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資料:連合北海道第28回定期大会2号議案−2015春季生活闘争のまとめ
1.はじめに
(1)連合は2015春季生活闘争において、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」に向けて、「賃上げ」「時短」「政策・制度実現の取り組み」の3本柱を設定し、正規・非正規、組織・未組織、そして、企業規模を越えて「底上げ」「底支え」「格差是正」の実現をめざし、すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわった要求を掲げ交渉することを基本的な考え方として示し闘争に臨んだ。
(2)道内においては、1月23日の石狩地協を皮切りに、2月20日まで、道内13ブロックの地域討論集会に約1,000人の地協・地区連合、産別・単組の組合員の参加を得て、今次春季生活闘争のスローガンである「賃上げで景気の底支えを!『休み方』『働き方』改革で長時間労働撲滅!」を求めて、闘いを進めていくことを意思統一し、闘争方針の徹底・浸透に努めた。
 その後、3月9日の2015春季生活闘争・第18回統一自治体選挙闘争勝利「全道総決起集会」には、1,400人超の組合員が結集し、月例賃金の引き上げにこだわり、非正規労働者も含めたすべての労働者の待遇改善を勝ち取ろうと意思統一をはかるとともに、統一自治体選挙闘争における連合推薦候補の必勝に向けて組織の総力を挙げて勝ち取ろうと喚起した。
 同様に、各地域においても、十勝地協総決起集会の800人結集をはじめ、23箇所の地協・地区連合、ブロックにおいて総決起集会を開催し、延べ3,200人の組合員が結集、また、石狩地協(4/27)渡島地協(5/14)においては、地場解決促進集会を開催し、地場・中小の底上げの実現に向けた意思統一を図った。
(3)今次闘争の最大のヤマ場を3月18日に設定し、先行組合回答ゾーン(3月16日〜20日)、中堅・中小集中回答ゾーン(3月23日〜31日)、中小回答ゾーン(4月中)として、回答の集中化と情報の開示を積極的に行い、より波及力を高めることとした。
(4)中央段階の集計結果について、7月1日現在、最終集計結果によると、平均賃金方式では、5,469組合が回答を引き出した。回答(組合員数加重平均)は6,354円、2.20%(定昇相当込み)であり、昨年同時期を426円、0.13ポイント上回った。規模別内訳では、300人以上の1,358組合の回答額は6,675円、2.24%(昨年同時期比+457円、+0.13%)、また、組合員数300人未満の中小組合4,111組合の平均賃上げ率が4,547円、1.88%(昨年同時期比+349円、+0.12%)となり、中小を含め賃上げの流れが継続している。
 次に、非正規労働者の賃上げ回答は、加重平均で時給16.78円(昨年同時期比+5.50円)、月給で4,038円(昨年同時期比+1,811円)となり、昨年を大きく上回る回答を引き出しており、処遇改善の動きが波及している。また、正社員への転換ルールの導入、促進、明確化なども中小を含めて積極的な取り組みが行われている。非正規労働者の処遇改善に関わる取り組み事例の共有化を進め、雇用の安定や処遇改善を進めていく。
 また、一時金について、年間分の月数回答は4.84月(昨年同時期比+0.06月)、金額回答では、1,552,482円(昨年同時期比+13,460円)となっている。
(5)第60回地方委員会(2015年6月17日開催)で確認した「2015春季生活闘争中間まとめ」を基本に、回答集計の最終結果(9月30日付集計)を踏まえ、改めて2015春季生活闘争の評価と課題を以下のとおり整理し、2016春季生活闘争の方針討議に結び付けていくものとする。

