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資料:連合北海道第25回年次大会2号議案−2012春季生活闘争のまとめ
1.はじめに
(1)2012春季生活闘争は、昨年12月1日の連合本部第61回中央委員会で、闘争方針が決定され、連合北海道は、12月22日、第49回地方委員会において、北海道における「2012春季生活闘争方針」を確認し、本格的な準備作業に取り組んできた。
 今次闘争は、東日本大震災という国難や、欧州危機に伴う世界的な金融市場の危機、タイの大洪水などによる世界経済の不透明感や、日本経済のデフレの進行、歴史的な水準にある円高、31年ぶりの貿易赤字など、取り巻く環境は厳しいものとなっていた。

(2)連合は、2012春季生活闘争で、「働くことを軸とする安心社会」の実現に向け、すべての働く者の生活が改善される取り組みとして位置づけ、東日本大震災によって被災した地域の復興・再生を成し遂げると同時に、疲弊し不安に覆われている日本社会全体を早期に持続的・安定的成長に回帰させる取り組みでもあった。
 そのためにも適正な配分を求めた賃金水準の復元や、格差是正、底上げ、底支えを確保し「閉塞感」の打破に向けて、消費拡大、内需拡大へとつなげ、活力ある安心社会の確立をめざし、持続可能な成長とデフレからの脱却を実現させなければならない闘いでもあった。
 そのことが「非正規労働者を含むすべての労働者の処遇改善」を掲げて取り組んできた3年目の大きな挑戦であることを発信した。

(3)道内においては、1月27日の連合石狩地協の地域討論集会を皮切りに、2月25日まで、道内13ブロックの地域討論集会に約1,200人の地協・地区連合、産別・単組の組合員の参加を得て、今次春季生活闘争のスローガンである「−復興・再生に全力、『働くことを軸とする安心社会』を実現しよう〜復元、格差是正、底上げ・底支えでデフレ・縮小経済からの脱却」を求めて、闘いを進めていくことを意思統一し、闘争方針の徹底・浸透に努めた。
 また、2月9日には、連合の北海道ブロック代表者会議が開催され、連合本部の古賀会長、南雲事務局長らを迎え、各産別・地協代表者と共に、その事を再確認してきた。
 その後、3月8日の2012春季生活闘争勝利「全道総決起集会」には、1,800人の組合員が結集し、非正規労働者も含めた労働者全体の待遇改善を求めて意思統一を図った。
 同様に、各地域においても、十勝地協総決起集会の1,000人結集をはじめ、各地協・地区連合において総決起集会を開催し、延べ3,340人の組合員を結集、また、3地協(上川4/13、石狩4/23、渡島4/27)においては、地場解決促進集会を開催し、地場・中小の底上げ、公契約条例の実現に向けた意思統一を図った。

(4)今季闘争の最大のヤマ場を3月14・15日に設定し、3月9日に連合本部は「第4回中央闘争委員会」を開催し、これまでの取り組み状況の付け合わせと、ヤマ場に向けた取り組みを提起し、経営側の賃上げ抑制をはね返して生活改善と景気回復を実現するため、総力をあげて闘い抜く。有志共闘は、前段の回答における相場形成にその役割を積極的に果たしていくこととした。
 また、4月19日の「第5回中央闘争委員会」では、(a)中小労組を中心とする中小共闘・地場共闘の推進として、「妥結ミニマム基準」を踏まえた回答獲得に向けて闘争を展開していく、(b)非正規労働者等の処遇改善に向けた取り組みとして、パート・有期契約共闘で確認した4項目の取り組み目安にのっとり、今までの集計結果も活用しながら取り組みの支援を強化していくことを確認した。

(5)中央段階の7月2日の最終集計により妥結に至った組合数は、4,809組合(2,369千人)である。このうち平均賃金方式4,257組合の回答水準を見れば、加重平均で4,902円(1.72%)となった。昨年も回答を引き出した同一組合3,413組合の比較では、加重平均で4,963円(1.74%)で、昨年比で85円増となった。平均賃金方式を取る中小労組2,466組合の回答は、加重平均は3,808円(1.55%)であり、昨年同一組合比較では82円増となっている。
また、一時金について、年間一括要求の月数方式では、4.37ヶ月、金額方式では、1,421,114円で、昨年比月数で0.04ヶ月減、金額で54,591円減となった。
 さらに、パート・有期契約共闘会議の集約した時間給の改善状況(7月2日集計)は、285組合から報告があり、その改善額は時給11.85円(昨年11.54円)に上った。時間給の改善は、昨年、一昨年を上回る改善額を引き出し、底上げの役割を一定程度果たしたと考える。
また、正社員との同時決着の進展や、新年度の労働条件は3月中に決着させるという取り組み組合数も増加しており、取り組みは着実に前進していると受け止める。

(6)今季闘争期間中、連合北海道闘争本部で確認した中小支援の取り組み、非正規労働者の処遇改善課題については、着実に前進しつつあるが、労働関係法制の改正が行われたことから、実効が図られるよう引き続き、取り組みを継続していく必要がある。また、連合がめざす政策・制度要求の実現に向けた取り組みについても継続し、さらには、公務員制度改革の実現をはじめ、公契約条例・公共サービスの課題、交通基本法やタクシー事業法の実現など引き続き、全体の課題として運動を展開していく必要がある。


