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資料:連合北海道第28回定期大会2号議案−2016春季生活闘争 基本構想
1.はじめに
(1)「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」をはかる
 2016春季生活闘争は、「総合生活改善闘争」の位置づけのもと、国民生活の維持・向上をはかるため、労働組合が社会・経済の構造的な問題解決をはかる「けん引役」を果たす闘争である。すべての働く者の賃金の「底上げ・底支え」と「格差是正」の実現に取り組むため、雇用形態間格差・男女間格差はもとより、サプライチェーン全体の付加価値の向上と適正配分を求めるための公正取引の実現を求める。また、企業内最低賃金の引き上げに取り組むとともに、春季生活闘争における組織労働者の賃上げの成果を法定最低賃金の引き上げにもつなげ、すべての勤労国民の所得の向上をはかり、デフレからの脱却と経済の好循環の実現をはかることが必要である。
 また、超少子高齢化・人口減少という構造問題への対応を同時に対応していくための闘争の元年として位置づけ、地域における社会対話を通じた地域活性化など、社会的運動として春季生活闘争を展開する。

(2)人財の確保・育成のために「人への投資」を求める
 わが国は、急激な超少子高齢化・人口減少という人口動態の変化に直面している。経済成長の担い手である労働力人口の減少は、潜在成長率を下振れさせ、経済規模の縮小をもたらす。また、社会保障制度の持続可能性にも大きな影響を及ぼすなど社会のあらゆる面に大きな影響を与えるものである。そうした社会の構造変化のもとで、企業は生産性の向上をはかるため、技術・経営に係る革新的手法*1の導入をはかることを通じ、働き方の変化や人的労働力から機械的労働力(広義の設備投資)への置き換えが進展している。社会全体で雇用を確保するとともに、ディーセント・ワークの実現をはかるうえでも、限られた人財の活用について、社会全体の問題として検討を加えるとともに、人財の確保・育成のための「人への投資」を求めていく。

(3)働く者・国民生活の底上げをはかるために果敢に闘おう!
 われわれはデフレと低成長の「失われた20年」の間に招いた「合成の誤謬」の経緯を忘れてはならない。短期的な利益追求に偏った経営から、生産性三原則の考え方や企業倫理を重んじる経営への転換が不可欠である。政府はサプライサイドに偏った成長戦略を掲げ、労働者保護ルールの改悪をはじめとした規制緩和を強引に推し進めようとしている。こうした「人を犠牲にした経済成長」は、一部の企業の短期的な利益をもたらしても、持続可能で自律的な経済・社会の発展にはつながらない。これら政府や経済界の一部の動きに対して厳しく対峙する必要がある。そのうえで連合は、社会・経済の活力の原動力であり、付加価値創造の源泉である「働くこと」の価値を高め、働く者が安心して働き続けられる環境整備こそが成長戦略の核心であることを改めて主張する。また、その実現のためには、労働組合自らが仲間を増やしすべての職場や地域で集団的労使関係を拡大していくことが重要であり、組織拡大に全力で取り組む。連合・構成組織・地方連合会・単組がこれらの観点について意思統一し、社会の不条理や格差の拡大を許さず、働く者・国民の生活の底上げをはかるとともに、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて総力を挙げて闘う必要がある。
  そのため、連合本部の基本構想と闘争方針を踏まえ、12月には闘争委員会を設置し、闘争方針を決定するとともに闘争体制を確立します。年明けには地協単位に討論集会や総決起集会を開催し、産別・単組の連携強化、地域・地区連合運動への結集を強化する。