2.北海道の取り組みの結果と評価
(1)賃上げの取り組み
1) 賃金引上げの基本的なスタンスについて
(ア) 2015春季生活闘争では、すべての組合が重点的に取り組む課題として「賃上げ」「時短」「政策・制度実現の取り組み」を「3本柱」として位置づけ、これらの取り組みを通じ「底上げ・底支え」「格差是正」の実現と、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」に向けて全力を尽くすこととした。具体的には、賃金相場の波及力を高め、未組織労働者も含め広く社会全体の底上げ・底支えをはかり、格差の是正(規模間、正規・非正規、男女間)に全力を尽くし、そのために、賃金の上げ幅のみならず、賃金の絶対額を重視した要求の組み立てを行うことを提起した。
 また、昨年同様、「経済の好循環実現に向けた政労使会議」が開催され、デフレ脱却を確実なものとするため、「賃金上昇等による継続的な好循環の確立」に向けて三者が一致協力して取り組むとの認識に至った。なお、連合は、賃金・労働条件の決定は、政府ではなく、労使が交渉によって決定していくことが原則であり、そのために、労働組合が説得力ある賃上げ要求を掲げ、ねばり強い交渉を展開し、当該労使で議論を重ね認識を共有して、春季生活闘争の社会的賃金決定メカニズムを機能させる必要性を訴え、社会的な責任・役割を果たすよう全構成組織・地方連合会へ発信した。
(イ) また、連合北海道は、2月27日に経済5団体との労使懇談会、労働局に対する要請行動、3月3日には北海道に対する要請行動を実施し、2%以上のベースアップを含む月例賃金を4%以上または10,500円以上引上げることや、非正規労働者の労働条件の改善などを求めた。特に、経済5団体に対しては、「デフレ脱却には個人消費の拡大が不可欠であり、賃金引き上げの流れをさらに強めることが重要だ。経済の好循環の実現に向け、踏み込んだ対応を期待したい」と強く訴えてきた。
2) 北海道の妥結状況
 9月30日現在、妥結報告があった組合は228組合で、そのうち集計可能組合は184組合(昨年同期193組合)で昨年同期比マイナス9組合となった。
(ア)賃金引き上げは、加重平均で5,048(2.02%)、昨年を379円(0.14%)上回った。また、昨年対比が可能な144組合のうち、88組合61.1%が前年を上回る回答を引き出した。そのうち、500円以内の上積みが49組合を占めており、全体の底上げが結果につながっている。賃上げ額では、2,000円台が35組合、4,000円台が24組合と2つの固まりがあるが、4,500円以上の妥結額を勝ち取った組合が66組合45.8%に及んでいる。一方、規模別で見ると99人以下(98組合)は、3,494円(1.73%)で、昨年比プラス346円(0.20%)となり、同様に、100人〜299人以下(45組合)で、4,502円(2.00%)、昨年比プラス245円(0.20%)であり、また、300人〜999人以下(34組合)は、4,886円(1.87%)、昨年比プラス302円(0.05%)、1,000人以上(7組合)は、5,698円(2.19%) 、昨年比プラス296円(0.14%)となっており、すべての規模で昨年を上回った。
(イ)一時金については、111組合が妥結し、その中で集計可能な組合は、106組合(昨年同期87組合)であり、昨年を19組合上回る報告数となった。年間一括要求の月数方式(52組合)では4.41ヶ月、金額方式(20組合)は1,180,136円で、昨年比月数で0.04ヶ月減、金額で286,025円増となった。半期要求の夏季月数方式(20組合)では、1.89ヶ月、金額方式(17組合)は389,420円で、昨年比月数方式で0.19ヶ月増、金額方式で74,026円減となった。また、半期要求の冬季月数方式(10組合)では、2.04ヶ月、金額方式(6組合)では527,490円で、昨年比月数方式で0.07ヶ月増、金額方式で107,839円増となった。また、「別途協議、業績連動・協定方式」との報告組合は、53組合(昨年46組合)あり、昨年と比較して7組合増加した。
(ウ)非正規の労働条件改善については、UAゼンセン加盟組合を中心に、23組合(昨年21組合)から定期昇給、時間給、月例賃金、企業内最低賃金、一時金、休日・福利厚生等の処遇改善を勝ち取る報告があった。パート時間給では、14組合で妥結し、8円(1.01%)から41円(5.0%)という幅があるものの、単純平均で16.12円(昨年比4.18円増)の引き上げ改善がはかられた。また、契約社員、嘱託職員、準職員等(月給制)で、7,500円(4.97%)〜2,000円(0.89%)の幅で定昇、ベアを獲得した組合が7組合(昨年6組合)あった。さらに、1組合で一時金が年間2.0ヶ月、定期昇給の確認などの回答を引き出し、全組合員対象のボランティア休暇の確立を勝ち取るなど、昨年以上の成果が見られる。
3) 成果と課題
(ア)闘争全般の総括的な受け止めについて
 2015春季生活闘争は、2014春季生活闘争で掲げた「デフレからの脱却」と「経済の好循環の実現」「底上げ・底支え」「格差是正」の2年目の取り組みとして闘争を進めてきた。
 交渉では、組合が主張するマクロの観点での月例賃金の引き上げに対して、経営側は総論として理解しつつ、ミクロの支払能力論にもとづく主張が続き、交渉は難航したが、労働組合のマクロの視点での粘り強い主張と、最大の経営資源である人財の活性化をはかる必要性を訴える中で、昨年に引き続き月例賃金の引き上げの回答を得ることができた。
 マクロ的な観点での賃上げの必要性や、人への投資の必要性など、今次交渉における労使の交渉経過や結果は、今後の取り組みにつながる大きな成果であると受け止める。
 「底上げ・底支え」「格差是正」の取り組みの波及については、各種統計結果を見て判断していくが、97年から続く雇用者報酬の低下傾向に歯止めをかけるとともに、真に「底上げ・底支え」すべき労働者層に対する運動のあり方を含め、今後の取り組みを検討する必要がある。
 また、ワーク・ライフ・バランス社会の実現に向けた取り組みについては、今後細部の検証を行うが、社会問題となっている長時間労働の撲滅や超少子・高齢化や人口減少への対応の観点で、「働き方」「休み方」改革を早急に進めていくことが重要である。
(イ)運動面について
 地協・地区連合が、連合の主張を社会にアピールするため、北海道独自に作成した器材(街宣用テープ、スローガンのぼり「月例賃金の大幅引き上げを!」「今こそ賃上げデフレから脱却!」)を活用し、街頭における宣伝活動やテープ街宣行動などを展開し、賃金引き上げに向けた世論への喚起を促すことができたことは成果といえる。特に、札幌地区では、先行組合の山場の期間内である3月16、18、20日の3日間で早朝・日中帯の街頭宣伝活動を展開し、産別・単組役員の協力のもと、手作り横断幕や桃太郎旗を掲示し、賃上げの必要性を通勤・通学途上の市民に訴えることができたことは評価できる。今回の取り組みの成果を次年度以降にも継続できるよう取り組んでいく必要がある。
(ウ) 賃上げ要求と交渉状況について 
 連合は、足元で物価は継続的に上昇しており、働く者の実質的な生活は十分に改善したとはいえない状況を踏まえ、賃上げ要求は、定昇・賃金カーブ維持相当分の確保を前提とし、過年度物価上昇分や企業収益の適正な分配の観点、経済の好循環を実現していく社会的役割と責任を踏まえ、すべての構成組織が取り組みを推進していくことを重視し、2%以上の要求を掲げ獲得をめざす方針を掲げた。これをもとに、北海道における9月30日現在の各組合の賃金引き上げ要求は、加重平均で9,243円(昨年7,980円)、率で3.66%(昨年3.22%)という内容である。これはすべての組合が、賃上げを起点とした「経済の好循環実現」と「デフレからの脱却」に向け、労働組合が果たすべき社会に対する責務を十分に認識したうえで、月例賃金にこだわり2%以上の賃上げを求めるという方針に沿った要求がなされたものと受け止める。特に、100人〜299人以下の組合にあっては、9,573円、4.33%と平均を上回る要求を提出しており、「底上げ」「底支え」「格差是正」に向けた賃金改善要求を行ったといえる。
 また、交渉において、経営側は先行きの不透明感を指摘し、「月例賃金の引き上げが総額人件費に与えるインパクトが大きいことなどから従業員への成果配分は一時金がふさわしい」と述べるなど、われわれのマクロ的見地に立った要求や要求の考え方に対して、自社の支払い能力を中心とする態度を示した。そういった厳しい交渉の中で、多くの構成組織・単組は個別企業における人への投資の必要性や、マクロ経済における賃上げの重要性について粘り強く主張し、その結果多くの組合で回答の引き出しをはかることができたといえる。
(エ)賃上げ回答状況と総体的な受け止めについて
 賃上げ回答状況では、すべての規模で前年水準を上回り、賃上げの流れが中小・地場組合にも波及し、すそ野を広げることができたものと考え、各産別・単組の取り組みの成果として評価したい。昨年と集計組合に相違があるため単純比較はできないが、100人〜299人以下の中堅規模では、4,000円2%を超え健闘が目立つ。
 また、回答水準については、賃上げ部分が明確に区分できる組合の集計では、定昇相当分を除く賃上げ率は、0.47(連合全体集計0.67)%となった。要求趣旨からすれば十分とはいえないものの、継続的に賃金の引き上げをなし得たことは、以降の運動につながるものと受け止める。
 一方、今次闘争で、「大企業と中小企業の規模間賃金格差の解消」を重点課題に掲げて闘ってきた。99人以下規模の妥結状況で見てみると、3,494円(昨年比+346円)と健闘し、300人以上の企業との規模間格差は解消されていないものの、昨年対比の増減額・率ともに中小・地場組合が大手組合より上回る回答を引き出すことができたことは評価したい。ある産別の1単組で賃金制度を取り入れる回答を引き出し、また、他の産別では交渉のテーブルに挙がっている単組があるなど、規模間格差の解消に向けた一定の成果があがっている。北海道は地場・中小が多く、賃金制度が確立していない単組がほとんどであり、安心した生活を営む上では賃金(定昇)制度の確立が不可欠である。地域ミニマム運動に結集し、組合員個々の賃金実態把握に努めながら抜本的な検討を進める必要がある。
 なお、規模別には格差があるものの、すべての組合が月例賃金の引き上げにこだわった要求を掲げ交渉した結果、前年以上に多くの組合が、昨年を上回る回答を引き出し、賃上げの広がりと交渉の加速の両面からも前進していることの意義は非常に大きいものがあり、今後につながる成果といえる。
(オ)非正規労働者の賃金の引き上げについて
 時給1,000円をはじめ、連合リビングウェイジ(北海道時間給890円)を上回る水準、または、昇給ルールの導入・昇給分の確保、時間単価37円の引き上げのいずれかを、非正規労働者の賃金要求水準の目安として方針を掲げて闘った。賃上げで妥結した組合数が昨年より増加したことは、非正規の処遇改善を進めようという産別・単組、地協の取り組みの結果として評価したい。一方、妥結水準についても、時給の引き上げは前年を上回る改善がはかられていることや、契約社員などの月額アップ率が昨年を上回ったこと、福利厚生処遇の改善を勝ち取ることができたことなど、業種別にバラつきのある結果だが、昨年と対比して着実に前進しており、底上げの役割を一定程度果たしたと考える。
(カ)男女間賃金格差の是正について
 「男女間賃金格差の実態と要因把握・点検、改善へ向けた取り組み」を提起した。全国集計で要求を掲げた組合は122件と前年同時期の107件より増えており、回答を引き出した組合は3件(前年同時期0件)となっている。男女間賃金格差の是正に向けては、各組合における賃金の実態把握と分析が欠かせないため、個別賃金実態調査など通年的な取り組みの推進が重要であり、北海道的な集約も必要である。
(キ)一時金について
 月例賃金の引き上げにこだわりつつ、年間一括要求を基本に、年収確保の観点も含め、水準の向上・確保をはかる方針を掲げた。年間一括要求の金額方式、半期要求(夏・冬季)の月数方式及び、半期要求(冬季)の金額方式は前年を上回る結果を引き出した。対照的に年間一括要求の月数方式及び半期要求(夏季)の金額方式は前年を下回る結果となったことは受け止めざるを得ない。なお、昨年同様、今次闘争でも、月例賃金の引き上げに注力した取り組みを展開し、一時金に関する具体的な取り組みは構成組織が主体的に取り組んでいることを尊重する。
(ク)エントリー登録組合について
 320組合の参加にとどまり、昨年最終の335組合から15組合減少している。情報の共有化を図ろうとする産別・地協の努力とは裏腹に、エントリー組合が減少したことは残念であり、次年度の教訓としたい。
(ケ)情報開示、共有の取り組み
 「妥結情報」を25号(昨年同時期15号)発行し情報の共有の取り組みを強化することができた。また、昨年から発行している「春闘ニュース」を今年も4号発行し運動の共有化に努めることができた。