2.北海道の取り組みの結果と評価
(1)景気・雇用情勢
1)道経産局は9月の経済概況判断について、「緩やかながら持ち直しの動きが続いている」と公表し、先月同様の判断を示した。主要項目においては、観光や民間設備投資で「持ち直しの動き」、雇用動向は10ヶ月連続で「厳しい状況にあるものの、改善している」、個人消費も10ヶ月連続で、一部に持ち直しの動きが見られるものの厳しい状況が続いており、企業倒産件数、負債総額とも2ヶ月連続で減少している。一方、東日本大震災やタイの洪水による減産から回復した自動車関連産業では、エコカー補助金の復活を追い風に販売部門も好調が続いていたが、補助金終了に伴う売り上げをどこまで伸ばせるかが課題となっている。
全体として、先行きについては、国内外の経済情勢などを十分注視する必要があるとされているが、特に、観光関連の宿泊では、稼働率が良いだけではなく、単価下落も縮まっており、売り上げも上昇傾向にあるが、11月以降は先行き不透明とされている。
2)北海道労働局は、8月の雇用失業情勢概要について「先行き不透明ではあるが、持ち直しの動きを続けている」と発表した。8月の有効求人倍率は0.56倍と31ヶ月連続で前年同月を上回ったが、全国0.73倍と比べて厳しい状況が続いている。
 また、一昨年から道・労働局・経営団体・教育団体・自治体などと共同で取り組んだ「新卒者対策」により、高卒者の就職率は、88.0%(未就職926人)と前年同期を3.0%上回り、過去10年で最高水準と発表した。また、新規大学等卒業者の就職率は、88.5%と前年より1.7%増加(大学86.1%、短期大学88.5%、高等専門学校99.2%、専修学校91.3%)したことが発表されたが、「リーマンショック以前の水準よりは低く就職環境は依然厳しい」と判断されており、引き続き、セーフティネット施策を駆使して早期就職に結びつけなければならない。

(2)賃上げの取り組み
1)連合の賃金引上げの基本的なスタンスについて
 連合は、経済・雇用情勢の厳しさを認識しつつも、97年以降5%低下した日本の賃金水準を5年で復元することを目標とした前年方針と同水準の要求を維持し、すべての労働者のために、定期昇給(賃金カーブ維持分)の確保と、給与総額の1%アップ、賃金制度が未整備な組合は、1歳1年間差4,500円を目安に賃金水準の維持を図るよう求めた。
 しかし、1月24日に経団連が出した「経労委報告」では、「ベースアップの実施は論外である」「定期昇給の延期・凍結も含め、厳しい交渉を行わざるを得ない可能性も出てこよう」と主張し、ベースアップのみならず、長年労使で積み上げてきた定期昇給制度にまで踏み込んだ主張をするなど、労使の信頼関係をも揺るがす断じて認められないものとなっている。
 連合は、企業側のミクロ論に埋没することなく、マクロ的な見地から、すべての労働者を視野に入れ、格差是正、底上げ・底支えを確保し、「閉塞感」の打破、活力ある安心社会の確立に向けて、適正な成果配分を追及し、長引くデフレから脱却するために、GDPの5割を占める個人消費を回復させることが「最大の内需拡大だ!」ということを訴えてきた。
 連合北海道は、経済団体(労使懇談会)や行政に対する要請行動として、3月2日に経済6団体との労使懇談会、3月1日には労働局、2月28日には北海道に対する要請行動をそれぞれ実施してきた。特に、経済6団体に対しては、道内経済の厳しい状況は認識しつつも、個人消費を回復させることにより内需拡大を図ることが不可欠であることを改めて主張した。
 賃金引き上げ要求については、「給与総額1%の引き上げ」「パートの時給30円引き上げ」「1歳1年間差5,000円」「連合リビングウェイジ調査による北海道の高卒初任給(18歳)148,300円」等の本部目安・産別指導を踏まえ、北海道は地域ミニマム水準「1歳1年間差」を4,500円とし、20歳151,400円〜40歳241,400円まで5歳区切りで水準を設定した。
2)北海道の妥結状況
 賃金の底上げを図るべく、「定昇の確保(制度なし4,500円)+α」と「賃金制度の確立・整備」を目指すこととした。
 9月15日現在(最終)までに妥結報告があった組合は159組合で、その内集計可能な組合は139組合(昨年同期160組合)で昨年同期比マイナス21組合となっている。
 賃金引き上げは、加重平均で4,362円(1.62%)、昨年を319円(0.02%)上回っている。規模別で見ると300人以上(43組合)が、4,510円(1.65%)、昨年比プラス363円であり、300人未満〜100人(49組合)で、2,935円(1.23%)、昨年比マイナス69円となっている。また、99人以下(47組合)は、2,930円(1.30%)で、昨年比プラス92円と健闘し、昨年の最終結果を上回る水準となっている。
 一時金については、年間一括要求の月数方式では、4.14ヶ月、金額方式は、918,220円で、昨年比月数で0.26ヶ月増、金額で68,629円減となった。また、年間締結ができず夏季のみ締結した組合が35単組あった。業績動向を見て回答する企業もあり、総じて昨年並みか、やや下回る結果となった。
 産業別での回答・妥結報告数では、資源・化学・エネルギー部門においては、昨年の1.5倍、金属・機械部門は昨年の3倍近い報告数で推移し、交渉の前倒しが図られたと受け止めている。また、流通・食品・建設・一般部門や交通・運輸部門でも昨年を上回る報告数となっているが、情報・サービス部門は、昨年並みの推移となっている。
 また、パート賃金の引き上げでは、サービス・流通、UIゼンセン同盟傘下単組を中心に、2円〜30円の幅で妥結している。2007年から2011年まで5年間の地域最賃引き上げ額は、毎年10円〜14円の幅で計61円となっており、なお、生活保護との乖離も17円残していることから、ここ数年は特に最賃動向を睨んでの回答という感が強くなっている。
 今後も地場・中小での交渉や未解決組合の交渉も続くことから、産別・単組、地域全体でこの交渉を盛り上げていく必要がある。
3)成果と課題
賃金引き上げは、300人以上、99人以下規模で前年水準を上回っており、各産別・単組の取り組みの成果として評価したい。一方、300人未満〜100人規模は、昨年を下回る結果となった。当初の報告から、その差が大幅に縮まったことは、後続単組の闘いが善戦したものと受け止めている。
 なお、300人未満〜100人規模の妥結状況について、人数規模だけでは実態が不明なため、業種別分析を含めた検証作業を行う必要があるが、集計組合における構成差はあるものの、勤続年数・平均年齢が上昇しているにもかかわらず、平均賃金が低下し、かつ回答額も前年を下回っており、賃金カーブの維持・確保が出来ていない状況が想定できる。中小・地場組合の回答が北海道地域における世間相場に強く影響を受けることから、次年度に向けた共闘・支援態勢の取り組み強化を図っていく必要がある。
 規模別には格差があるものの、全体としては、賃金カーブ維持を確保し、概ね「昨年並み」の賃金水準を維持できた。我々の要求の趣旨やマクロ経済へのインパクトからすれば、決して十分とは言えないものの、厳しい交渉環境のなかで賃金カーブ維持といった最低限の目標は達成でき、生活を守るための歯止めを辛うじてかけることができたと言える。
 特に、99人以下の規模は、共闘体制が強化され、相場形成と社会的波及のための情報発信による中小組合の賃金の底支えができていると言える。引き続き、中小の底上げ、底支えを図り、全体の波及効果をより一層果たすことを連合全体として考えていかなければならない。
 また、エントリー登録組合の拡大などに力を入れてきた結果、392組合の参加を得ることができ、昨年の361組合から30組合以上も増加したことは、情報の共有化を図ろうとする産別・地協の努力の結果として評価できるものである。
 加えて、北海道は、地場・中小が多く、賃金制度が確立していない単組がほとんどである。今次闘争では、制度が未整備な場合は、制度の確立・整備を掲げて闘った結果、一部単組で賃金体系の一本化に向けて、3年越しで様々な数字の実態を説明した中で、賃金制度が確立されたことは成果と言える。しかし、多くの単組では厳しい闘いを余儀なくされた結果となったことから、次年度に向けて賃金制度の確立に向けた取り組みを強めていく必要がある。
 一時金については、年間総収入に占めるウエイトが高まっており、一時金の取り組みは重要性を増している。連合は、一時金を含めた年間収入の確保・向上に努めるとの方針を掲げて闘争を展開してきたが、一時金要求方針については、更なる検討を加えていく必要がある。
 パート賃金の引き上げでは、「時給30円の引き上げ」方針を掲げて闘った。妥結した27単組の結果では、2単組で30円を獲得したものの、1ケタ台が4単組、10円〜15円が10単組、20円台が3単組、契約社員日額アップ3単組、一時金の拡充等が4単組という結果である。業種別にバラつきのある結果だが、昨年と対比して着実に前進しており、十分とは言えないが、底上げの役割を一定程度果たしたと考える。

