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資料:連合北海道第26回定期大会2号議案−2013春季生活闘争のまとめ
1.はじめに
(1)連合は2013春季生活闘争において、「傷んだ雇用・労働条件」の復元を最大のテーマに掲げ、給与総額の1%を引き上げ、経済社会の悪循環を断ち切り、デフレ下での低成長という状況から早期に脱却し、持続可能で安定的な成長軌道に回帰させることを発信した。
同時にすべての働く者のディーセント・ワークを実現するための大きな社会的使命と役割を背負った闘争と位置付け、賃金や労働条件改善の実効性を追求することや、組織・未組織の垣根を今まで以上に乗り越え、社会への波及力を強めた力強い運動を展開することを確認した。

(2)道内においては、1月26日の連合石狩地協を皮切りに、2月23日まで、道内13ブロックの地域討論集会に1,055人の地協・地区連合、産別・単組の組合員の参加を得て、今次春季生活闘争のスローガンである「すべての労働者の処遇改善を追求し、『働くことを軸とする安心社会』を実現しよう〜賃上げ・労働条件の改善で、デフレからの早期脱却」を求めて、闘いを進めていくことを意思統一し、闘争方針の徹底・浸透に努めた。
  その後、3月6日の2013春季生活闘争・第23回参議院選挙闘争勝利「全道総決起集会」には、1,500人の組合員が結集し、非正規労働者も含めたすべての労働者の待遇改善を求めて意思統一を図った。
 同様に、各地域においても、十勝地協総決起集会の900人結集をはじめ、21箇所の地協・地区連合、ブロックにおいて総決起集会を開催し、延べ3,426人の組合員が結集、また、2地協(渡島4/19、石狩4/22)においては、地場解決促進集会を開催し、地場・中小の底上げ、公契約条例の実現に向けた意思統一を図った。

(3)今季闘争の最大のヤマ場を3月13・14日に設定し、第1先行組合回答ゾーン(3月11日〜15日)、第2先行組合回答ゾーン(3月18日〜22日)、中小集中回答ゾーン(3月25日〜29日)、中小回答ゾーン(4月中)として、回答の集中化と情報の開示を積極的に行い、より波及力を高めることとした。また、4月後半以降の取り組み、地場中小の取り組みについては、産業別部門連絡会や中小・パート労働条件委員会で別途意思統一することとした。

(4)中央段階の7月1日最終集約で妥結に至った組合数は、5,575組合(4,326千人)である。このうち平均賃金方式4,598組合の回答水準を見れば、加重平均で4,866円(1.71%)となった。昨年も回答を引き出した同一組合4,181組合の比較では、加重平均で4,922円(1.74%)で、昨年比で46円増となった。平均賃金方式を取る中小労組3,481組合の回答は、加重平均は3,642円(1.53%)であり、昨年同一組合比較では24円増となっている。
 また、一時金について、年間一括要求の月数方式では、4.49ヶ月、金額方式では、1,451,397円で、昨年比月数で0.12ヶ月増、金額で30,283円増となった。
 さらに、非正規労働者の時間給の改善状況(7月1日集計)は、214組合から報告があり、単純平均で11.58円(昨年11.85円)となり、昨年よりも0.27円低い結果となった。今年から集計を始めた月給制の賃金引き上げ幅は単純平均で2,922円(連合試算の引き上げ率1.54%)であった。また、最低賃金協定の拡大・水準引き上げ、正社員化、定昇や一時金・退職金制度の導入など、多様な観点からの処遇改善への取り組みが進んでいる。
 本年4月1日より施行された「改正労働契約法」の改正趣旨を踏まえ、無期雇用への転換について法を上回る(18条関係)回答を引き出した組合もある。2013年から新設した「非正規共闘担当者会議」などを通じて、こうした先進的な取り組みを広く浸透させていくことが必要である。

(5)今季闘争期間中、連合北海道闘争本部で確認した中小支援の取り組み、非正規労働者の処遇改善課題については、着実に前進しつつあるあるが、改正労働関係法の実効性を図る取り組みを継続していく必要がある。また、連合がめざす政策・制度要求の実現に向けた取り組みとして、「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げキャンペーンの一環として実施した全道キャラバン行動を通じて社会に格差是正の必要性を訴えてきた。引き続き、道民世論の喚起を促す取り組みを継続していく。また、政府が目論む労働者保護ルールの改悪に断固反対し、さらには、「自治体財政の確保と地方分権の確立」や公契約条例・公共サービスの課題についても、引き続き、全体の課題として運動を展開していく必要がある。

2.北海道の取り組みの結果と評価
(1)景気・雇用情勢
(a)道経産局は9月の経済概況判断について、「持ち直しの動きが続いている」と公表し、3ヶ月連続の判断を示した。主要項目においては、生産活動が前月の「一服感」から改善し「緩やかな持ち直しの動き」、雇用動向も「緩やかに改善している」、個人消費は、2ヶ月連続「持ち直しの動き」に改善され、観光、住宅建設、民間設備投資も、持ち直しているとされ、公共工事は3ヶ月連続で、「増加傾向」にあるものの、技術者や機械確保が困難になってきている。
(b)北海道労働局は、8月の雇用失業情勢概要について、前月同様「厳しさは残るものの、改善傾向にある」と発表した。8月の有効求人倍率は前年同月比0.18ポイント増の0.74倍となり、43ヶ月連続で前年同月を上回り、8月としては0.71倍だった1992年8月以来21年ぶりの数値となっている。また、8月末現在、来春の新規高卒者の求人・求職状況では、求人倍率は同0.29ポイント増の0.77倍で、8月末で0.7倍を超えたのは、1994年以来19年ぶりとなった。
 さらに、この間、道・労働局・経営団体・教育団体・自治体などと共同で取り組んだ「新卒者対策」により、高卒者の就職率は、92.9%(未就職577人)と前年同期を4.9%上回り、19年ぶりに90%台の最高水準と発表した。また、新規大学等卒業者の就職率は、91.4%と前年より1.4%増加したことが発表されたが、引き続き、セーフティネット施策を駆使して早期就職に結びつけなければならない。