(2)時短の取り組み
 2015春季生活闘争における重要課題3本柱の1つである時短の取り組みも積極的に行われている。ワーク・ライフ・バランス実現に関わる「インターバル休暇の制定」や「36協定の上限設定」などの要求を掲げて取り組むことを提起した。全国では4,429件の要求提出がなされ(前年同時期3,767件)、1,453件の回答を引き出している(同666件)。連合として、ワーク・ライフ・バランス社会実現に関連した取り組みについて具体的な回答内容などの集約を進めていることから、好事例の共有なども含め、春季生活闘争期間に限らず通年的に取り組んでいく必要がある。

(3)産業別部門連絡会の開催
 連合北海道は、6産業別部門連絡会の活性化、産別による単組指導強化、地域内共闘強化を目指し、2010春季生活闘争から進めている期間中3回以上の連絡会開催や、企業内最賃協定の締結、情報交換、要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大などを目指してきた。
 今年は、統一自治体選挙の年であったことから、ヤマ場前後に2回の開催にとどまったが、部門連絡会ごとの交流が多く持たれたことにより、産別間の連携が強化されたことは評価したい。また、全部門においても各産別の方針や交渉結果の付け合わせによる情報の共有化につながったことを確信するものである。部門別交流を通じて、共有した好事例を参考に、他の産別でも同様の取り組みを展開したことは評価したい。

(4)中小・パート労働条件委員会≪規模間格差の是正(中小の賃上げ要求)≫
1)中小・パート労働条件委員会の活性化により、地場での取り組みを強化することを目標にしながら、今次闘争期間中に3回の委員会を開催した。非正規労働者の課題についても全単組が要求化することを方針化し、「職場から始めよう運動」の展開により、日常的なコミュニケーションを深め、組織化を意識した取り組みを展開した。また、大企業と中小企業の賃金格差の是正に向けて、中小組合の処遇改善原資を確保することや、公正取引が実現する社会の実現を求めた。特に、フード連合が、5月26日に「優越的地位の濫用」防止に向けた取り組みとして、公正取引委員会北海道事務所の方との意見交換会を行った。当日は連合北海道もオブザーバーとして参加し、下請け企業が消費税増税分の価格上乗せを求めても、納入先の大企業に拒否される例が後を絶たない現状に鑑み、フード連合「取引慣行に関する実態調査」の結果も交えて、改善に向けた対策等について情報交換を行ったことは評価したい。なお、連合北海道として、昨年実施した公正取引委員会北海道事務所と経済産業省北海道経済産業局への要請行動が実施できなかったことは反省すべき点である。
 一方、企業規模間の賃金格差を解消するために、昨年に引き続き、賃上げ目標を「率」から「金額」へ変更することで格差是正の取り組みを加速させる賃金引き上げ要求方針を掲げた。中小労組のほとんどは賃金制度が未整備であることから、(ア)中小の賃金カーブ維持分の4,500円、(イ)連合加盟組合全体平均賃金水準(約30万円)の2%相当額(6,000円)とし、計10,500円以上の月例賃金要求水準の目安を決定した。また、パート等非正規労働者の「時給1,000円」への引き上げ及び時間給37円の引き上げ、「企業内最低賃金の締結」、「総実労働時間縮減・時間外等割増率引き上げ」などのミニマム課題について、中小・パート労働条件委員会の中で意思統一をはかり、要求作りから交渉に至るまで産別や地域が関わりを強めるという情報の共有化が図られたことは評価できる。
2)各地協の取り組みとして、石狩地協では、連合未加盟17組合に対する企業訪問を実施し、労務担当者との意見交換の場を持つ等の要請オルグを行い、また、渡島地協では、3年目となる地協自らが企業訪問を実施し、経営側と地協事務局長との会談により、地場・中小交渉の一助となる行動を展開した。さらに、十勝地協では、一昨年から取り組んでいる「産別・単産・単組間交流」を開催し、また、「線別交流(5線)」「一地区一学習会運動」の取り組みなど、特筆すべき取り組みを展開している。これらの取り組みは、「目に見える連合」をアピールしつつ、組織拡大の取り組みと併せた行動を実践している好事例であり大いに評価したい。
3)次に、2015地域ミニマム運動の取り組みについて、2014年度の地域ミニマム賃金実態調査は、8産別4地協から70組合3,843人(昨年比1,190人増)が参加した。賃金調査の概要が示され、調査に協力頂いた産別、地協に対して、交渉に役立つようフィードバックした。
300人未満、賃金制度が確立されていないところを基本的な調査対象としており、今年は3,000人のサンプル目標が達成できた。昨年より大幅に参加組合が増えた理由として、フード連合、自治労公共民間労組、情報労連の単組が、産別タテで連合本部が集約した資料の提供が付加されたためである。なお、業種別構成比では、製造業が12.3%(昨年28.2%)、交通・運輸業が31.56%(昨年31.0%)、商業・サービス業が56.07%(昨年40.6%)となり、製造業が半減し、商業・サービス業が過半数を占めた。また男女構成比は、男性3,144人(81.8%)、女性699人(18.18%)となった。
4)今年初めて、最低到達水準として、連合リビングウェイジにおける単身世帯および2人世帯(父子家庭)の水準をクリアすることをめざす方針を掲げたが、踏み込んだ議論には至らなかった。賃金水準の上げ幅だけではなく、絶対水準を重視した取り組みを行うことが、社会全体の「底上げ・底支え」や「格差是正」に必要不可欠であり、地域ミニマム運動における個別賃金実態調査から算出した北海道の「賃金特性値」や「代表・中堅銘柄」の活用について、連合北海道と各産別において議論を深める必要がある。また、賃金相場波及の取り組みとして、地場賃金水準の開示(地域ミニマム業種別特性値)に注力し、地域における職種別賃金の相場観を高める運動を進めていくことを提起した。この取り組みは、地場には地場の水準があることから、この水準を情報発信し、未組織含めて我が産業は道内でどれ位の位置にあるのかを示し波及力を強化する取り組みであったが、十分な運動を進めることはできなかった。次年度の課題として、先進的な地方連合会の運動に学びながら、検討を深めていく。