(3)「産業別部門連絡会」の開催
6産業別部門連絡会の活性化、産別による単組指導強化、地域内共闘強化を目指し、2010春季生活闘争から進めている期間中3回以上の連絡会開催や、企業内最賃協定の締結、昨年に引き続き「パートタイム労働者の待遇改善・組織化調査票」に基づく実態把握と好事例ライン作りに向けた情報交換、要求の豊富化、エントリー登録組合の拡大などを目指してきた。
 昨年は、震災の影響により交渉中断・日程変更などが重なり開催延期という事態にあったが、今年は、ヤマ場前後に3回開催が実現され、部門連絡会ごとの交流が多く持たれたことにより、産別間の連携が強化された。特に、交通・運輸部門においては、初めて参加した産別もあったことから、議論も新鮮なものとなり、全部門においても各産別の方針や交渉結果の付け合わせによる情報の共有化につながったことを確信するものである。また、官公部門については、2月21日1回の開催にとどまったが、公務員制度改革関連四法案の成立に向けて、事務局会議を3回開催し、道内選出国会議員や、民主党北海道に対する要請行動の実施に向けた企画・行動展開の一翼を担うことができたといえる。
 部門別交流を通じて、ある産別では春闘要求(案)策定時に産別三役による要請行動や交渉ヤマ場での巡回折衝を展開するなど直接、各単組の経営側への働きかけを行い有利解決に向けた行動を展開したという好事例は評価できる。
 一方、時期は逸したが、3回目の連絡会において、「パート等非正規労働者の処遇改善」に向けたアンケート集約に基づく分析結果をもとにして、次年度に向けた好事例ライン作りに向けた意見交換を通じた意思統一を深めることができたことは評価したい。また、次年度の産別・単組方針の作成に向けた素材として活用されることを期待する。

(4)中小・パート労働条件委員会の開催
中小・パート共闘の強化により、地場での取り組みを強化することを目標にしながら、今次闘争期間中に4回の委員会(全体は5回)を開催してきた。
 特に、地域においては、「全ての労働者の処遇改善」を意識し、地域全体の取り組みとなるよう創意工夫ある取り組みを提起し、経済団体や各業界、自治体要請や地域における労働側の主張を展開するなどの環境整備に努めることとした。
 渡島地協では、中小労連の要請により、地協自らが企業訪問を実施し、経営側と地協会長との会談により、労働者の置かれている実態を認識させたこと。また、十勝地協では、直加盟の組合の会社との団体交渉に連合役員が参加するなど、「目に見える連合」をアピールしつつ、組織拡大の取り組みと併せた行動を実践していることは大いに評価できる。
 地方経済の冷え込みが深刻さを増し、雇用と生活、町そのものの存亡にも繋がりかねない状況下での地場・中小運動もある。地場・中小・地域ユニオンと産別・単組の連携、制度・政策の取り組みも一層強化していかなければならない。
 一方、2012地域ミニマム運動の取り組みについては、2011年度の地域ミニマム賃金実態調査に、昨年より568人多い10産別、5地協から37組合2,812人が参加した。今年1月に賃金調査の概要が示され、調査に協力頂いた産別、地協に対して、交渉に役立つようフィードバックした。
 300人未満、賃金制度が確立されていないところを基本に調査対象としているが、3,000人のサンプル目標からはやや下回っていることは残念である。次年度の取り組みとして、2012春季闘争後の地域ミニマム運動で把握する賃金実態調査については、より多くの産別、地協からの参加を呼び掛けるとともに、今回の賃金調査資料が各単組の交渉に役立ったのか把握を行い検証していく。
 本部の中間まとめにおいて、中小・地場組合を対象とした(a)要求目安や妥結基準・妥結ミニマム基準の示し方と設定時期、(b)集中回答ゾーンの設定時期や対象組合の選定基準、(c)集計における規模別・産業別部門の分類基準、(d)記者レクを含めた情報発信等、(e)労使交渉が難航する個別組合に対する個別支援や未組織労働者への波及について提起されており、連合北海道としても、効果的波及や連携強化がどうだったのか、検証していく必要がある。