(2)賃上げの取り組み
(a)連合の賃金引上げの基本的なスタンスについて
 2013春季生活闘争を取り巻く環境は、歴史的な水準にある円高、世界的な金融市場の動揺と、厳しいものであった。連合は、危機を乗り越えるための原動力は「人」であり、組合員の意欲・活力を引き出すためにも「人への投資」が必要であると訴えてきた。共闘連絡会議を中心にすべての組合が「傷んだ雇用・労働条件」を放置することは許されないとし、1%を目安に適正な配分を要求するとともに、すべての労働者を対象とする5年目の取り組みとして、未組織、パート労働者を含むすべての働く仲間たちに闘いの輪を広げる取り組みを進めてきた。
 これまでの交渉で経営側は、いわゆる「6重苦」や、「先行きが見通せない」「グローバルな価格競争を生き残るためのコスト削減の一環として、総額人件費抑制」など、ミクロの論理にこだわり続けた主張を繰り返してきた。一部企業労使では収益改善動向に加え、労働力確保の必要性や、組合員の努力への配慮などから労働条件改善の回答を引き出しているが、こうした流れは全体のものとはなっていない。
 連合全体で6月末時点に妥結済みでその内容が判明している組合のうち、93.8%が賃金構造維持分(賃金カーブ維持分)を確認したものの、働く者の暮らしを底上げし、デフレ脱却につながるような賃金改善までには至っていない。
 一方、連合北海道は、3月4日に経済5団体との労使懇談会、北海道に対する要請行動、3月5日には労働局に対する要請行動を実施してきた。特に、経済5団体に対しては、経済団体の果たすべき役割として、デフレ脱却のためには、賃金や労働条件の底上げを図り、雇用が確保され、賃金が上がり、消費も増え、企業収入も増えると言う好環境を創るためにも、「経済団体としての社会的責任を自覚し、その役割を果たすべき」と強く訴えてきた。
 賃金引き上げ要求については、個別賃金重視を打ち出し、賃金の社会性を強く訴える内容とした。同時に、未組織労働者も含めたすべての働くものの労働条件改善に資するよう、賃金水準や賃金カーブ維持分(定昇相当分)の額を開示した。具体的には、「賃金カーブ維持分の確保と、給与総額の1%引き上げ」「非正規労働者の時間額1,000円以上への引き上げ」「1歳1年間差4,500円」とし、20歳151,400円〜40歳241,400円まで5歳区切りで水準を設定した。
(b)北海道の妥結状況
 9月24日現在(最終)までに妥結報告があった組合は233組合で、その内集計可能な組合は162組合(昨年同期131組合)で昨年同期比プラス31組合となっている。
賃金引き上げは、加重平均で4,586円(1.81%)、昨年を162円(0.07%)上回っている。規模別で見ると300人以上(47組合)が、4,878円(1.90%)、昨年比プラス208円であり、300人未満〜100人(58組合)で、2,825円(1.20%)、昨年比プラス240円となっている。また、99人以下(57組合)は、3,002円(1.45%)で、昨年比マイナス77円となり、昨年を若干下回る結果となっている。
 一時金については、210組合が妥結し、その中で集計可能な組合は、199組合(昨年同期159組合)であり、昨年より40組合プラスで推移している。年間一括要求の月数方式では、3.98ヶ月、金額方式は、914,388円で、昨年比月数で0.16ヶ月減、金額で3,832円減となった。半期(夏季)要求方式では、1.78ヶ月、金額では380,863円で、昨年比月数で0.18ヶ月増、金額で25,996円増となっている。また、半期(冬季)要求方式では、2.06ヶ月、金額では461,666円で、昨年比月数で0.32ヶ月減、金額で66,199円減となっている。
 また、「別途協議、業績連動、現状維持」との報告組合は、11組合(昨年23組合)あったが、昨年と比較して12組合減少しており、僅かながら改善したと言える。総じて昨年並みか、やや下回る結果となった。
 産業別の回答・妥結報告数では、金属・機械部門は昨年の30組合から49組合に、流通・食品・建設・一般部門は昨年の20組合から26組合に、交通・運輸部門は昨年の29組合から35組合にそれぞれ増加している。また、資源・化学・エネルギー部門の13組合と情報・サービス部門の9組合は、昨年とほぼ同数の報告数となっている。
 また、非正規の労働条件改善については、UAゼンセン傘下組合を中心に、15組合から報告があり、パート賃金(時間給)は、平均13.96円の引き上げとなっている。契約社員(月給制)で、1,500円の引き上げを獲得した組合が2組合あった。また、一時金では、年間2.9ヶ月を獲得した組合(1組合)、夏季1万円引き上げ(2組合)、夏季0.5ヶ月獲得(1組合)の組合があった。
2007年から2013年まで7年間の地域最賃引き上げ額は、毎年10円〜15円の幅で計90円となっており、なお、生活保護との乖離は7円残していることから、ここ数年は特に最賃動向を睨んでの回答という感が強くなっている。
 引き続き、地場・中小での交渉や未解決組合の交渉も続くことから、産別・単組、地域全体でこの交渉を盛り上げていく必要がある。
(c)成果と課題
1) 2013春季生活闘争は、2月12日に政府が異例の要請を経済三団体に行った事を契機に、「デフレからの脱却には賃上げが必要」という声が政府のみならず、マスメディア・各研究機関などからも主張されるなど、かつてなく注目される状況となった。
 「賃上げによるデフレからの脱却」という主張が、社会的にも認識され理解が広がったことは社会的運動の観点からも一定の役割を果たし得たものと受け止める。しかしながら、賃上げを含めた労働条件の決定は、当該労使の真摯な議論・交渉で決定されることが基本であることをしっかり認識した上で課題解決に向けて今後も取り組みを進めていく。また、われわれの主張をこれまで以上に社会的にアピールしていくことが重要であり、その具体方法の強化について検討する必要がある。
2) 賃金引き上げでは、300人以上、300人未満〜100人規模で前年水準を上回っており、各産別・単組の取り組みの成果として評価したい。一方、99人以下規模は昨年を下回ることとなった。今次闘争で、「大企業と中小企業の規模間賃金格差の解消」を重点課題に掲げてたたかったものの、昨年を下回る結果となったことは反省せざるを得ない。次年度に向けて共闘・支援態勢の取り組みを強化していく必要がある。
 規模別には格差があるものの、全体としては、賃金カーブ維持を確保し、概ね「昨年並み」の賃金水準を維持できたが、「格差是正」には至っておらず、我々の要求からすれば、決して十分とは言えない結果である。なお、厳しい交渉環境のなかで賃金カーブ維持といった最低限の目標は達成できたと判断する。
 特に、昨年は厳しい結果であった300人未満〜100人規模は、共闘体制が強化され、相場形成と社会的波及のための情報発信による中小組合の賃金の底支えができていると言える。引き続き、中小の底上げ、底支えを図り、全体の波及効果をより一層果たすことを連合全体として考えていかなければならない。
3) また、昨年に引き続き、エントリー登録組合の拡大などに力を入れてきたが、327組合の参加にとどまり、昨年の392組合から65組合も減少した。情報の共有化を図ろうとする産別・地協の努力とは裏腹にエントリーの拡大に結び付かなかったことは反省せざるを得ない。次年度の取り組みの教訓としたい。
4) 加えて、北海道は、地場・中小が多く、賃金制度が確立していない単組がほとんどである。昨年に引き続き、制度が未整備な場合は、制度の確立・整備を掲げて闘った結果、昨年同様、一部単組で賃金制度が確立されたことは成果と言える。しかし、多くの単組では制度確立に向けたテーブルにも上っておらず厳しい闘いを余儀なくされている。次年度に向けて賃金制度の確立に向けた取り組みを強めていく必要がある。
5) 一時金については、年収確保の観点から要求基準についても連合が示すべきとの意見もあるが、産業・企業において一時金が持つ性格等が一様でない現状を踏まえた要求の考え方を示していくことを検討する。一方で、中小組合・非正規労働者の賃金水準の底上げが喫緊の課題であり、月例賃金の改善を中心に据えた運動を引き続き行っていくこととする。
6) パート賃金の引き上げでは、昨年の「時給30円の引き上げ」から、今年は「誰もが時給1,000円」をめざす方針を掲げて闘った。妥結した15組合の結果では、1組合で24円を獲得したものの、1ケタ台が3組合、10円〜20円が6組合、契約社員月額アップ2組合、一時金の拡充等が5組合という結果である。業種別にバラつきのある結果だが、昨年と対比して着実に前進しており、十分とは言えないが、底上げの役割を一定程度果たしたと考える。