(5)雇用確保・創出に向けた取り組み
1)「新卒者支援、雇用の維持・創出」全道キャンペーン
「新卒者就職支援 全道キャンペーン」の取り組みは7年目を迎えた。経済・雇用対策は行政・経済界・労働界などオール北海道の課題と位置づけ、その一翼を担うとして、今年は、1月30日から2月20日の間、各地域で開催された「春闘討論集会」前段を中心に、地元地協・地区連合と連携し自治体・商工会議所・建設業協会・農協・漁協・学校など100箇所を越えて訪問し、新卒者対策強化や官製ワーキングプア解消などについて要請行動を展開した。
 自治体におけるキャンペーン行動の時期については、一昨年から地協段階において、次年度の予算編成に間に合う10〜12月の間に実施しており、地域における取り組みがより一層定着するよう次年度以降も取り組みを継続することとしたい。
 地域で出された意見は、経済5団体(2月27日)をはじめ、労働局(2月27日)、北海道(3月3日)に対する要請行動の中で意見反映してきたが、引き続き、北海道や労働局の各種審議会や検討会議、また、毎年提出している「要求と提言」などを通して、政策実現に向けた今後の取り組みに反映したい。
2)「就職活動応援セミナー」、若年者雇用応援シンポジウムなどの開催
 近年、若者を使い捨てにする、いわゆる「ブラック企業」が問題化するなど若年者雇用の課題は山積し、働き始めたあとにも問題があり「不払い残業、休日手当、割増賃金未払」、「嫌がらせ・セクハラ」などにより、新卒者の離職率は依然として高止まり傾向にある。
 特に、北海道労働局調査による道内高校新卒者(2011年3月卒〜2013年3月卒)の3年以内の離職率が、50.5%(全国平均39.6%)と、2人に1人以上にのぼっている。連合北海道は、構成組織や関係団体の協力のもと、以下の取り組みを今年も展開した。
(ア)全国の連合初「就職活動応援セミナー」の開催
 これまで計7回(2011年度3回、2012年度2回、2013年度1回、2014年度1回)を数え、延べ1,200人の学生が参加した。インターネットの普及により激変・過熱する就活に対し、「就活テクニック」を提供するセミナーではなく、「辞めない会社選び」「働く側からの目線」などをキーワードとして、定着してきたといえる。このセミナーは、「就職(内定)がゴールではなく、スタート」として、学校の就職課からの強い要望により、「学校」から「職場」への円滑な移行、すなわち、ミスマッチ対策を図るために、連合北海道だからできるセミナーとして誕生した。継続的な取り組みの結果が成果として現れているといえる。
 また、大学(北海学園)において就活応援講座を2回(12月、2月)開催した。昨年9月に連合北海道で5名の学生をインターンシップで受け入れ、その際に参加した学生から好評を得たことから、一部自治会の主催、大学のキャリア支援センターの後援も受けて、就活応援セミナーのミニチュア版として「就活とワークルール」というテーマで講座を開催した。若者雇用とブラック企業に詳しい連合北海道組織対策局長の講演後、学生から囲まれ質問攻めにあうなど大きな反響があった。
(イ)「酪農業(一次産業)を支える若者雇用応援シンポジウム」の開催
 このシンポジウムは、酪農ヘルパーや酪農家から、連合北海道労働相談ダイヤルへの労働相談をきっかけに企画されたものであり、これまで3回(2013年10月、2014年2月、11月)開催してきた。酪農ヘルパーは全国で約2,000人(うち約800人が北海道)おり、酪農家の休日確保や突発的な事故が発生した場合や冠婚葬祭などの日に、酪農家に代わり飼育管理を行う酪農経営に不可欠なパートナーである。農業経営が多様化し雇用労働者が増える中にあって、林業を除く第一次産業が労基法の休憩・休日に関する規定の適用除外(41条該当)となっている課題や、賃金水準、人員体制、社会的地位の確立などの課題がある。これまで3回のシンポジウムでは、農水省、酪農ヘルパー、酪農関係の大学、専門学校の方々の講演と意見交換の場を設け、また、3回目は酪農の本場である帯広市において、地元市長、牧場経営者から持続可能な一次産業を目指す視点で「フードバレーとかち」や次代を担う若者が安心と意欲を持って取り組める農業を目指しての講演を受けるなど、第一次産業の労働者や酪農ヘルパーの労働実態、労働条件や労働環境整備の必要性や課題に対する認識が高まったものとなり参加者からも好評を博した。
(ウ)新入社員研修会での講演
 地域(深川)の商工会議所・地方中小企業相談所主催の新入社員を対象とした「フレッシュマン スキルアップ研修」が今年3月に開かれた。入社を目前に控えた30人が、社会人としての心構えや話し方などを学ぶこの研修会に、前述同様、組織対策局長が講師として招かれた。「新入社員版ワークルールかるたゲーム」で学習し、北海道作成の「働く若者ルールブック〜これから就職するあなたへ〜」をもとに解説した。この講演を通じて参加者は、入社先は異なるものの「地域の同期入社」を意識するようになり、また、参加者から大きな反響を呼んだことは意義あるものといえる。今後も、経済団体をはじめとする様々な人たちと共に地域経済発展をめざし、若者が安心して働き続けられる環境づくりと同時に、不本意な早期離職をなくすための取り組みを進める。