(5)雇用確保・創出に向けた取り組み
雇用対策に関しては、地域の雇用なくして、地域産業の発展はないことを合言葉に、特に、地方における新規学卒者を地元に残し、地域が雇用の拡大を通じて産業の活性化が図られるようキャンペーン行動を展開した。
1)「新規学卒者支援、雇用の維持・創出」全道キャンペーン
「新規学卒者就職支援 全道キャンペーン」等、雇用対策については、連合北海道雇用対策本部の取り組みとして4年目を迎えた。経済・雇用対策は行政・経済界・労働界などオール北海道の課題と位置づけ、その一翼を担うとして、1年目は3地協ヒヤリング(派遣切り)、2年目は12地協88箇所への要請(学卒者対策)、3年目は38自治体、70箇所への要請を継続して取り組んだ。
 4年目となる今年は、1月27日から2月24日の間、各地域で開催された「春闘討論集会」前段を中心として、地元地協・地区連合と連携し自治体・商工会議所・建設業協会・農協・漁協・学校など86自治体155箇所を訪問し、学卒者対策強化と官製ワーキングプア解消などについて要請行動を展開した。地方は団体間連携が密になっていることもあり比較的内定率も高いが、特に、札幌圏の普通高校卒業生の就職希望者対策の強化が求められる。また、各自治体首長からは、次年度の予算編成に間に合う時期に自治体要請行動を行った方が効果的であるという声が出されており、次年度以降の「要請行動のあり方」を検討する中でその方針を議論していきたい。
 地域で出された意見は、経済6団体(3月2日)をはじめ、労働局(3月1日)、北海道(2月28日)に対する要請行動の中で意見反映してきたが、引き続き、北海道や労働局の各種審議会や検討会議、また、毎年8月に提出している「要求と提言」などを通して、政策実現に向けた今後の取り組みに反映したい。なお、3月末の新規高卒者就職内定率は88.0%と過去10年間で最高水準となったが、未内定者の就職対策に引き続き全力を挙げる必要がある。
2)「就職活動応援セミナー」の開催
全国の連合初となる「就職活動応援セミナー」(今年度3回)を連合北海道として開催した。全国一高い早期離職率や失業に歯止めをかけるため、働いている側から見た仕事や労働条件の実情を紹介し、学生と企業の「ミスマッチ」をできるだけ減らそうという狙いで実施してきた。「出てこい未来の組合員」というキャッチフレーズをもとに、述べ550人の学生が参加し、大いに盛り上がった。
 就職活動応援セミナーは、「就職(内定)がゴールではなく、スタート」として、学校の就職課からの強い要望により、「学校」から「職場」への円滑な移行、すなわち、ミスマッチ対策を図るために、連合北海道だからできるセミナーとして誕生した。
 連合本部においても、メーデー式典と並行し、就職活動に取り組む人への行事「学生×労働組合 本音で話します!」を開催するなど、全国的な取り組みにも繋がったことは評価できるものである。
 北海道における大学新卒者の3年以内の離職率は、34.5%(全国平均29.9%)と3人に1人に上る実態にある。今回のセミナーへ参加した学生によるアンケート結果を見ると、第1部の渋谷先生によるマインドマップにより、就職活動をイメージでき、第2部の各産別役員の協力によるパネルディスカッションで働いた後のイメージ作りができ、他では聞けない話が良かったとの声も多く寄せられた。中には、「私も組合の仕事がしたいです」という声まで出るなど、テレビ取材、工藤会長のラジオ出演などを通じた参加呼びかけなども功を奏して大きな反響を呼んだことは成果といえ、次年度においても、未来の組合員の発掘に向けたセミナー開催にも力が入るところである。

