%)
92

45

34

4,174

8,104

16,826

18,364
3,560円
(1.78%)
4,502円
(2.00%)
4,886円
(1.87%)
5,698円
(2.19%)
+48円

▲620円

▲154円

▲49円
256 64,361 4,897円
(1.94%)
178 47,468 5,060円
(2.02%)
▲163円

1)賃金引き上げは、加重平均で4,897円(1.94%)、昨年を▲163円(▲0.08%)となった。また、昨年対比が可能な182組合のうち、74組合40.7%が前年を上回っている。そのうち、500円以内の上積みが53組合を占めており、全体の底上げが結果につながっている。賃上げ額では、2,000円台が49組合、3,000円台が33組合、4,000円台が32組合、5,000円台が23組合、6,000円台が20組合と幅のある妥結結果であるが、定昇相当分の4,500円以上の妥結額を勝ち取った組合が62組合34.1%となっている。一方、規模別で見ると99人以下(139組合)は、3,608円(1.69%)で、昨年比プラス48円(▲0.09%)と善戦した。一方、100人〜299人以下(61組合)で、3,882円(1.73%)、昨年比▲620円(▲0.27%)と厳しい結果となった。また、300人〜999人以下(44組合)は、4,732円(1.81%)、昨年比▲154円(▲0.06%)、1,000人以上(12組合)は、5,649円(2.14%)、昨年比▲49円(▲0.05%)と、昨年を下回る回答にとどまっているが、3年続けて賃上げの流れが継続されている。
2)一時金については、191組合が妥結し、集計可能な組合は、154組合(昨年同期106組合)であり、昨年を48組合上回る報告数となった。加重平均で、年間一括要求の月数方式(56組合)では4.55ヶ月、金額方式(41組合)は1,205,380円で、昨年比月数で0.36ヶ月増、金額で110,940円増となった。半期要求の夏季月数方式(20組合)では、1.80ヶ月、金額方式(23組合)は335,607円となった。冬季の月数方式(14組合)は、2.03ヶ月となっている。また、「別途協議、業績連動・協定方式」等との報告組合は、38組合(昨年53組合)あり、昨年と比較して15組合減少している。
3)非正規の労働条件改善については、UAゼンセン加盟組合を中心に、20組合(昨年23組合)から定期昇給、時間給、月例賃金、企業内最低賃金、一時金、休日・福利厚生等の処遇改善を勝ち取る報告があった。パート時間給では、15組合で妥結し、6.8円(0.86%)から40円(4.96%)という幅があるものの、加重平均で21.44円(昨年比7.61円増)の引き上げ改善がはかられている。また、契約社員、嘱託職員、準職員等の月例給上限5,000円超(2.48%)で定昇、ベアを獲得した組合が5組合(昨年7組合)あった。さらに、4組合において、一時金の年間2.0ヶ月、定期昇給の確認、夏季手当10,000円加算、夏季臨時手当の社員と同一月数支給などの回答を引き出すなど、昨年以上の成果が見られる。【別紙2】
(c)成果と課題
1)闘争全般の現時点の受け止めについて
 2016春季生活闘争は、2014春季生活闘争で掲げた「デフレからの脱却」と「経済の好循環の実現」「底上げ・底支え」「格差是正」の3年目の取り組みとして闘争を進めてきた。
 交渉では、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正な配分に資する公正取引の実現により、中小下請け労働者の月例賃金の引き上げ、非正規労働者の時間給引き上げの要求に応えるよう強く求める組合の主張に対して、経営側は、経済の好循環実現に向けた社会的要請には理解を示し、また、人手不足感の強まりを考慮しつつも、経営環境の先行き不透明感が増していること、足元で収益改善にかげりが見られること、過去2年間の賃上げもあり賃金水準は相応な水準となっていること、などを挙げてコスト論に固執し、賃上げに対しては厳しい態度を示した。
対して組合は、マクロでみた賃上げの必要性や人手不足下における「人への投資」の必要性を粘り強く主張し、結果、多くの組合で回答を引き出すことができた。マクロ的な観点での賃上げの必要性や、人への投資の必要性など、今次交渉における労使の交渉経過や結果は、今後の取り組みにつながる大きな成果であると受け止める。
2)運動面について
 地協・地区連合が、連合の主張を社会にアピールするため、北海道独自に作成した器材(街宣用テープ、スローガンのぼり「月例賃金の大幅引き上げを!」「今こそ賃上げデフレから脱却!」)を活用し、街頭における宣伝活動やテープ街宣行動などを展開し、賃金引き上げに向けた世論への喚起を促すことができたことは成果といえる。特に、札幌地区では、第1・第2先行組合の山場の期間内である3月16、18、22、24日の4日間で早朝・日中帯の街頭宣伝活動を展開し、産別・単組役員の協力のもと、ポケットティッシュ入りチラシを配布し、賃上げの必要性を通勤・通学途上の市民に訴えることができたことは評価できる。今回の取り組みの成果を次年度以降にも継続できるよう取り組んでいく必要がある。
 また、今年初めて、地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動を全地協(地区連合)段階で展開するよう提起した。地域経済の活性化、人手不足の危機感の共有化など、労働組合、経営者の枠を超えて、お互い知恵を出し合って地域を守るための話し合いを次年度以降も継続することで合意している報告も受けるなど、取り組みの成果といえる。
3)賃上げ要求と交渉状況について
 連合は、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」をはかるためには、マクロの観点から雇用労働者の所得を2%程度引き上げることが必要であること。とりわけ人手不足感が強まる中で、中小企業において、企業の存続と生産性向上のためには、魅力ある産業・企業の構築が不可欠であり、「人への投資」を求めていくこととした。こうした観点から、賃上げ要求水準は、それぞれの産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から、2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度の要求を掲げ獲得をめざす方針を掲げた。これをもとに、北海道における各組合の賃金引き上げ要求は、加重平均で7,835円(昨年9,189円)、率で3.16%(昨年3.55%)であった。これは昨年より要求水準は低いが、すべての組合が、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」に向けて労働組合が果たすべき社会的責務を十分に認識したうえで、月例賃金の継続的な引き上げにこだわった要求を行ったものと受け止める。
4)賃上げ回答状況と現時点での受け止めについて
 賃上げ回答状況では、規模別には格差があるものの、すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわった要求を掲げ交渉した結果、賃上げの流れが中小・地場組合にも継続しており、賃上げの広がりと交渉の加速の両面からも前進していることの意義は非常に大きいものがあり、今後につながる成果といえ、各産別・単組の取り組みとして評価したい。また、回答水準については、賃上げ部分が明確に区分できる組合の集計では、定昇相当分を除く賃上げ率は、929円、0.29(連合全体集計1,324円、0.44)%となった。昨年同時期を下回ってはいるが、3年連続して賃上げが実現できたことは大きな成果であり、今後の運動に大きな意味を持つものと考える。
 一方、今次闘争は最大のテーマである「大手追従・大手準拠の構造を転換する運動へチャレンジ」を掲げて闘ってきた。99人以下規模の妥結状況で見てみると、3,608円(昨年比+48円)と健闘し、大手と中小企業の「規模間格差の是正」に向けた一定の成果があがっている。
 北海道は地場・中小が多く、賃金制度が確立していない単組がほとんどであり、中小企業の賃金水準は未だ低位にある。安心した生活を営む上では「賃金(定昇)制度」の確立が不可欠である。地域ミニマム運動に結集し、組合員個々の賃金実態把握に努めながら抜本的な検討を進める必要があり、課題として残る。
5)非正規労働者の賃金の引き上げについて
 「誰もが時給1,000円」の実現に向けた時給の引き上げをはじめ、連合リビングウェイジ(北海道時間給890円)を上回る水準、または、昇給ルールの導入・昇給分の確保、時間単価37円の引き上げのいずれかを、非正規労働者の賃金要求水準の目安として方針を掲げて闘った。賃上げで妥結した組合数は昨年より若干減少したが、人手不足の解消に向けて正社員を上回る回答を引き出した単組が増え、非正規の処遇改善を進めようという産別・単組、地協の取り組みの結果として評価したい。また、妥結水準についても、時給の引き上げは前年を7円以上も上回る改善を勝ち取り、契約社員などの月額アップ率が昨年を上回ったこと、福利厚生処遇の改善を勝ち取ることができたことなど、業種別にバラつきのある結果だが、昨年と対比して着実に前進しており、底上げの役割を一定程度果たしたと考える。
6)一時金について
 月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年間一括要求を基本に、年収確保の観点も含め、水準の向上・確保をはかる方針を掲げた。年間一括要求の金額方式及び月数方式は、前年を上回る結果を引き出すことができた。各産別からの報告でも、全単組で前年を上回る回答を得た産別や、一時金要求イコール満額回答を得た産別の単組も多くあり、人材確保の観点で一時金により応える会社が多かったといえる。なお、昨年同様、今次闘争でも、月例賃金の引き上げに注力した取り組みを展開し、一時金に関する具体的な取り組みは構成組織が主体的に取り組んでいることを尊重する。
7)エントリー登録組合について
 361組合がエントリーに参加し、昨年最終の320組合から41組合増加した。情報の共有化を図ろうとする産別・地協の努力の結果がエントリー組合の増加に結びついたものであり評価したい。次年度以降も多くの組合の参加を呼び掛けたい。
8) 情報開示、共有の取り組み
 「妥結情報」を20号(昨年最終と同様)発行し情報の共有の取り組みを強化することができた。また、一昨年から発行している「春闘ニュース」を今年も5号発行し運動の共有化に努めることができた。