(6)非正規雇用労働者の労働条件改善の取り組み
 連合は、2015春季生活闘争において、「すべての非正規労働者の均等処遇の実現に向けて取り組む」ことを基本とし、非正規労働者の置かれた状況等が様々であることを十分に踏まえた運動を展開した。
 連合北海道は、道内雇用労働者の42.8%、95万6千人(全国38.2%、2,043万人)を数えるパートや有期契約、派遣、季節労働者などの非正規労働者の賃金・労働条件の改善に重点的に取り組むことを発信した。具体的には、労働組合のない職場で働く労働者をも含めた社会的な波及と組織拡大をめざし、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となり、「非正規労働者の時給引き上げ」「職場から始めよう運動の展開」「企業内最低賃金の取り組み」「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」を始めとした取り組み(行動)を展開することを提起した。
1)「職場から始めよう運動」の展開
 非正規労働者の処遇改善と組織化をめざし、職場組合員の理解浸透を図ることを目的に、「職場から始めよう運動」を通年的な取り組みと位置付けて展開してきた。
(ア)連合北海道では、北海道庁・労働局・経済5団体に対する要請行動を実施し、非正規労働者の時給引き上げをはじめ、法令の周知・遵守等、非正規労働者の処遇改善を訴えてきた。また、各産業別部門連絡会や中小・パート労働条件委員会などの諸会議においても、非正規労働者の処遇改善、組織化などの取り組みの情報交換を行うことができた。
(イ)一方、構成産別(単組)では、2015春季生活闘争の時期を捉え、声かけなど職場における日常的なコミュニケーションを深めながら、「職場点検活動の実施」運動と連携し、非正規労働者の実態把握に努めることなどを、労使交渉本格化の前段を中心に取り組むことを提起し、また、労働者保護ルールの改悪が目論まれている中、今次闘争においても、法令遵守や労働条件の点検、正社員への転換ルールの明確化・導入・促進など法規定を上回る制度整備を図ることを求め、最低でも「就業規則と同様の労働協約を締結する」取り組みを昨年同様に展開した。
 自治労では、2013春闘から3年スパンで非正規公務員の雇用上限の撤廃や雇用継続の運動を集中的に展開している。1月に自治労非正規職員と連合古賀会長との対話集会を皮切りに、2月には自治体非正規職員の不安定雇用・低処遇の実態をチラシ配布含めた街頭宣伝活動で道民に訴える行動を実施した。また、UAゼンセンでは、人手不足の観点で優秀な人材を確保しようという流れの中で、正社員よりも高い妥結額を引き出した組合もあった。さらに、運輸労連のある単組でも、トラックドライバー不足を背景に、非正規の正規化を実現した。
 一方、十勝地域ユニオン・協会病院労組では、非正規の休暇を正規並みに要求した結果、忌引き休暇や結婚休暇の改善を勝ち取ったことや、同地域ユニオン慧誠会労組(保育部門)では、昨年、非正規から正規化への道が実現し、今年はその年数短縮(3年勤務で4年目に正規化)がはかられ、また、労働安全衛生委員会を設置させたこと、留萌地域ユニオン・羽幌福祉分会では、労使交渉によって、非正規を含めた配分交渉を行っていることにより、運営が透明化され役場からも信頼を得ていることなど、着実に非正規労働者の処遇改善に向けた取り組みが浸透しつつあることは評価したい。
(ウ)各地協(地区連合)では、月例賃金の引き上げ、誰でも時給1,000円の実現に向けた地域での世論喚起、街頭宣伝活動を行い、昨年に引き続き、広く社会にアピールする取り組みを各地域で展開することができたことは成果といえる。また、昨年同様、いくつかの地協では、地場・中小労組の企業訪問や会社との団体交渉への参加により、労働者の置かれている実態を認識させるとともに要求が前進・実現するなど、組織拡大の取り組みと併せた行動を実践している。このような好事例について、今年度は開催できなかったが、地協間の情報交換の場を設定する等、全道的な取り組みとなる方針の確立を進める必要がある。
2)「官製ワーキングプア解消」に向けた取り組み
 自治体の公務職場では、3人に1人が臨時・非常勤職員となっており、官公部門産別においても、非正規労働者の現状把握から課題解決に向けた取り組みを展開し、組織化の具現化に取り組んでいる。また、地協・地区連合による「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」は、新卒者に関わる社会的キャンペーン行動と連携して毎年取り組み定着してきている。自治体要請を通して、屋根下で同じく働く非正規労働者や、公契約下の企業・団体で働く労働者の実態、地場・中小を含めた地域の労働者の実態を考え合う機会を作るとともに、地協・地区連合の連携を更に強めて取り組みを継続する必要がある。

(7)最低賃金引き上げの取り組み
1)企業内最低賃金
 連合は、最賃協定を通じた格差是正を推進するため、最賃協定の適用労働者拡大を今次春季生活闘争方針に明記した。すべての労働組合で適用労働者を拡大したうえ、少なくとも生活できる賃金水準(連合リビングウェイジ)の確保をはかること。また、経験豊富な労働者の時給が未経験の高卒初任給を下回らないよう仕事にふさわしい水準をめざすことを提起した。
 連合北海道は、2月24日に第1回、6月1日に第2回の最低賃金対策委員会を開催し、2015最低賃金の取り組み方針と「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャンペーン行動、6月議会意見書採択、署名行動など、世論喚起の取り組みについて意思統一をはかった。特に、「連合リビングウェイジ時間額(北海道は890円)」、2013高卒初任給(時間額916円)を目安にした賃金水準やセーフティネットとして実効性の高い水準をめざすこととし、また、特定最低賃金の改定にあたっては、地域別最賃を上回る水準の維持が求められる。さらに、地域別最低賃金は昨年生活保護費との乖離解消後の大変重要な年となっており、審議会議論では、道民世論の盛り上がり次第によっては、最低賃金の金額審議に大きな影響を及ぼすという公益側の考え方もあることから、連合北海道として初めての取り組みとなる「署名行動」を強力的に展開した。
 その結果、今次闘争の中で、優秀な人材を確保しようという企業内労使の合意が功を奏し、企業内最低賃金を月額3,500円の改善を勝ち取った単組も含め6つの単組で一定の取り組みの成果が出たことは評価したい。引き続き、次年度に向けて好事例を参考にしながら、水準引き上げに向けた取り組みに全力を傾注していく。
2)北海道地域最低賃金
 中央最低賃金審議会は、7月1日から4回の小委員会審議を経て、7月30日に開催された審議会(本審)には小委員会報告(公益委員見解)をもって答申とされた。Aランクは19円、Bランクは18円、C・Dランクは16円の目安とし、全国加重平均は過去最高の18円となった。
 北海道地方最低賃金審議会(本審)は、6月3日を皮切りに計4回開催し、また、専門部会も、計5回の審議を重ねた。労働者側は、昨年の答申を十分尊重し、最賃近傍の労働者の「最低賃金の水準」議論を積極的に進め、本来あるべき賃金水準に引き上げ、有効なセーフティネットとして十分機能するよう訴えた。特に、物価上昇以上に最低賃金を引き上げ、かつ、組織労働者の賃上げ以上の引き上げが必要であることを訴えるとともに、「最低賃金の大幅な引き上げを求める道民署名」約18万人の声を反映して審議することを主張した。また、額に汗して実直に働く労働者の賃金が、生活保護水準と逆転は解消したものの、時間額で全国最低の9円の差にとどまっていることから、働くことに意義を見出す水準議論を尽くし、昨年以上の大幅引き上げに最大限努めるよう強調した。
 しかし、使用者側は、地域の経済状況や生産性、企業の支払い能力の限界を強調し、「中賃目安の16円」を大幅に下回る額の提示に固執し、審議会議論は激しいやり取りとなり、発効日も昨年同様に遅れる状況となった。労使譲らず激しい審議が続く中、公益委員から「中賃目安などを考慮する必要もあり、16円の引き上げ」が提案された。労働側は、引き上げに伴い、全労働者に与える影響率が14.84%(昨年11.0%)、パート労働者に至っては37.4%(昨年26.9%)と極めて大きいことや、使用者側が初めて16円の引き上げに合意したことなどから厳しい判断を迫られた。
 最終的には、8月12日夕方、北海道地方最低賃金審議会は、労使一部反対により、現行748円から16円引き上げ、764円に改正し、10月8日から発効することで結審した。
 今回の改定額について、道民署名18万人の声が審議会に十分伝わらなかったことは極めて残念であると言わざるを得ない。足元の物価上昇を考慮した生活できる水準という要求からしても納得できる改定額とは言えない。一方、1993年に次ぐ22年ぶりの高い引き上げ額であることや、引き上げに伴い35万人を超える労働者に影響を与え、多くの労働者の賃金引き上げに反映されるものと受け止めるものである。また、昨年と同様、労働者側が主張してきた800円、1,000円への引き上げに向けた道筋を付けるための表記が答申書に記されたことから、この答申書を足掛かりに、引き続き、賃金水準の議論を深めながら最低賃金の大幅引き上げに取り組んでいく。
 また、答申において、昨年同様、行政機関の業務委託に関わり、最低賃金の履行確保に支障が生じることがないよう、発注後においても特段の配慮を要望するとされたことから、地協・地区連合段階で、自治体等に対する要請行動を展開してきたことは評価できる。
3)特定(産業別)最低賃金
 地域最低賃金審議終了後、関係業種の最低賃金改正必要有りとの確認を受け、9月11日に4業種合同の専門部会が開催され、以降、4〜5回にわたる専門部会において金額審議を重ねてきた。
 連合北海道最賃対策委員会は、特定最賃の意義と役割について、労使間で共通認識を持ち、優秀な人材の維持・確保を求め、そこに働く人たちの処遇改善のために、地賃比115〜120%の優位性確保を目標として進めてきた。鉄鋼は18円、船舶及び乳糖は11円、電気は10円の引き上げとなり業種別にバラつきのある結果となった。今後とも特定最賃の取り組み強化を目指す。
業 種 時間額 引上額 引上率 地賃比率 部会採決日 発効日
鉄 鋼 876円 18円 2.10% 114.7% 10月1日 12月1日
電 気 804円 10円  1.26% 105.2% 10月1日 12月1日
乳 糖 813円 11円 1.37% 106.4% 10月7日 12月6日
船 舶 810円 11円 1.38% 106.0% 10月6日 12月5日