(3)「産業別部門連絡会」の開催
 春季生活闘争の枠組みについては、産業構造変化や同一産業内でも企業ごとに業績に乖離がある中では、特定の産業・企業がいわゆるパターンセッターを担い、トリクルダウン的に社会的波及を図ることが困難な状況を踏まえ、連合本部では、2009年に「共闘連絡会議」を設置した。これまでは「共闘連絡会議」が将来的に機能を発揮していくための助走期間中でもあったといえるが、2013春季生活闘争を機にこれからの共闘連絡会議の充実や闘争の枠組みになどについて検討を深めていくことが必要であるとしている。
 一方、連合北海道は、6産業別部門連絡会の活性化、産別による単組指導強化、地域内共闘強化を目指し、2010春季生活闘争から進めている期間中3回以上の連絡会開催や、企業内最賃協定の締結、昨年に引き続き「パートタイム労働者の待遇改善・組織化調査票」に基づく実態把握と好事例ライン作りに向けた情報交換、要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大などを目指してきた。
 今年も、昨年同様、ヤマ場前後に3回開催が実現され、部門連絡会ごとの交流が多く持たれたことにより、産別間の連携が強化されたことは評価したい。特に、資源・化学・エネルギー部門においては、出席産別の偏りを克服するために、地域へ出向き連絡会を開催したこともあって、議論も新鮮なものとなり、全部門においても各産別の方針や交渉結果の付け合わせによる情報の共有化につながったことを確信するものである。部門別交流を通じて、昨年、ある産別で要請行動や交渉ヤマ場での巡回折衝を展開するなど直接、各単組の経営側への働きかけを行い有利解決に向けた行動を展開したという好事例を参考にして、他の産別でも同様の取り組みを展開したことは評価したい。
 また、「パート・アルバイト・契約社員など非正規労働者の待遇改善・組織化調査(単組アンケート)」に基づく分析結果をもとにして、意見交換を通じた意思統一を深めることができたことは評価したい。次年度の産別・単組方針の作成に向けた素材として活用されることを期待する。

(4)中小・パート労働条件委員会≪規模間格差の是正(中小の賃上げ要求)≫
1) 中小・パート労働条件委員会の活性化により、地場での取り組みを強化することを目標にしながら、今次闘争期間中に3回の委員会を開催してきた。「全労働者を対象にした春季生活闘争」を目指して、賃金制度確立や処遇改善に向けた制度等の確立、非正規労働者の課題についても全単組が要求化することを意思統一するとともに、「職場から始めよう運動」の展開により、日常的なコミュニケーションを深めながら、組織化を意識した取り組みを展開することとした。
 具体的には、「給与総額1%の引き上げ」、「1歳・1年間差水準4,500円の確保」、「パートの時給1,000円」、「総実働時間短縮・時間外等割増率引き上げ」などのミニマム課題について、中小・パート労働条件委員会の中で意思統一をはかり、それに基づいた統一的対応が重要なポイントとなることから、要求作りから交渉に至るまで産別や地域が関わりを強めることとした。
2) 渡島地協では、昨年に引き続き、地協自らが企業訪問を実施し、経営側と地協会長との会談により、地場・中小交渉の一助となる行動を展開したこと。また、十勝地協では、「一地区一学習会」「単組間交流」「地域ユニオンの団体交渉に連合役員の参加」などに取り組み、加えて、石狩地協でも、連合未加盟組合(16組合)に対して、参加登録要請オルグを実施するなど、「目に見える連合」をアピールしつつ、組織拡大の取り組みと併せた行動を実践していることは大いに評価したい。
3) 北海道経済の安定的な発展には、中小企業労働者、非正規労働者に焦点を当てた社会的公正な賃金決定が不可欠であり、企業の社会的責任を自覚し、働くことの尊厳の遵守や公平・公正な処遇の実現を強く訴えなければならない。そのためにも、中小・地場組合を対象とした要求目安や妥結基準・妥結ミニマム基準の示し方と設定時期、集中回答ゾーンの設定時期や対象組合の選定基準、マスメディアに対する情報発信等について有効になされたのか、個別賃金水準の相場波及が充分かどうかについて、地場・中小の結果を踏まえ改めて検証する必要がある。
4) 次に、2013地域ミニマム運動の取り組みについては、2012年度の地域ミニマム賃金実態調査に昨年より555人多い12産別、3地協から67組合3,367人が参加した。今年1月に賃金調査の概要が示され、調査に協力頂いた産別、地協に対して、交渉に役立つようフィードバックした。
300人未満、賃金制度が確立されていないところを基本に調査対象としており、3,000人のサンプル目標を8年振りに達成できたことは評価したい。その理由として、自治労(公共サービス民間労組)の参加によるところが大きい。業種別構成比では、製造業が27.3%(921人)、交通・運輸業が30.26%(1,019人)、商業・サービス業が42.38%(1,427人)となった。
 なお、年次大会の運動方針で掲げた「賃金調査資料」が各単組の交渉に役立ったのか把握を行い検証していく取り組みが十分できなかったことは反省すべき課題であり、連合北海道として、次年度の取り組みの中で、効果的波及や連携強化がどうだったのか、検証・克服していくこととする。