(2)ワーク・ライフ・バランス(時短)の取り組み
 健康で働き続けられる労働時間と過労死ゼロの実現、超少子高齢化・人口減少社会が進むわが国の社会構造を踏まえ、「社会生活の時間」の充実を含めワーク・ライフ・バランス社会の実現をめざす取り組みを提起した。「『山の日』分の所定休日増」「『勤務間インターバル規制』の導入」「『年間総労働時間協定』の締結に向けた協議の確認」に代表される長時間労働是正や総実労働時間短縮の取り組みなど労働時間関係の取り組みは全国総計3,973件で、昨年を289件上回った。育児・介護に関する両立支援の取り組みは「積立有給休暇取得要件に子の看護等を追加」など974件、うち601件が回答を得ており、昨年の553件・202件を大幅に超えて取り組みが進んだ。今次闘争ではじめて提起した「ライフスタイルに応じた働き方と処遇に関する検討」への取り組みも64件、うち44件で回答を得ている。
 北海道内でも、(a)UAゼンセンのある単組で次年度からの運用だが、年間休日を9日増やし、年間所定内労働時間数を2000時間以内とさせたこと、(b)交通労連では、人手不足もあるが労働時間の短縮の改善回答を引き出した単組があること、(c)JR総連では、過重労働の是正の観点から、インターバル規制(11時間含め検討)を要求・議論していること、また、50人未満の職場でも安全衛生会議として各職場単位で設置する方向にあること、(d)サービス連合のいくつかの単組では、有給休暇の取得促進や年間3日間の義務化、年間総労働時間の短縮で前進回答が示されたこと、(e)全国ガスのいくつかの単組では、育児休業規定に関する就労制度(時間が労働制限・深夜業制限・短時間勤務制度等)の一部改正を行い、小学校入学前や小学校3年生までの拡大が図られていることや1単組で選択定年制を導入すること、(f)運輸労連からは、トラック、タクシー、バスドライバーの長時間労働の是正として、36協定とは別に、厚生労働省の「自動車乗務員改善基準告示」(下記表参照)による拘束時間の見直し要求を、交運労協を通じて要請しているとの報告があった。
 連合は、ワーク・ライフ・バランス社会実現に関連した取り組みとして、今年初めて「総合労働条件改善指針策定にあたっての基本的な検討方向」を示し、その中で、ライフステージに応じた働き方とその処遇に関する検討の視点を明らかにしており、また、「時短レシピ」の冊子を作成した。
好事例の共有なども含め、春季生活闘争期間に限らず通年的に取り組んでいく必要がある。
【労働大臣告示「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)】
ドライバー名 1ヶ月の拘束時間 年間の拘束時間
トラック 293時間以内 3,516時間以内
タクシー・ハイヤー 299時間以内 3,588時間以内
バス 286時間以内 3,432時間以内

(3)「産業別部門連絡会」の開催
 連合北海道は、6産業別部門連絡会の活性化、産別による単組指導強化、地域内共闘強化を目指し、2010春季生活闘争から進めている期間中3回以上の連絡会開催や、企業内最賃協定の締結、情報交換、要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大などを目指してきた。
 今年は、ヤマ場前後に3回の開催が実現され、部門連絡会ごとの交流が多く持たれたことにより、産別間の連携が強化されたことは評価したい。また、全部門において各産別の方針や交渉結果の付け合わせによる情報の共有化につながったことを確信するものである。部門別交流を通じて、共有した好事例を参考に、他の産別でも同様の取り組みを展開したことは評価したい。