2.2016春季生活闘争を取り巻く情勢と課題
(1)情勢について
1)世界経済
米国の景気は、2015年前半に大寒波による厳冬や港湾争議などの要因で失速した影響で、当初の見通しに比べ下振れしているものの、失速は主に一時的な要因によるものと考えられ、堅調に回復の経路をたどっている。また、ユーロ圏経済は景気の回復が続いており、総じて、世界経済は引き続き緩やかな拡大基調を維持しているものと考えられる。しかし先行きについては、中国をはじめ新興国の景気の減速傾向が見られるほか、2015年内ともいわれる米国の利上げによる金融市場の反応の行方、EU圏の経済動向、中東など地政学的リスクなど、今後の動向やわが国経済に与える影響について注視が必要である。
2)日本経済
【全国】
 a)日本経済は、9月8日に発表された2015年4〜6月期の実質GDP成長率(2次速報)は、設備投資が減少し、在庫寄与度が上昇することが影響し、前期比▲0.3%(年率換算▲1.2%)となるなど踊り場に差し掛かっている。2015年度については、依然として軟調な個人消費や設備投資の動向、輸出動向に注視が必要である。中国を中心とした新興国や資源国の景気減速の動きが強まり、輸出の弱含みや新興国による安値での輸出攻勢が続けば、踊り場から抜け出すことが遅れる可能性がある。10月13日発表のエコノミスト41人(機関)の予測(日本経済研究センター「ESPフォーキャスト調査」)によれば、2015年度の実質GDP成長率の見通しは、予測総平均で0.97%となっている。
 b)企業業績の動向は、法人企業統計において2015年1〜3月の経常利益はバブル期を上回り過去最高となり、現預金保有残高も過去最高を記録している。しかしながら、新興国経済の先行き不透明感もあり、景気の先行指標である機械受注は足踏みが見られる。
 c)物価はここのところ横ばいとなっており、8月の消費者物価指数(CPI)は総合指数で前年同月比+0.2%、生鮮食品を除く総合指数で▲0.1%となっている。10月のESPフォーキャスト調査によれば、2015年度の物価上昇率は、生鮮食品を除く総合指数で予測総平均+0.17%にとどまっている。これらの物価の低迷には、原油などのエネルギー価格の下落の影響が色濃く現れており、8月のエネルギーと生鮮食品を除くCPI総合で見れば前年同月比+0.8%となっている。
【道内】
 a)北海道経産局は、9月17日、経済概況を公表し、8月まで「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している」と据え置いていた総括判断を9月からは「緩やかに持ち直している」と3ヶ月ぶりに上方修正した。消費税増税から約1年半が経過し、駆け込み需要の反動減が収まってきたことが一因とみている。主要項目別では、「個人消費」を「緩やかに持ち直している」に上方修正し、百貨店やドラックストア、家電販売店などで、外国人観光客の利用が好調で販売額が伸びているほか、スーパーでは、生鮮品の価格上昇も売り上げ増に寄与した。また、「住宅建設」についても、「持ち直しの兆し」とし、2ヶ月連続で判断を引き上げた。持ち家や貸家の建設が好調である。一方、「生産活動」や「観光」など5項目は前回判断を据え置いた。
 b)日本銀行札幌支店は10月1日、9月の企業短期経済観測調査(短観)において、「道内経済の回復ペースは緩やかだが、減速したとは受け止めていない。今後は働き手を増やし、人材を育てることが課題だ」と指摘した。
 企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、全産業で6月の前回調査より2ポイント低下のプラス2となり、2期ぶりに悪化に転じた。公共工事が減り建設関係は厳しさを増しており、宿泊・飲食が過去最高になるなど好調な観光関連と対照的となっている。なお、中国など海外経済の失速を心配する経営者が多く、先行きの景況感も悪化が見込まれる。
 また、人手不足感を示す雇用人員判断は全産業で5ポイント低下のマイナス24となり、人手不足感は幅広い業種に広がってきている。
 c)北海道労働局は、10月2日、8月の雇用失業情勢について、「引き続き改善している」と発表した。8月の道内有効求人倍率は、全国1.08倍には及ばないものの、0.98倍(前年同月0.85倍)と、67ヶ月連続で前年同月を上回り、新規求人数も7.1%増加している。このうち、道内の正社員求人も0.62倍(前年同月0.52倍)と増加している。また、道内の新規高卒者の求人受理についても、8月末の求人数は11,592人と、前年同月を21.0%(2,013人)増加しており、平成7年3月卒(13,154人)以来の水準となる。一方、求職者数は8,846人、前年同月比0.4%(34人)減少している。
 d)10月5日、北洋銀行発表の7〜9月期の「道内企業の経営動向調査」による売上DIは△9と横ばい、利益DIは△10、前期(4〜6月期)と比べて2ポイント低下した。観光関連業種が好調に推移したが、公共事業関連業種で厳しさが続いており、業況に足踏み感が見られる。また、10〜12月期の見通しは、売上DI(△10)利益DI(△11)はそれぞれ1ポイント低下する見通しである。製造業の売上DI、利益DIはそれぞれ持ち直す見込みであるが、非製造業はそれぞれ低下が見込まれる。
 e)今年2月19日、厚生労働省発表の「平成26年 賃金構造基本統計調査(全国)」の結果による2014年の道内の一般労働者の1ヶ月あたりの所定内給与額は259,100円で、全国平均額299,600円に対して、86.5%に相当する金額にとどまっている。また、道内の男女間における格差では、男性を100とした場合、女性は72.6と賃金格差は解消されないどころか拡大している。
 一方、短時間労働者の1時間あたりの所定内給与額は941円で、全国平均額1,041円に対して、100円の格差が生じている。また、一般労働者(正社員)との賃金格差については、一般労働者(正社員)の所定内給与額を時間換算したものを100とした場合、短時間労働者は60.3(全国56.6)であり、正社員賃金の6割水準にとどまっている。