(8)ワークルール(労働関係法令遵守)の取り組み
 政府は成長戦略の柱に「規制改革」を位置付け、労働者保護ルールの改悪を目論んでいる。
 連合は、民主党政権時代に改正された「労働者派遣法」「労働契約法」「高年齢者雇用安定法」を、着実に職場に活かすことが必要であり、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善をはじめ、就業者が9割近くを占める「雇用社会」であるわが国において、デフレ経済から脱却し経済再生を実現するためには、労働者保護ルールの緩和・改悪ではなく、働く者の雇用安定と処遇改善をはかっていくことこそが重要であると発信した。
1)労働者派遣法、労働契約法、高年齢者雇用安定法の遵守・点検などの取り組み
 労働基準法等の法令遵守の点検では、2012年改正労働者派遣法への的確な対応をはかるため、派遣先労働組合として派遣労働者の受け入れや労働条件への関与を強化すること。また、2012年改正労働契約法の趣旨を理解し、労働条件の点検と正社員への転換ルールの明確化・導入・促進など、法規定を上回る制度の整備等をはかる取り組みを提起した。ある産別では、派遣労働者の組織化で派遣元から派遣先に変更した取り組み方針を確立したが、組織化には至らなかったことは残念である。引き続き、粘り強く取り組みを進めていく必要がある。また、高年齢雇用安定法への対応として、60歳以降の就業を希望する者の雇用確保について、今次闘争では、経過(移行)措置期間中であるものの、昨年に引き続き希望者全員を対象とした65歳までの継続雇用とする労働協約の締結に向けて労使協議を行う方針を掲げた。ほとんどの組織が労使合意を得て就業規則を改定しており、道内企業では1.1%(62社)において、雇用確保措置自体が未実施と大幅に減少している。定年延長を含めると継続交渉中の組織は多いが、まずは一部、未確認の産別・単組の点検を進めていく必要がある。
2)職場点検活動の取り組み
 今次闘争において連合は、すべての組織が、いわゆる「ブラック企業」問題を生じさせないことも含め、法律・労働協約の遵守や安全問題への対応を徹底させ、公正なワークルールの確立をめざすことを提起した。特に、今年度は適正な労働時間管理、非正規労働者の年次有給休暇取得の周知、派遣労働者の受け入れに当たっての労使協議などを中心に取り組むことを発信した。具体的には、中小・地場組合の点検活動を強化するため、「職場点検活動のポイント」を活用し、ワークルールの遵守・徹底に取り組んだ。連合北海道は、職場点検活動を際に留意すべきチェックポイント14点<1)非正規労働者のワークルール、2)雇用、3)男女平等、4)ハラスメント、5)労働時間、6)安全衛生>を明記して進めたが、今次闘争期間中の産別の取り組み内容の把握には至らなかったことは反省すべき点といえる。
 なお、人手不足が多くの業種で生じており、交通運輸部門では、長時間労働が運輸・タクシードライバー不足の要因となっている。月例給に歩合制の割合が高い現状のあり方検討と合わせた長時間労働の見直しを進め、若年労働者が集まる業種とする必要性が声として挙がっている。
3)医療(看護師)職場の意見交換会の開催
 看護師・準看護師として働いている労働者数は、全国で約140万人にのぼり増加傾向にあるが、2025年までに200万人の就労看護職員が必要とされている。しかし、2012年度の新卒看護職員の離職率は7.9%(常勤看護職員の離職率は11.0%)にのぼり、時間外労働の常態化や休暇取得の低さなどが労働環境を厳しくしている理由にある。連合北海道は、今回初めて、医療(看護師)職場の意見交換会を開催し、2013年に連合の研究委員会が作成した「看護職員の夜勤・交代制勤務のガイドライン」を学習するとともに、参加した9病院21人から各病院職場の実態を報告頂き情報共有をはかれたことは成果といえる。2015春季生活闘争において、各構成組織が看護職員の処遇改善に向けた要求を掲げ、その実現をめざしていく場として設定し、参加した看護職員からは大変役に立つ有意義な交換会であったこと。また、参加者全員が継続開催を希望するというアンケート結果もあり大きな反響を得たことは評価できる。次年度以降も、医療職場の労働環境の改善、就業規則の点検等を通じて医療技術者の確保を進めていく必要がある。なお、地域ユニオンの病院労組では、診療報酬の引き下げで病院収入が非常に厳しいことを全面に出されたことにより交渉が難航し、総じて昨年より厳しい妥結結果となったとの報告も受けており、政策・制度要求として取り組みを強化していく必要がある。
4)労働相談ダイヤルなどの実施
 2月12日〜14日に全国一斉「なんでも労働相談ダイヤル」(テーマ:ブラック企業労働相談ダイヤル)を開設した。相談告知の地協での街宣、雪祭り期間における大通とススキノでの街頭放送の実施、ラジオCM「カーナビラジオ 午後一番!」、HBCビジネスネットワーク出演、新聞(3社)など、告知の取り組みを強化したことにより、期間中の電話は35件の相談が寄せられた。
また、6月11〜12日にも「女性のための全国一斉労働相談」を開設した。相談告知の取り組みとして、全道1万6600枚のチラシを作成し、札幌では6月6日に周知街宣行動を展開した。