(4)中小・パート共闘会議(中小・パート労働条件委員会)≪規模間格差の是正≫
(a)中小・パート労働条件委員会は、春季生活闘争期に限って「中小・パート共闘会議」に改名し、その活性化により、地場での取り組みを強化することを目標にしながら、闘争期間中に3回の共闘会議を開催したが、出席産別に偏りが生じていることから、何らかの対策をはからなければならない。非正規労働者の課題についても全単組が要求化することを方針化し、「職場から始めよう運動」の展開により、日常的なコミュニケーションを深め、組織化を意識した取り組みを展開した。
(b)次に、大企業と中小企業の賃金格差の是正に向けて、中小組合の処遇改善原資を確保することや、公正取引が実現する社会の実現を求めてきた。サプライチェーン全体が生み出した付加価値が、生み出した労働者のもとへ適正に配分されなければ、経済の好循環は実現しないことを、労働組合の無い経営者にも訴えた。連合北海道は、3月31日に、公正取引委員会北海道事務所と経済産業省北海道経済産業局に対して、連合本部が集約した全国2万社へのアンケート結果をもとに、「法令やルールの周知・徹底」「意欲ある中小企業がより活躍できる環境の整備をはかること」などを、マスコミ媒体なども活用しながら要請し、分配の適正化により中小企業に働く労働者の賃金を引き上げるよう世論に訴えることができたことは取り組みとして評価できる。また、5月18日、昨年に引き続きフード連合が「公正な取引慣行に向けた取り組み意見交換会」を開催し、公正取引委員会北海道事務所の方との意見交換会を行った。当日は連合北海道も参加し、「連合北海道の公正な取引に向けた取り組み」についても報告し、全体での意見交換を通して、公正な取引慣行に向けたさらなる意識の醸成をはかり、今後の改善に結びつける場となったことは評価したい。
(c)一方、企業規模間の賃金格差を解消するため、中小労組のほとんどは賃金制度が未整備であることから、1)中小の賃金カーブ維持分の4,500円、2)連合加盟組合全体平均賃金水準(約30万円)の2%相当額(6,000円)とし、計10,500円以上の月例賃金要求水準の目安を決定した。また、パート等非正規労働者の「時給1,000円」への引き上げ及び時間給37円の引き上げ、「企業内最低賃金の締結」、「総実労働時間縮減・時間外等割増率引き上げ」などのミニマム課題について、中小・パート共闘会議の中で意思統一をはかり、要求作りから交渉に至るまで産別や地域が関わりを強めるという情報の共有化が図られたことは評価できる。
(d)構成産別(単組)では、UAゼンセンのコープさっぽろ労組が、正社員16,061円、5.76%(定昇・ベア込み)、契約社員7,979円、4.58%(定昇・ベア込み)、パート時給の大幅引き上げ等、優秀な若手・中堅の人材確保の観点で大幅な改善が図られたことは特筆すべきことである。
 1)情報労連の単組では、定昇は確保したが、ベアゼロという厳しい結果であった。しかし、毎月の月例賃金に500円上積みすることや、住宅手当、家族手当の改善、携帯電話使用の補填費の増額等の改善があったこと、2)紙パ連合でも、付帯要求としての資格手当の拡充や家族手当・住宅手当の増額などの改善がなされている単組もある、3)全自交労連からは、例年、歩合給、配分率の問題などから厳しい交渉を余儀なくされているが、3単組から月例配分率1〜4%増を勝ち取ったほか、決算一時金一律1万円支給、慶弔費3万円以上支給へ改善、公出歩率1〜2%増など、厳しい環境の中でも成果を出して妥結している。なお、白タクの特区(閣議決定)により外国人観光客をターゲットに今後大きな問題となることが想定されている。8月24日には宗谷管内中頓別町が、スマートフォンのアプリなどで配車依頼を受けた一般ドライバーが自家用車で住民や観光客を運ぶ「ライドシェア(相乗り)」の実証実験を開始し、来年3月までに行い本格導入を検討するとしている。地域住民の利益と安全を守るために何が必要なのか検討していく必要がある。4)JR総連、JR連合では、超勤単価を、127/100から128/100への改善を図ったこと、5)ある産別の単組において、子ども手当の新設(子ども1人につき25,000円、3人目以降35,000円)を勝ち取ったことなど、一定の成果を評価したい。
(e)各地協の取り組みとして、石狩地協では、連合未加盟16組合に対する企業訪問を実施し、労務担当者との意見交換の場を持つ等の要請オルグを行い、渡島地協では、4年目となる地協自らが地域ユニオン加盟の企業を訪問し、経営側と地協役員との会談により、地場・中小交渉の一助となる行動を展開した。十勝地協では、3年前から取り組んでいる「産別・単産・単組間交流」(2回)を開催し、また、「線別交流(5線)」「一地区一学習会運動」(3地区)の取り組みなど、特筆すべき取り組みを展開している。これらの取り組みは、「目に見える連合」をアピールしつつ、組織拡大の取り組みと併せた行動を実践しており好事例として評価したい。
(f)地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場を設定し、「すべての労働者の処遇改善」を実現するための行動については、成果と課題の項でも触れたが、今年初めて全地協(地区連合)で展開するよう提起した。石狩・釧根・胆振から取り組み報告があり、労働組合、経営者の枠を超えて、お互い知恵を出し合って地域を守るための話し合いを次年度以降も継続することで合意している地域もあった。また、マスコミを入れて懇談の場を設けた地域もあり、地域経済の活性化のために、そこに働く労働者の賃金の引き上げの必要性を世論に訴えられたことは取り組みの成果といえる。また、他の地協にあっても、春季生活闘争期を過ぎても中小企業部会との懇談の場を模索している。今回の取り組みを展開するにあたって中小企業経営者側からは、なぜ連合との話し合いを行わなければならないのか、という疑問の声も出されていることから、連合が掲げる「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠である」というスローガンを全面に出し、粘り強く懇談を行うことから、スタートしていく必要がある。
(g)次に、2016地域ミニマム運動の取り組みについて、2015年度の地域ミニマム賃金実態調査は、8産別4地協から52組合3,560人(昨年比▲280人)が参加した。賃金調査の概要が示され、調査に協力頂いた産別、地協に対して、交渉に役立つようフィードバックした。
300人未満、賃金制度が確立されていないところを基本的な調査対象としており、今年は昨年に引き続き3,000人のサンプル目標が達成できた。なお、業種別構成比では、製造業が20.14%(昨年12.3%)、交通・運輸業が31.71%(昨年31.56%)、商業・サービス業が48.15%(昨年56.07%)となり、製造業が増え、商業・サービス業は過半数近くを占めた。また、男女構成比は、男性3,093人(86.89%)、女性467人(13.11%)となった。
(h)昨年から最低到達水準として、連合リビングウェイジにおける単身世帯および2人世帯(父子家庭)の水準をクリアすることをめざす方針を掲げたが、今年も踏み込んだ議論には至らなかった。賃金水準の上げ幅だけではなく、絶対水準を重視した取り組みを行うことが、社会全体の「底上げ・底支え」や「格差是正」に必要不可欠であり、地域ミニマム運動における個別賃金実態調査から算出した北海道の「賃金特性値」や「代表・中堅銘柄」の活用について、連合北海道と各産別において議論を深める必要がある。また、賃金相場波及の取り組みとして、地場賃金水準の開示(地域ミニマム業種別特性値)に注力し、地域における職種別賃金の相場観を高める運動を進めていくことを提起した。この取り組みは、地場には地場の水準があることから、この水準を情報発信し、未組織含めて我が産業は道内でどれ位の位置にあるのかを示し波及力を強化する取り組みであった。地域の商工団体(中小企業部会)との懇談の場における要請書に「業種別特性値」を掲載し、地域の中小企業経営者に相場波及に向けて訴えることができたことは一歩前進である。引き続き、次年度以降もさらなる検討を深めていく。