(5)雇用確保・創出に向けた取り組み
 雇用対策に関しては、地域の雇用なくして、地域産業の発展はないことを合言葉に、特に、地方における新規学卒者を地元に残し、地域が雇用の拡大を通じて産業の活性化が図られるようキャンペーン行動を今年も展開した。
(a)「新卒者支援、雇用の維持・創出」全道キャンペーン
「新卒者就職支援 全道キャンペーン」の取り組みは5年目を迎えた。経済・雇用対策は行政・経済界・労働界などオール北海道の課題と位置づけ、その一翼を担うとして、5年目となる今年は、1月26日から2月23日の間、各地域で開催された「春闘討論集会」前段を中心として、地元地協・地区連合と連携し自治体・商工会議所・建設業協会・農協・漁協・学校など69自治体124箇所を訪問し、学卒者対策強化と官製ワーキングプア解消などについて要請行動を展開した。特に、昨年の総括を踏まえて、自治体要請行動の時期を次年度の予算編成に間に合う10〜12月に実施することとした。しかし、突然の解散総選挙によって、多くの地協で要請行動を中断せざるを得ない状況となり、例年どおり年明け1〜2月に実施した地協もあったことから、訪問自治体数が昨年を下回る結果となったことは反省せざるを得ない。現在、次年度の取り組みとして、地協・地区連合による全自治体首長への要請行動を展開中であり、その結果に期待するところである。
 地域で出された意見は、経済5団体(3月4日)をはじめ、労働局(3月5日)、北海道(3月4日)に対する要請行動の中で意見反映してきたが、引き続き、北海道や労働局の各種審議会や検討会議、また、毎年8月に提出している「要求と提言」などを通して、政策実現に向けた今後の取り組みに反映したい。なお、3月末の新規高卒者就職内定率は92.9%と前年同期を4.9%上回り、19年ぶりに90%台の最高水準となったが、未内定者の就職対策に引き続き全力を挙げることは勿論のこと、来春卒業予定の新卒者の就職支援に力を注ぐこととする。
(b)「就職活動応援セミナー」の開催
 全国の連合初となる連合北海道「就職活動応援セミナー」(昨年度3回、今年度2回)をこれまで5回開催し、延べ1000人の学生が参加した。全国一高い早期離職率や失業に歯止めをかけるため、働いている側から見た仕事や労働条件の実情を紹介し、学生と企業の「ミスマッチ」をできるだけ減らそうという狙いで実施してきた。
 就職活動応援セミナーは、「就職(内定)がゴールではなく、スタート」として、学校の就職課からの強い要望により、「学校」から「職場」への円滑な移行、すなわち、ミスマッチ対策を図るために、連合北海道だからできるセミナーとして誕生した。
 近年、いわゆる「ブラック企業」が盛んに取り上げられ、若者に不安を抱かせており、若年者雇用の課題は山積し、働き始めたあとにも問題があり「不払い残業、休日手当、割増賃金未払」、「嫌がらせ・セクハラ」などにより、新規学卒者の離職率は依然として高くなっている。
 今年5回目のセミナーでは、道内初となる「ブラック企業対策」についてのトークセッションも取り入れ、「ブラック企業はこんな会社?辞めない会社の選び方」をテーマに、いい会社と悪い会社の見分け方、会社選びの秘訣を語り、大きな反響を呼んだことは成果といえ、引き続き、次年度も、未来の組合員の発掘に向けたセミナー開催を追求する。