3.政策・制度要求の実現に向けた取り組み
 「2015年度 政策・制度実現の取り組み」と「2015春季生活闘争」における賃金・労働条件改善の取り組みを「運動の両輪」として、すべての労働者を対象にした生活改善・格差是正の運動を強力に進めてきた。
(1)「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャンペーン第3弾の取り組み
1)連合は、昨年9月25日に行動開始宣言集会を開催し、「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」キャンペーン第3弾の取り組みを開始した。同時に、東日本は北海道旭川市、西日本は沖縄県石垣島から全国縦断アピールリレーをスタートし、12月5日の東京到着集会をめざしてアピール行動を全国で展開し、通常国会における連合が掲げる7つの最重点法案の実現を求め、6月末の第189回通常国会終了までを視野に入れた活動を展開する方針を提起した。
2)連合北海道も、昨年9月の全国行動を起点として、全道キャンペーン第3弾の取り組みをスタートした。運動課題としては、1)「残業代ゼロより過労死ゼロ」「生涯派遣で低賃金につながりかねない派遣法改悪にNO」など、労働者の使い捨てを許さない、2)最低賃金を「全国最低800円」「全国平均1,000円」への引き上げとセーフティネットの整備などを通じ社会の底上げをはかる。同時に、均等待遇をめざし、非正規労働者の処遇改善をはかる。3)年金積立金の確実な運用、地域福祉(医療制度、介護保険制度、財政支援)の充実をはかる、4)労働者の権利と行使の意識づけをはかり、集団的労使関係の輪をひろげる、5)地域の暮らしを守るため、地方財政の総額確保、税財源の確立をはかる、6)「特定秘密保護法」の廃止、憲法解釈の変更による集団的自衛権行使の容認反対の6本柱を掲げて道民世論の喚起を促すこととし、連合北海道、構成組織、単組、地域協議会、地区連合が総力を挙げた全道運動を展開することを提起した。
3)第1ゾーン(9月25日〜12月末)の取り組みの全国縦断アピールリレー全道キャラバン行動では、9月25日に旭川市を出発し、10月3日の函館集会までの9日間、全道4地域で集会を開催し、約1,000人近い組合員が結集。各地域の盛り上がりにより、街宣車1台で全行程2,800キロを走行した。また、道内42箇所で街頭演説、アピールリレー4箇所、自治体要請行動7箇所を実施し、行く先々の多くの道民に世論喚起をはかるなど、第3弾の取り組みを全道的にスタートできたことは評価したい。また、第187臨時国会に政府から提出されている労働者派遣法改正案の成立阻止にむけ、10月29日、道内選出連合推薦国会議員5人に対する要請行動を実施した。さらに、11月12日、14日には、凍える雪の中で札幌駅南口、札幌パルコ前にて、緊急街頭行動を実施し、産別・地協・地区連合の組合員のべ69人により6,000枚のチラシを配布した。結果として、11月21日に衆議院が解散し労働者派遣法改正案は廃案となった。
 12月5日には全国縦断アピールリレー東京到着集会が開催され、北海道でも連合北海道、石狩地協共催による12.5全道総決起集会を開催、310人の組合員が結集し、「労働者保護ルールの改悪阻止!働く者・生活者のための政治勢力の拡大をめざそう!」と訴えた。衆議院選挙投票日1週間前の集会であったが、多くの組合員が結集し、一人ひとりの投票行動で、今の政治の流れを変えるための契機となったことは意義あるものといえる。
4)第2ゾーン(1月〜3月末)の取り組みは、春季生活闘争と統一自治体選挙の取り組みと連動し、労働政策審議会や社会保障審議会年金部会などの議論を地域や職場に伝え、問題意識の共有化をはかるとともに、年金積立金・GPIF問題について市町村議会での意見書採択や構成組織・単組、地方連合会・地協での取り組みを進めることが提起された。
 北海道においては、春季生活闘争、労働者保護ルール等に係る北海道独自に作成したテープ街宣行動などを多くの地域で取り組むことができ、また、連合北海道・石狩地協では、3月16日、18日、20日の3日間、札幌パルコ前、札幌駅南口、地下鉄麻生駅にて、統一自治体選挙との連動を意識し、3人の道議会議員等の応援弁士をアピールしながら、「長時間労働を助長する労働基準法改正に断固反対」等の横断幕を産別役員が持ち、道民にアピールした。この行動には、マスコミからの取材も多くあり、春季生活闘争と連動して労働者保護ルール改悪阻止を道民に訴えることができたことは評価できる。
 また、学習会の開催については、連合北海道主催、石狩地協とNPO職場の権利教育ネットワークの共催により、2月26日に労働者保護ルール改悪反対学習会を開催し、160人を超える組合員・市民が参加した。学習会では高度プロフェッショナル制度や解雇の金銭解決課題の講演を受け、その後、キャンペーン第3弾の取り組みを提起し、各種行動への結集を訴えることができた。
5)第3ゾーン(4月〜6月末)の取り組みでは、5月1日のメーデーにおける特別決議の採択を皮切りに、5月連休明けからは、労働者保護ルールの国会審議が行われることにあわせて、全国各地で世論を喚起する「全国統一行動」として街頭行動を展開した。同時に、5月15日と6月12日の第二波による国会周辺での座り込み行動、国会請願要請、集会等の行動には連合北海道からも参加し、要求実現のための大衆行動を展開した。あわせて、年金積立金運用とガバナンスの問題、最低賃金引き上げについても、連合の考えを全国で幅広く訴える取り組みが提起された。
 北海道においては、5月7日から27日までの21日間で、「全道キャラバン行動」を展開した。
全13地協にわたるキャラバン行動では、テープ街宣や街頭演説行動に取り組むことができたことは評価できる。十勝地協、上川地協では、最低賃金の大幅引き上げを求める街頭署名行動も展開することができたことは評価できる。
 また、5.27全国統一集会では、インターネット中継で東京会場と全国260地協をつなぎ、全国統一行動の意志結集が図られたことは評価できる。道内では、10地協11箇所で集会を開催し、全道(札幌)集会では、650人の組合員が結集し、集会終了後、デモ行進も実施した。
 全地協、地区連合、構成組織が総結集し、世論喚起を促すことができたことは大きな成果といえる。また、これらの行動記録について、全道キャンペーン通信NO.27〜38を発行し、キャンペーン第3弾の取り組みの共有化が図られたことも評価したい。

(2)地方財政確立に向けた取り組みについて
1)政府は、1月の閣議で、2015年度政府予算案を決定し、地方財政は、歳入・歳出規模を85兆2,700億円(同比+2.3%)に増額し、歳入のうち地方税等と地方交付税を合わせた一般財源総額は過去最高の61兆5,485億円(同比+2.3%)と1兆1,908億円もの増額をはかった。2014年度に創設した行革努力を算定する「地域の元気創造事業費」に加え、地方創生の取り組みに応じた成果配分を強化しようとしており、客観・中立であるべき地方交付税算定に反する極めて問題のある内容である。特に、全国自治体の3割が給与削減を実施しておらず、その多くは北海道の自治体となっている。連合北海道は、政策・制度課題と位置付けて、3月3日、北海道への要請行動の中で、「地方財政の確立などに関する要請書」を提出し、地方交付税の算定にあたっては、地域の特性・事情に鈍感である国が政策誘導的に行革指標を用いて算定する方法に重きが置かれた内容であり、指標に「職員数削減率」「人件費削減率」などが用いられ、自治体の給与復元や地域経済にも影響することから、地方の独自性強化と地方自治の発展に寄与する算定方法に改めるよう国に要請するよう求めてきた。
2)一方、北海道職員の給与については、16年目となる全国最長の独自削減を続けている。
 連合北海道は、道職員及びその家族に多大な影響を及ぼすばかりでなく、地域の民間企業などの給与に大きな影響を与え、冷え込んでいる地域経済をさらに悪化させることから、地公三者共闘会議の要請により、山場前日の1月27日に開催された全道総決起集会への連帯挨拶に駆け付け、石狩地協・札幌地区連合、民間組合の仲間も組合旗を持参するなどの激励行動を展開した。道財政再建・地方財政確立の取り組みを通じ、「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャンペーンの課題、春季生活闘争の前段のたたかいと位置付けて多くの産別・単組・地域の仲間が総決起できたことは意義深く、大きな成果といえる。
 引き続き、行政サービスの低下を許さず、希望と安心の社会づくりに向けて、地方財政確立に向けた取り組みを進めていく。