(5)雇用確保・創出に向けた取り組み
 「新卒者就職支援 全道キャンペーン」の取り組みは8年目を迎えた。経済・雇用対策は行政・経済界・労働界などオール北海道の課題と位置づけ、その一翼を担うとして、今年は、1月28日から2月12日の間、各地域で開催された「春闘討論集会」前段を中心に、地元地協・地区連合と連携し自治体・商工会議所・建設業協会・農協・漁協・学校など100箇所を越えて訪問し、新卒者対策強化や官製ワーキングプア解消などについて要請行動を展開した。
自治体におけるキャンペーン行動の時期については、2014年から地協段階において、次年度の予算編成に間に合う10〜12月の間に実施しており、地域における取り組みがより一層定着するよう次年度以降も取り組みを継続することとしたい。
地域で出された意見は、経済5団体(2月26日)をはじめ、労働局(2月26日)、北海道(2月29日)に対する要請行動の中で意見反映してきたが、引き続き、北海道や労働局の各種審議会や検討会議、また、毎年提出している「要求と提言」などを通して、政策実現に向けた今後の取り組みに反映したい

(6)非正規雇用労働者の労働条件改善の取り組み
 連合は、2016春季生活闘争において、「すべての非正規労働者の均等処遇の実現に向けて取り組む」ことを基本とした運動を展開した。
 連合北海道は、道内雇用労働者の42.8%、95万6千人を数えるパートや有期契約、派遣、季節労働者などの非正規労働者の賃金・労働条件の改善に重点的に取り組むことを発信した。具体的には、労働組合のない職場で働く労働者をも含めた社会的な波及と組織拡大をめざし、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となり、「非正規労働者の時給引き上げ」「職場から始めよう運動の展開」「企業内最低賃金の取り組み」「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」を始めとした取り組み(行動)を展開することを提起した。
(a)「職場から始めよう運動」の展開
 非正規労働者の処遇改善と組織化をめざし、職場組合員の理解浸透を図ることを目的に、「職場から始めよう運動」を通年的な取り組みと位置付けて展開してきた。
 1)連合北海道では、北海道庁・労働局・経済5団体に対する要請行動を実施し、2016年2月に改正(拡充)された厚生労働省の「キャリアアップ助成金」などを有効活用し、賃金テーブルの改定などを行い、非正規労働者の時給引き上げをはじめ、法令の周知・遵守等、非正規労働者の処遇改善を訴えてきた。また、各産業別部門連絡会や中小・パート共闘会議などの諸会議においても、非正規労働者の処遇改善、組織化などの取り組みの情報交換を行うことができたことは評価したい。
 2)次に、構成産別(単組)では、2016春季生活闘争の時期を捉え、声かけなど職場における日常的なコミュニケーションを深めながら、「職場点検活動の実施」運動と連携し、非正規労働者の実態把握に努めることなどを、労使交渉本格化の前段を中心に取り組むことを提起し、また、労働基準法の改悪が目論まれている中、今次闘争においても、法令遵守や労働条件の点検、正社員への転換ルールの明確化・導入・促進など法規定を上回る制度整備を図ることを求め、最低でも「就業規則と同様の労働協約を締結する」取り組みを昨年同様に展開することができたといえる。
(b)取り組みの成果
 1)構成産別(単組)では、ア. UAゼンセンでは、人手不足の観点で優秀な人材を確保しようという流れの中で、正社員よりも高い妥結率を引き出した組合が多くあったことは評価できる、イ. 自治労の非正規の賃金は、人事院勧告によることから1年遅れの改定であるが、日額報酬の改定など改善がはかられている。また、費用弁償である通勤手当も措置されていない自治体があったが、少しずつ改善されている。さらに、4年間で10万人組織化方針を掲げており、1月に自治労非正規職員と連合神津会長との対話集会(東京)を皮切りに、北海道でも2月20日には自治体非正規職員の不安定雇用・低処遇の実態をチラシ配布含めた街頭宣伝活動で道民に訴える行動を実施したことは評価したい、ウ. 電力総連のある単組では、正社員同様、忌服休暇の取得が実現されたこと、エ. 私鉄総連の非正規の処遇改善は各社で交渉しているが、定鉄労組では、60歳以降の働き方改革の一環として、秋闘において手当の増額として、正社員に連動して非正規も月15,000円支給となったこと、オ.全自交労連のある単組では、有期雇用社員の組合員化に伴い1.5%の賃上げを勝ち取ったこと、カ.フード連合では、従前は嘱託採用、1〜2年経過後に正社員登用であったが、最初から正社員募集となったことなどを特筆させていただく。
 2)各地協(地区連合)では、月例賃金の引き上げ、誰でも時給1,000円の実現に向けた地域での世論喚起、街頭宣伝活動を行い、昨年に引き続き、広く社会にアピールする取り組みを各地域で展開することができたことは成果といえる。一方、留萌地域ユニオン・羽幌福祉分会では、介護職員の処遇改善加算分について、原資の配分に労組が関与して配分交渉を行い、賃金引き上げに配分させ、組合員ひとり平均18,000円(定昇・ベア込み)を勝ち取り、また、2010年から要求していた非正規職員の無期労働契約化、正職員化、処遇改善なども認めさせるなど、着実に非正規労働者の処遇改善に向けた取り組みが浸透しつつあり、粘り強い取り組みの成果が現れていることは評価できる。また、渡島地域ユニオン・高橋病院労組では、賃上げ原資を確保し、労使の配分交渉を通じて、非正規看護師の処遇改善に当てたことは評価できる。
(c)「官製ワーキングプア解消」に向けた取り組み
自治体の公務職場では、3人に1人が臨時・非常勤職員となっており、官公部門産別においても、非正規労働者の現状把握から課題解決に向けた取り組みを展開し、組織化の具現化に取り組んでいる。また、地協・地区連合による「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」は、新卒者に関わる社会的キャンペーン行動と連携して毎年取り組み定着してきている。自治体要請を通して、屋根下で同じく働く非正規労働者や、公契約下の企業・団体で働く労働者の実態、地場・中小を含めた地域の労働者の実態を考え合う機会を作るとともに、地協・地区連合の連携を更に強めて取り組みを継続する必要がある。