(2)課題について
1)安心して働くことができる社会の構築が不可欠
 政府は、経済成長の柱の一つとして労働者保護ルールの改悪につながる施策の実現をもくろみ強引な国会運営を行い、労働者派遣法の改悪を行った。また、「世界で一番企業が活躍しやすい国」をめざし、「『日本再興戦略』改訂2015」においても、労働者保護ルールのさらなる改悪をはかり、雇用の劣化と不安定化を招く政策の実現を急いでいる。わが国が自律的な成長を成し遂げ、持続可能な社会を築き上げるためには、働く者が安心して働き続けられる環境整備こそが不可欠であり、最低限の労働者保護ルールを改悪する動きに対し対峙することが必要である。わが国の付加価値創造の源泉である人への投資と安心して働き続けられる環境整備、集団的労使関係の拡大やセーフティネットの整備など、「働くことを軸とする安心社会」をめざす運動を進めることが必要である。
2)「底上げ・底支え」「格差是正」の取り組みを一層強化
 2015春季生活闘争は、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」に向けて、月例賃金にこだわる取り組みを継続し、闘争を展開してきた。その結果、16年ぶりに2%を超える賃上げを実現することができた。
 今後も月例賃金にこだわり、継続した賃上げの実現が求められる。一方で、企業規模間や雇用形態間における賃金水準の格差が広がったことや、個人消費の拡大が今一歩のレベルにとどまっていることを踏まえ、今後、「底上げ・底支え」と「格差是正」の取り組みをより一層強化することが必要である。
 特に、「格差是正」の取り組みには、人事・賃金制度の運用実態の精査や賃金制度や定期昇給制度の確立が不可欠である。これまで取り組んできた「地域ミニマム運動」における個別賃金実態調査の役割を高め、自らの職場における賃金実態を把握し、賃金改善や制度確立の要求根拠を強化する取り組みを推進するとともに、交渉力強化に向けた支援策の検討に注力することが必要である。
 連合リビングウェイジをもとに、2015闘争で初めて賃金水準の最低到達目標を設定した。また、地域・地場における賃金水準の相場波及に向けては、「地域ミニマム運動」の個別賃金実態調査結果から得られた業種ごとの賃金特性値を広く社会に向けて情報開示する取り組みであったが、十分な運動を進めることができなかったことから、先進的な地方連合会の運動に学びながら、検討を深め社会的賃金相場形成に向けて取り組みを工夫していく必要がある。
3)ワーク・ライフ・バランス社会の実現
 また、「ワーク・ライフ・バランス実現に向けた取り組みの強化」も必要である。すべての組合がワーク・ライフ・バランスの実現に向け取り組みを行うことで、「働くことを軸とする安心社会」の実現をめざすことが求められる。そのために、働く者の意思が尊重される働き方と処遇のあり方などについて労使の検討を進めていくことが必要である。また、「時短レシピ〜労働時間短縮に向けた取り組み事例集〜」(10月に発行済み)を参考に、労働時間縮減の取り組みを進めていくことが必要である。