(6)非正規雇用労働者対策の取り組み
道内のパート、有期契約、派遣、季節労働者などの非正規労働者の総数は、推定で約80万人、雇用労働者の約4割を占めている。しかし、雇用が不安定で多くは賃金が低水準であり、また昇給制度もなく、ボーナスや退職金制度、教育訓練等の対象からも除外され、フルタイムで働いても貧困状態から脱却できない労働者の存在が、本道の将来社会に暗い影を落としている。
 この間、連合北海道は、立ち遅れていた非正規労働者の組合員化、組織化を図り、正規労働者と共に生産・サービス活動を担う労働者の仲間として、格差是正や均等待遇の実現を目指し、取り組んできたが、まだ端緒についた段階である。
1)「非正規労働者要求実現統一行動」の展開
 2月14日には、非正規労働者に特化した「非正規労働者要求実現統一行動」を展開した。未組織の非正規労働者の貧困と格差是正を求める世論を喚起するため、13の経済産業団体に対して、処遇改善を促す要請行動を実施したが、引き続き処遇改善と組織化を連動した取り組みを展開していく必要がある。
 3月2日に、経済6団体(道経済連合会、道商工会議所連合会、道経済同友会、道中小企業団体中央会、道商工会連合会、道経営者協会)や労働局、北海道に対して、「すべての労働者の賃金・労働条件改善等に関する要請書」等を提出し、2012春季生活闘争を全労働者の課題として位置付けていることをアピールし処遇等改善を求めてきた。
 要請行動を通じて寄せられた声は、北海道及び労働局の関係審議会などで意見反映してきたが、引き続き、非正規労働者の処遇改善と組織化を連動した取り組みに反映していく。
世論喚起という点では、マスコミに対するPRは十分ではなかったことを受け止め、今後の取り組みの教訓としたい。
【要請先】
(a)北海道経営者協会、(b)北海道商工会議所連合会、(c)北海道商工会連合会、(d)北海道中小企業団体中央会、(e)北海道建設業協会、(f)北海道機械工業会、(g)北海道食品産業協議会、(h)北海道商店街振興組合、(i)北海道ビルメンテナンス協会、(j)JA中央会、(k)北海道指導漁業協同組合、(l)日本人材派遣協会北海道協議会、(m)コールセンター会社
2)「官製ワーキングプア解消」に向けた取り組み
 地協・地区連合と官公部門連絡会が連携して取り組むこととしていた「官製ワーキングプアの解消と雇用の安定を求める全道統一要請行動」は、86自治体(昨年68)の訪問結果となった。各自治体の要請状況では、留萌地協、日高地協が全自治体の要請行動を展開できたことは評価できるものである。また、上川地協、網走地協、十勝地協においても、これまで以上の自治体要請を展開できたことも努力の成果と言える。一方、不十分な結果となった地域においては、官公部門連絡会の産別との連携を含めて、次年度の「要請行動のあり方」を検討する中でその対処方針を議論していくこととしたい。
 自治体財政の悪化等を理由に、非常勤職員化やアウトソーシングが進められているが、一方で、自治体業務の量や質、住民サービスの更なる向上も求められている。結果、超勤手当の上限カットやサービス残業やむなしの雰囲気が続く中で、非正規労働者も正規職員並みの業務・業務量や責任まで求められている。公務職場でも増加が続く非正規労働者の処遇改善は喫緊の課題である。
 自治体要請を通して、同じ屋根の下で同じく働く非正規労働者や公契約下の企業・団体で働く労働者の実態、地場・中小を含めた地域の労働者の実態を考え合う機会を作るとともに、地協・地区連合の連携を更に強めて取り組みを継続する必要がある。
3)「非正規労働者(パートタイム等)に係る待遇改善・組織化調査票」の取り組み
 「パートタイム労働者等の待遇改善・組織化調査(単組アンケート)」については、昨年、東日本大震災の影響もあってアンケート集約自体も中断したことから、87組合の集約に止まったため、今季も再度の取り組みとした課題である。その集約状況は、109単組という結果となっているが、引き続き、未提出の単組、地協からの報告を促すことを提起している。
 この間、5月の産業別部門連絡会や中小・パート労働条件委員会並びに、各構成産別・単組、地協・地区連合の機関会議などを通じて議論を深めることができたことは今後の財産に繋がるものと考える。
引き続き、来季の春季生活闘争の方針確立に向けて、各産別・単組、地協においては、分析結果を参考にしながら、議論を継続し、(a)労働条件改善に向けた取り組み、(b)組織化の取り組みなどを通じて、非正規労働者の処遇改善好事例や組織化の取り組みを進めていく。
4)「非正規労働者の処遇改善に関する全単組 統一要求・要請書」提出の取り組み
 「統一要求・要請書提出」の取り組み結果について、アンケート調査を実施した。残念ながら32単組の報告しかなかったが、その内容を見ると、賃上げを要求したのはサービス・流通連合やUIゼンセン同盟の単組を中心に16単組、うち12単組で賃上げが実現している。また、7単組で、賃上げに関する組織内議論はしたものの今年の賃上げ要求は見送られたという報告を受けた。加えて、要求しなかった単組は、「非正規労働者を組織化していないから」と回答している。次に、一時金については、6単組で要求し4単組で妥結している。パートタイマーの勤務時間も様々なため、夏の一時金2万円から1.5ヶ月と幅はあるものの、何らかの形で非正規労働者へ一時金や評価給の導入を目指す傾向が見られた。
 一方、賃金以外の要求では、慶弔休暇の有給化や、正社員登用、期間の定めのない雇用への変更の要求など、処遇改善へのアプローチが散見された。しかし、不安定な雇用情勢を反映してなのか、使用者からは、正社員への登用は行うが不定期や人数は固定化できないなどの回答にとどまっている。形骸化されがちな契約更改をきちんと実施することが、労働条件の見直しや点検につながることから、複数単組で契約更新面談の完全実施を要求したことは評価したい。
 今回は、不十分な調査把握となったが、次年度に向けて、構成産別(単組)、地協、地区連合が連携を図りながら、非正規労働者に係る要求書を提出し回答を得るよう取り組みを強化していく必要がある。
5)公契約条例、公共サービス基本法に関して 
 公契約条例の制定は、2009年に千葉県野田市で条例化がされ、翌年には労働条項を盛り込んで神奈川県川崎市で条例化となり、2011年、相模原市(神奈川県)、東京の多摩市と続き、また、今年6月に東京都渋谷区及び国分寺市でも条例化され、全国で6例目まで実現され、神奈川県厚木市も年内に条例化の動きとなっている。
 札幌市の公契約条例案は、2月14日に開会した定例市議会へ提案されたが、一部関係業界などの反発を受け、継続審議となった。その背景には、同条例が適用される建設、清掃、警備などの業界団体が「公共事業の減少で経営が苦しく、賃上げの余力がない」「受注業者が下請け業者の賃金チェックまで行うのは難しい」などを理由に反対。自民、公明など野党各党からも慎重論が強まったとしている。札幌市は、業界団体の要望を受け、4月以降、公契約条例を施行した際の事務処理を確認・検証する「モデル事業」(工事…予定価格1億円以上の7工事)を行い、来年度からの条例施行を目指している。
 一方、この間、札幌地区連合が中心となって、2月8日に「札幌市公契約条例の制定を求める会(計8団体)」を結成し、札幌市長、市議会各会派要請、街頭宣伝行動を展開し、また、3月13日にはパネルディスカッション形式による「札幌市公契約条例を考える市民集会」を開催し、労働者に適正な賃金を確保することを定めた条例制定を実現するよう求めてきた。
 引き続き、札幌地区連合と連携を図りながら、来年度当初からの施行に向けて、取り組みを展開していくとともに、官公部門連絡会の関係産別と連携を図りながら、全道的な大衆行動を展開していく必要がある。
春季生活闘争の取り組みでは、自治労北海道本部主催のセミナーにおいて、札幌市の担当者を講師に招き「札幌市公契約条例(案)」の学習会を開催するとともに、連合北海道の「社会的キャンペーン」による各自治体要請行動の中で、各首長からは、公契約条例の制定に向けて検討していることや札幌市の動向を注視するとの考え方が表明されている。
 札幌市の公契約条例の制定は、道内の自治体への大きな波及効果をもたらすものであり、また、公契約下の労働者の労働条件の底上げに繋がるものであり、全体の取り組みとして展開する必要がある。
今次闘争では、「連合本部の公契約条例モデル(案)」の活用が十分でなかったことを反省しつつ、今後、このモデル(案)を参考にしながら学習会などを開催していく。