(6)非正規雇用労働者の労働条件改善の取り組み
 連合は、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、2013春季生活闘争において、「非正規労働者を含めたすべての労働者を対象とした処遇改善」を「ミニマム運動課題」のひとつに位置付け、労働組合運動の求心力を高めるとともに、交渉結果の社会的波及をめざしてきた。
 とりわけ、改正労働者派遣法・改正労働契約法は、非正規労働者に大きく関係するものであり、集団的労使関係を基盤とした実効性の確保が強く求められている。これらの課題に対して、非正規労働者の総合的な労働条件向上に向けた取り組みを促進することとした。
 道内のパート、有期契約、派遣、季節労働者などの非正規労働者の総数は、95万6千人、雇用労働者の42.8%を占めており、自治体の公務労働においても、3人に1人が臨時・非常勤職員となっており、すべての構成産別(単組)の参加が不可欠であることを発信した。
 連合北海道は、労働組合のない職場で働く労働者をも含めた社会的な波及と組織拡大をめざし、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となり、「職場から始めよう運動」「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」「非正規労働者の処遇改善に向けた要求書(要請書)提出」を始めとした取り組み(行動)を展開することを提起した。
(a)「職場から始めよう運動」の展開
 非正規労働者の処遇改善と組織化をめざし、職場組合員の理解浸透を図ることを目的に、昨年の春季生活闘争では「非正規労働者要求実現統一行動デー」を設定し、待遇改善に向けた要請行動を展開してきた。
 2013春季生活闘争では、同じ職場で働く者同士のつながりを強めるため、「職場から始めよう運動」を具体的に展開した。連合北海道では、北海道庁・労働局・経済5団体に対する要請行動を実施し、法令の周知・遵守等、非正規労働者の処遇改善を訴えてきた。また、3月6日の連合北海道全道総決起集会で、UAゼンセン、十勝地協の代表による非正規労働者の決意表明の場を設定し、組織化の好事例について情報の共有化をはかることができた。また、各産業別部門連絡会や中小・パート労働条件委員会などの諸会議においても、非正規労働者の処遇改善、組織化などの取り組みの情報交換を行うことができた。さらに、連合北海道非正規労働センターと連携し、「連合・非正規労働ホットライン」の周知活動を、札幌地区連合と連携し、テープ街宣と個別配布行動を展開することができた。
 一方、構成産別(単組)においても、2013春季生活闘争の時期を捉え、声かけなど職場における日常的なコミュニケーションを深めながら、非正規労働者の実態把握、非正規労働者との交流機会づくり、職場における教育宣伝の実施などを、労使交渉本格化の前段を中心に取り組むことができた単組もあるなど、着実に非正規労働者の処遇改善に向けた取り組みが浸透しつつあることは評価したい。
 各地協(地区連合)においても、地域での世論喚起、街頭宣伝を行い、広く社会にアピールする取り組みとして、改正労働者派遣法、改正労働契約法の内容を労働組合のない職場で働く労働者にも広く周知し、労働相談や地域ユニオン等において情報提供や支援を行うことを提起した。
 渡島・十勝地協では、地場・中小労組の企業訪問や会社との団体交渉への参加により、労働者の置かれている実態を認識させるなど、組織拡大の取り組みと併せた行動を実践していることは評価したいが、その他地協への広がりがないことは反省すべき点である。これらの取り組みにより、法の実効性を高めるとともに、労働者の権利実現のためには集団的労使関係の構築が極めて重要であることから、地協間の情報交換の場を設定する等、全道的な取り組みとなるよう方針の確立が急がれるところである。
(b)「官製ワーキングプア解消」に向けた取り組み
 地協・地区連合と官公部門連絡会が連携して取り組むこととしていた「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」は、昨年の総括を踏まえて、10〜12月を基本に自治体首長への要請行動を展開してきたが、81自治体(昨年86)の訪問にとどまった。各自治体への要請状況は、後志・留萌・網走・胆振・日高の5地協が全自治体の要請行動を展開できたことは評価できるものである。
 突然の解散総選挙等により未実施の地協・地区連合にあっては、「3.6全道総決起集会」前までに、要請行動を展開するよう再度指示したが、全自治体への要請行動とならなかったことは反省しなければならない。また、各級議員等と十分な連携が図れなかったことから、次年度の取り組みの中で克服していくとともに、官公部門連絡会の産別との連携を含めて、対処方針を議論していくこととしたい。
 自治体財政の悪化等を理由に、道内の地方自治体の非正規労働者も3分の1を超え、空知管内のある町村では7割が臨時・非常勤職員化し、行政サービスを担う異常事態となっている。一方で、自治体業務の量や質、住民サービスの更なる向上も求められている。結果、超勤手当の上限カットやサービス残業やむなしの雰囲気が続く中で、非正規労働者も正規職員並みの業務・業務量や責任まで求められている。公務職場でも増加が続く非正規労働者の処遇改善は喫緊の課題である。
 自治体要請を通して、屋根下で同じく働く非正規労働者や公契約下の企業・団体で働く労働者の実態、地場・中小を含めた地域の労働者の実態を考え合う機会を作るとともに、地協・地区連合の連携を更に強めて取り組みを継続する必要がある。
(c)「パート・アルバイト・契約社員など非正規労働者の待遇改善・組織化調査(単組アンケート)」の取り組み
 「職場から始めよう運動」の取り組みと連動し、調査票の取り組みを展開してきた。現段階の集約状況は、26産別5地協157単組(222枚)から報告があり、この3年間で一番多い集約状況となっている。
 この間、4月、5月の産業別部門連絡会や中小・パート労働条件委員会並びに、各構成産別・単組、地協・地区連合の機関会議などを通じて議論を深めることができたことは今後の財産に繋がるものと考える。引き続き、@労働条件改善に向けた取り組み、A組織化の取り組みなどを通じて、非正規労働者の処遇改善好事例や組織化の取り組みを進めていく。【別紙4】
(d)公契約条例、公共サービス基本法 
 公契約条例の制定は、2009年に千葉県野田市で実現し、翌年には労働条項を盛り込んで神奈川県川崎市と続いた。2011年12月に相模原市(神奈川県)、多摩市(東京都)、2012年6月に国分寺市(東京都)、渋谷区(東京都)、同年12月に厚木市(東京都)、2013年9月に足立区(東京都)がそれぞれ制定され、全国8自治体で条例化されている。
 札幌市も道内初の制定を目指していたが、昨年2月の市議会に提案され、継続審議となり、また、本年2月の市議会においても採択されずに再度継続審議となった。
この間、札幌弁護士会が中心となって、昨年2月に「札幌市公契約条例の制定を求める会(計8団体)」を設立し、札幌市長・市議会各会派要請、街頭宣伝行動、市民集会、10万人署名などの取り組みを展開し、労働者に適正な賃金を確保することを定めた条例制定を実現するよう求めてきた。札幌市は、昨年4月以降施行の業務等の入札制度を改善し、落札率がアップされ、また、業界団体の要望を受け、昨年5月以降、「モデル事業」を行い、検証するための協議機関を設置するなど、条例可決に向けて取り組んできた。加えて、本年4月からは、地元建設業者の受注機会の確保や総合評価落札方針の改正、複数年契約の実施(ビルメンテナンス・3年契約)など入札制度の改善を行ってきた。
当初、昨年12月の市議会で、公明党が求めた経済安定化の視点を盛り込む修正要求に市も合意し、可決へ前進したように見えたが、同条例が適用される建設、清掃、警備などの業界団体は、「経営を圧迫する」との警戒感を理由に反対。これを受けて、自民、公明など野党各党が慎重姿勢を崩さなかったことが継続審議の背景にある。
 札幌市の公契約条例の制定は、道内の自治体への大きな波及効果をもたらすものであり、また、公契約下の労働者の労働条件の底上げに繋がるものである。引き続き、札幌地区連合と連携を図りながら、条例可決に向けた取り組みを展開していく。