3.2016春季生活闘争の考え方
(1)基本的な考え方
1)「デフレからの脱却」と「経済の好循環」の実現をはかる
20年近く続いたデフレからの脱却は、時間を要することを認識する必要がある。1975年におけるハイパー・インフレとスタグフレーションの危機に際しては、労使が知恵を出し合い、危機を乗り越えた経緯があるが、われわれが直面しているデフレからの脱却においても、単純な「実質賃金の維持」「生活向上分の獲得」といった視点を超えて、日本経済の好循環実現に向けた視点に立った取り組みが不可欠である。
2)「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みの強化
 月例賃金にこだわる闘争を進めたことにより、賃金の引き上げがはかられたものの、格差の是正には至っていない。2016春季生活闘争では、中小企業労働者や非正規労働者の月例賃金・時給の「底上げ・底支え」と「格差是正」をはかることに重点を置いた取り組みを進めるとともに、その効果が広く社会に浸透する要求を組み立てることが極めて重要である。
デフレからの脱却と経済の好循環をはかるためには、マクロの観点から雇用労働者の所得を2%程度引き上げることが必要である。また、「底上げ・底支え」「格差是正」をはかるためには、従来型の自社の労使交渉の結果を波及させるだけでは不十分であることから、政策・制度実現の取り組みに加え、広く社会に向けたアピール活動も積極的に行っていく。
 したがって、あらゆる手段を用いて「底上げ・底支え」「格差是正」に連合構成組織は一丸となって取り組みを進めることとする。
 こうした観点から、賃上げ要求水準は、それぞれの産業全体の「底上げ・底支え」「格差是正」に寄与する取り組みを強化する観点から、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を除き2%程度を基準とする。
3)超少子高齢化・人口減少社会を踏まえた働き方と処遇のあり方の見直しを
 すべての働く者、とりわけ中小企業労働者と非正規労働者の「底上げ・底支え」と「格差是正」の実現のためには、サプライチェーン全体で生み出した付加価値の適正な分配の実現、すなわち公正取引の実現をはかることが必要である。
 そのうえで、労働力人口が減少していく中で国民生活の維持・向上をはかるためには、生産性の向上をはかることが必要である。そのためには、マーケットが求める商品やサービスの提供と価値に見合う価格での取引の実現が必要である。加えて、働く者一人ひとりがそれぞれの能力を活かしながら生産性を高めていくこと、言い換えれば、すべての働く者が人間らしい働きがいのある仕事(ディーセント・ワーク)に就くことと、仕事に応じた適正な処遇を確保することが求められる。
2016春季生活闘争を通じて、それらの実現に向けた取り組みに着手するとともに、労使間においても議論する必要がある。また、企業内最低賃金協定の締結拡大や水準の引き上げ、適用労働者の拡大をはかることも重要である。
4)情報開示の徹底と交渉力の強化
 格差是正や社会的な賃金相場の底上げのためには、産業・企業の賃金水準などの労働条件の可視化をはかり、企業横断的な賃金相場を形成する必要がある。
そのために、個別賃金の把握・集約や最低到達水準、到達目標水準の明示など、賃金の上げ幅だけではなく、絶対額にこだわる取り組みを進めるとともに、賃金に関する様々な情報の社会的な共有を進めることも大切である。
 加えて、賃金制度そのものの存否や公開の有無が、賃金の下支えに大きく影響することを踏まえ、構成組織は賃金制度整備や交渉力強化に向けた支援を推進する。
5)運動の両輪としての「政策・制度実現に向けた取り組み」を強化
 すべての働く者の生活改善・格差是正に向けて、「2016年度 政策・制度実現の取り組み」を春季生活闘争の労働条件改善の取り組みとともに運動の両輪として推し進める。