(7)最低賃金引き上げの取り組み
1)企業内最低賃金
 今次春季生活闘争では、全労働者を対象に底上げを図る取り組みを推進していく観点からも、労働組合の社会的責務として、企業内最低賃金協定の締結拡大と水準の引き上げに向けた取り組みに全力を傾注していくことを提起した。
 連合北海道は、2月20日に、第1回最低賃金対策委員会を開催し、2012最低賃金の取り組み方針について確認した。特に、「連合リビングウェイジ時間額(北海道は870円)」、高卒初任給を目安にした賃金水準やセーフティネットとして実効性の高い水準を目指すこととし、また、特定最低賃金の改定にあたっては、地域別最賃を上回る水準の維持が求められる。地域別最低賃金は生活保護費との乖離解消(17円)が残されており、産業別最低賃金との差が縮まっていることが懸念されるため、新設・拡大、企業内最低賃金協定の締結の取り組みと合わせ議論を豊富化することとした。
 今次闘争では、企業内最低賃金協定の締結拡大を要求し、すべての単組で企業内最賃を締結した産別があったことや、ようやく交渉のテーブルにつき議論を開始した単組、わずかながらでも評価制度で時給が上がる仕組みとなった単組など、十分とは言えないが取り組みの成果があったことは評価できる。一方、水準についても、地域最賃+10円〜+55円という一定の取り組みの成果が出た単組もあったことは評価できる。引き続き、取り組みの好事例として参考にしながら、水準引き上げに向けた取り組みに全力を傾注していく。
2)北海道地域最低賃金
 中央最低賃金審議会は、6月26日から4回の小委員会審議を経て、7月26日の審議会には小委員報告(公益委員見解)をもって答申とされた。Aランクは5円、B・C・Dランクは各4円の目安とし、生活保護水準とのかい離がある11都道府県は原則2年以内に解消する、との目安が示された。
 また、北海道地方最低賃金審議会は、6月4日を皮切りに計4回開催し、専門部会も計7回の審議を重ねて来た。
 労働側は、生活保護とのかい離額を5年以内で解消すると合意した期間の最終年に当たることから、本年度で生活保護費とのかい離30円を解消し、雇用戦略対話合意の800円、1,000円への引き上げに向けた道筋を付けることを主張した。しかし、労使の主張に隔たりが大きく、公益委員より「総合的な判断から今年は14円を引き上げ、中賃目安の残り1年での乖離解消方向は維持する」との申し出があったことから採決に臨み、賛成多数で14円引き上げ、719円とすることを決定し労働局長に答申した。
 今回の引き上げに伴い、影響率は、全労働者で12.9%(昨年10.1%)、パートに至っては33.5%(昨年26.7%)とされている。地域最低賃金が多くの労働者に影響することを重く受け止め、「自立可能な賃金確保」を目指すとともに、履行確保に向けた全道一斉街頭宣伝行動(チラシ配布)や連合北海道、地協・地区連合が一体となり、今回初めて、関係団体及び自治体に対する要請行動を展開してきたことは評価できるものである。引き続き、次年度において生活保護とのかい離解消が図られるよう道民世論の喚起に向けた取り組みを展開していく必要がある。
3)特定(産業別)最低賃金
 地域最低賃金審議終了後、関係業種の最低賃金改正必要有りとの確認を受け、9月18日に4業種合同の専門部会が開催され、以降、3〜4回にわたる専門部会において金額審議を重ねてきた。
 連合北海道最賃対策委員会は、特定最賃の意義と役割について、労使間で共通認識を持ち、優秀な人材の維持・確保を求め、そこに働く人たちの処遇改善のために、地賃比115〜120%の優位性確保を目標として進めてきたが、昨年同様厳しい結果となった。今後とも特定最賃の取り組み強化を目指すこととする。

2012特定(産業別)最低賃金4業種 引上目標
業種   現行  地賃額  地賃比率  目標額  引上額  引上率
鉄 鋼  823  719   120%    863    40   4.86%
電 機  767  719   115%    826    59    7.69%
食 品  772   719   115%    826    54   6.99%
造 船  768   719   115%    826    58   7.55%

2012特定(産業別)最低賃金審議決定状況
業種   時間額   引上額  引上率    地賃比率   部会採決日   発効日
鉄 鋼  832円    9円   1.09%   115.7%   10月3日    12月1日
電 機  776円    9円   1.17%   107.9%   10月4日    12月2日
食 品  781円    9円   1.17%   108.6%   10月5日    12月5日
造 船  777円    9円   1.17%   108.1%   10月3日    12月1日

3.政策・制度要求の実現に向けた取り組み
 運動の両輪である「政策・制度実現」に向けては、昨年12月末に、「働くことを軸とする安心社会の実現に向けた取り組み」として、道財政再建・地方財政確立、労働者派遣法改正をはじめとする法案の早期成立に向けた諸行動を提起し、また、「全ての労働者の処遇改善」に向けて、道・労働局・経営6団体などへの要請行動を展開するとともに、「季節労働者」などの課題解決に向け、各種取り組みと関係機関への意見反映を強めた。