(7)最低賃金引き上げの取り組み
(a)企業内最低賃金
 連合は、最賃協定を通じた格差是正を推進するため、最賃協定の適用労働者拡大を今次春季生活闘争方針に明記した。すべての労働組合で適用労働者を拡大したうえ、少なくとも生活できる賃金水準(連合リビングウェイジ)の確保をはかること。また、経験豊富な労働者の時給が未経験の高卒初任給を下回らないよう仕事にふさわしい水準をめざすことを提起した。
 連合北海道は、最低賃金対策委員会を開催し、2016最低賃金の取り組み方針と「クラシノソコアゲ応援団!2016RENGOキャンペーン」最低賃金・公正取引に関するチラシ配布行動、6月議会意見書採択など、世論喚起の取り組みについて意思統一をはかった。特に、時間給1,000円を目標に掲げ、「連合リビングウェイジ時間額(北海道は890円)」、2014高卒初任給(時間額882円)を目安にした賃金水準やセーフティネットとして実効性の高い水準をめざすこととし、また、特定最低賃金の改定にあたっては、地域別最賃を上回る水準の維持を求めてきた。
 その結果、今次闘争の中で、優秀な人材を確保しようという企業内労使の合意が功を奏し、企業内最低賃金を月額3,500円の改善を勝ち取った2単組も含めて、昨年の2倍を超える10単組で一定の取り組みの成果が出たことは評価したい。また、今年は、企業内最賃の引き上げに連動して、人材確保の観点から初任給の引き上げを行った単組も20近い組合に及んだ。15,000円引き上げた単組をはじめ、フード連合の単組では、20〜25歳の初任給を4,000〜5,000円引き上げたとの報告もあった。好事例を参考にして引き続き、水準引き上げに向けた取り組みに全力を傾注していく。
(b)北海道最低賃金
 中央最低賃金審議会目安に関する小委員会は、7月27日に目安を取りまとめ、翌日開催された中央最低賃金審議会にその結果を報告した。Aランク25円、Bランク24円、Cランク22円、Dランク21円の引き上げ目安額とし、全国加重平均は過去最高の24円となった。
 北海道地方最低賃金審議会(本審)は、6月6日を皮切りに計4回開催し、また、専門部会は、計6回の審議を重ねた。労働者側は、昨年の審議会答申を十分尊重し、最低賃金法第1条の「賃金の低廉な労働者の労働条件の改善を図る」という目的を達成するために、最賃近傍の労働者の「賃金水準」議論を積極的に進め、本来あるべき水準に引き上げるよう主張した。特に、消費税増税直後よりも労働者の生活実態が厳しいことを克服できる有効なセーフティネットとして十分機能するよう訴え、働くことに意義を見出す昨年以上の大幅引き上げに最大限努めるよう強調した。
 これに対して、使用者側は、地域の経済状況や生産性、企業の支払い能力の限界を強調し、「中賃目安の22円」を大幅に下回る額の提示に固執し、労使譲らず激しい審議が続く中、公益委員から「中賃目安などを考慮する必要もあり、22円の引き上げ」が提案された。労働側は、引き上げに伴い、全労働者に与える影響率が13.39%、パート労働者に至っては32.25%と極めて大きいことや、使用者側が公益提案に強い抵抗を示したことなどから厳しい判断を迫られた。
 最終的に使用者側全員が反対したものの、公益・労働者側の賛成多数により、現行764円から22円引き上げ、786円に改正し、10月1日から発効することで結審した。
 今回の改定額について、最低賃金法第1条の目的を達成するための生活できる賃金水準という要求からして納得できる改定額とは言えない。一方、連合が求める「誰でも1,000円」の早期実現には課題が残るものの、1992年以降、24年ぶりの高い引き上げ額であることや、引き上げに伴い31万人近い多くの非正規労働者の賃金引き上げに反映されるものと受け止めるものである。さらに、10年ぶりに10月1日の早期発効を実現したことは評価できる。引き続き、3年連続して労働者側が主張してきた800円、1,000円への引き上げに向けた道筋を付けるための表記が答申書に記されたことから、この答申書を足掛かりに、賃金水準の議論を深めながら最低賃金の大幅引き上げに取り組んでいく。
 また、答申において、昨年同様、行政機関の業務委託に関わり、最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注後においても特段の配慮を要望するとされたことから、地協・地区連合段階で、自治体等に対する要請行動を展開してきたことは評価できる。
2016北海道最低賃金審議決定状況
Cランク 時間額 引上額 引上率 部会採決日 審議会採決日 発効日
北海道 786円 22円 2.88% 8月5日 8月5日 10月1日

(c)特定(産業別)最低賃金
 北海道最低賃金審議終了後、関係業種の最低賃金改正必要有りとの確認を受け、9月12日に4業種合同の専門部会が開催され、以降、4〜5回にわたる専門部会において金額審議を重ねてきた。
 連合北海道最賃対策委員会は、特定最賃の意義と役割について、労使間で共通認識を持ち、優秀な人材の維持・確保を求め、そこに働く人たちの処遇改善のために、地賃比115〜120%の優位性確保を目標として進めてきた。鉄鋼は24円、電気及び乳糖は17円、船舶は15円の引き上げとなり業種別にバラつきのある結果となった。今後とも特定最賃の取り組み強化を目指す。
2016特定(産業別)最低賃金審議決定状況
業 種 時間額 引上額 引上率 地賃比率 部会採決日 発効日
鉄 鋼 900円 24円 2.74% 114.5% 10月1日 12月1日
電 気 821円 17円  2.11% 104.5% 10月1日 12月1日
乳 糖 830円 17円 2.09% 105.6% 10月5日 12月4日
船 舶 825円 15円 1.85% 105.0% 10月5日 12月4日