(2)具体的な要求項目及び展開
1)賃金関連
 a)「底上げ・底支え」「格差是正」の実現をはかるため、中小共闘の賃金引き上げ要求の目安は10,500円以上(賃金カーブ維持相当分4,500円)、非正規共闘においては「誰もが時給1,000円」の実現をめざしつつ、賃金(時給)引き上げの目安を37円とする。
 b)賃金水準の上げ幅のみならず、めざすべき賃金水準への到達など「賃金水準の絶対値」にこだわる取り組みを進める。
 c)男女平等課題の取り組みの推進を行う。
2)企業内最低賃金の取り組み強化
 すべての労働者の処遇改善に向けて、企業内最低賃金協定の締結拡大、水準の引き上げをはかる。このため、未締結組合は協定化の要求を行い、すべての組合で協定化をはかる。また、企業内最低賃金は、その産業に相応しい水準で協定すること。特に、特定最賃にかかわる4業種については、企業内最賃の引き上げ=特定最賃の引き上げに繋がることから、ミニマム水準の大幅な引き上げに全力を傾注していくこととする。
3)一時金水準の向上・確保
 一時金の取り組みについては、年間一括要求方式を基本に、生活防衛の観点も含め水準の向上・確保をはかること。
4)ワークルールの取り組み
 労働分野の規制緩和を許さず、すべての働く者にディーセント・ワークを保障する社会的うねりをつくる必要がある。働く者の声を結集して世論を喚起し、政治と対峙するため民主党北海道と連携をはかりながら、「STOP THE 格差社会! 暮らしの底上げ実現」キャンペーンの取り組みを継続して展開する。職場・地域の仲間とともに、労働分野の規制緩和反対の声をあげ、各種行動に積極的な参画をはかる。
 また、改正労働関係法の遵守に向けた職場における点検の強化をはかるとともに、関係職種間の交流を通じた「意見交換の場」を設定し、就業規則の点検などの取り組みを展開する。
 a)改正労働者派遣法に関する取り組み
 b)若者雇用に関する取り組み
 c)障害者雇用に関する取り組み
 d)安全な職場づくり
 e)有期労働契約(無期転換ルールの特例)に関する取り組み
 f)女性活躍推進法に関する取り組み
 g)短時間労働者に対する被用者保険の適用拡大
【連合北海道第28回定期大会第1号議案より】1)雇用の不安定化を助長する「解雇規制の緩和」など、労働者保護を後退させようとする政府の議論に対し、構成産別(単組)、地協(地区連合)と連携して、労働者保護ルールの改悪阻止に向けて、道民世論を巻き込んだ大衆行動を引き続き展開します。
2)労働契約法20条により、期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止が定められました。無期雇用と有期雇用による労働条件の差異など、職場点検活動を強化し、労働契約法の趣旨を職場に活かす定着の取り組み・周知を求めます。また、有期契約労働者の無期転換については、5年の無期転換期間の短縮など法を上回る取り組みを春季生活闘争も含め通年的に求めるとともに、無期転換直前での雇止め抑止に向けて法内容の周知に取り組みます。
3)労働者派遣法については、法改正の内容をチェックし、労働者保護の視点から派遣労働者の雇用の安定と公正処遇の確保に向けて引き続き取り組みます。
4)希望者全員が65歳まで働き続けられるよう、高年齢者雇用安定法で定める高年齢者雇用確保措置の確実な実施と、継続雇用制度により有期労働契約となった場合の65歳未満での雇止め防止に向けて取り組みます。
5)ワーク・ライフ・バランス推進の取り組み
 健康で働き続けられる労働時間と過労死ゼロの実現や、超少子高齢・人口減少社会が進むわが国の社会構造を踏まえ、「社会生活の時間」の充実をはかる必要がある。そうした観点で、討論集会などで議論を深める。
 a)36協定の特別条項については適切な上限時間を設定する。(750時間を上限とし、限りなく360時間に近づける)
 b)36協定の特別条項に伴う超過労働にあたっては事前の労使協議を求める。
 c)50人未満の事業場においても安全衛生委員会の設置を行う。
 d)ライフスタイルに応じた働き方と処遇の検討を行う。[参考資料参照]
 e)中小企業における月60時間を超える割増賃金率を50%以上に引き上げる。
 f)勤務間インターバル規制(原則11時間)を導入する。
【連合北海道第28回定期大会第1号議案より】1)労働関係法の遵守、総実労働時間の短縮、過重労働是正に向けて、特別条項付き36協定に係る構成組織毎の年間上限時間の設定(750時間を上限とし、限りなく360時間に近づける)や勤務間インターバル(原則11時間)の導入等、長時間労働是正に向けた労使協定・労働協約締結の取り組みを進めます。そのために、まずは、チェックシートなどを用いた職場点検活動や学習会を実施します。
2)過労死問題やいわゆる「ブラック企業」問題等に適切に対処するため、各職場で“自組織から過労死等を出させない”連合「過労死ゼロ」運動と、計画年休の積極活用など年次有給休暇の取得を促進する、連合「しっかり休んで、いい仕事」運動を展開する等、労働組合として主体的な取り組みを進めます。さらに、国に対して労働基準監督官の増員などを求め、労働行政の充実・強化をめざします。
6)職場における男女平等の実現
 男女平等社会実現に向け、春季生活闘争においても、すべての組合が第4次男女平等参画推進計画で確認した目標の達成に向けて取り組みを進めていく。
7)非正規労働者の労働条件改善
 a)すべての労働組合は、非正規労働者の労働条件の均等処遇に向け、改正労働契約法の改正趣旨や改正パート労働法に則った取り組みを展開する。
 b)非正規労働者の賃金引き上げ要求にあたっても、賃金水準の絶対値によりこだわりを持った取り組みを進めていく。
 c)重点項目の設定にあたっては、均等処遇に関する法令の遵守はもとより、職場の働き方の実態を直視しながら改善を求めていく立場で設定する。
 d)非正規労働者の処遇改善と組織化をめざし、「職場から始めよう運動」を継続的に行う。
8)連合北海道「連合白書」学習会の開催
 2016春季生活闘争を展開するにあたって、「連合白書」学習会を開催し、産別・単組、地協・地区連合が情勢認識・課題を共有し、連携強化、地域運動への結集をはかる。
 日  時  2016年1月27日(水)18時15分〜19時45分
 場  所  自治労会館3階中ホール
 講  師  連合総合労働局総合局長 須田 孝 氏(予定)
 参加対象  全産別(単組)、地協、地区連合
9)連合北海道 第2回医療職場の意見交換会の開催
 医療(看護師)職場の意見交換会を開催し、春季生活闘争の産別・単組の方針に反映することをめざす。
 日  時  2016年2月中・下旬を予定
 場  所  未定
 参加対象  情報労連(NTT労組札幌病院分会)、JAM北海道(天使病院分会・日鋼記念病院分会)、自治労(札幌市立病院労組・札幌医科大学労組・北海道医療生協職員労組)、ヘルスケア労協(協会病院労組)、JR総連(JR病院分会)、基幹労連(新日鉄病院分会)ほか
10)地域での社会的取り組み
 「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠」をスローガンに、地域のあらゆる関係者との連携をはかり、「地域活性化」と「公正取引」による地場産業の活性化と働く者の処遇改善を一層進めていくため、「地域活性化フォーラムin道北」を旭川市で開催する。