(1)労働関係法制実現に向けた取り組み
1)連合北海道は、昨年10月の定期大会で「労働者派遣法改正法案の早期成立を求める特別決議」を全会 一致で採択し、その後、各地協において、道内選出国会議員に対する要請行動を取り組みながら、改正法案の早期成立を求めてきた。労働者派遣法改正は、8年掛かりの課題であり、連合北海道は、「登録型派遣」及び「製造業務派遣」の原則禁止の規定を含めた「政府案」=「連合案」の早期成立を目指して行動を展開した。
 この法案は非正規労働者固有の問題としてだけではなく、全ての働く者、さらには社会全体の改善につながる課題と位置付けて、「働くことを軸とする安心社会の実現をめざした全道街頭宣伝行動」を今年1月16日〜20日の集中期間を設け、全道各地で展開してきた。この行動では、道財政再建・地方財政確立、社会保障・税の一体改革の実現に向けた政策・制度課題(通常国会の法案内容)のチラシ(5万6千枚)を作成し、連合北海道推薦議員団と連携を図りながら、街頭宣伝と配布行動を展開し、広く道民に訴えることができたことは成果といえる。
2)また、昨年暮から今年1月通常国会開会前の期間で、連合北海道、地協による道内選出国会議員に対する政策・制度の確立を求める要請行動を展開し、(a)全世代支援型で持続可能な社会保障と税の一体改革、(b)連合が求める労働者派遣法改正法案の実現、(c)給与特例法案と公務員制度改革関連四法案のセットによる成立、(d)3事業一体と経営の安定をめざす再編となる郵政改革法案の実現、(e)低所得・不安定雇用を無くすための労働契約法改正案、パートタイム労働法の早期成立、(f)希望者全員の65歳までの雇用を義務化する高年齢者雇用安定法の成立、(g)地域公共交通の確保や生活移動を保障するための交通基本法の早期成立の課題実現に向けて、連合北海道、地協が一体となって要請行動を取り組めたことも評価できるものである。
 6月17日には、「タクシー事業法の実現」に向けて、全国初となる「連合北海道ハイタク政策実現集会」とタクシー50台による札幌市内の車両パレードを4年振りに実施してきた。加えて、7月29日にも「バス・フォーラムin北海道」を6年振りに開催し、「交通基本法」の実現は勿論のこと、規制緩和の弊害により起きた関越道事故の教訓を生かして、現在の規制緩和を考え合うパネルディスカッション形式による集会を成功裡に開催できたことは成果といえる。
3)これらの取り組みを通じて、(a)「改正労働者派遣法」が、3月28日に一部修正の上、民主・自民・公明三党などの賛成多数で可決・成立し、10月1日から施行となった。また、(b)「改正労働契約法」も、8月3日に成立し、同月10日に公布され、無期労働契約への転換規定などが2013年4月1日からスタートする。加えて、(c)「高年齢者雇用安定法改正法案」は、今年3月に国会へ提出され、一部修正の上、可決・成立し、来年4月から施行されることとなった。
 「ねじれ国会」の下にあるとはいえ、上記労働関連3法案が改正されたことは、非正規労働者の雇用の安定や処遇の改善、希望者全員の65歳までの雇用確保措置の義務づけなど、いずれも労働者保護に資する重要な内容であり、通常国会での成立は評価できる。
引き続き、残された課題に対して、必要な大衆行動を展開しながら、労働関係法制の早期実現をめざしていく必要がある。

(2)公務員制度改革関連四法案実現に向けた取り組み
1)2011年6月に総務省と公務員連絡会で決着した「給与特例法案(2013年度末まで平均7.8%引き下げ)」と「公務員制度改革関連四法案」は、菅前政権が連合や公務員連絡会と、同時に成立させるという約束事項であった。
 その後、政府は、10月25日に人事院勧告の実施見送り方針を決定したが、連合は、政府との定期協議会(2011年10月20日)の中で、政府側に両法案を一体で成立させるよう再度申し入れた。しかし、自民党(将来的に給与引上げにの圧力につながる)、公明党(慎重)の抵抗により、臨時国会での可決・成立に至らなかったことは極めて残念である。
2)公務員の労働基本権の回復は、60年余の公務労働運動の悲願であると同時に、民間における労働協約締結権の更なる確立にも繋がるものである。
 このため連合北海道は、2月21日に、公務労協各産別(単組)、各地協事務局長にも参加を呼び掛け、放送大学の道幸教授を講師に、「公務員労働関係法制の将来展望」と題した「連合北海道公務労協 公務員制度改革学習会」を180人を超える参加を得て開催してきた。
 また、道内選出国会議員や民主党北海道への要請行動を展開するとともに、連合北海道公務労協の仲間が、春季生活闘争地域討論集会の中で、公務員制度改革の必要性を訴え、共有化を図ったことは評価できる。
3)しかし、2月29日に「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律」が先行して成立した。ねじれ国会や政権運営が混迷を極める中、公務労協は、3月21日「2012春季生活闘争推進!民主的な公務員制度改革と労働基本権の確立を求める中央行動」(3,000人結集)を実施した。
 また、民主党は4月26日に「公務員制度改革・総人件費改革PT、内閣部門、総務部門合同会議」を開催し、関連四法案や地方公務員の労働関係に関する法律案等をめぐる情勢を共有するとともに、今国会での早期審議入り、成立に向け死力を尽くすことが改めて確認された。
 なお、民主党PT会議には、北海道から自治労全道庁労連委員長が出席し、現行勧告制度下で13年以上勧告無視の独自削減が行われている北海道の実態を報告し、協約締結権の付与等の自律的労使関係制度の早期成立に向け喚起を促したことは特筆すべきことである。
4)一方、5月18日、全国知事会が開催され、政府の地方公務員制度改革案に対し、「地方の意向を無視したもので受け入れられない」とする決議を採択し、公務員の身分保障を維持しながら労働基本権を付与するのは公務員優遇であり、国と地方の協議の場で議論することを求めてきた。
 6月26日には各界有識者の意見を把握するための「公務員問題懇話会」が開催され、工藤会長が労働界を代表して意見を述べてきた。
 しかし、国家公務員制度改革関連四法案が成立しなかったことは、極めて遺憾であり、また、政府に強く求めてきた、消防職員への団結権付与を含む地方公務員制度改革法案の提出が見送られたことは極めて重大な問題であり、受け容れがたいものである。
 ねじれ国会や政権運営が混迷を極める中ではあるが、次期臨時国会に向けて、政府・与野党に対して、「国公関連四法案」と消防職員への団結権付与を含む地方公務員制度改革関連法案の成立をめざして、引き続き諸行動を展開し、全力で取り組んでいく。