(7)最低賃金引き上げの取り組み
(a)企業内最低賃金
 今次春季生活闘争では、全労働者を対象に底上げをはかる取り組みを推進していく観点からも、労働組合の社会的責務として、企業内最低賃金協定の締結拡大と水準の引き上げに向けた取り組みを進めていくことを提起した。2012年度の連合調査によると、企業内最低賃金協定の締結している単組は、37.6%(前年比▲1.7%)と、この3年間、4割を下回る水準に滞留している。
 連合北海道は、3月7日に第1回、4月26日に第2回の最低賃金対策委員会を開催し、2013最低賃金の取り組み方針と「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャラバン、6月議会意見書採択など、世論喚起の取り組みについて確認した。特に、「連合リビングウェイジ時間額(北海道は870円)」、高卒初任給(月額147,000円)を目安にした賃金水準やセーフティネットとして実効性の高い水準をめざすこととし、また、特定最低賃金の改定にあたっては、地域別最賃を上回る水準の維持が求められる。地域別最低賃金は生活保護費との乖離解消(16円)が残されており、産業別最低賃金との差が縮まっていることが懸念されるため、新設・拡大、企業内最低賃金協定の締結の取り組みと合わせ議論を豊富化することとした。
 今次闘争では、企業内最低賃金協定の締結拡大を要求し、すべての単組で企業内最賃を締結した産別があったことや、交渉のテーブルにつき議論を行っている単組、わずかながらでも評価制度で時給が上がる仕組みとなった単組など、十分とは言えないが取り組みの成果があったことは評価したい。なお、特定最賃の引き上げに向けて、4業種のほとんどが労働協約ケースの申出となっており、企業内最賃の引き上げがなければ、特定最賃の引き上げが厳しい状況となっており、次年度の取り組みの中で、大幅な水準引き上げに全力を傾注していかなければならない。
(b)北海道地域最低賃金
 中央最低賃金審議会は、7月2日から4回の小委員会審議を経て、8月7日に開催された審議会には小委員報告(公益委員見解)をもって答申とされた。Aランクは19円、Bランクは12円、C・Dランクは各10円の目安とし、全国加重平均は14円となった。また、生活保護水準とのかい離がある11都道府県のうち、北海道を除く10都府県の乖離額は目安額以下となった。北海道は、乖離額(22円)を原則としつつ、乖離額を2で除した金額(11円)も踏まえ、「できるだけ速やかな解消に向けた審議を行う」こととされた。
北海道地方最低賃金審議会は、6月5日を皮切りに計5回開催し、また、専門部会も計6回の審議を重ねた。労働者側は、今後、物価上昇のもとで、特に低所得層(200万円以下の労働者が23%)への十分な配慮が必要であること。「生活保護とのかい離額を5年以内で解消する」と合意した期間が既に過ぎていることから本年度で生活保護費とのかい離22円を解消し、雇用戦略対話合意の800円、1,000円への引き上げに向けた道筋を付けることを強調した。しかし、労使の主張に隔たりが大きく、公益委員より「中賃目安などを考慮する必要もあり、15円の引き上げと生活保護費とのかい離を来年度で解消する」との申し出があった。労働側としては、最低でも昨年度のかい離分(16円)の解消を最後まで主張したが、一歩も進まない事態となった。このため、単に時間だけを引き延ばしても発効日が遅れるだけであることや、引き上げに伴う影響率が全労働者で13.5%(昨年12.9%)、パートに至っては33.0%(昨年33.5%)と労働者に与える影響が極めて大きく、また、使用者側の歩み寄りも期待できないと判断し、8月21日の本審で採決に臨み、賛成多数で15円引き上げ、734円に改正し、10月18日から発効することで結審した。
 最低賃金法改正後、生活保護水準との乖離解消に向けて三者合意を大切に審議会に臨んできたものの、3年連続、採決により使用者側反対となったことは残念であるとともに、来年の審議会にも尾を引くことが懸念される。
 また、答申において、「行政機関が民間企業に業務委託を行っている場合に、年度途中の最低賃金改定によって、当該業務委託先における最低賃金の履行確保に支障が生じることのないよう、発注時における特段の配慮を要望する」とされたことから、履行確保に向けて、連合北海道、地協・地区連合が一体となり、昨年に引き続き、自治体等に対する要請行動を展開してきたことは評価できるものである。次年度において、生活保護とのかい離解消が図られるよう道民世論の喚起を促す取り組みを展開していく必要がある。
(c)特定(産業別)最低賃金
 地域最低賃金審議終了後、関係業種の最低賃金改正必要有りとの確認を受け、9月17日に4業種合同の専門部会が開催され、以降、3〜4回にわたる専門部会において金額審議を重ねてきた。
  連合北海道最賃対策委員会は、特定最賃の意義と役割について、労使間で共通認識を持ち、優秀な人材の維持・確保を求め、そこに働く人たちの処遇改善のために、地賃比115〜120%の優位性確保を目標として進めてきた。鉄鋼・乳糖・船舶の3業種は昨年に1円上積みできたが、電気は昨年以上に厳しい結果となった。今後とも特定最賃の取り組み強化を目指すこととする。
2013特定(産業別)最低賃金4業種 引上目標
業種 現 行  地賃額  地賃比率  目標額  引上額  引上率 
鉄 鋼 832  734 120% 880 48 5.76% 
電 気 776 734 115% 844 68 8.76%
乳 糖 781 734 115% 844 63 8.06%
船 舶 777 734 115% 844 67 8.62%

業種 時間額  引上額  引上率  地賃比率 部会採決日 発効日
鉄 鋼 842円 10円 1.20% 114.7% 10月3日 12月1日
電 気 784円  8円 1.03% 106.8% 10月10日 12月11日
乳 糖 791円 10円 1.28% 107.8% 10月7日 12月6日
船 舶 787円 10円 1.29% 107.2% 10月1日  12月1日