4.闘争の進め方
(1)基本的な考え方
 すべての労働者を対象とした闘争を展開するため、産別や地協からの情報をもとに、開示を積極的に行い、社会的賃金水準の形成をはかる闘争体制を構築する。
1)闘争体制については、従前同様、「連合北海道春季生活闘争本部」を設置し、闘争委員会(執行委員会)を開催して闘争状況の確認と方針の確立をはかる。
2)産業別部門連絡会や中小・パート労働条件委員会を中心に、構成産別・地域協議会などによる共闘態勢を構築し、重層的かつ総掛かり体制での闘争を展開する。
3)地場集中決戦方式を踏襲し、集中回答日に結集する体制を構築する。
4)「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャンペーン行動として、世論へのうねりを促す行動を展開する。
5)「社会的キャンペーン行動」を展開し、新卒者の就職支援、非正規労働者の均衡・均等待遇の実現に向けて、広く社会へ波及をさせていく。
6)「政策・制度の取り組み」を運動の両輪と位置づけ、国民全体の雇用・生活条件の課題解決に向け、政策・制度実現の取り組みと連動させた取り組みを展開する。
7)労働基本権にこだわる闘争の展開をはかる。

(2)効果的な相場波及に向けた取り組み、態勢の強化
1)「産業別部門連絡会議」の連携と機能強化
 春季生活闘争期間中に3回以上の連絡会議を開催し、各産別の方針や交渉結果の付け合せによる情報の共有化をめざす。また、中小企業に働く労働者の処遇改善、企業内最賃協定の締結、大企業と中小企業労働者の企業規模間(男女間)賃金格差の是正や非正規労働者の待遇改善・組織化要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大等の取り組みを展開する。第1・第2先行組合による相場形成と波及力の強化をはかるため、「賃金水準」「賃金カーブ維持分」の開示を行い、賃金水準の相場形成を重視した情報開示を進め、地場・中小組合のたたかいにつなげていく取り組みを強化する。さらに、情報の共有化を一層強化するため、部門別連絡会と中小・パート労働条件委員会の開催のあり方を検討する。
2)非正規労働者の労働条件改善
 非正規労働者の労働条件改善の取り組みは、非正規労働センターと連携を図り、「職場から始めよう運動」を展開し、非正規労働者の実態把握、交流機会づくりを通じた待遇改善に取り組む。特に、パート賃金の引き上げ・処遇改善・組織化など、産別・単組方針への反映を通じた要求実現をめざす。