(3)地域活性化フォーラムの開催について
 人口減少、少子高齢化社会の中で、今後の北海道経済をどう活性化させるのか、極めて重要な局面を迎えている。連合では、「地域の活性化には地域の中小企業の活性化が不可欠」をスローガンに掲げて、地元における若者の雇用促進を通じた定着化を推進し、適正な公共サービスや取引関係の確立による中小企業の活躍促進などを、政策・制度要求として、その実現をめざしている。全国では地方連合会主催の地域フォーラムを全国14箇所で開催し、その一つが北海道である。
 フォーラムの開催は、これらの要求内容とその実施に関与する団体と連携し、労働者のみならず、行政、企業、住民を含め、あらゆる利害関係者が参加して地域全体の活性化に向けて必要な施策等について対話、意見交換を行い、様々なネットワークをひろげることを目的としている。
連合北海道は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向けて、「顔の見える連合運動」の展開を通じて地域全体の活性化につなげていくため、第1回目は、十勝管内における産業政策で、19市町村が一体となった地域活性化の取り組み(5年前「フ−ドバレ−とかち」)なども紹介しながら、8月29日に開催した。多くの市民、組合員の参加を促すと共に、各地協にあっては、十勝のフォーラムを皮切りに、毎年、地域において同様のフォーラムの開催を追求し、北海道経済の活性化をめざす一助としたい。

4.組織強化・拡大の取り組み
(1)労働条件の改善を、地場・中小企業、非正規労働者など未組織の労働者に拡げていくためには、組織化は不可欠であり、組織内外へ集団的労使関係(労働組合)の必要性を訴えていく必要がある。
 春季生活闘争の方針では、企業内で働く有期契約労働者、60歳以降の再雇用者、パート・アルバイトなど未組織労働者の組合員化や、組合のない子会社・関連会社での組合結成、未加盟組合に対する加盟の呼びかけを行うなど、組織拡大を積極的に進めること。また、グループ内派遣会社などの組織化も着実に推進することを方針として提起した。
(2)1月28日には組織拡大推進特別委員会及び30万連合北海道組織化キックオフ式、組織拡大学習会を開催し、組織化に向けた意思統一を図った。また、地域討論集会はもとより、中小・パート労働条件委員会、産業別部門連絡会や、各産別・地協の機関会議などの場で、集団的労使関係(労働組合)の拡大、30万連合北海道実現に向けた意思結集をはかることができた。
(3)昨年の連合北海道定期大会後、2015年10月15日現在、13産別86組合4,396名(内、非正規労働者組合員1,967名 占有率41.8%)を組織化した。各構成組織の努力もあり、非正規労働者の拡大が顕著である。組織内の拡大は一朝一夕で出来るものではなく、数年かけて組織化された産別・単組の取り組みに感謝申し上げたい。
(4)産別の取り組みとしては、1)UAゼンセンの3単組で、新たに組合を結成し、計1,500人近い新規拡大がはかられたこと、2)自動車総連の1単組で、新たに組合を結成し600人を超える組合員が誕生したこと、3)JP労組の1単組で、900人近い組織内拡大をはかったこと、4)全自交労連の2単組で、65歳定年後の嘱託職員の組合員化(ユニオンショップ協定の締結)をはかったこと、5)運輸労連では、系列会社の未加盟の組織化を展開中であること、などを紹介させていただく。引き続き、組織化の好事例を情報共有し、30万人連合北海道組織の実現に向けて、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となって取り組んでいく。

5.春季生活闘争を通じた労働者自主福祉運動の取り組み
 労働者自主福祉運動は、第2の賃金闘争として、可処分所得を引き上げるための有効な手段であり重要な役割を担っている。そのためには、労働者の相互扶助の原点である労働者自主福祉運動へ結集し、組合員・家族の生活向上に向けて、春季生活闘争の期間中を重点に2年目となる方針を提起した。また、方針化にあたっては、北海道労福協、事業4団体との意見交換会を開催し、今次闘争期における課題の重点化を方針とするよう促した。
(1)労働金庫、全労済、住宅生協、医療生協、道労福協の労働者福祉事業団体の運動推進スケジュールを明記し、各構成組織、地協における取り組みを進めた。
1)労金運動では、新入組合員対策として、労金の存在意義や一般銀行との違いを訴え、給振口座の開設や財形加入等、働く者のメインバンク対策を徹底し、また、今回新たに非正規労働者の生活の安定・向上に向けた非正規向け融資の有効利用、2)全労済運動では、「生活保障設計運動」の浸透、保障相談会などを通じて第2の賃上げを図ること、主要共済(自賠責共済、こくみん共済、火災共済)の取り組み強化、3)住宅生協運動では、新築・リフォーム予約キャンペーンの推進態勢を図る、4)医療生協運動は、組合員特典を活かした健康診断等の積極的受診や健診車による巡回健診事業への協力など、昨年の総括を踏まえ各構成組織が最大限取り組むよう提起した。
(2)産別・単組について、1)労金運動では、自動車総連の2単組で新人説明会を実施し、参加者全員が「Young pack」を受付することなど、各産別・単組の取り組みにより5月末で223件の成約件数という実績が得られた。加えて、紙パ連合をはじめ、いくつかの産別・単組で、職域活動費などを活用した単組での学習会の開催を通じ、労金の認知度を高め、フルキャッシュバック運動を進めた結果、30単組で新人説明会などを開催することができた。2)全労済運動では、産別共済がある中、重点共済を絞り込み、自賠責共済などを重点的に展開したという報告を頂いた。自治労では、各地で開催した春闘討論集会にて「自主福祉活動の推進」として提起し、渡島・檜山で1〜3月の自賠責新規27件を獲得したとの報告を受けるなど、一定の成果が出ている。なお、住宅生協運動並びに医療生協運動については、認知度を高めていく必要性を改めて全体で考えていく必要がある。また、多くの組合では、昨年同様、日常的な取り組みを展開しているという意見が多かったが、労働者自主福祉運動は、年間を通じた取り組みを進めていくことと、新年度のライフスタイル変化に即した対応を、全産別・地協と意思統一し、重点期間の取り組みを深化させていく必要がある。
(3)一方、全地協において、昨年に引き続き、地域討論集会、ウェルフェアスクールや地域総決起集会における事業団体との連携を図ることができたことは評価できる。特に、全労済運動では、各ブロック推進会議における目標達成に向けた活動展開により、生命系共済が西胆振ブロックにて、自賠責共済が空知ブロックにて目標達成することができたとの報告を受けるなど一定の成果があった。また、道労福協から地協経由で全産別(単組)へ「連帯・協同でつくる安心・共生の社会福祉へ」の冊子を配布したが、労働者自主福祉運動の学習会の開催については十分に把握するに至らなかった。

6.2016春季生活闘争に向けた取り組み
具体的には、本部方針を受けて北海道方針を提起・確認となるが、別紙「連合北海道2016春季生活闘争 基本構想(案)」を中心に、より具体化し全体が取り組める方針とする。

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