(8)ワークルール(労働関係法令遵守)の取り組み
 民主党政権下だからこそ実現できた「改正労働者派遣法」「改正労働契約法」「改正高年齢者雇用安定法」は、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善、また、希望者全員の65歳までの雇用確保措置を義務付けるなど重要な内容が盛り込まれており、この改正法成立の成果を着実に職場に活かすことが必要である。
(a)改正労働関係法の学習会、緊急集会
 連合北海道は、昨年11月14日、「改正労働関係法学習会」を開催(道内各地より130余名が参加)し、連合本部の新谷総合局長から、法案成立までの課程での公労使の審議会の役割、連合の関わり、国会での成立の手順、各法案の改正ポイントの考え方の基礎となる判例などの説明、加えて各構成組織・単組が取り組むべき内容(「重要労働関係法成立に伴う今後の取り組みについて」)が提起された。また、1月9日には北海道ハイ・タク最賃協議会で改正労働契約法の学習会(100名参加)を開催し、1月12日には自治労北海道「2013国民春闘討論集会」の中で「改正労働契約法」「改正高年齢者雇用安定法」の学習会を開催(250名参加)してきた。
 加えて、1月から2月にかけて開催した各地協の春闘地域討論集会でも、連合本部、北海道労働局、NPO職場の権利教育ネットワークなどの協力により、改正労働関係法の学習会を開催した。1,000人を超える組合員が参加し、改正趣旨を職場に活かしていく取り組みを進める契機となったことは評価できる。
 また、労働基準法等の法令遵守の点検として、改正労働者派遣法・改正労働契約法の趣旨を理解し、労働条件の点検と正社員への転換ルールの明確化・導入・促進など、法規定を上回る制度の整備等をはかる取り組みを進めるとともに、組合員範囲の見直し・加入活動・学習活動など、非正規労働者の組織化に取り組んだ産別・単組もあるなど、法改正を活用した取り組みが進んでいるといえる。また、改正高年齢雇用安定法への対応として、60歳以降の就業を希望する者の雇用の確保については、労使合意が多く図られている。一方で、処遇について(賃金水準)は、未だ交渉を継続している組合も多い。雇用確保の仕方が一律的ではないことや、経過(移行)措置期間であることもあり、労使で議論を積み重ねている状況にある。今後の取り組みに活かして行くためにも、様々な事例について情報交流を重ねる中で、必要な検討を行っていくことが求められている。
また、5月28日には、『「解雇の自由化」に断固反対する緊急集会』を、札幌市大通公園8丁目広場で開催し、500名の組合員、退職者の方々が結集した。数年振りにススキノ交差点までのデモ行進を行う等、広く道民に訴える行動を展開したことは大きな成果であった。
 引き続き、安倍政権が目論む、労働者保護ルールの改悪阻止に向けた社会的運動を連合全体で民主党と連携し展開していく必要がある。
(b)業界団体に対する要請行動
 連合北海道は、3月19日、「日本人材派遣協会北海道協議会」「北海道ビルメンテナンス協会」「北海道食品産業協議会」の3団体に対し、すべての労働者の賃金・労働条件改善と、改正労働関係法令の遵守に向けた要請行動を展開した。要請では、「働く人の賃金を上げ、消費拡大につなげるため、雇用の確保と労働条件の改善、特に改正された労働関係法の遵守」を訴え、各団体と業界の課題や、改正労働関係法の周知の状況などの情報交換を行った。また、業界団体に対して、35歳未満の非正規雇用の若者を雇い入れる事業主に支給される「若者チャレンジ奨励金」の概要を説明し、積極的に正規雇用を受け入れるよう強く要請した。人材派遣協会では日雇い派遣の禁止や、労働契約法の5年超の無期雇用への転換などへの懸念が寄せられたが、法改正は、不安定雇用の有期労働契約者の保護を目的としていることから、法の趣旨に則ったコンプライアンス経営を強く訴えた。また、北海道食品産業協議会では、北海道の食を支える業界でありながら、公的補助のない中で厳しい経営努力を続けている実態が切々と訴えられた。食品工場はクリーンで地元の雇用を掲げながらなかなか高校生には理解されておらず、ミスマッチの現状についての意見交換も行った。北海道ビルメンテナンス協会には、一部のホテルのベッドメイキングなどで最賃割れをおこしかねない実情などを報告し、公契約条例制定に向けた意見交換なども行った。
 今後も多くの関係業界団体への要請行動を積み重ね、非正規労働者の処遇改善に向けた法令遵守の徹底を訴えていく必要がある。
(c)改正労働関係法の周知に向けたチラシ配布行動
  多くの働く労働者は、「改正労働契約法」の内容を熟知していない。このため、連合北海道は、改正内容を記載したチラシを約60万部作成し、各地協・地区連合が中心となって地域配布行動を展開した。チラシを見て「労働相談ダイヤル」を利用した方も多くおり、広く道民に訴えることができたことは成果といえる。こうした取り組みは、当然のこととは言え同じ職場で働く未組織の労働者も含めた対応が図られ、労働運動の社会化が前進出来たものと考えられる。
(d)労働相談ダイヤルなどの実施
2月7日〜9日に「連合・非正規労働ホットライン」(テーマ:労働者派遣法、労働契約法の改正)を開設し、また、3月21〜22日にも、連合北海道独自に全道一斉労働相談ダイヤルを開設し、改正法施行直前の非正規労働ホットラインを、各地協、産別の協力により取り組むことができた。解雇・雇止めを中心に多くの相談(305人)が寄せられた。中には改正労働契約法第18条(無期雇用への転換申し出権)の潜脱を狙う使用者の事例も見られ、更なる対応強化が必要である。また、HBCラジオ、STVラジオに「工藤会長の出演」により、「働くことを軸とする安心社会」労働法改正の内容を説明し、働くすべての労働者に対する発信を行うこともできたところである。引き続き、マスメディアも含め道民に連合の主張を訴えていく。

3.政策・制度要求の実現に向けた取り組み
 「2013年度 政策・制度実現の取り組み」と「2013春季生活闘争」における賃金・労働条件改善の取り組みを「運動の両輪」として、すべての労働者を対象にした生活改善・格差是正の運動を強力に進めることを提起した。
(1) 「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャラバンの取り組み
(a)連合本部は、「『STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現』キャンペーン」の一環として、まず2013年度予算案審議のヤマ場と想定される4月下旬を「第一のターゲット」とし、雇用と生活の改善につながらない政府予算案の問題点と、労働規制の緩和など、働く者の犠牲の上に国や企業の成長戦略を描く与党の問題点を浮き彫りにし、働く者の声を反映させた政策転換を図っていくこととした。さらに、国会会期末に向けた6月上旬の「第二のターゲット」における運動の展開につなげていくことを発信した。
(b)連合北海道は、連合の全国キャンペーンの一環として、全道キャラバン行動を北海道独自に展開し、1)最低賃金制度の充実と水準の大幅引き上げに全力で取り組んでいく、2)地方公務員の給与引き下げや生活保護基準の引き下げを許さない、3)労働者保護を大きく後退させる規制緩和に断固反対し、政府や経済財政諮問会議等の動きの下で再び格差社会へのベクトルが強まる恐れがあることから、道民世論の喚起を促す行動を展開することとした。 
 これまでの地域における集会は、「地協ヨコ」からの動員要請であったが、この取り組みは、「産別タテ」経由からも、各地域の単組に対する参加要請を通知するという手法も取り入れたことにより、参加体制の確立を促すことができたといえる。集会では、決意表明の場も設定し、「最低賃金・労働規制の緩和」の関係では、UAゼンセン、フード連合、JP労組、全自交等の産別から、「地方交付税の削減」関係は、自治労、北教組からそれぞれ力強い決意表明が行われた。
 また、青年委員会の取り組みとして、本キャラバン行動に結集するとともに、各地区集会後に「青年集会」を開催し、参議院選挙の意義や棄権防止などの取り組みなどの意見交換を行うことが出来たことは有意義であったといえる。
(c)今回のキャラバン行動は、1)職場・組合員の理解と参加を通じ組織体としてのパワーを結集すること、2)街宣活動など社会に向けた取り組みを通じ世論喚起を行うこと、3)運動の実践を通じ共に運動する仲間を増やし社会的影響力を高めることを念頭に行動を積み上げ、道民にメッセージを浸透させるために行動を展開することができたといえる。
(d)5月20日、全道キャラバンが豊富町をスタートし、同日夜に稚内市で開催された出発集会には、工藤連合北海道会長、連合本部の安永副事務局長、須田総合労働局長も出席する中、約200名が参集した。5月22日には沖縄県からも全国キャンペーンがスタートした。全道キャラバンは6月16日(札幌到着集会)までの28日間、1日も休まず走行し、全行程6233`を街宣車1台でリレーすることができた。地区集会は、全道12地区で集会を開催し、延べ3230人の組合員等が参加し、地区集会終了後には、連合青年委員会を中心に、10地区で「青年地区総決起集会」を開催し、延べ308人の仲間が結集し、今回の参議院選挙の意義や棄権防止などの取り組みについて意見交換を行うことが出来た。また、街頭演説についても、道内106箇所にわたって連合の主張を訴え、同時に、商工会議所・自治体要請についても、63箇所に要請行動を展開し、行く先々の多くの道民、関係機関に連合の主張する「暮らしの底上げ実現」を訴える世論喚起をはかることができたことは大きな成果といえる。