(3)道財政再建・地方財政確立に向けた取り組み
1)2011年11月25日、北海道職員の給与について、道は来年度以降3年間5.5%の独自削減提案を地公三者共闘の各構成組織へ6度目となる提案を行った。この提案は、今年度限りで給与削減を終了するとしていた労使確認事項を、再びその約束を履行せず、道財政の収支不足の解消を人件費に求めるために提案されたものであった。
 連合北海道は、2006年に、民主党北海道と連携し「地方切り捨てを許すな!地方財政確立道民会議」を設置し、高橋知事に対する申し入れを行った。また、毎年8月に、政策制度要求として、道政に関する「要求と提言」を知事に提出し、道財政の再建に向けて、危機的状況を道民、事業者に分かりやすく説明するとともに、道税収入を確保することや、道職員給与の独自削減は、道職員7万2千人とその家族は勿論のこと、地域への経済的影響に鑑み、人件費削減によらない道財政運営を行うよう求めてきた。
2)連合北海道は、提案内容に対して、地方公務員の給与決定システムが、労働基本権が制約され、その代償措置としての北海道人事委員会の勧告によって決定されている中にあって、その制度を13年間にもわたって反故にし、引き続き、ないがしろにすることは許されるべきものではないこと。一刻も早く道財政危機を克服するためにも、道財政確立に向けて道民運動として取り組んでいく必要があることから、人件費削減によらない財政再建をめざし、冷え込んでいる地域経済の悪化、行政サービスの低下を許さず、希望と安心の社会づくりに向けて取り組むこととした。
3)12月12日、地公三者共闘から要請があり、人件費削減によらない道財政の再建、地方財政確立の観点で、民主党北海道と連携した「地方切り捨てを許すな!地方財政確立道民会議」として取り組みを展開した。具体的な取り組みとしては、(a)地公三者共闘総決起集会への連帯挨拶、(b)北海道知事、教育委員会教育長及び各総合振興局長等への要請行動、(c)地域街宣行動などの取り組みを全地協で展開することができた。道財政再建・地方財政確立の取り組みを通じ、春闘の前段闘争と位置付けて多くの産別・単組・地域の仲間が総決起し、連合の存在意義を発揮できたことは意義深く、大きな成果といえる。引き続き、地方財政確立に向けた取り組みを進めていく。

(4)季節労働者対策
1)現在、ハローワークに登録されている季節労働者数は93,000人と言われているが、この間の通年雇用化施策と産業構造の変化により、季節労働者の仕事・生活は非常に困窮の度を増しているとともに、道季労の組織問題にも大きな影響を与えている。また、仕事の確保・提供、道季労組織の受け皿となっていた各地域の企業組合もその活動に濃淡が生じ始めている。
 2007年10月から通年雇用促進支援事業がスタートし、「通年雇用奨励金」として季節労働者を通年雇用した企業に奨励金を支給する恒久制度が創設された。また、雇用保険特例一時金は、1976(S51)年までは90日分支給、1977(S52)年から50日分に削減され、2007(H19)年から30日分(当面40日分)に削減された。特例一時金10日分の削減で平均5万円、技能講習給付金の廃止で約9万円あわせて14万円の収入減となっている。
2)道内では168市町村が参加し、43協議会で通年雇用化支援事業が展開されている。しかし、建設業自体が縮小傾向にあること、会社が社員の通年雇用に消極的、元会社の倒産などにより季節労働者認定からはずれる人もいる。季節労働者の高齢化に伴い転業希望者が減少しているなど、現行制度と季節労働者ニーズが合わない事態にもなっていることから、事業所での通年雇用促進、自治体での冬期間つなぎ業務発注、協議会の弾力運営などについて、連合推薦国会議員と連携を図りながら、道と労働局に意見反映してきた。
 その結果、運用の一部が変更になったことから、若干とはいえ「地域通年雇用促進協議会」の運営に反映され、通年雇用化の促進、季節労働者個々への支援が強化されるものと期待される。
3)また、道季労の実態把握を昨年12月「季節労働者・企業組合調査」として実施してきた。この調査結果に基づき地協・地区連合、「季節労働者支援センター運営協議会」、「季節・建設労働対策委員会」など意思統一の場をさらに設けながら取り組んでいく必要がある。
 季節労は北海道には無くてはならない業種・職種であり、その数も10万人近くいることから、今後も機会ある毎に実効ある制度となるよう、特に、道季労の当面する重要課題としての(a)特例一時金50日分の復活、(b)短期就労事業の確保、(c)建設業退職金共済制度の改善に向けた意見反映と意思統一に努めるとともに、季節労の組織化に向けた取り組みを展開していく必要がある。

4.組織強化・拡大の取り組み
(1)非正規労働者は1,700万人を超え、ワーキングプアといわれる年収200万円以下の労働者も1,100万人を超えるなど、不安定社会がより深刻化している事態にあり、労働者派遣法の改正をはじめ、有期労働契約の法制化、パートタイム労働法の改正などの重要法案の早期成立に全力を挙げなければならない。同時に、厳しい経済・雇用環境の中では労働者・生活者に寄り添う連合(労組)作りが急務であり、そのためには自らの組織力強化はもとより、外に向かっては労働相談を受け解決する機能、組織化を進めるなどの機能強化が求められる。
(2)連合北海道組織拡大方針、2012春季生活闘争方針に基づき、「中小・パート労働条件委員会」「産業別部門連絡会」の中でも、(a)産別・単組内の組織化、(b)連合未加盟組織の加盟、(c)労働相談からの組織化、新規組合結成を軸に運動を進めてきた。
 昨年の連合北海道定期大会後、2012年9月24日現在、9産別29組合3,593名(内、非正規労働者組合員2,340名 占有率65.1%)となった。
前年同期との比較をしてみると、組織拡大数も伸びており、各構成組織の努力もあり、非正規労働者の拡大が顕著である。組織内の拡大は一朝一夕で出来るものではなく、数年かけて組織化された皆様に感謝申し上げたい。
 組織化の好事例として、今期パート社員を全員組織化した労組からは、組織化した成果として、(a)パート組合員に新規手当が付与された、(b)職場のコミュニケーションが良くなった、(c)組合共済制度に加入できて良かったなどの意見がでていると報告があるなど、労働組合を通じての改善は顕著であったといえる。

5.2013春季生活闘争に向けた取り組み 
具体的には本部方針を受けて北海道方針の提起・確認となるが、別紙「2013春季生活闘争 北海道基本構想(案)」を中心により具体化し、全体が取り組める方針とする。

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