(8)ワークルール(労働関係法令遵守)の取り組み
連合は、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善をはじめ、就業者が9割近くを占める「雇用社会」であるわが国において、デフレ経済から脱却し経済再生を実現するためには、労働者保護ルールの緩和・改悪ではなく、働く者の雇用安定と処遇改善をはかることが重要であると発信した。
(a)労働者派遣法、労働契約法、高年齢者雇用安定法の遵守・点検などの取り組み
 労働基準法等の法令遵守の点検では、2015年改正労働者派遣法の施行を踏まえ、今年新たに作成した「派遣先・元労働組合チェックシート」を活用し、派遣労働者の労働条件の点検と改善や派遣労働者の受け入れ開始時や派遣期間を延長して受け入れる際における確実な要因協議や意見表明などに取り組むことを提起した。また、2012年改正労働契約法の趣旨を理解し、キャリアアップ助成金制度を有効活用し、労働条件の点検と正社員への転換ルールの明確化・導入・促進など、法規定を上回る制度の整備等をはかる取り組みを提起した。
 労働契約法関係について、全国組織であるがJP労組では、期間雇用の無期化について、本来2018年4月(5年経過)からであるが、今年10月から前倒しで無期雇用の申し込みができることとなり、併せて無期雇用の処遇改善(病気休暇や休業制度の新設、半日単位の休暇取得が可能)を勝ち取るなど、昨年以上の取り組みの成果がある。また、高年齢雇用安定法への対応について、交通労連では、ドライバー不足の観点で高齢でも正社員化の流れにあり、定年延長を引き出した単組があった。
(b)職場点検活動の取り組み
 今次闘争において連合は、すべての組織が、いわゆる「ブラック企業」問題を生じさせないことも含め、法律・労働協約の遵守や安全問題への対応を徹底させ、公正なワークルールの確立をめざすことを提起した。特に、適正な労働時間管理、非正規労働者の年次有給休暇取得の周知などに取り組むことを発信した。また、中小・地場組合の点検活動を強化するため、「職場点検活動のポイント」を活用し、ワークルールの遵守・徹底に取り組んだ。連合北海道は、職場点検活動を際に留意すべきチェックポイント14点<1)非正規労働者のワークルール、2)雇用、3) ハラスメント、4) 男女平等、5)労働時間、6)安全衛生>を明記して進めたが、今次闘争期間中の産別の取り組み内容の把握には至らなかったことは反省すべき点といえる。
 なお、人手不足が多くの業種で生じており、交通運輸部門では、長時間労働が運輸・タクシードライバー不足の要因となっている。月例給に歩合制の割合が高い現状のあり方検討と合わせた長時間労働の見直しを進め、若年労働者が集まる業種とする必要性が求められている。
(c)医療(看護師)職場の意見交換会の開催
 高齢化が急速に進み、医療ニーズの高まりに伴って看護師など医療従事者の確保が課題となっている。看護師は、全国で毎年平均約3万人増加し、2012年の就業者数は約154万人となっているが、2025年には約205万人必要になると推計され、毎年平均16万人に上る離職防止も課題となっている。こうした中で連合北海道は、2月19日に第2回医療(看護師)職場の意見交換会を開催し、「医療職場の現状と改善の視点」について、北海道勤労者安全衛生センターの松浦俊一事務局長理事から講演を頂いた。また、今年は新たに、基幹労連製鉄記念室蘭病院支部、王子病院労組王子総合病院労組、渡島地域ユニオン亀田病院労組、同高橋病院労組の仲間も加わり、12病院29人(昨年9病院21人)から、各病院職場の実態を報告頂き情報共有をはかれたことは成果といえる。
 参加した看護職員からは、1)情報交換を行ったあとに、各単組が行動・交渉に移すことが出来れば継続して意見交換会の目標が広がると思う、2)春闘前なので交渉に使える情報を、3)問題点を提起したことに対する組合側はどう対応するのかなど、次年度に向けた課題が寄せられた。その一方で、1)様々な病院の状況がよくわかった、2)他病院の状況を知る機会となり、自病院の問題点や良い点などを知ることができたことなど、大変役に立つ有意義な交換会であったとの好評を得ることができた。なお、職場実態報告・意見交換会(1時間30分)が短いとの声が6割にも及んでいる。2017春季生活闘争に向けて、各構成組織が看護職員の処遇改善に向けた要求を掲げ、その実現をめざしていく場として、更なる検討が必要である。
(d)労働相談ダイヤルなどの実施
 2月4日〜6日に全国一斉「集中労働相談ダイヤル」(テーマ:ゆるさない!ワークルール無視!!パート・アルバイト・契約・派遣などで働く人のための労働相談ホットライン)を開設し、相談告知の地協での街宣活動を展開し、全道1万8500枚のチラシを作成したことにより、期間中の電話は28件の相談が寄せられた。
 また、5月19〜20日にも「女性のための全国一斉労働相談ダイヤル」(テーマ:STOP!セクハラ・パワハラ・マタハラ)を開設した。相談告知の取り組みとして、全道1万枚のチラシを作成し、札幌では5月18日に周知街宣行動を展開した。

3.政策・制度要求の実現に向けた取り組み
 「2016年度 政策・制度実現の取り組み」と「2016春季生活闘争」における賃金・労働条件改善の取り組みを「運動の両輪」として、すべての労働者を対象にした生活改善・格差是正の運動を強力に進めてきた。
(1)クラシノソコアゲ応援団!2016RENGOキャンペーンの取り組み
(a)連合は、「2016−2017年度 運動方針」において、国民の暮らしを中心とした社会的対抗軸を構築し、社会のうねりを呼び起こす運動を提起した。「キャンペーン第3弾のまとめ」での課題や2016年7月の参議院選挙を見据え、従来のキャンペーンを継続することも含めて検討したが、政府の政策に対して単に可否を訴えていくキャンペーンでは、組合員はもとより広く国民の共感を呼び、うねりを巻き起こす運動とするには不十分であるとの考えに至った。このことから、2015年12月から2016年7月の参議院選挙までを取り組み期間とし、政府が重きを置く国・企業優先の立場ではなく、働く者・生活者の立場に立った「働く者が報われる社会」の実現を念頭においた社会的対抗軸を組合員だけではなく広く国民に訴える新たなキャンペーンを提起した。
(b)連合北海道も、同様のキャンペーンの取り組みをスタートした。基本的な考え方としては、1)「底上げ・底支え」「格差是正」で経済の好循環! 2)安全・安心のセーフティネットを構築! 3)すべての人にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を実現! 4)健全な民主主義を取り戻そう!の4つの対抗軸に加えて、「1000万連合」実現の取り組み、憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認反対(安全保障関連2法及び特定秘密保護法の廃止)、地域福祉 (医療制度、介護保険制度、財政支援)の充実、地方財政の総額確保、税財源の確立の課題についても、街頭演説行動や諸集会において連携をはかることとし、連合北海道、構成組織、単組、地域協議会、地区連合が総力を挙げた全道運動を展開することを提起した。
(c)第1ゾーン(12月末)の取り組みは、「運動のキックオフ」と位置付けて、組合内および国民に新キャンペーン開始をアピールする街宣、集会、労働相談ダイヤルが提起された。東京では、12月8日に日比谷野外音楽堂において、「クラシノソコアゲ応援団!2016RENGOキャンペーン」開始宣言集会が開催された。連合北海道は、12月14日に、札幌駅前の紀伊國屋書店前にて、組合員27人と共に、街頭宣伝活動を実施し、キャンペーン行動を展開した。また、渡島・宗谷・釧根地協をはじめとした全地協でも年末の街頭宣伝活動を実施し、キャンペーンのスタートを切った。
(d)第2ゾーン(1月〜3月)の取り組みは、「運動の浸透化期間」と位置付け、国会における予算関連法案への対応や、春季生活闘争と連携した活動を展開することが提起された。組織内では、組合員の抱える現在、そして将来に対する漠然とした不安の要因となっている社会経済的な問題などについて、理解促進につながる情報を整理して伝えることで、連合の発信を強化し組織内への浸透をはかること。また、組織外では、「クラシノソコアゲ応援団!」の街宣行動などを通じて「4つのキーメッセージ」を中心に将来不安を抱える国民の関心喚起をはかりつつ、社会に広がりのある取り組みとするための工夫をすることで、「気づき」の種をまく運動を展開することが提起された。
 北海道においては、5区補選の取り組みと連動し、春季生活闘争をはじめとした4つの対抗軸に係る北海道独自に作成したテープ街宣行動などを多くの地域で取り組むことができ、また、連合北海道・石狩地協では、2月22日、3月16日、18日、22日、24日の5日間、札幌駅前の紀伊國屋書店前、札幌駅南口、大通西3丁目にて街頭宣伝活動とチラシ配布行動(12,500枚配布)を展開し、4つのキーメッセージ1)「暮らし、苦しくなっていませんか?」、2)「仕事、きちんと報われていますか?」、3)「老後や子育て、不安はありませんか?」、4)「いまの政策、働く人が主役ですか?」を道民にアピールした。この行動には、マスコミからの取材もあり、春季生活闘争と連動してクラシノソコアゲ応援団として、安心社会をつくろう!と道民に訴えることができたことは評価できる。
(e)第3ゾーン(4月〜7月)の取り組みは、「運動の社会への波及期間」と位置付けた。政権の選挙目当ての「最低賃金1,000円」、「同一労働同一賃金」、「介護離職ゼロ」など、連合や民主党がこれまで主張してきた政策であり、政権・与党が進めてきた政策と矛盾するものである。その一方で、「労働基準法改正」や「GPIF」の問題については参議院選挙後への先送りをはかった。政権・与党の「争点ぼかし・争点かくし」を、キャンペーンを通じて明らかにすることで、政権の問題点や国民に対する姿勢を浮き彫りにするための本来の争点となるべき政策への関心を喚起することが提起された。5月1日のメーデーにおける特別決議の採択を皮切りに、5月連休明けからは、第3ゾーンの後半期として、各地協では、第2ゾーンから引き続き、テープ街宣行動に取り組んだことや、連合北海道は5月18日に「女性のための全国一斉労働相談ダイヤル〜STOP!セクハラ・パワハラ・マタハラの周知街宣行動を展開した。
 なお、これらの行動記録について、全道キャンペーン通信NO.39〜41を発行し、新たなキャンペーンの取り組みの共有化が図られたことは評価したい。