(3)中小の取り組み
1)企業規模間の賃金格差の解消、配分の歪みの是正に向け、中小・パート労働条件委員会を中心に、闘争情報の交流強化、交渉ヤマ場の統一ゾーンの設定などに取り組むとともに、中堅組合も含めた共闘展開を行う。また、中小・パート労働条件委員会における情報交換を積極的に推進するとともに、委員会開催のあり方を検討し、産別・単組、地協(地区連合)方針に中小・非正規労働者の要求が反映されるよう取り組む。
2)2016地域ミニマム運動の参加拡大をはかり、北海道内の中小組合の賃金の底上げと賃金体系の確立を促すとともに、「連合 総合労働条件改善指針」(テキスト)を活用した要求基準を作成する一助とする。
1)連合が設置する「消費税価格転嫁拒否通報ホットライン」(略称「価格転嫁ホットライン」)を継続し、悪質な取引の抑制をはかるとともに、適正な価格転嫁と公正取引の実現に向けた取り組みを推進する。

(4)雇用対策の強化
 産業政策と一体感ある雇用政策を求めて、8年目となる「社会的キャンペーン行動」を継続実施する。要請時期は、1〜2月の地域討論集会前段の期間を活用し、(総合)振興局、商工会議所、学校などを訪問し、新卒者対策などに向けた行動を展開する。

(5)公契約条例の制定などに向けた取り組み
 公契約条例の制定は、公契約下の労働者の労働条件の底上げにつながるものである。公契約条例の制定、下請法等に関する取り組みを強化し、中小企業労働者の生活や労働条件等を確保する。引き続き、条例可決に向けた取り組みを粘り強く展開し、当面、全国的な条例制定に向けた好事例を学ぶ学習会の開催を追求する。

5.組織強化・拡大の取り組み
 未組織労働者の処遇改善につながる運動を展開し、労働運動の社会化の推進をはかり、集団的労使関係の必要性を訴えていく。
(1)構成組織は、非正規労働者の組織化と処遇改善の促進をめざして、「職場から始めよう運動」をより強化し、同じ職場で働くパート・有期契約などの非正規労働者の組織化に積極的に取り組むよう加盟組合を指導する。

(2)未組織の子会社・関連会社、取引先企業などを組織化のターゲットに定め、加盟組合とともに組合づくりを前進させるとともに、同じ産業で働く未組織労働者、未組織企業の組織化に取り組む。

(3)上記で掲げた組織化は通年の活動であるが、2016春季生活闘争での成果獲得に向けて、交渉の前段での取り組みを強く意識し、加盟組織への指導を強化する。

6.春季生活闘争を通じた労働者自主福祉運動の取り組み
 労働者自主福祉運動は、第2の賃金闘争として、可処分所得を引き上げるための有効な手段であり重要な役割を担っている。そのためには、労働者の相互扶助の原点である労働者自主福祉運動へ結集し、組合員・家族の生活向上に向けて、春季生活闘争の期間中を重点に、1)労働金庫運動、2)全労済運動、3)住宅生協運動、4)医療生協運動の取り組みを強化する。

7.今後の進め方
 連合2016春季生活闘争中央討論集会(11月4〜5日)を受け、12月の地方委員会(12月22日)にて、「連合北海道2016春季生活闘争方針」を決定する。

8.当面する日程
2015年
 10月28日(水)〜29日(木)   連合北海道第28回定期大会
 11月 4日(水)〜 5日(木)    2016春季生活闘争中央討論集会(東京)
 11月25日(水)           連合北海道第2回執行委員会、第1回地協事務局長会議
 11月27日(金)           連合本部第71回中央委員会(東京)
 12月上旬              第1回中小・パート労働条件委員会
 12月22日(金)           第1回闘争委員会(第3回執行委員会)
                      第62回地方委員会
                     地協事務局長会議
2016年
 1月下旬        北海道ブロック推進会議(3地協)
 1月27日(水)     第2回闘争委員会(第4回執行委員会)
 1月27日(水)     地協事務局長会議
 1月27日(水)     連合北海道「連合白書」学習会(自治労会館3階中ホール)
 2月5日(金)      2016春季生活闘争・闘争開始宣言中央総決起集会(東京)
 2月上・中旬       産業別部門連絡会
 2月中          各地協・春季生活闘争討論集会
 2月中・下旬      連合北海道 第2回医療職場の意見交換会(札幌市内)
 3月2日(水)      2016春季生活闘争勝利!全道総決起集会(札幌市教育文化会館)
 3月3日(木)      2016春季生活闘争・政策制度要求実現集会(東京)

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