(2)自治体財政の確保と地方分権の確立に向けた取り組み
(a)政権が交代し誕生した安倍政権は、1月24日、国家公務員の高齢層の給与水準抑制や自治体に対する地方公務員給与の削減要請を閣議決定した。2013年度予算案では、地方公務員の給与引き下げを前提に、地方交付税の配分総額を3,900億円減額するとした。まさに、地方自治を否定するとともに、各自治体の労使自治にも反するなど、地方自治を根底から否定する手法に舵を切った。さらに、地域自主戦略交付金を廃止し、「ひも付き補助金」を復活するなど、地方自治体の自主裁量の拡大に逆行するものであり、撤回が求められている。
連合北海道は、地方交付税の減額は、基礎的な住民サービスの低下が懸念されることから、道民世論を巻き込んだ取り組みを展開することを提起した。
(b)地方交付税の総額確保、税財源の確立を求めて、今年4月に連合北海道と民主党北海道で構成する「地方財政確立道民会議」を再始動し、道内全自治体における意見書採択の取り組みや、3月には経済5団体(道経済連合会、道商工会議所連合会、道経済同友会、道中小企業団体中央会、道商工会連合会)への共闘参加の呼び掛け要請行動等を展開してきた。
 また、4月19日には、札幌市内でシンポジウム「アベノミクスでどうなる!?」を開催し、 市民も含めて約400人が参加し、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が住民のくらしや地方自治体の財政に及ぼす影響について、慶應義塾大学の金子勝教授による講演に参加者全員が耳を傾けた。このシンポジウムでは、北海道農民連盟の山居書記長、足寄町の安久津町長、旭川大学の山内学長らによるパネルディスカッション形式で多くの問題提起がされた。コーディネイターの逢坂前衆議からも、政治と経済が表裏一体となった国は危うく、「アベノミクス」で正面から受け止めるべき問題が見落とされており、それぞれの地域で何をすべきかを考え対抗軸にするしかないと強調され、金子先生が指摘した一極集中メインフレームから自律分散型ネットワークシステムを北海道から創り上げることが大事であるとし、シンポジウムを締めくくり、参加者の共感を得ることができたといえる。
(c)道民世論の喚起を促すため、地方財政確立、労働関係法令遵守、最賃の引き上げチラシを約60万部作成し、全戸配布の取り組みを展開するなど、連合北海道、地協(地区連合)と北海道公務労協が連携をはかりながら、官民一丸となって地域での取り組みを展開できたことは今後の道民運動にもつながる成果といえる。
(d)一方、北海道職員の給与について、5月17日に道は、本年7月から来年3月までの間、国家公務員に準じた内容で、新たな賃金削減提案を地公三者共闘の各構成組織へ7度目となる提案を行った。この提案は、これまでの労使確認事項を、再びその約束を履行せず、多額の収支不足に対処するために提案されたものであった。提案内容は一般職員の給料をさらに3.27%上乗せして7.77%削減すること、さらに期末・勤勉手当を9.77%削減する等、既存の独自削減と比較し、管理職員より一般職員に多く負担を強いるものとなっていた。
 連合北海道は、提案内容に対して、道職員及びその家族に多大な影響を及ぼすばかりでなく、地域の民間企業などの給与に大きな影響を与え、冷え込んでいる地域経済をさらに悪化させることから、提案に先立つ5月7日、知事に対して要請書を提出してきたところである。
連合北海道は、地公三者共闘会議の要請により、5月28日及び、山場前日の6月10日に開催された全道総決起集会への連帯挨拶、同様に、各地域における決起集会にも各地協が駆け付け、民間組合の仲間も組合旗を持参するなどの激励行動を展開し、道財政再建・地方財政確立の取り組みを通じ、「STOP THE 格差社会!暮らしの底上げ実現」全道キャラバンの課題と位置付けて多くの産別・単組・地域の仲間が総決起し、連合の存在意義を発揮できたことは意義深く、大きな成果といえる。引き続き、冷え込んでいる地域経済の悪化、行政サービスの低下を許さず、希望と安心の社会づくりに向けて、地方財政確立に向けた取り組みを進めていく。
 D 自治体財政の確保と地方分権の確立に向けて、今後も、各級連合推薦議員との連携による街宣行動の取り組みをはじめ、町村会・市長会と連携した行動の呼び掛け、北海道選出国会議員団・道議団と連携して道・国・総務省などに対する要請行動などを強力に進めていく必要がある。

4.組織強化・拡大の取り組み
(1)非正規労働者は1,700万人を超え、ワーキングプアといわれる年収200万円以下の労働者も1,100万人を超えるなど、不安定社会がより深刻化している事態にあり、改正労働関係法の遵守に向けた取り組みをさらに進めていく必要がある。同時に、厳しい経済・雇用環境の中では労働者・生活者に寄り添う連合(労組)作りが急務であり、そのためには自らの組織力強化はもとより、外に向かっては労働相談を受け解決する機能、組織化を進めるなどの機能強化が求められる。
(2)連合北海道組織拡大方針、2013春季生活闘争方針に基づき、@産別・単組内の組織化、A連合未加盟組織の加盟、B労働相談からの組織化、新規組合結成を軸に運動を進めてきた。
昨年の連合北海道定期大会後、2013年9月24日現在、9産別21組合1,742名(内、非正規労働者組合員600名 占有率34.4%)となった。前年同期と比較をしてみると、中小企業の新規での組織化や、非正規労働者の拡大が顕著である。組織内の拡大は一朝一夕で出来るものではなく、数年かけて組織化された産別・単組の取り組みに感謝申し上げたい。引き続き、組織化の好事例を情報共有し、30万人連合北海道組織の実現に向けて、構成産別(単組)、地協(地区連合)、連合北海道が一体となって取り組んでいく。

5.2014春季生活闘争に向けた取り組み 
  具体的には本部方針を受けて北海道方針の提起・確認となるが、別紙「2014春季生活闘争 北海道基本構想(案)」を中心に、より具体化し全体が取り組める方針とする。

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