(2)地方財政確立に向けた取り組みについて
(a)地方財政は、昨年に引き続き歳入・歳出規模を85兆7,700億円に増額し、一般財源総額は61兆6,792億円と過去最高を更新した。歳入のうち地方税38兆7,022億円と大幅な増収を見込んだため、地方交付税は16兆7,003億円(同比▲546億円/▲0.3%)と微減、歳出削減を中心とした地方財政健全化の圧力が強いなかで、一般財源総額を増額した。また、昨年創設された「まち・ひと・しごと創生事業費」は、昨年同様1兆円が確保された。しかし、行革努力によって配分される「インセンティブ改革」や実際の財政需要額とはかい離する「トップランナー方式」の強化・導入が本格実施されようとしており、客観・中立であるべき地方交付税算定に反するものとして国会審議で追及する。
 連合北海道は、政策・制度課題と位置付けて、2月29日、北海道への要請行動の中で、「地方分権の推進と自治体財政の確立の実現」を提出し、歳出抑制は地方交付税全体の縮小と地域間格差の拡大につながる危惧があることから、国に対して慎重な対応を求めるよう要請した。
(b)一方、北海道職員の給与については、道財政の収支不足を理由に17年間にも及び給与の独自削減が続けられていたが、一般職にあっては今年3月で終了した。
 この間、連合北海道は、道職員及びその家族に多大な影響を及ぼすばかりでなく、地域の民間企業などの給与に大きな影響を与え、冷え込んでいる地域経済をさらに悪化させることから、連合北海道と民主党北海道(現:民進党北海道)で構成する「地方財政確立道民会議」による講演会をはじめ、地公三者共闘会議の要請により、節目節目で山場前段の総決起集会への連帯挨拶に駆け付け、また、各地協・地区連合、民間組合の仲間も参加し激励行動を展開してきた。
道財政再建・地方財政確立の取り組みを通じ、この間「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャンペーンの課題、春季生活闘争の前段のたたかいと位置付けて多くの産別・単組・地域の仲間が総決起できたことは意義深いものがある。地公三者共闘会議に結集する各産別・単組の長い闘いの末、今日的な到達点を迎えたことに敬意を表したい。引き続き、行政サービスの低下を許さず、希望と安心の社会づくりに向けて、地方財政確立に向けた取り組みを進めていく。

(3)地域活性化フォーラムの開催について【別紙3】
人口減少、少子高齢化社会の中で、今後の北海道経済をどう活性化させるのか、極めて重要な局面を迎えている。連合は、地元における若者の雇用促進を通じた定着化を推進し、適正な公共サービスや取引関係の確立による中小企業の活躍促進などを、政策・制度要求として、その実現をめざしている。
「開かれた春季生活闘争」「地域の活性化」をめざす地域フォーラムとして、全国では北海道を含む23箇所で開催した。
 北海道では、昨年開催した「地域活性化フォーラムin北海道・十勝」では、食と農林水産業を軸とした地域振興策「フードバレーとかち」などを踏まえ、十勝の価値や課題、地域活性化策について意見を交わし大変意義のあるフォーラムであった。
 今年は9月24日に第2回目となる「地域活性化フォーラムin道北」を旭川市で開催した。
「『産学官金労言』の連携で地域社会を豊かに」をテーマに、若者の教育の充実、雇用や子育て環境の改善等について地元企業や自治体の代表者、大学教授、労働者代表らが意見を交わした。
 このように、フォーラムの開催は、労働者のみならず、行政、企業、住民を含め、あらゆる利害関係者が参加して地域全体の活性化に向けて必要な施策等について対話、意見交換を行い、様々なネットワークをひろげることを目的としている。
連合北海道は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、「顔の見える連合運動」の展開を通じて地域全体の活性化につなげていくこととしており、多くの産別の参加を促すと共に、毎年、各地域において同様のフォーラムの開催を追求し、北海道経済の活性化をめざす一助としたい。

4.組織強化・拡大の取り組み
(1)労働条件の改善を、地場・中小企業、非正規労働者など未組織の労働者に拡げていくためには、組織化は不可欠であり、組織内外へ集団的労使関係(労働組合)の必要性を訴えていく必要がある。
 春季生活闘争の方針では、企業内で働く有期契約労働者、60歳以降の再雇用者、パート・アルバイトなど未組織労働者の組合員化や、組合のない子会社・関連会社での組合結成、未加盟組合に対する加盟の呼びかけを行うなど、組織拡大を積極的に進めること。また、グループ内派遣会社などの組織化も着実に推進することを方針として提起した。

(2)2月24日には組織拡大推進特別委員会及び30万連合北海道組織化キックオフ式、組織拡大学習会を開催し、組織化に向けた意思統一を図った。また、地域討論集会はもとより、中小・パート共闘会議、産業別部門連絡会や、各産別・地協の機関会議などの場で、集団的労使関係(労働組合)の拡大、30万連合北海道実現に向けた意思結集をはかることができた。

(3)昨年の連合北海道定期大会後、2016年10月7日現在、12産別・地協26組合5,602人(内、非正規労働者組合員4,026人、占有率71.9%)を組織化した。各構成組織の努力もあり、非正規労働者の拡大が顕著である。組織内の拡大は一朝一夕で出来るものではなく、数年かけて組織化された産別・単組の取り組みに感謝申し上げたい。

(4)産別・地協の取り組みとしては、(a)全自交労連の単組では、月例配分率4%の改善に向けて組合員化を勝ち取ったこと、(b)渡島地域ユニオン・高橋病院労組では、非正規看護師の処遇改善を契機に、長年の課題である非正規の組織化実現に向けた取り組みを行っていることなどを紹介させていただく。引き続き、組織化の好事例を情報共有し、30万人連合北海道組織の実現に向けて、当面、7月までの組織拡大強化月間の取り組みを、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となって取り組んでいく。

5.春季生活闘争を通じた労働者自主福祉運動の取り組み
 労働者自主福祉運動は、第2の賃金闘争として、可処分所得を引き上げるための有効な手段であり重要な役割を担っている。そのためには、労働者の相互扶助の原点である労働者自主福祉運動へ結集し、組合員・家族の生活向上に向けて、春季生活闘争の期間中を重点に3年目となる方針を提起した。特に、第1回産業別部門別連絡会において、北海道労福協役員を招いた説明の場を設け、今次闘争期における課題について各産別役員にその重要性を促すことができた。
(1)労働金庫、全労済、住宅生協、医療生協、道労福協の労働者福祉事業団体の運動推進スケジュールを明記し、各構成組織、地協における取り組みを進めた。
(a)労金運動では、職場推進機構の設置促進・活性化をはじめ、労働金庫職域活動費の有効活用、「確定拠出年金」制度の改定など、(b)全労済運動では、ファイナンシャルプランナーを講師とした学習会開催の促進や、防災・減災に係る啓発活動の促進、(c)住宅生協運動及び医療生協運動としての利用度の向上など、昨年の総括を踏まえ各構成組織が最大限取り組むよう提起した。

(2)産別・単組の取り組みについて
(a)労金運動では、新入組合員へのオルグ展開により、5月末での「Young pack」成約件数は318件(前年比+105件)となったこと、職域活動費を活用した新入組合員向け学習会は、62単組(前年比+35単組)で実施された。特徴的な取り組みとして、自治労全道庁札幌総支部にて、4月1〜8日まで、10支部、計143人が参加し、「新規採用者ガイダンス」を開催したことや、紙パ連合では自主福祉運動の学習会を初めて4地域で開催したこと、情報労連、全国ガス、電力総連、フード連合、UAゼンセン、情報労連、サービス連合、私教協をはじめ多くの産別(単組)において、春闘期に学習会を開催している。また、職場推進委員会を支部であらたに設置した産別もいくつかあったことなど、春闘期を重点とした取り組みの成果が現れている。
(b)全労済運動では、生活保障設計運動の浸透を図る取り組みとして、北海道ハイ・タク最賃協議会や、連合北海道地域ユニオンにて、「FPから見た全労済の上手な活用法」の学習会を開催。運輸労連北海道地連では、労使懇談会でセミナーを開催し、大滝FPを講師に「セカンドライフ」の学習会を行ったこと。また、日本製紙労組勇払支部春闘学習会で「住まいる共済」の学習会を開催し、若年層に対して火災共済全員加入を目指す取り組みを展開中との報告もあった。全自交労連の3単組からは、全組合員が「住まいる共済」の家財10口加入を行ったこと、JR総連では、新規採用者の「住まいる共済」加入を促進していることなどの報告があった。さらに、紙パ連合北海道地本苫小牧・白老地協闘争委員会で自賠責共済の予約取り組みを展開中との報告もあるなど、各産別における取り組みの工夫に敬意を表したい。
(c)住宅生協運動並びに医療生協運動については、地方組織からは身近になく利用しづらいとの率直な声があったが、住宅生協運動では、春の水廻りキャンペーンとしてショールーム見学会を開催するとともに、退職者リフォームキャンペーンでは、1地区と3団体において学習会を開催することができた。医療生協運動では、産別・単組の春闘期の機関会議や理事出身産別の協力により、支部役員会などの場において、説明・要請の時間を設けて頂き、新たに作成したチラシを配布し、より範囲を広げた周知が図られた。その結果、生協組合員も50人以上の新規加入、増資という大きな成果を挙げることができた。また、電力総連の1単組で健康診断を医療生協へ切り替えたことや、全自交労連の1単組でも、定期健康診断を医療生協の検診車による巡回検診に切り替えたとの報告も受けており、一定取り組みの成果が現れているといえる。

(3)地協の取り組み
 地域討論集会、ウェルフェアスクールや地域総決起集会の中で、事業団体との連携により労働者自主福祉運動の必要性を訴えることができた。(a)労金運動では、2016年度上期各支店推進委員会総会開始前に役員会や幹事会を開催し、全道推進会議が作成した「労金運動推進ハンドブック」活用法の説明を行うとともに、労金の理念と基本姿勢、労福協運動について、労金推進委員の役割等を解説し、地域における労金推進運動に寄与する取り組みを展開した。(b)全労済運動では、渡島・檜山地協において、自賠責共済の執行部全員加入を目指した取り組みが展開され、2月〜3月の2ヶ月間で46件の新規加入の実績を挙げることができたことは評価したい。(c)住宅生協運動では、認知度アップと流通事業の教宣を行い、利用促進と流通事業の周知を図った、(d)医療生協運動では、巡回健診の充実、認知度アップに向けて、札幌・旭川・帯広・函館・北見にある推進本部の機能強化について検討を始めている。

6.2017春季生活闘争に向けた取り組み 
 具体的には、本部方針を受けて北海道方針を提起・確認という流れであるが、別紙「連合北海道2017春季生活闘争基本構想(案)」を中心に、より具体化し全体が取り組める方針とする。

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